マレーシアのコロナ対策に関してですが、【ほんのちょっとだけ規制緩和】が行われましたが、今後どうなるんですかね。
世界を見てもやっていることはバラバラ。
アメリカやイギリス等、私達が気になる主要国だけを見ていても意味がない。
たとえば、ニュージーランド。たった一人、一人ですよ。感染者が出たら【ロックダウンを決定】です。
デンマークは、10月には【全てのコロナ対策を終了する】とのこと。
ニューヨークは【ワクチンパスポート】がなければ生活できなくなる。
日本は【中途半端な行動制限で効果なし】。
さて、マレーシアはどの国を見て、後を追うんですかね。私には全くわかりません。そもそも各国の状況がまるで違う。
「ニュージーランド」「デンマーク」「アメリカ」「日本」「イギリス」、そしてマレーシアのデータを見てみます。
まずは100万人あたりの死亡者数。7日平均。4月1日~8月16日。
マレーシアの死亡者は世界のトップクラスを独走中。日本の50倍(7日間平均値で)です。
完全ワクチン接種率。
新規陽性者数。この数字もマレーシアは世界のトップを独走中。
デンマークを見ると「世界の優等生」の様に見えますね。ワクチン接種率は高く、死亡者は少なく、もう陽性者を特別扱いしないという考え方。
しかしこのデンマークと日本を比べると不思議なことがわかる。【死亡者も新規陽性者も日本の方が少ない】という点。デンマークのほうが状況は悪いのに、コロナ対策を止める方向を打ち出した。
数字だけ見ると日本は「常にさざなみ程度」なのは去年から同じ。しかし、医療崩壊が言われて大騒ぎ。
死亡者もデンマークのほうが多いのに、デンマークではもうコロナ対策の終了宣言間際。
これは「ワクチンにすべてを掛ける」という政策に見えます。そしてそれはアメリカのニューヨークもそうで、「ワクチンパスポートがなければまともな生活が出来ない」様になる。そしてその方向性はマレーシアも同じ。ところが日本は「行動制限を重視」している。そのくせ、十分な予算はあったのにそれを使って「コロナ病床を増やす」ということをしなかった。ここには「日本医師会と厚労省の闇が存在する」と言われている。
こういう状況を見て、「ワクチン接種率が上がればそれで良いのだ」と判断する一般人も多いですが、それで良いんですかね。
私は全くそうは思っておらず、「ワクチンしか頼るものが無いからワクチンを重視する。そしてもう経済は止められない」という各国の都合、政治判断でしかなくて、「ワクチンが広がれば大丈夫」と考えるのは短絡的に思えます。実際に「次の問題」が見え始めているじゃないですか。
マレーシアのワクチン接種率が上がれば大丈夫なのかどうかは、【実際に数字を見れば良い】だけのことで、今、死亡者も新規陽性者も世界のトップを独走している時点で、「ワクチンが救世主みたいな楽観論」を考えるべきではないと思います。まだ様子見でしょう。
まず今の時点で明らかなのは「どの国も、今のマレーシアと同じようなワクチン接種率の頃は【死亡者も新規陽性者も少なかった】」という点。これは「ワクチン接種開始が遅かったから」と考えるのも良いですが、理由はそれだけじゃないはず。そもそもマレーシアよりワクチン接種率が低く、なおかつ死亡者も少ない国は多い。これをどう説明します?
