刺し身好き、受難の日々

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マレーシア在住で刺し身好きの方も多いと思いますが、どうしているんだろうか。

私はというと、ちょっと見えていた光明にも陰りが見えてきたような状態。

刺し身好きにもいろいろあると思うのですが、私の場合は「タコ、イカ、マグロ」があればほぼ問題はなくて、これに「アジ」が加われば完璧。

これがですねぇ、なかなかうまく行かないわけです。

読者の方々の助けがあって購入ルートも広がりましたが、それでもなかなか思う通りには行かない。って、私がケチなだけで和食店で食べることを考えれば安いのだけれど、出費が半端じゃない。

「食べ過ぎなんだよ~~」

そうだろうと思うんですが・・・、あともうちょっとで「満足」というところまで行くのですが、最後のほんの少しを埋めることが出来ず。

タコが大好物で、そこそこ気に入っていて妥協できるものも手に入っていましたが、「段々と質が落ちている」のがわかるんですよ。そこでダメ元で「冷凍・冷蔵のゆでタコ、生ダコ」や「冷凍・冷蔵のミズダコ」を扱っている業者に相談したんですよ。そうしたら特別に「アフリカ産の冷蔵ゆでタコ」を輸入してみましょうかとの良い返事。

アフリカ産?と思う方が多いと思うけれど、実は日本で流通しているマダコのほぼ半数はアフリカ産なんですね。またアフリカというとコンゴや南アフリカを想像しがちですが、マダコが多く捕れるのは地中海に近いモロッコやモーリタニア沖。なぜかあの辺のタコは日本のマダコに近い。

つまり今まで日本から手に入れていたものも、元はアフリカ産の可能性は高いわけで、今更「アフリカ産」とわざわざ言うのになんの意味があるのかと思ったんですが、興味があったのでそれをお願いしてみました。

「美味しい・・・・」

今までマレーシアであちこちから買ってきたマダコとは違う。でもねぇ、私の好みから言うとちょっと茹で過ぎで、そして問題は価格でそれまで買っていた「冷凍の茹で(蒸し)タコ」の2倍の価格。たかがと言っては怒られるだろうけれど、ゆでタコなのにキロ単位RM200を軽く超えてしまう。(┰_┰)

これって「冷蔵の生のマダコ」とほぼ価格は同じで、それなら生のマダコを入手して自分で茹でるなり蒸すなりするほうが「自分の好み」に合わせられるわけでその方が良いと思う。

また皆さんご存知のFocal Marketing では「冷凍のゆでタコ」を売っていて、この品質で良ければ幸せになれるんですが・・。

キロ単価RM90という安さ。でも水っぽくて味が・・・。いわゆる回転寿司のタコ。

うまく行きませんねぇ。

でもきっとマダコを扱う和食店も同じ状況じゃないですかね。タコは所詮タコですから、なかなか高い価格を付けることは難しいはずで、「高いけれど美味しい」が通用する店ならまだしも、私が行くような普及店ではもう美味しいタコは「無い」のが確定したようなものでしょう。

逆に、良いマダコが欲しいとなれば、「日本一と言われる明石のタコ」も輸入可能だそうで、過去にもその例はあったとのこと。でもケース買いをしないとならない様子。

私の少ない「マレーシアの寿司屋の経験」で、タコが美味しいと思ったのはSS15にある「(高級店ではない)寿楽」のみです。

寿楽では「生のミズダコ」を使っていて、マダコじゃないのね。ミズダコって巨大で水っぽいタコで、足一本だけでマダコ一尾ぐらの大きさ。

これを「サッと茹でるだけ」で「生ダコ」の様にして出している寿楽。美味しいと思う。

結局、寿楽がそこに行き着いたのはそういう理由があるからでしょうね。

かつてはこのミズダコとほぼ同じで「冷凍もの」があったんですよ。これはそこそこ美味しくて安くて(ほぼ半額)、これでタコの心配はなくなったと思ったら、ある日ある時、塩っぱくて美味しくないものに変わってしまった。(┰_┰)

これ以上のタコは必要ないとニヤニヤしていたのですが、長続きはしませんでした。

うまく行きませんねぇ。

でも日本の状況を見ていると、タコが凄い値上がりをしている様子。しょうがないですね。

でも逆にマグロ類は「売れない」状態があって業者も困っている様子。でもマレーシアに入ってくるマグロが値下がりするなんてことはない。

それでも「(冷凍ではない)冷蔵ものの本鮪の赤身」はどうにか手が届いて美味しいのですが、買うのは1キロ単位。当然、キロ単価はRM300を軽く超える。(┰_┰)

