【良いご主人ですね~~】と言われたとヨメさん。
ソラリスの韓国スーパーでの出来事。
ヨメさんと二人で買い物に行き、いつものようにそれぞれがカートを押しながら買い物。私はヨメさんに頼まれたもの+自分が欲しい物をカゴに入れていく。ヨメさんはヨメさんで必要なもの+欲しい物(焼酎とか 笑)をカゴに入れていく。でも不思議なことに「同じものを選んでカゴに入れることはない」のね。
ただ、私はカートを押しながら先に歩くヨメさんの後を着いていくという、侍従みたいな買い物はしたことがない。買い物は私の役目だから一緒に行くことは少ないのだけれど、一緒に行っても売り場ではバラバラに行動するのが我が家の常。
買い物が終わるとレジに行くわけですが、当然、商品をカゴから出して並べたり、スキャンし終わった商品は持っていったバッグに入れたり、そしてそのバッグはレジカウンターの下においたりするわけですよ。韓国スーパーのレジって普通のスーパーみたいに広く長いわけじゃないから、客も手伝わないとスムーズに行きませんものね。
で、私はその商品が詰まったバッグを順次、外に止めてある我が家の車に運ぶ。
これって「決まったルーチン」でしかないのですが、そうする私を見て、レジの韓国人女性がヨメさんに言ったらしいのね。
【良いご主人ですね~~】と。
そう言われたと、帰りの車の中でヨメさんは私に言った。
私は「へ~~」と答えて、そこで会話は止まった。
その後の無言の時間の長さがなんというか、いろいろ考えさせられるわけですよ。
「いつも有難うね~~」なんてヨメさんが言えば、「いやいや、俺は当たり前のことをしているだけ」と答えて丸く収まるわけですが、【何も言葉が続かない】ってのは【レジの女性の言う事にヨメさんは納得していない】ってことかもしれない。(笑)
だとしたら、レジの女性がそういったことを私に黙っていれば良いだけのことで・・・。
まさか、【当たり前のことをしているだけなのに、そんなことを言われたんだ?】という私の言葉をヨメさんは待っていたのか・・・。
もし私がそう言ったら、ヨメさんはなんと答えるつもりだったのかな?
【本当にそうよね。当たり前のことをしただけなのに】とか?(笑)
私は私で、心の中では「そうかぁ、韓国人の旦那はこういうことはしないのか?」と思ったり。そういえば、そもそも買い物に行った時に、私みたいに「ジジーが一人でカートを押しながらごっそり家の必需品を買っている姿ってほとんど見たこと無いなぁ」と気が付いた。女性が一人で買い物をしているのは普通だけれど。
でも買い物に行くときには「土日ははずす」のが普通で、ウィークデイは一般的な男性は仕事に出ているわけで、スーパーをウロウロすることもないのでしょう。
じゃぁ、土日には「旦那衆が一人で買い物をしている」事が多いのかな?夫婦とか、家族連れて買い物をしているのはよく見るけれど・・。
う~~~む、私は、【我が家では分業が決まっているだけ】と思っているのだけれど、何かが違うような気がしないでもない。
我が家ではこうして【常にマウントの取り合い】が起きているわけです。(笑)
そして私は「負け組」・・・。(┰_┰)
恋愛も結婚も「惚れたほうが負け」ってのは真実なんでしょうね~。
ヨメさんによく言われる言葉があるんですよ。「あんたって、今で言えばストーカーだったわよね」って。
そう言われればその通りで、ではヨメさんは「常にストーカーから逃げる立場」だったような気もするわけです。
そんな関係で、どうして結婚したんだ?
「これだけ何でも言うことを聞いて、尽くして、貢いでくれる男なら、将来は安泰」と思ったってか?
でもねぇ、私は私で、「愛してくれなくても一緒にいられるだけで嬉しい」と思っていたのは間違いないわけで、その時点でもう勝敗は決まっていたんでしょう。(笑)
たま~に私はヨメさんに言うんですよ。「俺は愛されたことはない」って。そういう嫌味を言いたいこともあるのね。
でもそれをいうと、ヨメさんは真っ赤になって怒るのが常。
「愛しもしない男の子供を生むわけないじゃない。あんたってバカね」と。
でも私はヨメさんの「好き」とか「愛している」なんて言葉は一度も聞いたことがない。「有難う」もきっと数えるぐらいしか聞いたことがないかもだ。「ごめんなさい」は聞いたことがあったかな?
ヨメさんはバリバリの筋金入りの「九州女」。気の強さ、負けず嫌いは半端じゃない。いや、男に甘いことをいうと調子に乗って主従関係が決まるのを知っているんでしょう。ヨメさんのお母さんは隷属していたと聞いたことがあるし、九州男もハンパじゃない強がりですもんね。
ふと思い出すのは、日本にいる頃に親友と二人で飲みに行ってそこで話したこと。
「愛されて結婚するのと、愛して結婚するのとどちらが幸せか?」
結婚を決める時に、男性も女性も「どちらを選ぶべきか」で悩んだことがある人は少なくないと思うのだけれど、その私の親友は「愛されて結婚する方を選んだ」というのね。その当時、気持ち的にはもっと好きな女性が他にいたと。
その彼の奥さんは、彼が夜中の何時に帰っても「起きて待っている」とのこと。いわゆる「食事もお風呂も用意できています」ってあれね。そしてですね、「外泊しても文句を言わない」らしい。そもそもその話をしたとき、彼は既婚、私はまだ独身で、二人で六本木のパブ、霞町のゲイバーへと「夜が明けるまで飲んだ」んですよ。だからそんな話になったような気がします。(携帯もない時代で、家に電話をかけて「今日は遅くなる」と伝えた形跡もなかった)
で、彼は「失敗だった」というのね。
これって恐ろしいと思ったのだけれど、彼にしてみれば本音だったんでしょう。彼のヨメさんが半端じゃなくかわいそうに思えてきましたっけ。
でも世の中には「それでも幸せ」と思う人がいるのも間違いがない。
「彼、彼女のいない世界なんて考えられない」と。実は私もその口だった。(笑)
私はもうすぐ70歳になるジジーだけれど、いまだにこんなことを考えています。でもそういう話をヨメさんとはもうすることはない。
でもたまにヨメさんのLineに、私の好きな音楽のURLを貼り付けるんですよ。余計なことは書かずにURLを貼り付けるだけ。
それにヨメさんは何の返事も寄越さないし、何も言わないのだけれど、ある時、息子に「オヤジ、ママに何をしたの?メソメソ泣いていたよ」と言われたことがある。
さてさて、ヨメさんはこれらの曲を聞いて何を思ったのか・・・・。
何歳まで生きられるかわからないし、いつ別れが訪れるかもわからないけれど、90歳になっても100歳になっても「あの頃」をいつまでも覚えていると思う。
この思い出があるだけでも私は幸せ。生きていて良かったと思う。
ヨメさん。私の命以上に大切な人。