マレーシアリンギットが米ドルに対して安値更新しましたね。
MYR/USD 日足
MYR/USD 週足 私達がマレーシアに拠点を移すと決めた2008年からの動き。最安値です。
米ドル中心で生きている我が家としては嬉しいのですが、このマレーシアリンギット安が物価にどう影響を与えるのかが心配です。
さて、日本円に対してはどうでしょうか。
MYR/JPY 日足
MYR/JPY 週足 2008年から
この15年、この為替の動きに多くの日本人が翻弄されたてあろうことが想像できます。「今がマレーシアに行くチャンスだ!」とかその逆の話がその時その時、巷を駆け巡りました。なんせ1リンギが24円の頃、35年の頃、10円以上の差があったのですから。
今は、【リンギットが高止まり】という印象ですかね。
でもそれは「円もリンギットも安い」ということでしかなく、【安い通貨同士で比べると大きな変動はない】ということ。でも少なくとも対円で恐ろしいほどマレーシアリンギットが高くなっていないのは良いことかもしれない。円で収入を得ている人に取っては「大きな変化はない」わけですから。
ただし、それも【たまたま均衡が取れている】だけの話で、それに安堵しているとこのバランスが壊れた時に大慌てすることがあるのは間違いがなく、今だからこそ、将来の変化への対応策を考えるべきとも言えるのかもしれない。
問題はマレーシアのインフレですね。
私は何度かブログに書いているように、マレーシアでもインフレは起きているけれど、「驚くほどではない」と感じています。
ただお隣のシンガポールは凄いことになっているようで、近隣国のフィリピンでも「ラーメンと餃子のセットが1700円」という情報もあり、その波がいつマレーシアに来るのか気になります。
特に気になっているのは「コンドの家賃の値上がり」でしょうか。
我が家はこの6年、同じコンドの同じレイアウトの部屋を借りていますが、レントは横ばいで変化がありません。ただマレーシアに来た当時、「オーストラリアと同じレントだったらどの程度のコンドを借りられるか」と考えて、マレーシアとしてはそこそこ高いレントの大きな部屋を借りていますので、もし値上げとなるとマレーシアの物価に慣れた今となっては「痛い」ことになります。
ヨメさんは常々、狭いコンドの方が楽だと言っておりまして、レントが大幅に値上げになるとなれば、「今より狭いユニット」を借りることになるかもです。でも今のコンドはほとんど問題らしい問題もなく、引越したいという願望は無くて、ほぼ満足していますので「家賃が変わらなければ良いな~~」と心底願っています。
ま、生活費に関しては、我が家の場合、大きな支出は(レント以外とすれば)「食費」で、高価な飲食店には行かないものの、その分、家での食事の「食材」にお金をかけようという考え方でいます。それでもいつも文句ばかり垂れていますが、ま、その辺はただの愚痴でしかなくて、減らそうと思えばまだまだ減らせるので、大きな問題になるとは思えず。
我が家はまだ現役ですし、「インフレ分ぐらいは稼げば良い」という考えることも可能ですが、そういう考え方では「身を滅ぼす」のは経験済みですので(笑)、やっぱり質素に暮らそうとは考えてはいないものの、【出費は極力控える基本方針】は変わらず。
実質的には「ドル高の恩恵」を受けていますが、為替は生き物と同じで良いときもあれば悪いときもあるわけで、「将来のドルの大きな値下がりがあるだろう」と読んでいる私としては、「どう将来の災難に対処するか」で頭がいっぱいです。
しかし今はイスラエルもウクライナもどうなるかわからず、下手をすればそれがアジアにも飛び火する(中国、北朝鮮にとっては動くチャンス)と考えていますが、可能性としては「エネルギー価格のさらなる上昇」もあると考えざるを得ないわけで、日本は大変でしょうが、【エネルギー資源があるマレーシア】ってどうなるのかが良くわかりません。
考え方によっては「戦争に巻き込まれることはない」、しかし「エネルギーの高騰で恩恵を受ける」かもしれず、マレーシアの将来、インフレがどうなるのかなど、全く、全然、少しも想像さえ出来ないでいます。
ただ「想定」は可能ですから、いくつかのパターンを考えて、何か起きる兆候が見えた時にはそれなりの行動が出来るような準備はしています。って「米ドルの下落に対処する」ぐらいで他のことは考えていないのと同じレベルですが、慌ててジタバタするのは避けたいと考えています。
しかし本当に残念なのは、マレーシアリンギットは「箱入り娘」と同じ様に、世界の自由市場からは隔離されていて、FXもなければ先物もオプションも存在しないということ。
このチャートを見ると本当にがっかりするんですよ。もしFXが出来たらこれほど【なめらかな動きはしない】とは思いますが、もしこういう動きのまま簡単にFXの売買ができたら、「ヘッジは簡単」どころか、これをトレードするだけで「大金持ちになるんじゃないか」と思うくらい。(笑)
これほど「なめらかに動く通貨」って他には存在しない。
銀行でキャッシュを交換すれば?なんてのは駄目で、大きな資金が寝てしまうし、何よりも「為替交換手数料」が恐ろしいことになって【売買を繰り返したら手数料で食われてしまう】ことが簡単に起きるのね。
本当に残念です。
かつてはCFDが存在したり、シンガポールではマレーシアリンギットの先物を上場をした(?)ようですが、マレーシア政府からの横やりが入って機能していない様子。
自国の通貨を開放せずに、「世界の金融都市」として成り上がろうという計画って何なんだろうと思います。
でもマレーシアらしいと言えばマレーシアらしくて、「自国は安全なまま」に【場所を提供する】という考え方なんだろうと思ったり。そもそもこの閉鎖的な状態でTPPに参加できているというのが私には理解できず。
「投資してくれ」なんて言うけれど、「通貨のヘッジも不可能」な国へ投資するって、私に言わせれば「ギャンブルしませんか?」というのと同じ。
マレーシアに直接投資をしている企業、投資家ってゴマンといるわけだけれど、彼らがどうやって「為替ヘッジ」をしているのか、どなたか教えていただけませんでしょうか。
マレーシアに投資して「利益が出ている」としても、それを本国に持ち帰ろうとしたら「その時の為替に左右される」んじゃ困ると思うんですけどね~。でも「予約」は出来るようで、それで十分なのかな?
どちらにしても、今の世界の状況を見ると「下手をしたら株式市場は大暴落」「エネルギー価格は急上昇」するかもしれず、当然、為替は大きく動くでしょう。しかし「和平交渉」なんて始まれば「逆の動き」が起きるわけで、これってデイトレーダーに取っては「どちらに動いてもOK」ですが、一般論で言えば「勘弁してくれよ~」の動きで、私だったら「積極的な投資はしない」「投資しているものはキャッシュにして温存」、【高みの見物】をするだろうと思います。
でも普通、そんな簡単に動けないわけで、【だからこそヘッジが重要】となるわけですが、先物やオプションでどうにかカバー出来るものなら良いですが、「通貨リンギットに関しては打つ手がない」と思うわけで、世の中の投資家って戦々恐々としているんだろうなと思ったり。