世界、日本は結局どうなるの? 一度「絶望」を体験してみるのは良いと思う

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最近の私が思いだすのは「世の中の真相は不可解だということを理解した」と絶望して日光華厳の滝に身を投げた若者である「藤村操(ふじむら みさお)」のこと。明治時代の人ね。

彼の遺書はこれ。

巖頭之感
悠々たる哉天壤、遼々たる哉古今、五尺の小軀を以て此大をはからむとす。ホレーショの哲學竟に何等のオーソリチィーを價するものぞ。萬有の眞相は唯だ一言にして悉す、曰く、「不可解」。
我この恨を懷いて煩悶、終に死を決するに至る。既に巖頭に立つに及んで、胸中何等の不安あるなし。
始めて知る、大なる悲觀は大なる樂觀に一致するを。

16歳で自殺した彼の心境に共感する若者がどっと増えて、華厳の滝で身を投げる若者が増えて社会問題となったわけですが、私も若い頃に彼の心境と同じものを感じて「わかる~~」なんて思っていた時期がありました。誰でも「真理を知りたい」なんて若い時期があって、哲学本を読み漁ったり、デカンショを勉強したり。

若い方はご存じないだろうけれど、かなり昔に流行った歌があるんですよ。「デカンショ節」というのですが、「デカンショ デカンショで半年暮らす。後の半年は寝て暮らす」という歌詞ですが、デカンショとは「デカルト、カント、ショーペンハウアー」のことね。毎日毎日、「真理探求」に明け暮れて、後は「寝て暮らす」みたいな「学生時代を歌った歌」なわけですが、それが大流行した。

明治時代の学生、若者たちも「理想を追いかけて毎日を過ごしていた」のだと思う。

私もそんな時期があったわけですが、結局わかったことは「自分にはわからないということがわかった」という事実なのね。絶望というか大いなる諦めを感じましたが、今、世界、日本を見ていると「あのときの感覚が蘇る」んですよ。

やっぱり何をするにしても「将来を夢みて、将来を予測して生きる」じゃないですか。そしていつか社会に出ると「稼がなくては生きていけない」という現実の中でやっぱり「将来を予測する」ことが益々重要になってくる。それなくして仕事なんかできないですから。だから毎日毎日が「予測の日々」と言っても良くて、世の中の変化にも敏感になるし、それは現代でも同じだと思うのね。

これって上に書いた「真理探求に明け暮れていた学生」と同じ。

私は若い頃に起業して「万年零細企業の親父」をやっていましたが、当然、「予測の毎日」でそれなくしては仕事にならない。また後に株式投資を始めましたが、それを含む投資も全て同じで、「予測なくして出来る投資はない」と思う。だから私も株式投資をしているころは「予測ばかりしていた」のね。それは現代のどんな企業も投資家も同じだろうと思う。

でも「世の中の変化も将来も自分にはわからない」ということがわかっただけでした。ま、当たり前と言えば当たり前だけれど、「予測なくして生きることは不可能」だと信じていたわけです。でも「自分には予測できない」ことがわかった。

なんで華厳の滝に身を投じた若者の話を今、書いているかと言うと、彼の遺書の中にある最後の言葉を引用したかったから。

これです。【始めて知る、大なる悲觀は大なる樂觀に一致するを】

彼は絶望して悲観して、死を選んだわけですが、「その選択は【楽観に一致する】」と言い、「絶望を突き抜けたところに光を見た」ということも出来ると思うのね。

私が株式投資をしている頃に「予測はできない」と落胆していた時に知ったのが「チャート」でした。ま、私の父はかつて相場師で毎日短波放送を聞きながら「株価グラフを自分で方眼用紙に書き込む」ことをしていましたから「チャート(かつては罫線と呼んだ)が存在する」のは知っていました。でも当然、私の時代になってもパソコンもなければ「リアルタイムチャート」なんて存在しなかった。

でも「週間株価チャート」という週刊誌は売っていました。日本の全ての株式の「日足チャート」が【週一】で売られていて、それを見て「予測は可能」だと思ったのね。当然、「四季報」を見て企業分析をしつつ、「株価の推移」を確かめて、「将来を予測していた」し、これは単に「頭の中での予測とは大きく違う」わけで、これなら「勝てる」と思ったのね。

でも思うように勝てないのね。当時は「良い会社の株は上がる」と信じていたし、それは四季報を読めば検討はついたし、そして【良い会社の割には安い株】を探したわけですよ。そういう株が「将来大きく上がる」と思ったし。

でもねぇ、それもなかなかうまくいかないのね。「安い株は安いまま」なんてのが普通で、「割高で買えない」と思う株ほどどんどん高くなるなるし、ここでも私は「絶望」を感じたんですよ。結局、「私には予測はできない」と。

