アメリカに限らず「経済がどうなっているのか」を考える場合、【株式市場を見る】事が多いと思います。
悪い話が出てきていても「株式市場は堅調」だった場合、【まだ大丈夫だろう】と考えがち。
私はこれは問題だと思っていて、「もしかしたら経済の実情と株式市場は同期していない」という前提で考えることが必要だと思っています。
PERとかPBRとかそういう株式の「過熱ぶり」を見るいろいろ指標がありますが、やっぱりそれらも無視できないはずで、もしも「値は変わらず」だとしてもPERが低い時と高い時とは意味合いが違うじゃないですか。
PERが高ければ「将来はもっと良くなると参加者は読んでいる」と言えますが、それは事実なのか。
私は「値は参加者の心理で決まる」と思っていて、極論を言えば【事実は関係ない】のね。
これは「バブル絶頂期」や「市況は閑散としている時」を見れば誰にでもわかるはずで、【株価は参加者の期待や不安で動くもの】なのは間違いがない。
つまり株価からわかるのは「市場参加者の心理」であって、「経済の現実とは関係ない」ということじゃないかと。
だから「市場の動きから経済を読む」のは間違えていて、また「経済の実情から株価を読む」のも間違えているのかもしれない。
それぞれ【別のもの】と考えることが重要で、【その乖離が利益・損失を生む】のだろうと思う。
そういう意味で、私は今のアメリカの状態って非常にうまくなくて、でも逆を言えば「チャンスでもある」と思っています。
さて、それはどういうチャンスなのか。
チャンスというと多くの人は「買うチャンス」と考えがちですが、株式に限らず先物でも為替でも「買うチャンス」と「売るチャンス」がある。
さて、今チャンスだとしたらどういうチャンスなのか。
それはあえて書きませんが、「経済の現状と株価の乖離を見る」のは非常に重要だと思います。
またそもそも「株式市場の基本」を無視してはならないとも思う。
ただ、この二本の動画を見ると「そろそろ株式市場は危ないのか」と考えてしまいがちだけれど、それも違うと思うのね。
今回、この二本を紹介したのは「危ないぞ~」と注意喚起したいのではなくて、一生懸命勉強する人はこの二本の動画の内容はすでに理解していると思うけれど、【それも本来は重要ではないのかもしれない】という意味で出しました。
実業を生業としている人たちは「経済動向が重要」だけれど、株式投資の立場から考えると重要なのは「株式市場の動向」であって、【経済の動向ではない】と考えるべきかと。
つまり、経済がどう動こうと、「株式市場は株式市場として動く」のだから、【上がっていれば買い、下がっていれば売り】が正解で、もしも実業を生業としているのなら、「経済が下降していれば危険信号」であって、それは「株式市場が堅調だとしてもその動きとは関係ない」と考えるべきかと。
実際に近年のアメリカ株を見ると「アメリカの景気が良いわけじゃないのに(良いのは一部だけ)、株式は上がりっぱなし。危ない話が出ても下げない」ことが続いていたと私は見ていたし、「経済動向を基本に考えれば、売るのが大正解」だと考えてきました。
これって「経済と株式が連動していない」というわけじゃないけれど、【同じ様に動くと考えるのは錯覚】だと思ったほうが上手くいくということじゃないかと。
経済がどうだろうと、「株式が上がっていれば買い、下がっていれば売り」という基本的な行動を変えるべきじゃないと思う。
「経済と株式は同期している」と考えると【勝てない】のかもしれない。私がもし株式投資をしていたら「とっくのとおに売り側に回って、利益が出ないどころか大損していた」可能性が高い。
同期していると考えれば、「株式は上がっているのだから経済は大丈夫だ」とか、「経済は先行きくらいから株は下がる」と考えてしまいがち。
【だから読みは外れる】のかもしれない。
でも「経済と株式は同期していない」という前提なら、【現実の動きに着いていける】と思うわけです。そしてそれは「経済を重視する実業家」と「株式を重視する投資家」は立場によって【見方が逆なことも起こり得る】んじゃないですかね。
今日、2つの動画を出しましたが、「株式市場は危ない」という点では共通点があるけれど、【視点が違う】のははっきりわかるはずで、それを理解することが重要だと思いました。
また自分は自分で、「自分の立場としての視点」を重視するべきで、「他人の立場の意見」は自分には関係ない。またそれらが「経済と株式は同期している」のを前提としていたら、「益々、大外れする」のかもね。
私は、自分はチャートアナリストだと思っていて、そして「ファンダメンタルズを軽視する」傾向がある。
でもそれは「私はトレーダーであって、経済学者や評論家ではない」「経済動向に左右される実業家でもない」と思っているから。
私が何よりも重視するのは「眼の前の値動きのみ」です。経済の今がどうだろうが、将来どうなると読もうが関係ない。
私にとっての事実はこれだけ。それは「値動き」。
当然、私は経済の動向も注視するし、様々な経済指標の変化も常に見ているけれど、「それを理由にトレードはしない」という意味。
何よりも重要なのは1にタイミング、2にタイミング、3,4がなくて5にタイミング。そして常に見ておくべきことは「トレンド」であって、それは「経済の動きのトレンドとは別のもの」だということ。
きっと私のこの基本は「異常」かもしれない。一般的ではないでしょう。
でも私は「勝つためにトレードをする」のであって、「評論で食っているのではない」のだからそれで良いと思うし、「常識にこだわれば大衆の流れに流されるだけ」じゃないかと。
そして上の二本の動画さえ、「頭には入れておくけれど【重視しない】事が重要」だと思っています。
でもこの二本の動画で話されていることを「知らない」「理解できない」のも問題だと思う。