アメリカが中国を標的にしているのははっきりしてきましたが、巷の意見を聞くと「やりすぎだ」「自由貿易を尊重しろ」など【トランプを止めようとする動き】が活発。
でもねぇ、それって「既得利権を守りたい」からそういう考え方になるわけで、また一般的には「大きな変化があると生活も変わってしまう」ことを危惧するから【余計なことはしないで欲しい】と考える。
それは私だって同じなんですよ。
その時その時の世界、経済情勢を見ながら「生き方を決めて生きている」わけで、それの根本的なものが変わるようなことはしないで欲しいと思う。サラリーマンだって同じで、「会社が危うくなるようなこと」は絶対に起きて欲しくないし、景気が悪くなって「減給だ、配置転換だ、リストラだ」なんて冗談じゃない。
でもねぇ、今、私達が乗る「宇宙船地球号」が【破滅に向かって動いている】としたらそれをどうにかしないとならないと国も動くわけで、だから「地球温暖化じゃ、CO2じゃ」と騒ぐわけでしょ。問題は多くても「太陽光発電じゃ、電気自動車じゃ」と世界は動いてきた。
私はトランプがやっているのも「同じ」だと思うんですよ。
でもそれを理解するのは簡単じゃなくて、「このままで良いじゃないか」というのはまさに「地球温暖化も再生可能エネルギーにも興味がなかった頃」と同じだと思うのね。
なんていうと、「それほど、今の状況ってうまくないのか?」となるけれど、その答えは私は「Yes」だと思うのね。
その辺をわかりやすく高橋陽一教授が説明している。
私ぐらいの年代は「ニクソンショック(米ドルの金との交換を停止)」や「プラザ合意」、そしてその後の円高で【日本の高度成長は終わった】のを実体験しているわけで、あの時代は今の中国と同じ様に「日本が飛び抜けて荒稼ぎしていた」のね。「日本は金持ち」どころの話じゃなくて、それこそハワイのワイキキの目立ったホテルは日本勢が買い占めたり、それは住宅地にまで及んで「売りに出ている家の前を通り過ぎて様子を見るだけ」で【はい、この家は買って】なんてことを「日本の有名な不動産屋」がやっていたり。歌手の千昌夫も同じで「不動産王」と言われた。1980年代、今から45年も前に2000億円以上の不動産投資を歌手の千昌夫がしていたなんて信じられないですよね。
これはオーストラリアも同じで、とんでもない額の日本のお金が流入してホテルじゃコンドミニアムじゃゴルフ場じゃと買い占めた。なおかつゴールドコーストでは「最大、最高級のリゾート開発(Sanctuary Cove)」をしたり。当然、アメリカも同じで、各地の「有名なホテルやビルの不動産」も日本勢に渡った。
これへの反発って大変なもので、「日本人を追い出せ」とゴールドコーストでも「市民デモ」が起きたぐらい。
それを放置したら世界はどうなるのかと誰でも考えるじゃないですか。
そしてそもそも「どうして日本はそんなにお金を持っているのか」というところが重要で、これは【溜まりに溜まった貿易黒字】なわけですよ。
私達日本人にしてみれば、私も「それは日本人の努力の結果で文句を言われる筋合いは無い」と思っていた。
ところがですね、それは違っていて、「大きな円安が長く続いたから」だと前から高橋洋一教授は言っていた。
だからとうとうアメリカも動いたのね。そして「プラザ合意」の後も日本円は上がり続けて、1ドル250円からあれよあれよと見てる間に100円を切って「輸出業は壊滅的な大打撃を受けた」。輸出額はドルベースで同じでも手にする円は4割にしかならないんですから。そして「多くの製造業は日本を出ていくしか無かった」のはまだ記憶に新しく、「産業の空洞化」が定着した。そして「日本は落ちぶれていった」のを若い人も覚えているはず。
この動きで「おこぼれを得て伸びた」のが韓国であり、中国であり、東南アジア諸国。日本が落ちぶれるのと逆にどんどん発展していった。
でも「日本を叩き潰す」のは成功しても、今度は中国が飛び抜けて大きくなってきた。
