BRICSがアメリカの影響、あるいは支配と言って良い環境から抜け出て新たな「基軸となるもの」を作ろうとしていますよね。当然、その中心になるのは通貨ですが、BRICSが通貨を発行するという話は前からありましたね。
今回の話はそれとちょっと違うのですが、スイスで「デジタル通貨」の実験というべきかどうかわかりませんが、実際にそれを作り、システムの構築をしていた。それは「mBridge」と呼ばれる。
それがある程度の段階になって将来も見えてきたら突然、それを「中止する」と宣言。
なぜか。
それは良くわかりませんが、そもそもそのスイスで行われていた実験の中心になっていた国家が「中国、UAE、そしてイラン」だとのこと。
つまり彼らはその将来も見えてきたmBridgeをBRICSのデジタル通貨として誕生させようとしているのではないかと。
これができると、個人間、企業間、もちろん世界中で「一瞬にして送金も可能」となる。となれば「米ドルからの呪縛から離れられる」ということになる。
私としてはBRICSがどう頑張っても米ドルからの呪縛からは逃れられないだろうと思っていて、そもそもBRICS間での貿易、お金のやり取りが新通貨で行われる事が増えたにしても、ではその通貨、そしてその通貨の価値を決めるBRICSの通貨の「信用度の問題がある」と思うわけです。
例えば中国元にしてもロシアルーブル、ブラジルレアルにしても、「その通貨を持ち続けて嬉しい国があるのか」という点。取引は新しい通貨で行っても「利益をその通貨で持ち続けるのか」は疑問。
逆に「借金をする場合、その通貨のバックグラウンドの信用を考えれば【金利は高くなる】と考えて良い」んじゃないですかね。となれば米ドルや日本円から逃れることは出来ないわけで、新たな通貨で借金が簡単で早くできたにしても「金利」が高いとどうにもならない。
まさにそれは中国がやってきた「一帯一路」の問題でもあって、中国とがっちり組もうと思ってやってきた国々がどういうことになっているのかは皆が知っている通り。スタート当時、中国は日本を引き込むことに躍起になっていましたが、それは「日本円の信用が欲しい」、そして何よりも「借入金利が低く抑えられる」ということだったはず。日本では「バスに乗り遅れるな」という声が高まりましたが、日本はそれを拒絶。私は大英断だったと思っています。
私はそれと同じことがBRICSの新通貨にも起きると思っていて、「通貨の移動は簡単」だとしてもそれ以上のベネフィットがあるのかどうかは疑問。喜ぶのは地下組織とか銀行口座さえ持っていない貧困層とかで、例えばトヨタが自動車の代金をそういう新通貨で受け取ったにしても、それをすぐに「安全な通貨に替える」だろうと思うわけです。
やっぱり通貨は「規制がある」から良い部分もあるし、その通貨をどんな国が発行しているのかは最も大事なことで、国家そのものが安定していない国々が寄り添って作った通貨が米ドルを駆逐するなんてことは考えられないのです。
当然、アメリカもドルの暗号通貨も考えているし、それは日本も他の国々も同じ。だとすれば、「どの国の暗号通貨を使うべきか」考えた時に、BRICSの通貨が他国より秀でているとは思えない。実際に、BRICSの中心として名前が出ている国々の通貨の変動を見てみれば、皆が喜んで使うにしても「持とう」とする通貨とは思えない。「使うのには便利」でも「持っていたくない通貨に将来はない」と思う私。ましてや「借金」する場合には金利が高いとしたらどうだろうか。
BRICSの新通貨がどういう形で出てこようと、もしその通貨の良さが「流動性」しかないとすれば、それすなわち信用もある大国が、あるいはその連合が「流動性のある通貨」を出せば、BRICS通貨はいとも簡単に駆逐されるはず。
でもそれらが使われる量は増えるだろうし、%も看過できないくらいに大きくなることもあると思う。
でもそんな時に、アメリカの大統領が誰だかわからないにしても「君たちは君たちで頑張れ」なんていうはずもなく、必ずや対抗措置を取ると思う。それは「暗号通貨の良さ」「規制をかける」ところのバランスを考えるはずで、そのノウハウや実行力に対抗できる勢力は存在しないかもしれない。
