マレーシアに渡ってくる人たちの目的はそれぞれですが、「海外での所得には課税しない」というマレーシア独特の税制に惹かれて渡ってきた人は少なくないですよね。
でも2022年から「課税されるかもしれない」情報が読者から寄せられました。
ただこの内容も、新MM2Hビザのときと同じ様に、細かなことがわからないのね。かなり大雑把なニュースだと私は感じます。
Income tax to be levied on foreign source income received by tax residents of Malaysia from 1 January 2022. #Bajet2022 #KeluargaMalaysia #MakmurSejahtera
— EY Malaysia (@EY_Malaysia) October 29, 2021
Budget 2022 expects an increase in tax collection, with corp…
ただ、このデロイトのニュースにあるように、(和訳をすると)
予算案では、2022年1月1日以降、マレーシアの居住者が外国から得た所得をマレーシアで受け取った場合、所得税を課すことが提案されています。これは、グローバル・ミニマム・タックスや、欧州連合がマレーシアを「グレー・リスト」に加えたことなど、世界的な動きに対応したものだとシムは述べています。
この部分は十分理解できますし、それが世界の流れですよね。世界の法人税を「最低15%にしよう」ということも話し合われているわけで、「税金逃れのために海外に企業を移す」なんてことが当たり前に行われて良いはずがない。
でも私が思うに、それは「法人の話」かな?みたいな気がしないでもない。
というのは、「海外での所得には課税しない」という私達が受けている恩恵ですが、これは別にMM2Hにのみ与えられて特典ではなくて、マレーシアの居住者全てがそういうことになっている税制。
つまり全国民、全居住者に関係ある話で、「今後は課税します」なんてことになればとんでもない大騒ぎになるんじゃないですかね。
また「課税されない所得」としては、マレーシアで作った【定期預金】もそうですし、そういう金融関係で得た所得には課税されないという恩典もある。
これって「海外の株式に投資」でも、「海外で定期を作る」でも、債券投資、FX投資、ビットコイン投資も同じで、この中には「海外投資」も含まれているじゃないですか。これって私には全くわからなくて、「マレーシア国内で定期預金を作るなら問題なし」で、「海外での定期預金には課税」というのもおかしなもの。
だからこの「金融関係」というのは【除かれる】のかなとも思ったり。これは年金も含まれていないととんでもないことになりますね。現行のMM2Herが日本国から得ている年金に課税されるなんてことになるのかどうか。
「海外不動産投資」なんて海外投資そのものですし、それは「課税対象となる」のかどうか。
また海外投資でも、源泉国で課税される、されない、また税率もいろいろなわけで、マレーシアで今後は課税されることになっても、源泉国と「租税条約」があれば、源泉国で支払った分の「税額控除は行われる」とは思うものの、かなり面倒なことになりそうですね。
どちらにしても細かいことが全くわからなくて、ついこの間の【新MM2Hビザの発表】と同じ様ないい加減さを感じています。
フト思うことは、今の時点では全てのマレーシア居住者は「海外所得には課税されない」ことになっていますが、これが「課税される」ことになるとしたら、あの【新MM2Hの意味が出てくる】ような気がします。
タイの新しい長期滞在ビザの目玉として「海外所得には課税されない」というのがあり、これは多くの人の興味を引くとは思いますが、マレーシアの場合は、すでに誰でもその恩典があるわけで、「新MM2Hのインセンティブとはならない」わけですが、今後はタイのように【新MM2Hを持っていれば非課税】みたいな将来が来ても全くおかしくないと思います。
とは言うものの、世界の動きは「無税、あるいは低率の税金で企業や人を集めるのはやめよう」ということで一致しているのは間違いがないわけで、新MM2Hにしても、タイの新しいビザも問題を抱えることになる。
それどころか、「海外所得には課税しない国」っていろいろあるわけで、それらも今後は変更を迫られる時代に入るんですかね。
私の感覚では「そうなっても不思議じゃない」と思っていて、海外には「課税されない銀行口座」の存在を締め出そうともう20年以上前から積極的に動いているし、タックスヘイブンで有名な国や地域でも口座を開くのはどんどん難しくなっている。
実際に、マレーシアでも「非居住者は口座を開けない」ようになったじゃないですか。
そしてこれからは「次の段階」へと移る動きがあるのかもしれない。つまり、「居住者なら無税というのも駄目だ」と。
法人とは「人」と言う字がつくわけで、個人と同じといえば同じで、【企業の海外所得には課税するけれど、個人にはしない】なんてのは理屈が通らないし、たとえば「何百億もの事業でも、事業主は個人」にすれば無税なんてことが起きたら意味がない。(今は知りませんが、香港では法人化するメリットがなく、あの香港島と九龍を結ぶ地下トンネルの事業主は個人だと聞いて驚いたことがあった)
ま、そのうち詳しい話が出てくるだろうとは思いますが、この案は2022年1月から施行だとのこと。
全く新MM2Hのときと同じですよね。突然、やるぞ~~~ですから。それでいて細かいことは決まっていないみたいな。
どちらにしても今回の件が「全国民、全居住者に関係する」となれば、とんでもない大騒ぎになるはずで、今後の動きを注視しようと思っています。
もう少し具体的なことが見えてきたらマレーシアの税理士に聞いてみるつもりですが、もし「今後は課税」なんてことになれば、「マレーシアからの脱出」を考えなくてはならなくなります。
でも「新MM2Hビザを持っていれば大丈夫」なんてことになるのか。
どちらにしても「いつかマレーシアも【普通の国】になる」んでしょうね。
この件をコメントで教えてくてくれた読者に心から感謝します。m(_ _)m