当初は、今回の利上げは0.5%か0.25%かで読みは別れていましたが。金融ショックが起きてからは【利上げはないだろう】という読みが突然、増えてきた。
当たり前ですよねぇ。そもそも今回の銀行破綻の発端の発端はこの「利上げ」があったからなんですから。今までの利上げのスピードは早く、これは良く言えば「FRBの対応が早い」と言えるものの、銀行や投資家は「莫大な額の債券を持っている」わけで、これらが早いスピードで安くなったわけですよね。債券は常に売買が行われていて、金利が上がればそれに合わせて債券の利回りも上げないと売れなくなるわけで、それすなわち債券価格の下落。
アメリカ国債の発行高もハンパじゃない額なわけで、その他の優良債券も一斉に値下がりするわけだから、それらを持っている機関投資家も市井の投資家も【大きな評価損】が出てしまう。
この評価損は評価損でしかなくて、償還日が来れば額面の100の値に戻るのだけれど、これを「損失額」と言い方に変えてしまうと【大変だ~~~】と世間は騒ぐわけで、債券による運用を多くしていたところは「潰れるんじゃないか?」みたいな話になる。
当然、預金者も慌てるわけで、「今のうちに引き出そう」となるのも当たり前。そして銀行にも多くの預金者が並んでとにかく早く預金を引き出さなければとなる。これじゃ一気に銀行の資金量は足りなくなるわけで、銀行は保有の債券を安くても叩き売るしか無くて、【評価損が実損になる】わけで、問題は益々大きくなって【体力がない、信用度が低い銀行は破綻する】のも当たり前。
いわゆる「取り付け騒ぎ、Bunk Run」が起きた。私はこれが今回の騒ぎの原因だと思っていて、「利上げのスピードが早すぎた」からだと言っても良いと思っています。
だから大騒ぎになって、予定されていたFRBの3月の利上げは「無し」になるんじゃないかという読みも増えてきたところで、0.25%の利上げ。
これって「金融クライシスを呼び込む」ことになるとも言えるんじゃないですかね。
FRBは市場のお金を回収していく(テーパリング 「量的緩和策縮小」)と言っているのに、実際はまた大量の米ドルを市場に流した。だからドル安になるのも当たり前で、なんだかややこしいことになってきましたね~。
お金のばらまきが始まっている。回収するの?出すの?どっちだ?
FRBのバランスシート
そもそも私は「(今回の)インフレ抑制のために利上げする」というのも良く理解できないんですよ。
私は今のインフレって「コロナ明けの好景気」もあるものの、【コストプッシュインフレ】、つまり資源や食料品の値上がりなどの【コストが上がったことによるインフレ】であって、良い意味での景気が良いからインフレになったのとは違うと思うんですよ。
実際に、リセッションに入るであろう予想は様々な指標から言われてきたわけで、それでも利上げをするって元気がなくなってきた景気に冷や水をかけるのと同じ。
それをインフレ対策だと言われても、私にはどうにも納得ができないんですよ。そういう意味で、日本は利上げしろと言われているけどしてこなかったのは英断で、補助金を出すというのは良い手だと思っています。でも日銀総裁も変わり、6月には「利上げの可能性もある」わけで、これまたややこしくなりますね~。
大きく円高になる場面もあるんでしょう。でも利上げをしたらそのインパクトは大きくて、ダメな景気は益々駄目になって日本はもっと落ちぶれて「本物の日本売りが始まる」のではないかと心配しています。
でもアメリカは利上げ。それでいて量的緩和でドルを市場に大量に出す?
アホの私にはブレーキとアクセル両方踏んでいるように思えるわけです。
陰謀論者的な言い方をすれば、アメリカの金融システムさえも崩壊させようとしているんじゃないかみたいな。
当然、ゴールドや暗号通貨に資金は流れていくわけで、これは【不安が増大しているから】に他ならない。
Gold spot 日足
再び2000ドルを超えたのは金を持っている私としては嬉しいけれど、多く保有しているわけじゃないからリスクヘッジにはならない。
Bitcoin 日足
最近は「金融クライシス」どころか「金融システムの崩壊」「ハイパーインフレ」を言う人達が出てきて、元コインベースのCTOであるバラジ・スリニバサン氏は「90日以内に100万ドルになる」なんて言い出している。10万ドルならまだしも100万ドルって今の30倍以上の価格。
ビットコイン価格がこれから90日間以内(6月17日まで)に100万ドル(約1億3000万円)に到達することに200万ドル…
また100万ドルは大げさにしても50万ドルになる(似たようなものか)を言う有名人も出てきて、「金融システムの崩壊」「ハイパーインフレ」の話題は大フィーバー中。
そんな事が起きるのか?
私にわかるわけもないけれど、ウクライナ問題もあるし、中国の台湾侵攻の話題も盛り上がるばかりで全く収まらない。また北朝鮮も相変わらずミサイルを打って挑発を繰り返している。
この戦争が怖いのは「同時に起こる可能性」があるわけで、ロシア、中国、そして北朝鮮の敵側と言えば西側諸国で、同時に起きたらアメリカと言えども対応は不可能で、だからこそそれを狙うのが常識とも言えるはず。
で、戦争といえば、ハイパーインフレも当たり前。
これをヘッジするにはゴールドや不動産となるのだろうけれど、戦争の当事者となったら不動産の価値がどう動くかは簡単に想像できるわけで、やっぱりゴールドなんですかねぇ。
でもゴールドを持ったにしても、「その場を生き延びるため」としての意味はあるけれど、財産保全の為とするならそれなりの量を保持する必要があるわけで、大量の金を持ち歩くことも出来ず、それって現実的ではない。
ま、なるようにしかならないとは思うものの、何も考えないでいるわけにもいかず。困りましたね~。
やっぱり私としては、戦争があったにしても、あるいは未曾有のハイパーインフレがあったにしても、その事前準備やヘッジってかなりのコストも掛かるし、資産の移動、変更も必要なわけで決して簡単には行かないし、確かなことがわからない中でそれをすればギャンブルそのものになってしまう。
だからやっぱりそれらが一段落して、新しい時代に入った時に「どう復活するかが勝負どころ」じゃないですかね。
ガラガラポンのグレートリセットが来るんですかね。
どんな世界になっても証券取引所がない世界は考えられないし、証券会社とネットで繋げて売買ができれば再起は可能かもしれない。
しかしややこしい世界になりましたね~~~~。
でも今マレーシアに住んでいるのは良かったと思うんです。
マレーシアは大災害が起きる可能性は低そうだし、戦争が起きてもその当事者にはなりそうもないし、日本みたいに広範囲に大都市が壊滅しそうな大災害や戦争に巻き込まれる危険性はないと思う。
日本は必ず起きると言われている大災害を想定した準備もしてないし、安全保障に関しても全く的外れのことをしている、あるいは何もしていないようなものだし、【神風、もしくは運に頼ればオッケイ】みたいに見えるんですよ。
でもそれが正解みたいな気もしてくるわけで・・・・。
そしてハイパーインフレが来れば「莫大な政府の借金も何分の1になる」わけで・・・・。でもその後の景気対策、あるいは災害の復興にはとんでもないお金がかかるわけで、借金はもっと増えるだけのこと?
ま、妄想はこの辺にしておいて、「世界が平和でありますように」と祈るだけにしておきましょうかね。
------- おまけ -------
米イエレン財務長官「預金保護の拡大検討」金融危機は本当に去ったのか
FOMC解説
シリコンバレー銀行破綻の理由 (中・上級編) by 高橋洋一
次の巨大地震で日本は滅ぶ