今までは「日本に来る外国人」は【お金を稼ぎに来る人達】が多かったわけで、それは今でもベトナム人を始めとして「人手の足りない産業を支えている」のは間違いがない。
かつての中国人もそうで、日本に密航してきても「稼げる国」として流入は多かった。
ところがやっぱりこの10年ですかね。中国人はどんどんお金持ちになり、日本は伸び悩んだままだったから「なんでも安いお買い得の国」になって【インバウンド】なる言葉が多く使われるようになって、それは「外国人が安い日本に来て散財してくれる」という意味。
そりゃ外国人が日本に来て大金を使ってくれるのは嬉しいものの、50年以上に渡って「日本と外国を比べてみてきた」私としては、感慨深いというか、残念というか、悔しいというか、なんとも言えない気持ちです。かつては日本人こそが「お金持ちの代表だった」みたいな時期もあって、私も20代、30代の頃は「海外に出ると王様気分」なのを体験しました。香港、台湾、韓国、シンガポール、フィリピンも「なんでもかんでも安い」「安すぎる」と思ったし、レストランに行くにしても「一番高級なレストランで高いものから注文する」なんてことも平気で出来た。そしてそれを「安いね~~~~」なんて言っていたんですから。
経済的にも日本は世界のトップクラスを走っていて、そしてお金持ちで、ハワイのワイキキのホテルは「全部買い占めた」と言っても良いくらいで、アメリカのランドマークと言われる有名な建物まで日本勢が買い占めた。当時、日本の不動産の総額はアメリカ全土の総額を上回ったなんてことも言われた。
それは私達家族が移住したオーストラリアも同じで、ゴールドコーストの目立ったコンドミニアムやホテル、ゴルフ場は「日本の傘下」に入り、とんでもなく広い区域に高級リゾートを作ったり、しかしそれを快く思わないオーストラリア人も多く「日本人を追い出せ」とデモが起きたのを覚えています。当時、オーストラリアの物価も非常に安く、私達日本人がやるBBQでは「伊勢海老、アワビ」なんてのが平気で出てきて、オーストラリア人を招待すると彼らのBBQって「ソーセージを焼くだけ」が多く、本当に驚いていた。私達が招待されれば「高級な肉や鮭のホイル包み」とか持って行くわけで、それも喜ばれましたっけ。「日本人の収入は多い」のと「オーストラリアの物価は安い」という2つのことが重なった時期。
ところがバブルが弾けると、ゴールドコーストの超有名なリゾートを開発していた会社は倒産するし、ホテルやコンドミニアム、ゴルフ場もどんどん日本人の手を離れていった。これは世界的に同じことが起きて、ワイキキのホテル群も手放し、アメリカの有名な建物も「言い値で叩き売られた」のね。
「日本人はすごかった」けれど、結果的には「日本人に高いものを買わせて、あとで安値で買い戻した」ことになった。多くの外国人が「ざまぁ」と思ったはず。
ゴールドコースト在住の日本人もどんどん貧乏になって、多くの人たちが引き上げて行ったけれど、どうにか持ちこたえても、それは「持ちこたえているだけ」みたいなもので「瀕死の重傷」という感じ。(笑)
かつてはボロ自動車にオーストラリア人は乗っていたのに、日本の衰退と逆に発展を続けたオーストラリアでは若者が普通にベンツやBMWに乗るようになって、「ボロ車に乗るのは日本人」となった。でも「オーストラリア社会に入り込んだ日本人」は違っていて、オーストラリアの発展の波に乗れた。それは私の次男坊も同じで、サラリーマンだけれど日本では考えられない日本の同年代の4倍以上の高給取り。
そしてその変化、傾向はそのまま続いて、日本人は益々貧しく、オーストラリアは益々リッチになっていった。これは世界的にも同じ。
この動画を見ると、私の中でも過去の経験が走馬灯の様に見えてくるし、日本の凋落の凄さも半端じゃないですね。トップクラスにいたのに20位以下の圏外にまで出たなんて信じられない。ただ「これはドル建てで見た順位」なわけで、円高、円安で大きく順位は変わる。でも「順位が低いのはたまたま円安だから」と考えるべきじゃなくて、「それだけ国力が落ちている」と考えるべきだと私は思っています。ポテンシャルは非常に高い日本だとは思うけれど、発展途上国レベルに向かってまっしぐらに見えます。私はこの元凶は「政治と財務省」だとマジにそう思っています。特に財務省は「選挙で選ばれた人たちではない」のに、とんでもなく大きな力を持って政治さえもコントロールしている。これをDS(ディープステート)と呼んでも間違いないと思う。国民が「選挙で選んだ日本の方針」をあの手この手で潰しにかかるんですから。
