私は「将来を予想しない」のがモットーです。
理由は簡単で「私の予想なんて当たるわけがない」のは長い人生で嫌ってほど経験していますから。(笑)
でもあるころから、「予想はしないで想定すれば良い」ことに気がついたのね。「起きるかもしれないこと」を想定するのは難しいことではなくて、「もしそれが起きたらどうするか」を考えておけば良いだけで、それも「いくつもの想定をしておく」ことで、どうにか生き延びることは出来た。
でもねぇ、最近の世界を見ていると、「自分の想定はまだ足りない」ような気がするのね。つまり「想定外が起きる可能性」を強く感じるんですよ。
「想定外を想定する」なんてバカな事を言うなと言われそうですが、私が見てきた世の中には「登り坂があり、下り坂があり、そしてまさかの坂があって、それで人生が狂う」のね。
私がいた中小企業の世界なんて5年以内に破綻するなんてのが当たり前の世界で、10年生き延びたら「良くやった」みたいな世界。でも破綻する企業は「破綻してしまうようないい加減な企業だったのか」というと意外にそうでもないのね。やっぱり「え?嘘だろ?」みたいなことが起きて破綻する。まさに「まさかの坂でつまずく」のね。
それは取引先の破綻の影響であったり、銀行の支援停止、貸し剥がしであったり、従業員の持ち逃げだったり、「通常運転の中では想定していないこと」が起きてしまうと一気にそこでやられてしまう。
だからやっぱり「想定外を想定する」と一歩進んで考えることが重要だと思う。でもそれが起きる可能性はかなり低い。だからこそ「まさかそんなことが起きるわけがない」と高をくくっていて、そんな時にそれが起きれば簡単に破綻する。
この想定が重要で、それを考えて対策を練る必要に気がついているからこそ【選択と集中が可能】だと思っています。それなくして進んでいくのは「目隠しをしながら都会の雑踏の中を歩くのと同じ」で、でも目をきっちり見開いて何が起きるか想定をしていればどうにかその中で生きていける。
でも大した資産もないのに「リスクヘッジだ」なんて【分散投資をしていたらいつになっても大きくはならない】のはわかりきったこと。弱小企業があれもこれもと取扱商品を増やしたりあちこちに投資するのと同じでそれで大きくなるのは非常に稀でしょう。やっぱり私は選択と集中で、ある分野のエキスポートになる必要があると思っています。【虎穴に入らずんば虎子を得ず】が常識なのは人類の歴史が証明している。
私が今、一番気になっているのは、「アメリカ、米ドルがどうなるか」ということ。
昨今、アメリカが遠くない将来に凋落するであろうことは結構言われていて、それは「不景気」とか「株価暴落」「ドル安」とかそんなレベルのものではない【アメリカ帝国支配の終わり】ということ。「アメリカは世界の警察ではない」とオバマが言った時には驚きましたが、実際にアメリカが弱体化してきたのは誰にでも見えていましたよね。これはアメリカが占める世界のGDPの比率にも顕著に見えてきて、「ぶっちぎりのトップ」の時代は間違いなく終わった。
当然、アメリカにへつらうしか無かった国々がどんどん力をつけて大きくなって、BRICSの影響力も大きくなり、中小の国々もそれに参加しようと動いている(マレーシアも同様)。まさに「アメリカが押し付けてきた価値観とは違うもの」を彼らは目指しているわけで、でも私はそう簡単に彼らが世界の中枢に入り込んでくるとは思っていないし、「米ドルの支配」から逃れることも難しいと思うんですよ。
でも「アメリカは自滅する」かもしれない。そんなことを最近、世界、アメリカを見ていると感じるんですよ。
アメリカがどうなっても関係ない人もいるかも知れませんが、私は通貨で言えば「米ドルに全てを賭けている」わけで、持っている債券も全て米ドル建て。日本円の資産もなければ収入もない。今、マレーシアに住んでいますからマレーシアリンギットも持っていますが、基本的には「リンギットは世界の辺境の通貨」でしかなくて、「海外で自由に売買も出来ない通貨」であり、「FXも先物も存在しない」という非常に特殊な通貨だから多くを持とうとは思わないし、持っていない。
つまり「選択と集中をしている」ような状態だから、「アメリカに、米ドルに、なにか起きたら大変なことになる」わけです。
今の状況で、米ドルは対円では高値から10%以上下落して、それを含み損として計算すると目眩がするほどです。でもそんなのはまだまだ序の口だと思うんですよ。
でも自分の中では「アメリカを馬鹿にするなよ」なんて思う部分もあって、やっぱりアメリカが世界を動かす構図は変わらないし、アメリカに代わって覇権を持つ国が出てくるとも思えない。
でもそう考えること自体が「自ら想定外のことを見ようとしていない」のかもしれないと最近、思うんです。
で、その兆候は間違いなくあるのね。