アメリカとしては「過去に日本を叩き潰した成功体験」があるし、問題の根源は「中国元安」だとわかっているから、これをトランプは潰しにかかってくるだろうと読める。
でもねぇ、日本と中国って大きく違いますよね。
日本って敗戦国でアメリカにはお世話になりっぱなしで何でも言うことを聞くし、政治も経済もアメリカの体制に合わせてきた。そして軍事力は小さい。
ところが中国って巨大で軍事国家で共産党の一党独裁で、他国の言うことなんて一切聞かない。なおかつ「共産主義であって自由主義、資本主義ではない」から「中国が海外に出ると自由主義、資本主義を利用しまくる」けれど、「他国が中国に入ってくるのはがっちり規制を掛ける」わけで、そこに公平公正はない。そしてその規制は「自由な取引を制限する」どころじゃなくてありとあらゆる方面に規制があって中国は守られている。
為替もそうで、完全な変動相場制ではなくて、ドルペッグからバスケット、そして管理変動相場制になっていて、それは「中国の都合の良い様に操作できる」ことを意味する。
そんなのありか?と思うけれど、マレーシアリンギットも複数通貨バスケット方式による変動相場制だし、海外での自由取引は出来ない。私達は「為替は変動相場制で自由に動く」と考えがちだけれど、そんな取り決めはなくて「各国が独自の判断で決めている」だけじゃないですか。
中国は「資本の自由取引」も認められておらず、がんじがらめの政策で自国を守っている。
そして「メンツの国」で習近平は簡単に海外からのプレッシャーを受け入れることはしない。
そして、軍事大国。なおかつ核保有国。
こういう国を相手にしてトランプがどこまで戦えるかは甚だ疑問だけれど、「放置は出来ない」のは間違いがない。
一体どんな手が有効なのか、一体どうなるのかなんて私にはさっぱりわからない。でも「トランプには私は声援を送りたい」と思う。当然、「肉を切らせて骨を断つ」ような戦い方になるのだろうし、日本も他国も「返り血をしっかり浴びる」ことになるだろうし、どこよりも先に「降参の手を上げるしかない国」も出てくるだろうと思うのね。
でも中国を放置するという選択肢はない、と私は思う。
高橋教授が言う「中国元が安すぎる」というのはどの程度かというと、本来は「今の5倍が適正」だという。( ̄口 ̄∥)
日本円で言えば、1ドル29円が適正だというのと同じで、異常だとしか思えない。でもそんな今の状態を作り上げて「世界からお金を吸い上げきた」のが中国。
高橋教授は変わった人だから、たまに「日本円が300円ぐらいになったら凄く発展しますよ」なんて笑いながら言うけれど、これって冗談じゃなくて、「歴史が証明している」のね。安倍政権が日本の景気を押し上げたのも「円安誘導があったから」なのは間違いがないじゃないですか。この辺の感覚って一般庶民とは真逆で「円安で輸入品が高くなったら生活が出来ない」と文句を言う。では「円高で輸入品が値下がりすればよいのか」となるけれど、「そりゃそうでしょう」というのは「デフレで物価が下がったら万々歳」と喜ぶのと同じだと私は思う。でも私達は「収入を増やすことに焦点を当てるべき」で、その考え方をすると「円安」、そして「インフレ」の方が良くて、「円高、デフレ」だと経済のパイがどんどん小さくなっていってしまうことを考える必要があると思う。
「中国元だけ狙い撃ちができるのか」と考えるとそれは「出来ない」と私は思うし、アメリカも「貿易不均衡を是正する」と言っているのだから、関税アップは「負債でアップアップしているアメリカ政府としては必ず続けなければならないこと」だと私は思うし、それと同時に「輸出増を狙うならドル安に誘導する」のは当たり前でしょう。
だからこそ「プラザ合意の再来」が言われるけれど、これもちょっと違うんじゃないかと思うのね。
そもそも「アメリカは今は輸入超過状態」で、なおかつ「関税アップでインフレ、景気の落ち込み」が懸念されている状態。
もしここで「30%のドル安」になったらどうなります?