本マグロの天身。冷凍ではない冷蔵もの。

間違いなく美味しくて文句は一切ないのですが、いくら刺し身好きでも毎日食べたいわけでもないし、約半分は「家の冷凍庫で冷凍する」しかないわけです。でも解凍時には全く違うものになってしまう。(┰_┰)

一ヶ月冷凍したものを解凍しても「劣化、酸化」ははっきりわかるし、そのまま刺し身にしても美味しくない。だから「ちょっと古い刺し身をどう食べるのか」みたいに考えて、しっかりめに「ヅケ」にして卵黄を乗せてごまかすみたいにしないと食べられない。ま、これはこれで美味しいのですが冷凍前の感激は無い。

ここで大事だと思うことは「冷凍ものが駄目」ということではなくて、「冷凍技術の問題」なんですね。近年、冷凍技術はかなり進化していて「昔の冷凍物とは全く違う」状態が維持できて、冷凍物を有名寿司店でも使う時代になっている。ところがその技術がない素人が、ましてや家庭で使う冷凍庫で冷凍しても全く駄目だということ。また冷凍されたものを維持するにも「マイナス60度」という温度が必要で、家庭用はせいぜいマイナス18度からマイナス20度そこそこ。これでは明らかに劣化が進む。だから近年は寿司店でもマイナス60度が維持できる冷凍庫が日本では普及しだしている。

こういう冷凍ものを解凍して使うならどうにかなるにしても、我々素人にはそもそも「ちゃんと冷凍出来ない」し、マイナス60度という大事な維持温度もさることながら「瞬間冷凍」ができないと駄目なんですと。これじゃいくら頑張っても家庭用冷凍庫では無理。つまり、もしマイナス60度の冷凍庫があっても、それは「維持はできる」という意味であって、「冷凍するにはそれ専門の瞬間冷凍機が必要」となるんでしょう。それでも家庭用の冷凍庫よりうまく冷凍できるのは間違いがないから寿司店でも使うようになったのかもね。

逆を言えば、家で冷凍しないとならないのなら、「すでに高い技術で冷凍されているもの」を使うほうが良いということになる。この辺は私にはまだ確証がなくて、いろいろテストをしているところです。また輸入卸業者がマイナス60度の冷凍庫を持っているのかどうかもわからない。でもマイナス30度が維持できればOKという話もある。日本の冷凍業者みたいに(長期の場合は)何年も倉庫に入れておくわけじゃないから。でも家庭用の冷凍庫ではお話にならず。(日本では家庭用でマイナス60度が維持できる冷蔵庫も12万円ぐらいで売り出している。釣り好きに人気がある様子。)

マレーシアで手に入るマグロの話しに戻りますが、皆さんご存知のFocal Marketingでは「インドネシア産のインドマグロ(ミナミマグロ)」を売っているのね。もちろん冷凍で、価格も安い。これって「どこでも売っている冷凍のキハダマグロ」と「美味しい本マグロの赤身」の中間と言っても良くて、これを美味しく食べられれば良いとは思うものの、やっぱり世の中そう簡単には出来ていない。(┰_┰)

見た目は良いんですがね~。当たり外れがある。

でも「おお~、これで十分だ」と思うときもある。最近はハズレばかり引いていますが・・。(┰_┰)

あともうちょっとの溝が埋められません。

日本ならちょっと気の利いたスーパーで1500円ぐらいで買えるようなものでも3倍にはなってしまう。それもそれぞれ1キロ単位で買わなければならないわけで、うまくいきません。

日本在住の方が私が悩みつつ食べている刺身類を見たら「嘘でしょ?こんなレベルで悩んでいるの?」と思うはず。

日本で売っている刺身類ですが、それが普通と思うけれど、実はとんでもない技術と流通管理に支えられているのが海外にいると良くわかります。

じゃぁ、少量でそこそこのものを手に入れることはできないのかというと、できます。ところが価格が半端じゃない。

赤身でさえキロ単価は驚きのRM680。中トロRM980。大トロRM1080。この価格って実は寿司店と似たりよったりだったりする。

要は「お金で解決できる」ってことですね。和食店も超高級な店も結構あるし、お金に糸目をつけなければ簡単に解決する。

でも私はそれに抵抗したいわけです。(笑)

