オーストラリアのインフレが酷い。これはある意味、我々海外在住者に取っては将来的に面白いかもしれない

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世界中がインフレで、それでも「段々と落ち着いてきている」感じがありますね。

ところがオーストラリアの場合、まるで沈静化せずに、有名レストランの多くも閉店の憂き目に遭っているらしい。

「インフレは良くない」「かわいそうだ」とストレートに考えるのも良いですが、自分がその国に住んでいなければどの国がどのようなインフレでもほとんど関係ない。でも「オーストラリアの金利」を考えた場合、海外在住者でも大いに関係があるわけです。

とりあえず、オーストラリがどういう状況なのか。

我が家も1991年から2016年までの25年間ゴールドコーストに在住し、次男坊は今もシドニー在住ですのでオーストラリアとは縁があります。そして長い間「大きなインフレの嵐」に巻き込まれてきました。

「生活者」の目線ですとインフレはとんでもないことで、特にシドニーオリンピックのときのインフレで「オーストラリアがまるで違う国になった」ような印象を持っています。

オーストラリアは歴史的にも「インフレ大国」と言って良くて、「キャッシュは溜め込まずに何か買う」のが当たり前の国だったのね。必需品の自動車もそうで、あれよあれよという間にどんどん値上がりしました。不動産もそうで、だから「ローンだとしても買うのが重要だ」という国。ローン金利は恐ろしいことになるにしてもです。

インフレが大きいと、当然、「金利も上がってくる」わけで、私達がオーストラリアに上陸した時には「定期預金で10%」という時代。これだけでも凄いですが、その前は「定期金利が16%」というときもあったようす。

つまり「債券投資」をすると非常に効率が良いわけです。

私は日本では「転換社債」が主でしたが(でも額は少ない 笑)、オーストラリアに渡ってからは「豪ドル建ての債券」に移行しました。これはオーストラリア政府・自治体、企業である必要はなくて、「アメリカ企業も豪ドルで債券を発行してる」のね。

つまり、当時は「安心安全」の米企業である「GE(ジャネラルエレクトリック社」の豪ドル建て社債でも10%で回っていたわけです。

この10%の利回りを複利で回すと、5年で161%、10年で260%に増える。20年では6.7倍に増える。

ま、そんなのは絵に描いた餅で、そんなに上手くいくことはないにしても、こういうことを頭に入れて考えるわけです。

ここで重要なのは、こういう債券を購入するのに「オーストラリア在住である必要はない」ということで、当然、日本在住でもマレーシア在住でも全く関係なく購入できる。

オーストラリアの金利もこの7,8年は下がってきてしまい、近年は全く妙味がなくなってしまいましたが、これからまた「豪ドル建て債券」が面白くなる可能性があるということ。

ただし、「税金」を忘れるわけにはいかなくて、自分が居住している国の納税義務者なら、その国の税制に従って納税しないとならないのは当たり前のこと。

そういう意味でオーストラリア自体は「税率が非常に高い」ので、納税するのに「(私にとっては)金策をしないとならないような国」でした。

でもマレーシアのように「海外の所得には課税しない」国なら「坊主丸儲け」となるわけです。日本ではどういう所得の分類になり、どの程度の税率になるのか、総合課税なのかも私は知りませんが、高利回りの債券投資は良いと思います。

前にも書きましたが、「インフレ国の高い利回りの債券を買い、自分は低金利でインフレが弱い国に住み、その差を頂く」というのは長期的に見ても良いと思っています。

ただし、次に書くことが非常に重要で、「外貨投資のキモ」ですが、「為替差損」を決して無視してはならないということなのね。

特に「金利が高い国」は「為替は弱くなる」のが普通で、今でも非常に利回りが良い国がありますが、「為替はだだ下がり」なんて国が多い。これじゃ全く意味がない。

ところが今のアメリカがそうであるように「金利が高いと人気が出る」のも間違いがなくて、通貨高に動くケースもある。これはオーストラリアも同じで、「金利の安い通貨で資金調達をして、利回りの良い国に投資する」という「キャリートレード」が盛んになるのね。だから「金利が上がると豪ドルも上がる」ということが起きた。逆をいうと、そういう国は「金利を下げると、投資も減って通貨も下がる」ということで「高金利政策」が続くこともあるってこと。(今現在、円を使ったキャリートレードが増えていて、それも円安の理由となっている)

