とりあえず金融界の大きな波乱を止める事ができたように見える金融界ですが、要は何が起きてどうなったかの「まとめ」を抑えておくことは重要だと思います。
銀行の破綻というと、「貸付金が焦げ付いた」「不良債権が多かった」と考えるのが普通ですが、今回は「FRBの利上げによる債券価格の暴落」がキッカケになった。特に、経営的に問題があった銀行、また金利上昇時の債券投資のノウハウを持たなかった、あるいは無視していたところは【大きな評価損】を抱えた。
これは評価損であって、実質損ではないけれど、それが大きな銀行は「取り付け騒ぎ」となり、預金者が慌てて預金を引き上げたために資金繰りに窮し、破綻した。
とまぁ、簡単に言えばこんな筋書きですが、【こういうこともある】のはしっかりと記憶の中に書き記しておく必要があると思います。
またこのニュースの中でも語られていた、「金利上昇時には短期債で運用すべきであった」ことに関しては、(前にも紹介しましたが)高橋洋一氏が詳しく説明しています。
ただし、リーマンショック時を思い出しても【突然それが起きたわけじゃない】のであって、今回も「これで嵐は去った」みたいに考えてしまうのは時期尚早だとは思っています。
金融界の問題はアメリカから欧州に渡ったようなもので、【次はドイツ銀行か?】とも囁かれているのを忘れてはならない。
金融界は問題を抱えたままですし、インフレも収まったわけではない。でも今後も利上げを継続することはできず、量的引き締めをすると銀行にしわ寄せが行きますし、まだまだこれからの動きは注視しておかないとならない。
FRBが大量なドルを市中に流したのは明らかで、【インフレ退治と金融安定】をそう簡単に両立できるのかは疑問。
また何度も書いていますが、今は世界的な「緊急時」と言っても良いくらい大きな問題があるわけで、「ウクライナ戦争」「中国台湾侵攻」、そしてイスラエル問題もサウジとイランが国交を回復したからもう危険は去ったと決めつけてしまうのもうまくないと思っています。これはイスラエルの立場から考えると、余計に立場は悪くなった(もとに戻って孤立する)と言えるわけで、「強硬策を取る可能性もある」という専門家もいる。
今にも火が付きそうな火種は複数あるわけで、それがどうなるかは誰にもわからない。今回のそれぞれの火種は「経済、政治、野心的なもの」ではなくて「信仰やイデオロギーが原点にある」ので簡単に解決はしないと思っています。
私としては「必ず戦争が起きる」とも思わないし、「戦争になるわけもない」とも思わない。私には何もわからないけれど「戦争は起きるかもしれない」という想定を排除してはならないと思っています。いくつかのシナリオを考えて、作戦を3つ4つ事前に考えて置くのは無駄にならないはず。
特に戦争とハイパーインフレは双子の兄弟みたいなもので、それが来る可能性はしっかり想定しておこうと思っています。
また戦争が起きなくても、今のアメリカ中心の金融システムが崩壊する危険性があるのはBRICS諸国が力をつけて動いていることからもわかるわけで(サウジも入ろうとしている)、そして各国は「中央銀行デジタル通貨(CBDC:Central Bank Digital Currency)」を作る方向で動いていますし、まさかと思うような大きな転換期に世界は入っているのかもしれない。
それは津波に似たようなもので、そういう大きな転換期には【古い人達は淘汰され、新たな人たちが台頭してくる】のは歴史が証明しているし、財産や資産を「今までの発想で守ろうとしても難しい」だろうと思っています。
ではどうするべきか。
これが簡単にわかるくらいなら、誰も困らないし、古い人達も淘汰されることもないわけで、【あのとき、ああしておけばなぁ】ということになるのが世の常だと、そんなことばかり続いた人生を生きてきたジジーは思うわけです。(笑)
大きな波が来て、世界が変わる時は、【弱者や年寄りは置いていかれる】のも世の常で、アホな頭でもどうにか使って生き延びないとならないと思っています。
------- おまけ -------
ちょっと気になるニュースがありました。
スイスですが、永世中立国で「常に中立」のはずですが、やっぱりアメリカ主導の「中国囲い込み作戦」は無視できない様子。特に「人権関係」で騒がれていて、それは「中立だから関係ない」では済まされない様子。
スイスには歴史的に「中国がらみの大金持ちの預金」があるわけですが、その額はなんと1200兆円にも達するらしい。
そして今、スイスは「そういう人たちのお金を受け入れたら駄目なのではないか」という議論が出ている。というのは、これを放置すると世界のSIFTなどの銀行間取引からスイスの銀行が排除されてしまう危険性があるから。
世界がどう動くかわかりませんが、例えば、中国が台湾に侵攻したとしたら、アメリカはほぼ間違いなく、そのお金を動かせないようにするはず。またもしアメリカと中国が戦争状態になるとしたら、アメリカ政府は中国系が保持している【アメリカ国債を没収することも法律的に可能】らしい。これはアメリカで「デジタルで管理している」ので、没収は簡単にできるらしい。
この手の話が煮詰まってくると、大金持ちの中国人、共産党員、そして中国はヒジョーーに困るわけで、それこそ「歴史上最大のBank Run(取り付け騒ぎ)が起きてもおかしくない」らしい。
スイスの銀行が預かっている1200兆円ものお金は、当然、他の投資に向けられているわけで、もし中国人たちが「その預金を引き出す動きを始めたら世界が大混乱することになる」はずで、その危険性も言われだしている。実際にスイスでそのお金をどう扱うべきか議論になっているわけで、アメリカで制裁対象になった個人や企業と取引をしているだけで、世界の「銀行の輪」から外されてしまう。
もしもそんなことになったらどうなるのか。そんなことも想定していろいろ考えておくのも良いかもしれない。
疲れますねぇ。
昔はこんなことは一切心配する必要もなかったのに。
でももっと昔。つまり「戦争前夜」はかなりややこしいことになったんでしょうね。
私の叔父はアメリカで「日本人収容所」に入れられていましたし、財産の没収はなかったものの「二束三文で叩き売るしか無かった」とのこと。昨日ですか、また中国で日本人がスパイ容疑で捕まったらしいですが、こういうことももっと大きくなって、そして頻繁に起きるようになるのかもですね。