我が家は日本に頻繁に帰ることもないし、日本とのつながりはかなり希薄ですから日本で何が起きているのかがよくわかりません。
ただ「日本人がかなりのスピードで貧乏になっている」のは世界情勢を見ていればわかる。
となれば「出稼ぎに行く」と考える人が増えるのは当たり前のこと。
かつての日本はそうでしたよね。日本では「長男が家のあとを継ぐ」のが常識で、食えない多くの次男坊や三男坊はハワイやブラジルなどに移民した。オーストラリアもそうで、かつて豪ドルが400円だった頃、多くの日本人が「真珠の養殖」関連で渡ってきたと聞いたことがあります。数年でとんでもない額を稼げたと。
また日本国内でも「農家の閑散期」には「大都会に出て肉体労働をして稼ぐ」なんてのが普通だった時代もある。
食えるうちは良いにしろ、生活が苦しく将来に不安を持っていて「外国に行けば稼げる」となればそうするのが当たり前だと思うんですよ。食えない地方から大都市に移り住むのと何も変わらない。逆に、かつて「日本に出稼ぎに来る外国人」が数年間頑張って自国に帰れば「家を建てられる」なんてのが普通だった。私もフィリピン女性の友人(本業は歌手)がいて、夜は銀座のクラブ、夜中は赤坂のナイトクラブで朝まで働くのがいて、彼女はフィリピンに大きな家を建て、毎月かなりの額の仕送りをしていて、親族一同(働いていない)が彼女の稼ぎを待っているなんてのがいました。
私はそういう時代を覚えていますので、外国に出て働くのは「より大きく稼ぐため」という感覚を持っています。でも近年の日本を見ると、「物価も安く収入も少ない外国(中国やマレーシア)に若者が働きに出る」ことが多く、なんでもっと稼げる国に行かないのか不思議に(今でも)思っています。
でも「お金が全てではない」のはわかりますし、それだけ日本人は幸せになったのかもね。
ある程度の資産や収入を確保した人が「物価も安い海外に出る」のは昔から普通に行われていたことですが・・。MM2Hでマレーシアに多くの老人が渡ってきたのもそれですよね。かつて、戦後は日本がその対象だったのね。その当時に日本に移り住んだ資産家のアメリカ人の友人がいます。
でもやっぱり「稼げる国に出ようとする日本の若者」は多い様子。
37歳。マイアミで寿司店をオープンして、年収8000万円とか。
私も子供の頃、ブラジルに移民する叔父を送りに横浜に行ったのを思い出します。でもその叔父は「寂しさに耐えられない」と5年で帰国。
かつてはこんな感じで、多くの日本人が海外に出ていったのね。「移民船」と呼ばれる船もあった。
当時は「移民とは今生の別れ」を意味していて、港では皆が抱き合い別れを惜しんでいましたっけ。そして「紙テープ」を投げ、お互いがそれを持ち、出来る限りつながっていようとした姿が忘れられません。
まさかこんな時代が再び来るとは思いたくないけれど、「地方から大都会に多くの人が移動した」のはこの数十年、起きていたことだし、「行き先が外国になる」ことがあっても全然おかしくない。
日本の人口減を補うために、政府は安易な移民政策を取っているけれど、「もう日本には魅力がない。他の国へ行く」なんていう外国人が増えているとこの数年いわれていること。(韓国のほうが稼げると聞いたことが何度かある)
給料も上がらず、円安が続けばそれに拍車がかかる訳で、どうなっちゃうんですかね~~。
でもま、円安がいつまでも続くとは思えず。
それには「金融緩和の終了」が必要で、来年の3月に日銀の黒田さんは交代だし、金利が上がり、増税もあるようだし、円安が多少収まったところで庶民の生活がどうなるかはわからない。
日本のインフレは他の外国とは違って、「コストプッシュインフレが主」なわけで、決して景気が良くなってインフレになったわけじゃない。それなのに金利を上げたらどうなるのか。