この「金利差で利益を出す」方法はいろいろあるわけで、それこそ「定期預金にいれる」だけでも利益はでるのは皆さんご存知の通りで、「外貨預金」がこれにあたる。

でもFXでも利益を出せるのは意外に知らない人が多いのかもしれない。

FXで通貨を売買し、それを保持すると「スワップポイントがもらえる、あるいは取られる」のね。

例えばFXで金利の低い日本円を売って金利の高い米ドルでも豪ドルでも買って保持すると、「スワップポイントをもらえる」ことになる。これがまさに「金利に相当する」わけで、FXを売買するだけでも「外貨預金と同じようなこと」が出来る。当然、豪ドルを売ってそれを保持すれば「スワップポイントを取られて、金利差分のマイナスが蓄積される」ことになります。

ま、その辺の詳しいことは、興味のある方はご自分で調べていただくとして、どちらにしても「金利の高い国の通貨」を買う、「その通貨で投資をする」ことによって、「利益を狙える」ということ。

だからもしもインフレが収まらないオーストラリアの金利が高くなってくると、そこに「利益を狙えるチャンスが出てくる」ということ。

オーストラリアの金利推移。

「インフレは悪いことだ」と条件反射で考えてしまう傾向があると思いますが、でもインフレが凄くて金利が上がってくれば「そこに利益を狙えるチャンスが有る」のを忘れてはならないと思います。その地に住んでいなければ、インフレの直接的な影響はないわけですし。でも「海外在住の投資家」としては「金利高の恩恵を受けることは可能」ということ。他国のインフレは「対岸の火事」ですが、そこから「関係のない外国」に住んでいても、利益を狙えるということ。

オーストラリア10年債イールド。日足。

弱い「上昇基調」にあるようにも見える。

最近、アメリカの国債のイールドも上がったり下がったりで、決して下降トレンドとは言えないし、また金利が上がる方向へ動く可能性もあると思います。先日の「バイデンvsトランプの討論」でバイデンがボケまくっていたのが露呈して、民主党が焦っているのと同時に、「トランプが大統領になったら経済、金融界はどう動くか」という考え方で金利も変化してきている。(逆イールドも解消される動き)

アメリカ10年債イールド。日足。

そして話は戻りますが、「金利が動くと為替も動く」のは間違いがなくて、ここで重要なのは「為替ヘッジが可能かどうか」なんですね。

いくら利回りが良くても、外貨投資の場合、「その通貨が下がってきたら意味がない」わけですから、「通貨の下落にどう対処するか」のノウハウが有るのか無いのかで「結果は大きく変わる」わけです。

かつてオーストラリアの金利が良いと猫も杓子も「豪ドルで預金をする」のが日本で大流行して、ANZ銀行日本支店でそういう人達が「並んでいる」のも目撃したことがあるのですが、その多くはいわゆる「普通の奥様方」でした。今はその人達も80代、90代になっているはず。

「時代は外貨預金よね。それも豪ドル」なんて皆がはしゃいでいるような感じも受けましたが、私はそれを批判的に見ていたんですよ。

まず、「多くの人は為替の変化のことは考えていない」のね。これは「為替がどう動くかどうかなんてわかるわけがないじゃないか」ということで、「神様にお任せ」している人が大多数。

それと当時は、「外貨預金」は銀行のドル箱だったのね。

多くの人は「金利が高い」ことだけに注目していて、「円を売って豪ドルに替える」わけですが、その時の「為替交換手数料の高さ」に言及する人は殆どいなかったこと。つまり、多くの人は「通貨を替えるには高い手数料を支払わなければならない」と信じ込んでいたということ。誰しも「海外旅行」に行くときにお金を両替して高い手数料がかかるのは知っていたから。

でもその手数料を「経費」として計算すると「非常に高い率」で、ちょっとやそっと金利が高くても利益なんて出ないようになっていたのね。極端に言うと、「3年定期なら利益は出る」けれど、1年未満の定期だったら「赤字」みたいな。

そして当時の銀行がひどかったのは、「満期になった時」のことですが、「豪ドルをそのまま受け取ることは出来なかった」んですよ。つまり「豪ドルを日本円に替えて受け取る」ということね。ここでまた手数料をごっそり取られたわけです。また自分が「豪ドルを持っていても、それで定期預金は作らせてくれなかった」ということでもある。(だから外貨預金なんてせずに、外貨を自分で調達して「債券投資」がベストだった)