その後、パソコンなるものが世の中に出てきて、私はすぐに導入したし(シャープのMZ2000。後にNECのPCー9800シリーズ)、株価チャート(日足)の表示と様々なインジケータをそれに載せて「チャート分析」なるものが始まった。これはこれで「予測手段の一歩前進」なのは間違いがないけれど、やっぱり思ったように勝てないのね。でも負け続けることもなくて、勝ったり負けたりの繰り返し。ただ1980年代ですから日経225は上昇波に乗っていたから決して悪くはなかった。

でもバブルは崩壊し、日経225は長い長い下げ相場に突入。

そんな下げ相場の中でも「上がる株はある」わけで、そんなのを一生懸命探してやっていましたが、「上がった~~」なんて思っている内に下げるなんてのが普通でした。そして日経225は「高値から5分の1という安値まで下がった」のね。そして「高値を取り戻すのに34年の月日が必要だった」。こんな中で株式投資家がどんな目にあったのかは簡単に想像できると思う。と同時に、この十数年ぐらいの間に株式投資を始めた人は「皆が儲かった」し、「損した人は一体何をしていたの?」と笑われるような動き。アメリカの株式、インデックスも同じ。アメリカとて、下げる時には大きく下げて、高値を取り戻すのに17年掛かったこともある事実を忘れるべきじゃないと思う。「待てば良い」のはその通りの動きだけれど、17年って長いですよ。子どもは成人するし、中年は引退する年齢になるのだから。その時に「元値」になって喜びますかね。また下げている最中にお金が必要になったらどうするのか。

私としては本当に「予測するのは難しい」ということをまた理解するしか無かった。また「振り出しに戻った」ようなもんです。

この「絶望感」っておわかりになると思う。小さな光を見つけてそれに向かって歩き出して「絶望を味わう」。でもまた次の光を見つけて歩き出して「またもや絶望」。これなら行けるだろうとその次の光の方向にあったのも「絶望」なんですよ。

結局、一番上に書いた、「藤村 操(ふじむら みさお)」が歩んだ道もそれだったんだと思う。そして彼は「死を選んだ」。それは「絶望の先に【死】という希望の光(彼はそれを楽観といった)を見出したから」でしょう。

私の場合は「将来が予測できない」からといって死ぬことはないし(笑)、しかし仕事でも投資でも「予測能力が低い」のは致命的で、次に何があるかといえば「全て止める」ことなのね。しかし仕事を止めることはできないし、でも「投資は止めることは出来る」わけで、そんなことは何度考えたことか。

でも面白いもので、「突然、閃いた」んですよ。

それはまさかの「予測をしない」のが良いんじゃないかと。でも私は「チャートは将来を予測する手段」として使っていたわけで、「予測はしない」と閃いた時も「馬鹿だなぁ」と思ったくらい。

上に書いた「藤村 操(ふじむら みさお)」も当時の学生たちも「真理探求をやめれば良い」というのはわかっていても止めることはできなかった。それは私の仕事も同じで、「予測なしに何を頑張ればよいのか」ってなるわけで、でも「商人の家に生まれ育った」私はなんとなくぼんやりと理解しているものはあったのね。「遠い将来のことばかり考えずに、毎日来てくれるお客様に喜んでもらい、今日の糧を得る」のが商売の真髄だと。「お客様の笑顔を増やす」ことだけに集中すれば良いというのは、今でも間違いのない「商いの真髄」だと思う。

そんなこともあって、「予測をしない」という選択をするのはそんなに難しいことじゃなかったんですよ。でも「そんなことをしたら生きていけない」と信じ込んでいただけなのね。

つまり、上に書いた「藤村 操(ふじむら みさお)」の楽観(死)は、私にとっては「予想、予測はしない」というそれまでの生き方の真逆の考え方をすることであったということ。でもそれは「絶望、悲観」のその先にそれがあったという点では同じ。これです。「始めて知る、大なる悲觀は大なる樂觀に一致するを。」

となれば「流れに着いて行くだけ」「今を大事にする」ということで、その流れた先はどこに行くのかは考えない。つまり「小川に浮かんで流される落ち葉の様になれば良い」というのに気がついたんですよ。「落ち葉はその川がどこをどう曲がって消えていくのか、それとも大きな川となって海に流れ込むのか」も一切関係なく、「流れていくだけ」じゃないですか。

ここで重要なのは「チャートに表示される過去と現在だけが真実」だということ。将来のことは「神の領域」でどう想像したり予想、予測してもそんなのが「当たる」と思うほうがおかしいのかもしれない。【当てよう】とすること自体、おこがましいことかもしれない。