おいしい水を飲みたいとして、「一本、1000円でも2000円でも払っておいしい水を買えば良いじゃないか」というのと同じで、私はそれを受け入れたくないだけ。

こういう状況って25年住んだゴールドコーストでも同じで、ではゴールドコーストではどうしていたのかというと、まず私も40代で行動力もあったし、友人、友人家族も似たようなのが多かったんですよ。だから皆で話を合わせて「共同購入」をしていました。インドマグロの30キロクラスを丸々一尾買ったり、美味しいニュージーランド産のタコがあったのですが、サプライヤーは10キロ単位でしか売らないのね。だから皆で10キロ買って分けたり。

タスマニア産の美味しいウニも買ったっけ。一つの木箱が40センチX40センチぐらいあったような気がします。安くて美味しくて、皆で嫌ってほど食べたけれど、皆、気持ち悪くなっていたっけ。私はあれ以来、好んでうにを食べなくなったなんてこともありました。日本へ輸出用の車海老を養殖業者からまとめて買ったり。

面白かったし、助かりました。

でも今はそんなことをする気も起きないし、一緒にやろうぜ~~なんていう友人もいない。

たまにLineでシドニーの息子と話をすると、「シドニーにおいでよ~~~」といつもいう。私と釣りをしたいのだそうだ。アジが好きなら「一時間以内に釣って返ってこれる」なんていうし、いつもこんな写真を送ってきます。

シドニーって大都会なのにすぐ横に大自然があるのね。ま、オーストラリアってどこでもそうだけれど・・。

これは「King Fish」。ヒラマサですが、オーストラリアではポピュラーな魚。もちろんお刺身でイケます。

それとシドニーには世界第二の取引高がある魚市場もあって、最近はかなりよくなったらしい。私が行った時には、なんだこんなもんしかないのかって思ったけれど。

私は一体マレーシアで何をしているのかと思うことがあります。

最近、毎日楽しみにしているユーチューブの動画があります。宇部の魚屋さんなんですが、毎日市場に仕入れに行き、店に返ってそれらを捌いて売れるようにするわけですが、毎日毎日そういう動画を延々と出しています。

普通そういう動画に興味がある人って少ないと思うのだけれど、私は毎日毎日その動画を楽しみにしていますし、神経を集中して競りの動きや店での魚さばきを食い入るように見ています。競りで落とされる値段もわかるようになっていておもしろい。

こんなのを見ているから、おかしくなるのかもね。でも自分の魚好きって異常だと思う。

 

日本の魚好きは「旬の美味しい時期に」「天然の」「生きている魚介類」を買って、すぐに食べてコリコリを堪能しようか、半身は熟成させて美味しく食べようかとか、そういうレベルで悩んでいる。

まさに天と地の差がある。

でもマレーシアには希望もあって、「養殖業者が【活け締めの魚】を売っている」のね。これってとんでもなく凄いことだと思うのだけれど、彼らが扱う魚に私は興味を持てない(関東人だからか?)。ハタ系やフエフキダイなどの「白身の魚」。そういう魚に親しみのある人にはバッチリかもしれないけれど、白身といえばヒラメぐらいしか興味がない私には関係のない話。

でも暇がある人は、漁港や市場に行くととんでもなく良い「スマガツオ」や「ヤリイカ」も手に入るけれど、それはギャンブルに近くて常にあるわけじゃない。私の大好きなアジも、こちらでいうIkan Selar(マテアジ)ならどうにか良いものを手に入れることは可能だとは思う。でも基本的にパサパサで刺し身ならどうにかごまかせる程度じゃないかなぁ。

だから日系の和食店はほぼ全て日本からの輸入に頼るわけで、マレーシアには大きな魚市場が何ヶ所かあるけれど、そこで常に仕入れをするという店は無いはず。でもマメな店は市場に通って良い魚を見つけてはそれを扱うこともある様子。

ところで「子持ちのヤリイカ」って抜群に美味しいじゃないですか。ひょんなことで、その時、日本で売っていた子持ちのヤリイカが実はマレーシアから輸入されているというのを知ってびっくり。

そもそも南洋の海には日本人が好きそうな魚はいないと私は経験上、思っているのだけれど、美味しい魚介類は間違いなくマレーシアにもあるんですよね。

諦めずに探そうと思う。(笑)

刺し身に興味がある方はもうすでにご存知だと思いますが、かつてマレーシアの魚を刺し身で食べることに徹底的に拘ったMM2Hの方がいらっしゃった。もう日本に帰国なさっていますが、ブログはそのままで情報満載。ただ、パスワードがないと見れないようになっていて、主にメールを送ってパスワードを入手する必要がある。

私はこのブログはバイブルだと思って、何度も何度も読み直しています。

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