米ドル建て債券を買おうと思うのだけれど、難しい・・・

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今年の7月に、利回りが良くなった米ドル建ての債券を買ったのはここに書いた通り。

その後、キャッシュが寝ていますのでまた買おうと思っているのですが、選ぶのが難しいです。

7月の時点では、こんな利回りの債券がありました。永久劣後債。

BNP PARIBAS BBB- 7.67%
LLOYDS BANKING GROUP PL BB- 7.68%
UBS GROUP AG BB+ 6.45%
HSBC HOLDINGS PLC N.A. 6.90%
BARCLAYS PLC B+ 7.68%
AUST & NZ BANKING GRP/UK BBB- 6.60%

私は平均で7%を確保できたのでこれで問題はないのですが、その後、アメリカの金利は上がり続けて債権の利回りもより一層よくなってきた。

私がベンチマークとしているのはアメリカの10年もの国債ですが、こんな感じ。

これにつられて債券の利回りも上がっています。

BNP PARIBASは8.85% (7月の時点では7.68%)
LLOYDS BANKING GROUP PLは9.41% (7.68%)
HSBC HOLDINGS PLC N.A.は9.10% (6.90%)
BARCLAYS PLCは10.52% (7.68%)

で、私が投資適格と考えている中でも10%超えが出てきた。(楽天のドル建て永久劣後債も10%を超えてきた)

こういう利回りって、米ドル建て債券を持つようになったこの15年間の中でもこれほどの利率を見た覚えがありません。

これって凄くて、「税引きの手取りで9%以上で回る」のは異常なくらいで、是非とも【長い期間】で持ちたいと思うのですがなかなかそううまくは行かないんですね。これらの債券は永久債(Perpetual)ですが、永久にこの利回りで持てるなら最高ですが、コールの日付は全て2024年か2025年で、その時にコールされれば償還となる(その確率はほぼ100%)。

つまり、今から2-3年の期間の利回りでしか無いということ。

では5年とかもっと長い期間ならどうなるかというと、軒並み7%以下にまで落ちてしまう。

つまり市場は「高金利は長続きはしない」と読んでいるわけですね。でもまそれは妥当で、今の時点でも「世界はリセッションに入る」と言われていて、当然、その時には高金利を維持するなんてことはありえない。

どうしますかね。

5年ものだと6%台ということは、2-3年後にはもっと利回りは低くなっていると言うことですよね。「今の高金利」と「2-3年後の金利」を合わせたものが「今の5年ものの利回り」と考えられる。

2-3年後に償還される「今は高利回りの債券」を買うべきか。この場合、次に買うべき債券に高利回りのものは無く、かなり利回りは下がると予想される。だったら「5年後に償還される中利回りの債券」を買うべきか。

ま、この辺は分散させるのが良いとは思うものの、私はこれからは激動の世界となると読んでいますから、「私の5年後の予想はことごとく外れる」ことになると考えています。

また「債券のクーポン狙い」ではなくて、「債券そのものの値上がりを狙う」のもありですね。まだアメリカは金利を上げるようですが、債権の利回りが上がるということは「債券そのもの値が下がる」ことを意味していて、今後はリセッションの懸念があって「いつまでも高金利は続かない」ということは「債券の値が上がる」ことを意味する。

だから「償還、あるいはコールまで待たない」で、そこそこ値が上がった時点で、その時点でそこそこの利回りの長い債券に乗り換えるのもありかもね。でもそんなことはやったことがないのだけれど、市場の動きを見てそれも考えてみようと思っています。

つまり、この2-3年でも「確保できるものは確保したほうが良い」のではないかと。そして「3ヶ月」程度の期間で効率もそこそこで回るのなら、「それにもある程度回して、いつでも出撃できる余裕を持つ」のも大事だと思います。これからリセッションに入る。そしてロシアも中国も何をしだすか見えない今、「とんでもない買い場」があるかもしれない。

実はリーマンショックの時ですが、どの企業も「投資を縮小してキャッシュポジションを増やす」傾向があったんですね。だから「本来なら是非とも買いたい株でもそれに回すだけの余裕がなかった」なんてことが起きた。こんなときこそ出撃の大チャンスで、多くの企業が投資から引き上げているときこそ、私たちはそこそこのキャッシュポジションを持って待機することも重要だと考えています。

しかし米ドルと言えばアメリカですが、アメリカのインフレは恐ろしいほど。だから本来なら、今の利回りの債券を持っていたところで「インフレに勝つことはできそうもない」ですよね。アメリカ人はどう考えているんでしょうか。