いつも紹介する石原順氏の動画を出しますが、私は彼の考え方に賛同するというより、全くそれを否定することが出来ないのね。そこが問題。
以前から「アメリカは危ない」とデータを出しながら警鐘を鳴らしていた「レバナス一本リーマンさん」ですが、似たようなことを言い出す専門家も増えだした。決して「株価を見て有頂天になっていてはいけない」のは間違いないと思う。
ではダボ家としては、何をどう想定して、どう対処すべきか。
まぁ何が起きるかの想定だけなら、それこそアメリカがアメリカの立場を守るために「戦争を起こす」なんてことも考えられるわけで、でもそれさえも「アメリカが何もせずに凋落していくとは思えない」ことから絶対に有り得ないとも言えない。
でもそのレベルのことが起こり得るとしたら、その他、「起きるかもしれない」ことを考えだしたら止まらないぐらい。(笑)
でもどちらにしても「米ドルだけに集中するのは危険」なのは何が起きても同じなわけで、この今の我が家の方針をどう変えていくか考えなくてはならないと思っています。
でも残念ながら妙案は浮かばない。
だからこそ、「そんなことは起きるはずがない」と自分を安心させるように心理は動くのはわかりきったこと。
どうしましょうかねぇ。
多く持つ債券も「金融機関のもの」が多いですし、これも実は危ないのね。それこそリーマンショック級のクライシスが起きれば大手の金融機関も危ないわけで、今のアメリカの状況はリーマンショック時以上に危ないのが数字から見える(ここが最も重要)。ところが今、持っているそれらの債券の償還日は全て数年後だから、すぐには動けない。でもそれもまた「自分の都合」なだけで、売ろうと思えば明日売ることも可能なのが債券。でもそれはしたくないという「非常に消極的な自分」がいるのもわかるし、そういう自分を超えない限り「想定外を乗り越えることは不可能」なのね。
でも I have no idea 状態。 (┰_┰)
もし自分がサラリーマンなら「会社にお任せ」になるだろうし、もし会社が破綻しても国のセーフティネットのお世話になることも出来るし、多くの人も同じような状況になるとすれば、「しょうがない、どうにかなるだろう。やれることにベストを尽くすしか無い」と考えるのかもしれない。
この考え方をバカにしているわけじゃなくて、逆に、それぐらいの「開き直り」を私もすべきだと思うようになってきています。
それは決して「何が起きてもそれに身を任す」ということではなくて、「想定できることは想定して、対処すべきことは対処する」のを前提とした考え方。
つまりですね、「もうすでに大変なことが起きて、資産の大部分を無くしてしまうことが起きた」という前提で考えたらどうかということ。
若い頃はそれの繰り返しだったわけですが(笑)、年寄りにもなって「またかよ。もう嫌だ」と思うけれど、こちらの都合で世の中が動くわけもないし、「裸一貫からいつでもやり直す」という気構えが大事なんだろうと思ったり。
さて、朝起きたら世界で大惨事、大事故、大事件が起きて蜂の巣を突っつくような大騒ぎで、自分の資産の大部分が消えてしまったことに気がついたらどうするか。
これを原点に考え、実行してみようかと思う。
そしてそれを息子たちに見せるのも重要だと思うんですよ。
彼らは頭でっかちで経験したこともないことでもわかったようなことをいう。車の運転だとすれば、整備もきっちり出来ている車に乗り、舗装された道路を走り、カーナビも装備して行くべき道もわかっているような生き方しか経験したことがない息子たち。
当然、彼らが考える「リスクヘッジ」はそういう危ないことも経験したことさえない人の「理屈で考えたリスクヘッジでしかない」のね。それでうまくいくのかどうかは疑問で、理屈でどうにかなるほど世の中、簡単に出来ているのだろうか。
ある日ある時、その前提が崩れた時に何をすべきか。彼らは頭でっかちだからこそ、恐ろしい現実に遭遇したときの混乱は半端じゃないであろうことが想像できる。だから世の中の2代目、3代目が受け継いだ資産を無くす事が多いのはそれが原因だと思う。創業者と同じ経験をしていないのだから。
それをやって見せるのが親として彼らに見せるべき「親の背中」なのかもしれない。
すべてを失った人間が、「何も無い野原に立って絶望した時に、何をするべきか」を彼らが実体験することは不可能だし、そんなことは起きて欲しくないけれど、そんな時に「オヤジはこうやって生き延びてきた」「こうやれば良い」という一つの道を見せることが出来たら良いと思う。
それが私の最後の置き土産なのかもしれない。(^_^)v
お~し、その線で行ってみよう~~~~。
自分の気持ちを50年前に戻せば出来ると思う。それが上手くいく、いかないではなくて、「生き方を見せる」のが出来れば十分かもしれない。
「諦めないこと」だけでも見せれたら良いなぁ・・・・。