そもそも「値がつく」ということは「売り方と買い方」がいるから値がつくわけで、下がると思って買う人はいないし、上がると思って売る人も基本的にはいない。それは「大手の投資家、機関投資家などのビックプレイヤーも同じ」で、じゃぁ「買い手と売り手とどちらが正しいのか」ってこと。双方のプロが「俺が勝つ」と信じているんじゃないですかね。その戦いを見ている我々素人に「どちらが正しいのか」が寝ずに考え悩めばわかるんですかね。でもプロには「(上司や顧客に対する)説明責任」があるし、「なぜ買うのか、売るのか」を明らかにする必要があるのね。「今上がっているから買いました。流れに着いていきます」とファンドマネージャーが言ったら即刻首になるでしょう。そういう人達が「相場を動かしている」わけで、ニュースでも解説者も学者も「その立場で話をする」に決まっているし、それを聞く素人も「プロになった気持ち」になってします。そんな必要はないのに。

だから私は「将来のことは誰にもわからない。だから流れに乗れば良い」し、【それが投資の真髄だ】と思うようになったわけです。そして世の中にはほぼ無限と言って良い数の「川(投資対象)」があるし、自分が乗りたいと思う川の流れを探してそれに乗るだけで、「流される落ち葉との違い」はそれだけなのね。「自分で川を選べる」ということ。

そして「川は高いところから低いところへ流れる」けれど、投資の世界の流れは一方通行じゃなくて、上昇と下降という2つの流れがあって、「上昇は買い」「下降は売り(ショート)」をするという【どの流れでもそれに乗れば生きていける(稼げる)】ことにも気がついた。

実業の世界にはそんなことはありえないわけで、仕事が下降線に乗っている時は「撤退、我慢しかない」なのに、下降線でも利益を狙えるのが相場の世界で、こんな旨い話が世の中にあるのかと思うくらい。

そんな生き方をしている内に、「将来への不安や恐怖がどんどん減った行った」んですよ。勝てるようになったし、そして不景気は不景気でオッケイで、戦争が起きようが大震災が起きようが「慌てふためく必要がない」ことの【気楽さ】って半端じゃない。とにかく「流れを探してそれに乗るだけ」で生きていけるんですから。

この気付きがあったから、今の私がいるのね。

いつも紹介する「石原順氏」もプロとして仕事をしている内(予想予測に明け暮れる毎日だったはず)にもそれに気がついた「瞬間」があったのだと思う。だから彼も「予想はしない」と断言するし、「楽観も悲観もない」のは彼の話を聞いていると感じることだけれど、「相場がどう動いても良いよ。関係ない」というのが基本にあるからだと思う。

「ただ、相場が動かない。ヨコヨコに動くのだけは困る」と言うし、それは私も全く同じ。(笑)

つまり「良い投資対象」とは「上がろうが下がろうが」大きく動いてトレンドが出来やすい銘柄、投資対象が良いということになる。彼は立場上それを明言することは少ないけれど、そう考えているであろうことは彼の動画を見ていれば誰にでもわかること。

彼はファンダメンタルズを重視するけれど(私はしない。難しすぎるから)、それは「投資対象を選ぶため」だという。そして実際の売買は「ロング、ショートを含め、機械的に行う」ことははっきり言っている。「良い銘柄だから買う」のではないのね。良い銘柄でも「下げればショートする」のが彼のやり方。私も同じ。ただ私は中長期のトレードはしないだけで、考え方は全く同じ。

彼の5月14日時点の「最新の動画」を見て、貴方は一体何を感じるだろうか。

彼はこの業界で生きるプロだから、情勢の説明もするし、世界の動きの予想もするけれど、【彼自身が実際にどう売買しているのか】を知るのが何よりも重要だと思う。でもそういう投資方法も「数多い手法の中の一つでしかない」のであって、何が良いのかは【その人による】のであって「正解はない」と思う。

私は「アメリカ株は必ず暴落する」と考えていますが、今のような上昇トレンドの時は「買うのが正解」で、売る場所とは全く思わない。ただ私は長期投資はしないのでナスダックのこういうチャートを見て売買はしませんが、考え方は「今は買いポジションキープ」で「売る必要はない。ショートもしないのが正解」だと思う。

でも昔なら「なぜ株は上がり続けるのか」を自分で理解できるようになるまで「寝ずに考え続けた」んですよ。それが出来なければ「将来、勝てることはない」と思っていたから。でも今は気楽なもんです。「上がろうが下がろうが関係ない」と思うから。(笑)

私はナスダックの100ティック足を見ながら、デイトレを「同じ考え方」でやっています。なぜデイトレかですが、それは「気楽」だから。やりたい時にやればよいだけ。長期投資をすると、そして「額が大きくなる」と24時間、365日、値動きが気になって(私の場合は)気が変になって来るから。(笑)

でも額が小さければなんてこともない。ここが「長期投資の落とし穴」だと思う。うまく行ったら行ったで「いつか不安に押しつぶされる時が来る」というのが私の経験上でわかったこと。

このチャートは2時間ぐらいの動き。この中で何度も出番を探してトレードするわけです。でもそれを「強くオススメするわけでもない」です。人にはそれぞれあった方法があるし、それをやればよいと思う。

 

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