こういう世界の国々の中でニュージーランドはとても変わっていますね。「ワクチンの接種率はまだまだ低い」「しかし死亡者も新規陽性者もほぼゼロに近い」。こんな国があるんですね。そして「新規陽性者が一人出た」だけで【都市のロックダウンを決定】です。
規制を緩和しないと経済が動かない。それが非常に重要だと考えるのが普通ですが、ニュージーランドみたいに、たった一人の感染者が出ただけで経済を止めてしまう国もある。
多分、日本の考え方はニュージーランドに近いと思うのですが、規制は中途半端。数字も落ちてこない。人口あたりの病床数は世界一を誇るのに、「コロナ病床は増やさない」ことが今の大騒ぎの原因。「酒を禁止すれば改善するだろう」というわけのわからないことを平気でする日本。
でもマレーシアと比べたら、どの国も羨ましく感じます。マレーシアの死亡者が日本の50倍(7日間平均値で)だなんて信じられます?同じことが日本でも起きたら、どれほどの大騒ぎになるのか。でもマレーシアの住民は従順で、ジッと耐えている。
マレーシアは「ワクチン接種率はそこそこ」「死亡者、新規陽性者は他国のようにはならず現在、世界のトップを独走中」「こんな状態で規制緩和を始めた」。
「ワクチン接種率が上がれば大丈夫で、今、その過程にある」とムヒディン首相は緩和の理由を声明でだしましたよね。
でも今、それを見ても、「ほんとかよ?」と私は思う。この理由ってかなり現実と乖離している【こじつけ】に私には聞こえます。
2021年8月13日の記者会見でTanSri Dr Noor Hisham Abdullah保健局長のAlhamdulillahは、7月26日以降のクランバレーでのOperation Surge Capacityは、すべての年齢層のCOVID-19患者の入院率を示していると述べました。減少。
また、ラブアン連邦直轄領、サラワク州、ネグリスンビラン州、クランバレー州(セランゴール州、WPクアラルンプール、プトラジャヤ)など、いくつかの州で全国COVID-19免疫化プログラム(PICK)から前向きな初期の進展が見られ始めています。昨日初めて、WPラブアンでCOVID-19感染の新しい症例は報告されませんでした。
MOHによって収集されたデータは、これまでに言及されたすべての州が、成人集団((18歳以上))に対するCOVID-19ワクチンの完全な線量範囲で、カテゴリー3から5の症例数の減少を示し始めたことを示しています。 )が40%を超えました。
同時に、病院の危機準備対応センター(CPRC)からのデータは、クランバレーの救急科の状況も改善されたことを示しました。たとえば、クランバレー州のMOH病院の患者病棟に配置されるために救急科で待機している患者の平均数は減少しています。
2021年7月31日現在、救急科で待機している1日の平均患者数は909人でした。アルハムドゥリッラーは、政府の慎重な計画とMOHによる戦略の実施、およびワクチン接種の効果の結果として、2021年8月13日に1日あたりの平均待機患者数は239人に減少しました。
この減少傾向が続き、深刻なCOVID-19症例の負担を軽減し、集中治療室(ICU)への患者の入院を減らすことができることを心から願っています。ただし、ICUでの患者の治療は、通常の病棟よりもはるかに複雑で時間がかかるため、ICUでの患者の収容能力はまだ十分です。
ま、希望をもたせてくれるのは嬉しいですが、私が望むのは「死亡者などの数値の改善」、それのみです。
まずはそこから手を付けて欲しいわけで、今の時点で緩和じゃなんじゃ言うこと自体、世界とはかけ離れていると感じます。緩和を決めた国、ワクチンパスポートを重視する国や都市が出ていますが、それは「それを裏付ける数字」があるじゃないですか。
でもマレーシアにはそれがない。
周回遅れなのに、先を走る国々と同じようなことを考えるのはどうかと思いますわ。