私はバブルの崩壊を思い出すんですよ。あの当時は、株や不動産がとんでもない値上がりをした。だから「インフレが酷かった」という人が多いけれど、実はインフレ率は大したことはなかったのね。だから株と不動産の熱狂を収めればよかったのに、日銀(財務省)は【全体に冷水を掛けてしまった】のね。それから日本は長い長いトンネルに入り、リーマンショックの対応も駄目で他国のように金融緩和をしなかったから、日本円の流通量は相対的に減り、未曾有の【円高】に突入。そして多くの製造業が海外に出てしまった。
そして今回、景気が悪いのにインフレ抑制だ、円安是正だと「金融引締」「利上げ」に動くと日本はどうなるのか。私は「バブルの崩壊」「リーマンショック」のときの悪夢を思い出すわけです。
やっぱりここは「大型減税」なり「大型の財政出動」が良いと思うし、そう主張する政治家は自民党内にも多数いる。インフレであることのまえに「需要が低迷している」のをどうにかしないと何をしても無駄じゃないですかね。
でも岸田政権は知らん顔。「原資がない」と財務省が言う論拠を踏襲するばかり。それどころか増税の準備をしているのがミエミエ。円安で40兆円以上の含み益を得ている外為特会もそのまま温存すると国会で答弁した。でも必要なお金は「国民、市場から吸い上げる」のね。
今後どうなってもその責任は国民にある。あの岸田さんを支持し、追い落とそうとしないのだから。
自業自得。
実は私が気になっているのはそこじゃなくて、米国が中国締め出しに本気で動き出しましたよね。でも岸田政権は親中、媚中。そもそも彼の派閥の宏池会は50年もの年季の入った親中派。そうではないとしても「米国に追従する動きはない」。
そのうち、日本の大企業も米国市場から追い出されたりするんじゃないですかね。米国が決めた法律をちゃんと読めば、日本の多くの企業もヤバくなるのはアホでもわかる。でもま、それは「企業が自分で考えて決めろ」ってことなんでしょうね。
日本って昔から行動が世界と違っていて、あの「天安門事件」の時には本当に驚きました。「とんでもない人権、人命無視の弾圧をする中国を許さない」と世界がまとまった時に、日本は中国に手を差し伸べて、「天皇訪中」までやってしまった。
それで「世界の流れが一気に変わった」のね。そして日本は中国の発展に力を注いで中国は勢いに乗って伸びた。新幹線もそう。
でも中国は日本に恩義を感じることもなく、ジワジワと日本に迫ってくる。
日本人は中国の企業買収も出来ないし、土地を買うことも出来ない。でも中国人、中国企業は日本企業を買収し、要所要所の土地を買いまくっている。
尖閣は必ず取ると中国は公言するし、そもそも「沖縄は日本の領土ではない」と主張しているのを日本人は知っているんだろうか。中国がそう主張するということは「それに沿って行動する」わけで、「まさかねぇ・・」とボーっとしていると何がおきるかわからない。
中国はあからさまな侵略をして、チベット、ウィグル、南モンゴルを手中におさめ、人権弾圧どころか「ジェノサイド、民族浄化」を推し進めている。これを無視していた世界はやっと動きだしたけれど、日本は中国に対し文句も言わないし「他国のような中国を名指しした非難決議」も決められない。
安倍元総理大臣の国葬においては、「台湾を排除する」ために外務省、林大臣があの手この手を使ったのもバレたし、沖縄県知事は渦中にあるのに中国には絶対に文句を言わず、「沖縄を日本から、アメリカから取り戻そう」という意味不明な人。
日本って一体どうなりたいのか、どうしたいのかが私にはさっぱり理解できないでいます。経済的にもどうしたいのかもわからない。ただただ「財政健全化」だけは声を大きくして言う。
岸田政権には、私はビジョンが全く感じられないし、なぜ支持率が高いのかもわからない。
不思議な国、ニッポン。大海を彷徨うだけの幽霊船みたいに思えます。