マレーシアを見ても同じで、かつては「そこそこ普通のサラリーマンを退職した老人たち」がMM2Hを取って渡ってきて「物価の安さを満喫していた」のね。【マレーシアの物価は日本の3分の1】と言われた時代。だから「移住したい国のトップにマレーシアは躍り出て、それが何年も続いた」。ま、これは「移住しやすいという意味」もあったわけで、本音は「ハワイ」だとしても「ビザが取れない」「物価が高い」となれば行きたくても行けない。
でも段々と日本は落ちぶれて、マレーシアは逆に発展して、物価も3分の1なんてことはなくなり、そして円安も始まれば移住コストも生活費も上がり、マレーシアに渡る日本人は激減した。
しかし「お金?持ってんど~~~~」とブイブイ言わせる中国人はもっとお金持ちになり、そして中国から出よう、逃げようとする中国人も増えて、マレーシア政府は彼ら中国人に焦点を当ててMM2Hのビザ取得条件も変えてきた。
この変更はとんでもない変更で、今までのような「定年退職した日本人」が到底クリア出来る条件ではなくて、「かなりのお金持ちじゃないと無理」になった。でもそれでもお金持ちの中国人からすれば「たいしたことないじゃん?」レベル。
それまでは「日本人ウエルカム」だったのが、条件変更の時には「来てもらいたくない人達」「マレーシアには金の卵を生むガチョウに来て欲しい」とはっきり言われてしまった。ま、それは仕方のないことではあるのだけれど、私には「手のひら返し」に見えたし、「オメェら、もう関係ないんだよ」みたいな言い方をするマレーシアには本当にガッカリしたっけ。正直なところ、この時に「私の心は離れた」と言っても良くて、「じゃ、お互いギブアンドテイクで行けば良いってことね」と思うようになった。
かつて日本人の中では「私達を受け入れてくれるマレーシアに感謝しましょう」なんて他人にも呼びかける人達が結構いて、自分で勝手に感謝すれば良いことなのにイチイチ他人に押し付けるなとは思ったものの、私の中でも「マレーシアは有り難い。感謝したい」という気持ちはあったんですよ。でもMM2Hの条件変更の時にはその気持も消えて、「お互いビジネスライクにやろうぜ」という考え方になった。
ま、私が何を考えどう感じようがどうでもいいことなんですが、要は、かつてのマレーシアで起きたことが、今、日本でも起きているってことなのね。
「日本って何でも安いし、ビザを取るのも簡単だし、安全だし、良いんじゃね?」という中国人がどんどん渡ってきていると。彼らは「日本で働いてお金儲けをしよう」と考えているのではない人たち。
当然、日本の不動産は「彼らから見ればメチャ安」だから高額マンション、不動産をガンガン買う。当然、「お金儲け」に関しては「オギャーと生まれたときから鍛えられている人たち」だから、「民泊が儲かる」なんてことになれば「民泊のビル」を建てるのに「不動産争奪戦」が始まったり。また留学生も増えて、そして日本政府は補助金まで出すから「大学院」が中国人で溢れている状態。東大も同じく。そして子連れで移住する金持ち中国人は「受験勉強も厳しく育てる」のが当たり前だから、日本の進学塾にも中国人が増えて、トップクラスは中国人師弟が増えていると。そして進学に有利な小中学校に入れるために、そういう学校がある「学区(例えば文京区)」に住まいを構える中国人も増えていると。
どちらにしても「VISA」が無いと住めないわけだけれど、日本にはとんでもなく簡単に手にできるジャンルのVISAがあって、「500万円の投資金+二人の従業員」で世界的に「事業家VISA」と呼ばれるジャンルのVISAが取れて、多くの中国人がそれを取って、続々と流入している。
不動産投資で儲けた中国人も多いわけで、中には「上海のコンドミニアム一室と同じ価格で、日本ではマンション一棟丸々買える」という中国人までいて、中国人の金持ちはウン十億円、あるいはその上の額を持つ人達は大勢いて、「500万円でビザが取れる」なんてのは「お小遣い程度で取れてしまう」感覚のはず。そしてそういう人たちが「爆増している」とのこと。
なんだかなぁ・・・と私は思うのだけれど、かつての日本人も世界に出て似たようなことをしてきたわけで、ま、順繰りだから仕方がないとは思うものの、「日本が再起する将来が見えない私」としては結構、落ち込んでいます。
日本に増える外国人も、日本の伝統、文化、慣習、常識を大事にして踏襲してくれるなら良いけれど、彼らの多くは「仲間同士で固まってコミュニティーを作るのが常識」で、そして自分たちの価値観や生き方を変えない人たちが多い。この点、日本人って違っていて、そりゃ歴史的には各地に「日本人街」を作った歴史はあるにしても、「地元に同化する」「郷に入っては郷に従え」という気質の日本人が多い。だから現代の世界の都市を見ても、「中国人街、韓国人街、ベトナム人街、アラブ人街」などはどこにでもあるけれど「日本人街はない」のが普通。
さてさて、これからの日本はどうなるんですかね~。