中国ウォッチャーでもある私ですが、ここのところ「習近平反対派の動き」が見え隠れしていましたね。これだけでも「何かが起きている」と感じていました。だって習近平の独裁体制はどんどん固められてきて、都合が悪い情報は完璧なまでに潰してきたわけですから。
李強首相が国務院全体会議を主催しましたが、それを報道する人民日報の内容が「今までではありえない内容」なのね。
人民日報といえば中国共産党中央委員会の機関紙で、過去は「習近平礼賛の記事ばかり」だったわけですが、その「礼賛が消えた」んですよ。国務院会議自体に習近平外しの動きがあったにしても、それを人民日報がそのまま報道するということは、私は「習近平の統率力が落ちたのがはっきりした」と判断すべきだと思うのね。
石平(せきへい)氏の解説がわかりやすい。
ただ、習近平側からの「巻き返し」も必ずあるはずで、このままで行くとは思えない。
どうなりますかね。
習近平が一発逆転を狙って、台湾を・・・・、なんてことにならないことを祈るばかりです。
今回の件は、私としては「嬉しさ半分、でも不安も増大した」みたいな複雑な思いです。
また習近平の独裁的で強硬手段も厭わないみたいなやり方が変化して、対米、対日関係が良くなったとしても「巨大化する中国がそのまま」だとすれば、いつ何時、再び爪を伸ばすかわからない。
鄧小平が改革・開放路線にあたって説いた「韜光養晦(とうこうようかい)」は未だに生きているような気がするんですよ。
「韜光養晦(とうこうようかい)」、要は経済力や軍事力をつけて世界を凌駕する時が来るまでは低姿勢で爪を隠せ、という外交戦略。そしてそれすわなち、経済力や軍事力が備わったら世界を凌駕せよ、という意味だと思う。
今のおかしな状態は「習近平、待て、慌てるな」ということでしかないのかもしれない。
また習近平が退陣するようなことになったとしても、次にもっと頭の良い独裁主義者が出てくるかもしれず、まだ「習近平は読みやすいから良い」という面もあるはず。
私は、地政学的には日本は中国の影響下に入る運命だと思っているんですが、どうにかそれから逃れる手はないのだろうか。昨今、ウクライナ戦争の教訓からも、日本の自主防衛強化を言う人も増えたし、「核武装」に言及する人も増えてきた。
もしかしたら、アメリカの属国状態から自主独立云々の前に、中国の影響下から逃れるためにも「核武装」は重要だとは思うのだけれど、日本の政治システム、体質だと「誰が首相になっても核のボタンを預けるわけにはいかない」とも思うわけです。まだまだ時期尚早で、子供に銃を持たせるようなものに思えて仕方がない。でも「核が日本を変える」様にも思える。選挙に興味がない国民もそういうわけには行かなくなるし。
もしトランプがアメリカ大統領に返り咲けば、「日本の軍事費をもっと増やせ」「東アジアの安定は日本の責任」ぐらいのことは言うと私は思っていて(NATOに言う事と同じ)、「核武装が必要ならそれもいいじゃないか」とか言いそう。過去にはそれに似たようなことも言っていたし、トランプは戦後日本をコントロールしてきたアメリカの「ライン」とは違う系統。というか独立しているから、何が飛び出すかわからない。
だから「トランプは駄目なのだ」という日本の識者もいるわけで、どうなるのか。どうなったら日本にベターなのか。そしてどういう方向性だろうと、日本の真の自主独立を引っ張っていけるリーダーがいるのか。
私には全くわからない状態。次期総理は、私は「高市氏推し」だけれど、高市氏にそれだけの力があるとも思えず。
ドラえもんに頼んで、50年後の日本をほんのちょっとで良いから見てみたい。
う~む、見ないほうが幸せのような気がする。困ったもんだ。
とにかく中国の動きには注意が必要で、なにか目に見える変化が出てくるかもしれない。
新華社も変だぞという話。
ベトナムも共産主義国なわけですが、ベトナム最高指導者のトー・ラム共産党書記長が訪中している中で、どうもおかしなことが起きている様子。
どうも習近平は「健康上の問題」を抱えてる様子。
7月に行われた「三中全会」の会議中に倒れたなんで噂もある。ただ「倒れただけではない」というか、深刻な状態じゃないかと話。だから習近平を持ち上げるだけ持ち上げる今までとは違う動きになった。
新華社もおかしいのは間違いが無いようで、こんなこともあった様子。
新華社が15日に配信した三中全会特別原稿「改革家習近平」が17日には取り下げられて「なかったこと」にされたのだ。指導者を賞賛する新華社記事が一旦配信されて取り消されることは非常に珍しい。
もしかしたら「クーデター」「暗殺」に近いような大きな出来事かもしれない。
近い内にはっきりわかるんじゃないですかね。それとも「何事もなかった」様に習近平が表舞台に出てくるのか。