きっと債券とか定期預金には目もくれず、資産価値がありインフレに強い投資対象に投資するとなるのでしょうが、これは突然、敷居が高くなるんですね。不確定要素が多すぎる。円安の日本の良い不動産物件を買うチャンスかもしれない。

またアメリカではなくてマレーシアに今、住んでいるということは「債券や定期預金からの利益は非課税」であることから、課税対象となる不動産などに積極的に投資しても最終的にどちらが良いかはなかなかわからない。また不動産は「今すぐ現金化」なんてことも出来ず、手数料や維持費、税金も計算すると、私は「非課税で回す高利回りの債券の方が良い」という基本的な考え方を持っています

では株式か?

私は株式のベンチマークとしてはナスダックを重視しているのですが、週足で見るとこんな動き。そしてこれから「世界はリセッションに入る」と言われているし、これから株式市場がどう動くのかは私にはさっぱりわからず。

この10年ぐらいは「株式投資で利益を出した人は多い」わけですが、それによって「どんなときでもインデックス投資が最強だ」という信者が増えたんですね。でも40年以上、株式市場を見続けてきた私にしてみると「そういう時もある」ぐらいにしか思わないわけです。

投資には絶対はないというのが「絶対正しい」(笑)と私は思っていて、やっぱり「流れに乗る」しかない。でも流れを見るのは簡単ではない。

インデックス投資が良いというのは、私は「信仰に近い考え方」だと思っていて、やっぱり重視すべきは「チャートしかない」と思っています。チャートに表された値動きだけが【事実】だから。だから「そこに見える流れに乗るしかない」と考えます。

これは「利益を出す」ということではなくて「資産を守る」ためにもやらないとならないと思うわけです。ボーっとしていたら「インフレにやられるだけ」なんですから。こここそが「デフレに慣れ過ぎてしまった日本人が考えるべきポイント」だと思います。インフレの時代に今まで通りの考え方でやっていたら大変なことになる。デフレの時代は、【何もしないで居てもお金の価値が上がる】わけですから、「余計なことはしないのがベスト」だったりする。でもインフレの時代は「額面はそのままでも価値はどんどん目減りする」わけで、なんらかの対策を考えないとどんどん貧乏になる。

しかしアメリカのカリフォルニア州の最低賃金が2023年1月から上がり、今の為替で言えば「1時間3256円」と聞いた時には目眩がしたくらいです。この最低賃金ってことは、18歳のレストランのウェイター・ウェイトレス、洗い場スタッフでも「年収600万円レベルになる」ということで、いわゆる普通の中産階級の収入ってどんな感じになるのか想像もできません。共働きだとすれば、合算して年収2000万円超えって当たり前なんでしょうね。

でもそれで「貯金もしっかりできる高収入か」となるとそうでもないはずで、私たちはアメリカに住んでいるわけでもないものの、アメリカ人に遅れを取らない生活、資産レベルを維持したいと考えています。こういう考えって重要だと私は思っていて、自分には関係ないなんて思っていると、「アイフォンの新型を買えるのはアメリカ人だけ」みたいなことも起こりうる。

実際にもう今の時点でも「日本がトップだった世界の海産物の買い付け」ですが「海外勢に買い負けて良いのが買えない状態」だと聞きます。日本で穫れる最高品質のクロマグロも外国勢に持っていかれるとか。技術の進化で良いものが世界市場に出てきても、日本人には手が届かないものばかりになる時代が来るかもしれない。いや、もうそうなっていると言って良いかもしれない。アメリカでは「ランチに5000円の焼サバ定食を食べている」のを横目で見ながら、日本からの旅行者はポテトチップスとコーラとか。

私が初めてアメリカへ行った約50年前のことを思い出します。なんてアメリカって裕福なのか半端じゃなく驚きましたが、これからまたああいう時代になるかと思うとガッカリなんてもんじゃありませんし、悔しいと思います。アメリカ人は米ドルで生活している。我が家も米ドルで生活している。でも我が家はアメリカ人のような「収入の伸びがない」んですから。

マレーシアなら税金も安く(あるいは無税)、生活費も安いとなれば、アメリカ人と同等の収入を得ていれば資産も増えそうですが、我が家は扶養家族も多く、(これからお金もかかる)ジジババばかりで、そして「定収がない」我が家としてはトータルとしてどのくらい稼がないとならないかを考えると、本当に目眩がしてきます。