ただ「新通貨の誕生」を無視しても良いということにはならないし、でも慌てること無く注視すべきで、間違ってもそれらはビットコインとは違うステーブルコインであって、「買っておけば儲かる」なんてこともない通貨のはず。
最近、読んだニュースで驚いたのは、「中国人が日本で使うカード決済の額が非常に大きい」という点。買い物、生活全般でお金を使うのにもそのカードが使えるし、中国人同士の取引でもそれが使われることが多いらしく、【脱税の温床となっている】と。そしてその脱税額だけで年間数千億円という試算が出ている。きっと消費税も取れていないんじゃないですかね。
世界で流通する通貨が暗号通貨になり、お金のやり取りが簡単になれば、今の日本の問題は世界規模になるはずで、まず「お金の出入りをチェックできない」し、「企業や商店の売上金額もわからない」、当然、「課税も出来ない」し、世界中のお金がアンダーグラウンドでやりとりされるのと同じことが起きる。
これを良いことだというのは「狂った暗号通貨マニアの考え方」でしかなく、国家の破綻さえ起きる。
だから各国が暗号通貨の取り扱いに慎重になるのは当たり前のことで、それでも暗号通貨を積極的に取り入れる国があるのは、「そもそもの自国通貨がきっちり機能していない」からじゃないですかね。でもそれが広がり問題も出てくるのが見えてくれば、「大国も自国通貨としてデジタル通貨を発行し、コントロールしよう」と考えるのも順当で、それをしない国家はアホかもしれない。
アメリカを見ていると「理不尽」に見えるような政策を他国に対して行うのは皆が知っているとおりだし、「特定の通貨」に対して「使用禁止措置」だって出すかもしれない。それは「交換禁止」を意味するし、ましてや「自国通貨が不利になる」のがはっきりしていたら、無茶な規制もするに決まっていると思うんですよ。
それどころかアメリカは「米ドルの暗号通貨」を使って、「米ドルの覇権をもっと強固なものにする方策」を練っていると考えるべきで、経済的には大きくなってきても不安定な国々が寄って集まって「新通貨」を作ろうが、私はアメリカに太刀打ちできるとは到底思えないのです。
でもま、トライしようと彼らは考えているわけで、何が起きるかはわからない。そして20年、30年という将来を見た時に、アメリカがどうなるかはわからないし、「今から新たな通貨を用意する」のは彼らにとって決して間違いとは言えないはず。
極端な話、米ドルに首根っこを押さえられていると「戦争も自由にできない」わけで、【自由な通貨】が使える状態ならアメリカの顔色を見ずに戦争を起こすことも可能かもしれない。
まさに今のロシアやイランを考えれば答えは簡単に出るはずで、もし彼らが暗号通貨を持ちそれが世界で流通していたら「規制」も出来ないじゃないですか。石油を売ろうが、武器を買おうが、暗号通貨で売買できるとなったらまさに世界が変わる。そして彼らはそれを狙っているのだろうと思う。
その時を「想定することが重要」というのが今回の動画。
私が最近、気になっていることですが、「量子コンピューターが確実に進化しているらしい」ということ。となると「暗号通貨の暗号解読も可能」になって、一瞬にして「現行の暗号通貨」は値崩れするだろうということ。
その時には量子コンピューターが作った暗号が使われることになるのかもしれませんが、そんな暗号を扱えるパソコンが世界に普及していなかったらその暗号通貨も使えないんじゃない?
ビットコインに夢を託した時代もあったね、なんてことが起きる?起きない?大丈夫?
もしかしたら今までとは全く違う暗号通貨をAIが考え出す時代が来るのかな?
どちらにしろ、「時代の変化スピード」は確実に早くなるはずで、それに追いつけないと負け組になるんでしょう。そして格差はより広く広がり、格差ももっと大きくなり、インドのカーストじゃないですが、「自分の居場所、立ち位置」は決定的でほぼ変更は不可能な時代になるような気がしています。
なんだか科学技術の進化も良いことなのか災いをもたらすのか、そんなことも私には良くわからずにいます。