それは「輸入品がもっと高くなる」ことを意味するわけで、「インフレ状態、関税は値上げ」プラス「ドル安で輸入価格が上がる」なんてことになったら【アメリカ経済にとどめを刺す】ことになるんじゃない?「輸出業者には追い風」となっても「そもそも輸出業、製造業が弱い」というのが「アメリカの最大の欠点」じゃないのか。
「ドル安が必要」なのは「輸入も減って国内製造業も盛り上がり輸出が増えてきた頃」に【カンフル剤としての意味がある】わけで、国内製造業は駄目。輸入超過。関税でコストアップする方向の今、「ドル安政策」を取ったら「トランプは正真正銘のキチガイ」だとしか言いようがないと思う。
でもねぇ、今年だけでも9兆ドル(1300兆円で日本の国家予算の12倍)の国債の償還、借り換えがあって、金利がちょっと高いだけで将来の利子の支払いはとんでもなく増えるわけで、そのためにはどんな手を売っても「金利を下げたい」とトランプが考えているのは見えますよね。その手段として「株式市場を犠牲にする」「景気を悪くして金利を下げる」ことも考えているであろうことは多くの専門家が言うわけで、そもそも株式市場はバブル状態なのだからそれを放置しようが手を加えようが「バブルの崩壊は来る」とするなら、トランプはそこに手を突っ込むだろうと思うし、景気が良いのも「バラマキ政策の結果」としての好景気ならそれを是正するのも必要なことかもしれない。そもそも金亡者のウォール街を潰したい意向があるように見えるトランプだし、本当に何をしだすかわからない。
つまり、「ドル安誘導」なんて自殺行為に私には見えるのだけれど、「勝負師のトランプ」が「肉を切らせて骨を断つ」つもりで動き出すとそれもやるのかもしれないなんて思ったり。
ま、私がどんな想像を巡らせようと全くの的はずれだとは思うけれど、「中国元安をどうにかしないとならない」とトランプが考えているのは間違いがないと思うし、世界が仰天するようなことも彼はやると思う。
私としては「そんな事が起きたら・・」とシミュレーションをして、対応策を考えておくだけしか出来ませんが、ボーッとして見ているのだけはうまくないと思う。
もしも危惧するほど酷いことが起きなかったら、それは「地震の後に津波が来るかと準備はしっかりした」けれど【結果的に津波が来なくてよかったね】という状態でありたいと思うわけです。
私の言う「準備」とはなにか。
それはいつも書いている通り、明日、来週、来月、来年に世の中がどうなるかわからないけれど、「今、眼の前にある狙える利益をこまめに取っていくスキルを高めること」です。デイトレのスキルとそれによって稼ぐ額を上げる様に努力するという意味。
ま、私は商人の生まれですし、商人の考え方にどっぷり浸かっていますから、「どんな時代になっても【日銭を稼ぐ】ことを重視する」ということでしかありません。
デイトレは世界に何が起きても、値が下がろうが上がろうが、「値動きがあれば利益を狙える」わけで、世界に証券会社、ネット接続がある限り、戦争が起きようと大災害が起きようと、景気が良かろうが悪かろうがどうにか生きていける。あるいは破綻してもそこから復活する「唯一の方法」だと思っています。
だからブログにもそれを書き続けているのね。こんな良い仕事って私は他には無いと思うから。そしてやろうと思えば誰にでもできることだから。
トランプ米大統領が中東歴訪を控え「8日か9日、あるいは12日にとても重要な主題についてとても大きな発表をするだろう」と予…
トランプ米大統領が中東歴訪を控え「8日か9日、あるいは12日にとても重要な主題についてとても大きな発表をするだろう」と予告した。貿易に関することではないと付け加えた。
トランプ大統領は「特定の主題に関し数年間出てきた発表のうち最も重要なものになるだろう。何の発表なのかは話せない」とした。