上を見ればキリがない。下を見てもキリがない。

気持ちとしては「アメリカ人に負けたくない」とは思うのですが、現実的には「オーストラリアから逃げ出た我が家」にそれだけの才能もパワーもないと自覚するのも大事。(笑)

負けを認めると、それこそ坂道を転げるように落ちていくのが私の人生の中で学んだことですし、どうにかしたいと思うのですが・・・・。

とりあえず、近いうちに米ドル建て債券を買うつもりですが、利回り9%を確保できれば上出来だと考えることにします。単利の3年で27%増となるわけですから。

でもそれは「資産」の話であって、「収入ではない」のね。インフレに勝つためには「資産増には手を付けられない」わけで、やっぱり我が家にいちばん大事なのは「短期トレードでどれだけ収入を増やせるか」に掛かっています。

頑張らねば・・・・・。(┰_┰)

FIREの皆さんも気をつけてくださいね~。資産運用で利益が出ても「それではインフレに勝てない」かもしれなくて、ましてやその利益で生活していたら【半端じゃないスピードで貧乏になっていく】のですから。でも「額面の数字」がそのままか、あるいは微増していると安心してしまうのね。

インフレって本当に怖い。もし毎年7%のインフレがあると仮定すると、5年で価値は70%になり、10年で50%以下になる。ま、毎年7%ってのはあり得ないにしても(オーストラリアではそれが起きた)、ジワジワと減価するのは間違いがなくて、当然、インフレで支出は増えるわけで、「まとまったお金があるから安心」なんてのはあまりにも楽観的過ぎる。日本で「老後に必要なお金」が話題になることが多いですが、あの計算に「インフレ」が加味されています?ここは非常に大事だと思いますが、日本では何十年もデフレが続いてきたら、今後もインフレはない前提で考えてしまいがち。

また老人は「持っているお金を使い切る前提」で考える人が多い。余った分は子どもたちに・・、なんてね。これは「それでOK」という意味じゃなくて、「そう考えるしか無い」という「見たくないものは見ない」考え方だと思います。「死ぬまで減らさない」つもりで頑張っても最後は「足りない」事が起きるのが世の中の常だと私は考えているくらいで、甘い計算通りになることなんかこの世の中には何もない。

そもそも日本では「下流老人」なんて言葉もできて、生活苦の老人はかなり多い。でもその人達はいい加減な人生を送ってきた人ばかりじゃなくて、普通に働いて普通に給料をもらい、普通に生活し、普通に年金をもらってきた人も多いはずなのね。つまり【まさかこんなことになるとは想像もしなかった】という人が多いんじゃなかろうか。

日本はデフレ状態が長く続いたのにそんな状態。これからの老人は【もっと酷い状態になる】のはほぼ間違いがないんじゃないですかね。給料や年金に自分の人生の浮沈を任せるのってとんでもなく恐ろしい時代が目の前に来ていると私は考えています。そして人生100年の時代になったわけで、今70歳ならあと30年。80歳でもあと20年。インフレの時代に突入したらどうやって行くのか。「老後を生きるには年金プラス2000万円必要」なんて言われていますが、今後の20年、30年のインフレを考えたら、「二倍あっても足りない」と考えるのが順当じゃないんですかね。

でもそういう歳よりも実はインフレの怖さをよく知らないはずなのね。昔のインフレの時代は「給料もどんどん上がって良かった」なんて思っている人もいるんじゃなかろうか。「あの当時の年寄りはどうやって生き抜いたのか」を考えてみるのも良いかもしれない。

これからどんどん増える年寄りは「選挙権がある」のも考えないとならないことで、つまり「老人の声が政治を左右する」ことになるわけで、そういう時代の若者や頑張って働く人たちがどういう境遇になるのか。今でも生活が大変だと言われる「シングルマザー」ももっと恐ろしい状態になるかもしれない。

だから今のうちに抜本的な解決策を考えないとならないはずなのに、あの岸田政権。バカ、間抜け、アホ。そんな言葉を並べてもまだ足りないぐらいに私は腹が立っています。でも「理想論」しか言わない左派が政権を取ったら、間違いなく日本は彼らに食い物にされて終わると思う。アメリカの民主党政権がまさにそれだと思っています。

でも海外のサラリーマンの人達は「どんどん給料が上がる」状態になるかも。

ただ日本で日本円を得ている人達は大変かもね。「給料は上がらない」「増税される」「物価は上がる」「円安」となれば四重苦。周りの日本人も同じで「赤信号、皆で渡れば怖くない」なんて思っていると大変なことになる。

 

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