あの当時の銀行のそれは「外貨預金という名の【為替交換手数料で儲けるビジネスモデル】だった」ということ。私はこれは「詐欺と一緒じゃないか」と思っていたくらい。でもかなりの数の日本人がそれに乗ってしまった。

そんな常識がまかり通っていた時に、風穴を開けたのが「SBI銀行」でした。

皆さん、金融業界の「風雲児」と言われる【北尾吉孝氏】って御存知ですかね。彼はSBIグループの総帥。大親分。

彼は若い頃、野村證券にいまして、当時からかなりのやり手だった。そしてあの「ソフトバンク」が上場する時に彼が担当で着いたらしい(要確認)。それが北尾氏と孫正義氏との出会いだったのですが、北尾氏の凄さに孫正義氏が惚れ込んでしまい、どうにか拝み倒して北尾氏をソフトバンクに招き入れた。

そこから孫氏と北尾氏の二人三脚でのソフトバンクの快進撃が始まり、錬金術がスタートした。もしあの時、孫氏と北尾氏が出会わなかったら今のソフトバンクは存在しなかったかもしれない。

後に北尾氏は孫氏とは離れましたが、そもそもSBIはソフトバンクから独立した企業グループ。だからその名が残っている。

この北尾氏って凄い人で、常識を打ち破る人。あのホリエモンが「フジテレビ買収」で大騒ぎになったときにも「俺に任せろ」と白馬に乗って登場したのが北尾氏。

でも半端じゃないやり手で強引さも凄かったから、かつてソフトバンクが快進撃をしている最中でも「内部告発」が非常に多かったのね。「孫社長と北尾専務がこんな酷いことをしている」というような告発がネット上で連発していました。

だから上に書いた「外貨預金」に関しても、北尾氏が新たな常識を作り出したときには、「彼らしい」と思いました。

これは我々消費者には良いことだったのだけれど、その後のこと、今の現状に関しては私は何も知りません。ただただ、北尾吉孝という人は「目を離せない人」だと今でも思っています。彼が何を考えて何をやっているのかは「注目する必要がある」と思う。常に「時代を先取り」して動こうとする人だから。

どちらにしろ、外貨預金にしても外債への投資だとしても、普通の銀行や証券会社は「初心者向けの教科書通り」のことしか言わないし、ましてや「ネット上のインフルエンサー」の話をまともに聞くべきではないと思います。

銀行も証券会社も「私達から儲けるのが仕事」だから「普通の商店と同じ」だし、インフルエンサーも「私達の人気」で収入を得ているから、テレビに出てくるタレントや芸人と同じだということを忘れてはならない。

でも「蛇の道はへび」で、いろいろ探し回ると「新たな道」が開けるのね。

例えば、「通貨の両替」ですすが、上に書いたように「銀行の為替交換手数料が非常に高い」のをどうにかしないと「外貨投資なんか出来ない」と私は考えていました。でも「通貨の両替は銀行の仕事」ですし、「手数料を安く両替するなんて不可能」ですよね。

でも為替交換手数料が高かったら、「良し、米ドルだ。次は豪ドルだ、円だ」と投資する通貨を替えているうちに「どんどん目減りしてしまう」わけです。

でも諦めずに探し回った時に、「銀行の中のある部署」に【為替交換手数料で利益を出さなくても良い部署】があるのを見つけたんですよ。その部署は日本の銀行の海外支店の中にあって、海外企業の大型リース案件を主に扱う部署でしたが、そことどうにか取引ができるようにして、非常に安い手数料(いわゆるFXで言うようなBit & Ask)で売買できるようになりました。でも当然、それは表立っていえる話じゃなくて、そんな事が可能なら、貿易会社はもちろん誰だってそれを使いたいですもんね。でも「高い為替交換手数料を取ったら商売が成り立たないビジネス」もあって、それを扱っている部署だったのね。

これは何十年も前の話で、今はそういう部署が存在するのかさえもわかりませんが、とにかく「多くの人と同じことをしていてはダメ」だというのが私の信条。皆と同じなら、「うまく行っても皆と同じレベル」なわけですから。