なおかつ、先を走っているイギリスでもアメリカでも「再燃している」のが見えるわけで、それへの対応と、緩和をした整合性が取れない状況になりつつあるんじゃないですかね。世界は「次のステージ」に入りつつある。(後述のイスラエルを見れば、それがはっきりわかる)
イギリスの専門家チームによる「将来」の話ですが、4つのシナリオが考えられると。
1 強毒性の変異株が出てくる。(確実)
2 ワクチンが効かない変異株が出てくる。(確実)
3 治療薬が出てきても、それを超える変異株が出てくる。(確実)
4 ウィルスが弱毒化する。(ただし、長い年月がかかる)
結局、誰しもが口には出さないけれど、心のなかでは想像していたことが起きる、その方向へ行っているのは間違いないと各国のデータ、動きを見ているとそう思うんです。
◎ コロナウィルスを撲滅することは不可能。
◎ 次から次へと違う特性を持った変異株、亜種が出現する。
◎ ワクチンの効力は限定的。
◎ ワクチンが効かない株も出てくる。
◎ 行動規制をいつまでも続けることはできない。
◎ 公的資金による補償も限定的。
「狙うべきことは【医療崩壊を起こさない】こと」のみのような気がします。これはダイアモンドプリンセス号の時から、その対策に入った専門家が言っていたこと。彼のその発言はメディアには乗らなかったですが、私は「とんでもない事を言う」と思ったんですよ。だって「感染者を減らすことが重要」とは言わなかったんですから。
でもあれから一年以上経って、私達にもいろいろわかってきましたよね。
「感染症とはそういうものだ」というのもわかってきた。感染そのものを減らそうとするのは間違い。ただ「医療崩壊を起こさないための一つの手段」として感染は極力抑えるべきだとしても、それが目的じゃない。
結局、今後も新たな脅威と戦うのは、私達個人個人でしかなくて、医療も政府もそれの「手助けをする」というところから出ることはないってことですよね。
私が今感じることは、「私達は全力でコロナと戦ってきた」というより、【コロナとの戦い方を学ぶための予行演習をしてきた】ような気がするってこと。
「ワクチンを打てば大丈夫だ」なんていうのも目先の話でしか無くて、「打たないより打ったほうが良いレベル」。そして今、アメリカやイギリスは「次の段階」に入っている。「新たにワクチンを打つ」ことと、「ワクチンを打っても感染する。感染を広げる」のは受け入れなくてならないのはもうすでに見えた。
しかしそこには「ワクチンによって重篤者、死亡者は減っている」というのが大前提にあるはずだけれど、そして世界はそういう風に「見えた」ときはあったのは間違いないにしても、【なかなかそう簡単には行かない】のが昨今のアメリカ、イギリスを見るとわかってくる。(後述の、優等生だったイスラエルの現在の数字を見てください)
各国はとんでもない額の公金をコロナ対策でつぎ込んできたけれど、それでもコロナを止めることは出来ていない。たった一人の感染者が出ただけでロックダウンを決めたニュージーランドとて、感染者が出るたびにロックダウンはできなくなるのは明白。そして公金による補償も出し続ければ国が破綻する。
でも私は思うんですよ。国は私達がコロナと戦うための予行演習の費用を負担してくれたと。
これからは全て自己責任の世界が近づいていると思う。
私は「ワクチンパスポート」も自己責任化への一歩じゃないかと思うようになりました。
規制緩和しろという人たちに対しては、ワクチンパスポートは良いはず。仕事やサービスを提供する側も助かるし、利用したい側も助かる。政府としては「あなた達が望むことを決めました」と言えるし、今の時点でワクチン以外、政府に出来ることは無いのもわかっているわけだから。(治療薬・予防薬はワクチンの後の話)
そしてですね、これを指摘する人の話はまだ聞いたことがないのだけれど、ワクチンパスポートこそが、「ワクチンを打たない人を守るただ一つの手段」だと思うんです。ワクチンを打たない理由はいろいろあるわけですが、ワクチンパスポートを作らないと、ワクチンを打たない人たちも一律に野に放たれることになる。でもワクチンパスポートを利用すれば「行動制限を掛ける、外す」ことが出来る。「ワクチンを打っていない人にはXXXを許可しない」という考え方ではなくて、「ワクチンを打っていない人は近づかないほうが良い」というのを制度化したのと同じことで、それこそが「いつか規制を緩和して行く方向にならざるを得ない政府としての善意」かも知れない。