人の行く 裏に道あり 花の山

この格言は何をするにしても当てはまると私は思っています。

新たなビジネスを考えたときでも、皆が「それいいアイデアだね」なんて言う時には手を出さないのが私流で、「そんな馬鹿なビジネスが成り立つわけがないだろう」と皆が言い出したら、私はゴーサインを出します。それが故に苦労もしましたが。(笑)

ま、この辺は生き方の問題で、それぞれ考え方は違うと思います。

我が家の家族内でもそうで、二人の息子を「金融、ビジネス」関係の大学の学部に送り出しましたが、それぞれそれなりに勉強もして知識はあるのね。次男坊は統計の専門家で今は監査法人で公認会計士をやっていますが、彼らは「世の中はこうなっている」という思い込みがあるのね。いわゆる「頭でっかち」です。それは学校や企業でとことん教え込まれたからなわけですが、私に言わせると「当たり前のことに詳しいだけ」に見えるんですよ。

大通りを進んでいくような仕事、大企業に勤める人生ならそれが良いのでしょうが、私みたいに「大通りは歩かない」と決めた生き方をする場合には「そんな理屈は通用しない」と思うことが多いのね。ま、大企業と中小企業の違いみたいなものでしょうか。ゴミみたいな中小企業が大通りの大舞台で大企業と同じ様にやって勝てるわけがないのね。だから大通りは歩かずに、裏通りの「ニッチな仕事」をやるわけです。これはある意味、誰も手を出さないブルーオーシャンだったりする。

これは投資でもトレードも同じだと私は思っていて、私達は「ゴミのような存在」なのに、大企業や機関投資家、学者、専門家が言うようなノウハウを学んでも無駄かもしれないのね。「ただの大工」なのに、有名な「一級建築士」と同じことを考えていて良いのか。「小さな舟で釣りに出る漁師」なのに「大型船団で大きな漁獲高を狙う大企業」と同じことを考えていてうまくいくのかって話し。

でも銀行や証券会社を頼りにすると、彼らの術中にはまることになる。彼らは「私達から儲けるのが仕事」なのを忘れちゃならない。

では我々には何が重要かと言えば、大企業や専門家が「やらないこと」「出来ないこと」をやるのがベストだと私は思っているわけです。

実はゴールドコースト時代に日系商社に勤める友人(オーストラリア人)がいたんですよ(勤務地はブリスベン)。彼いわく、毎年、1億2億儲かる話はいくらでもある。でもそんなのを追いかけていたら会社が存続できないというのね。そりゃそのとおりでしょう。でも少人数でちょこまか動く中小企業には年間1億2億儲かる話は「喉から手が出るほど欲しい」ですよね。当然、彼は何も教えてくれませんでしたが、そんなことを思い出します。ちなみに彼は「そういう仕事を自分でやろう」と思い立ち、独立しましたが、見事「撃沈」しました。突然、経験もなく思い立って独立してうまくいく仕事なんかないんですよね。

どちらにしても「オーストラリアのインフレが凄い」という話には、私達にとっては「利益を出すチャンスが潜んでいる」ということ。

それを嗅ぎつけて、実行に移す場合に何が必要なのか、特に今回の話では「ヘッジ」が重要となりますが、ではヘッジはどうすれば良いのか。これは「常に為替変動に晒される海外在住者」に取っては「必須のスキル」とも言えるわけで、「そんなのわからない」と放置しちゃってよいのかどうか。

私はこうやって偉そうなことばかり書きますが、では私にそれが出来ているのか。

その答えはきっと「No」だと思うのですよ。でも私はトライし学ぶことは止めないし、諦めない。

それだけのこと。(^_^)v

FXをやってみるのも良いし、でも「儲けるため」ではなくて「ヘッジするため」と基本の考え方を変えると、今まで見えなかったものが見えてくるはず。当然、「売買手法も変わってくる」し、「オプションの売り」も重要なのに気がつくはずで、それが「為替の変化で利益を出す」ことにつながっていくんじゃないでしょうか。

でもマレーシアリンギットは「箱入り娘」みたいに政府に守られていて、FXもデリバティブも存在しないのと同じ。「海外では通用しない通貨」というのも珍しいと思います。

だから私はリンギットを多く持たない。

 

 

 

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