ワクチンパスポートを「差別だ」と騒ぐ人は多いけれど、それは「持っている人を優遇する」のは一面であって、「持たない人を助ける仕組み」と考えることも出来るはず。差別ではなくて「区別が必要」なことっていくらでもあって、たとえば男女差別は駄目にしろ、男女の区別もなくして「一緒に温泉に入る」のが良いのか?って話。
世界は「ワクチンパスポートの導入」に動いているけれど、そもそも【抗体の強弱は様々】で、なおかつ【抗体は短期間に減少する】という【事実】に重点を置いた議論を私は聞いたことがない。おかしいじゃないですか。
出すとしたら「ワクチンパスポート」ではなくて、個々の抗体を検査して【抗体パスポート】を出すのなら話はわかる。そしてそのパスポートの有効期限はせいぜい【3ヶ月から6ヶ月】じゃないんですかね。
しかしまぁ、このマレーシアの数字、どうにかならないもんなんですかね~。
死亡者数。世界でぶっちぎりのダントツ。(アメリカやイギリスの動きにも注目)
ありゃりゃ、優等生だったはずのイスラエルですが、どんどん死亡者数が増えていますね。
さて、イスラエルの新規陽性者数はどうなっているのか。
あら~~~、マレーシアも抜いた。
イスラエルって、ワクチン接種も世界のトップを走っていた優等生なのが今ではこんな。一体どうなっている?
「新規陽性者が増えても関知しない」なんて偉ぶっていても、現実は「死亡者もどんどん増えている」じゃないですか。
ワクチンを打ったから\(^o^)/とか、ワクチンが広まればどうにかなると思っている人は、こういう世界のデータを見てから喋って欲しいと思う。
「ワクチンを打てば重篤者、死亡者数も減る」というのは7月までの話。8月に入ってからの動きを見てください。死亡者が大きく増えている国は少なくない。
ワクチンは駄目だとは思わない。でも「打たないより打ったほうが良い」レベルを超えているとは私には思えず。
我らが敵は想像以上に強い。
私達は不安にかられるからと言って、信じたい良い話ばかりに目を向けているともっと酷いことになると思う。
私達が欲しいのは「改善した数値」であって「甘い言葉や期待」ではない。
人類はこれほどやられっぱなしなのに、未だにワクチンの話しか出てこない。
マレーシアでのイベルメクチン治験はその後どうなったのだろうか。カナダの点鼻薬はその後話が進んでいるのだろうか。情報は無し。
コロナとの戦いは「第一章第一幕が終わり、第二幕が始まったばかり」に思えるのは私だけなんだろうか。第一章第一幕は、コロナにやられっぱなしで人類は逃げ回るだけだった。しかし第二幕では【ワクチンという戦う道具を手に入れて反撃】。そこで一進一退が始まったばかり。しかしそのワクチンとて完璧ではないのがもうすでに見え始めている状態。先発隊で素晴らしい結果を出していたイスラエルも大きく押し戻されてしまった。
さてこの次の展開は?
私達はその動きを想像しつつ【身の振り方】を決めるべきで、「いつか昔に戻るのを待つ」のが良いとは全く思えず。
インドで起きた「奇跡のような変化の原因」をもっと掘り下げて調べてほしいなぁ。インドは「地獄の縁から突然の生還を果たした」わけだけど、その後、数値の改善はそのまま進んでいて(死亡者も新規陽性者も減り続けている)、【再燃する傾向は出ていない】。まさに奇跡は続いている状態。マレーシアとは真逆の動き。
「ハイテク技術のみが世界を救う」なんて妄想は捨てたほうが良いんじゃないですかね。
ハイテク技術じゃないと「お金儲けにならない」のはわかるけれど、真面目な科学者には頑張ってほしい。
上の数々のグラフは、「Our World in Data」で作成しました。皆さんの気になる国、項目で様々なグラフが作れますので是非試してみてください。