肉類、特に牛肉ですが、安いものから高いものまで「かなりの幅がある」のは世界共通。
でも私が思う日本人って「かなり贅沢な民族」で、世界の標準から言うと「高くて良い肉を中心に食べる」民族だと思っています。
それは日本の精肉店やスーパーを見ればすぐにわかることで、私には「高い方から20%程度」しか扱っていないように見える。そして「オージービーフは美味しくない」なんて言う人も多い。
ところがそういう日本人が美味しくないというオージービーフは「日本の市場に合わせて飼育されている特殊な牛」なわけで、基本的には「オーストラリア市場には出ていない」のね。これはアメリカも同じでしょう。
オーストラリアに住んでいる頃は、「日本人が美味しくないというオージービーフを是非食べてみたい」と何年も夢見ていたくらい。(笑)
大きな違いは「牧草で育てた牛」と「穀物で育てた牛」の違いと言って良くて、「牛って牧草を食べて育つ」という感覚があるけれど、「美味しい牛肉」と言われるのは「穀物で育てた牛」が多い。それで「肉付きも良く、サシも多く入る」ということ。
私達がオーストラリアに上陸した当時の1991年頃は「穀物で育てた牛」なんて全く売っていなくて、スーパー、精肉店、レストランでも「牧草で育てた牛ばかり」でした。だから当時は「オーストラリアって牛肉大国なのに美味しくない」と思っていました。でも「激安」だったのね。
それは昔から「アメリカのステーキは大きいだけで、硬いし美味しくない」と言われていたのと同じ。
でも時代はどんどん変わって、「輸出用の美味しい牛肉にするには穀物を食べさせる」ことを始めて、そして「その方が美味しいと国内でも売れるようになった」んでしょう。だからある頃からオーストラリアもアメリカも「穀物飼育の牛」が増えてきた。
でも「コストが大きくなる」わけで、穀物飼育も「出荷前の30日、60日、90日穀物を与える」だけでも違いが出るので、そういう穀物を食べさす期間が違う肉も売られるようになってきた。そうなるようになって、私も「オーストラリアの牛肉も美味しい」と感じるようになってきたのを思い出します。
でもそういう肉を一般のオーストラリア人が買うかと言うと全くそんなことはなくて、多くはやっぱり「昔からの牧草で育てた牛」の肉を買うのね。その方が美味しい、健康的というオーストラリア人もいたけれど(オーストラリア人は全員が健康オタクと言っても良い国で、脂肪分を極端に嫌う)、「価格が全く違うから」というのが一番の理由だと思う。昔、スーパーの肉売り場で肉を選んでいたら、隣りにいたオーストラリアのオバチャンが「もうステーキは高くて買えないわ」と話しかけてきたのを思い出します。その当時で「一番高いステーキ肉(リブアイ)」が【グラム280円】だったんですよ。そして牛には当然、色々な部位があるわけで、日本人が好きな「リブロース、サーロイン、テンダーロイン」なんてのは【お金持ちが食べる部位】という位置づけで、一般の人達はもっと安い「肩ロースやランプ、もも肉」を食べる人達が主流でした。その代わり、女性でも400グラムのステーキをペロッと食べるとか。
ここの感覚は日本と大きな違いがあると思う。
日本人が好む部位って赤印が付いている部位が中心。これって「日本人ってみんな大金持ち」みたいなもので、そりゃその部位が美味しいにしても「牛全体から考えたら10分の1以下」かもしれない。
では「他の部位」ってどうなっているんだろうと思いますよねぇ。
当然、オーストラリアみたいな牛肉大国では「他の部位も普通に食べる」し、多くは「ソーセージやミンチ」として使われるし、私の好きな「タンや頬肉」なんてのはかつては「スーパーのペット用の肉売り場で売っていた」ぐらい。当然、価格はタダ同然。
こんな1.5キロ以上あるタンが500円ぐらいで売っていた。内臓類は「殆どが輸出される」とも聞いた。
でも世の中はどんどん変化して、タンを含む他の部位も売れるようになってどんどん値上がりしたのね。今じゃタンはこの10倍はするんじゃなかろうか。マレーシアではこういうオーストラリア牛のタンは「1本1万円」は覚悟する必要がある。もちろん安いものもあるけれど・・。
それでも「メジャーじゃない部位」ってごっそりあるわけで、まだまだ「価格は安い」のね。
そこに目をつけたのが「吉野家」で、アメリカ人が好んで食べない「超激安のバラ肉、中落ち」の肉を「キロ単価数百円(グラム20~30円)」で仕入れて牛丼を始めて大当たり。知っている方も多いと思うけれど、吉野家の牛丼のコストで一番高いのは「お米だった」のね。
昔から日本でも「激安ステーキハウス」があって、運動選手やプロレスラー、相撲取りの間では有名だった店があるけれど、当然、「安い部位」を使うわけで、今でも「安くて美味しいステーキハウス」で有名なところは、そういう部位を使う。
ところが不思議なもので、そういう部位って「精肉店やスーパーでは売っていない」のね。本当に不思議。
そしてそれは「マレーシアも同じ」。
なんなんですかね。ま、「高い部位を買ってくれる客にまず売るのが基本」で、後は「市場に流す。加工する」ってことなんでしょうか。
これって「マグロ」で言えば、「トロしか食べない、売れない」のと同じで、でも「他の部位のほうがはるかに量は多い」わけで、それらはどこへ行っちゃうんですかね。
つまり「そういう部位を探せば、安くて美味しいものに出会える」ってことじゃないかと。
また牛肉は「アメリカ、オーストラリアで生産される」だけじゃないわけで、「アルゼンチンやブラジル」もオーストラリアと並ぶ「牛肉大国」で生産量は半端じゃないし、世界に輸出されている。ニュージーランドだって「羊だけじゃない」し牛も輸出しているし、インドも「牛を食べないというのは【コブウシ】という種類だけ」で【バッファロー(水牛)は食べるし、重要な輸出品目】。そしてマレーシアでは意外や意外、マレーシア国内でも牛は蓄養されていて販売もされている。
だから私達日本人が考える「牛肉」って、世界中で流通している牛肉の「トップ5%程度」の牛肉でしかないかもしれない。
これに気がつけば、「未知の市場に入ってみよう」と思うわけで、探してみれば出てくる出てくる、ありとあらゆるものが市場に流通しているのね。そして「レストランや加工業者」がどんな肉を使っているのかもわかってくる。
マレーシアにも「安くて美味しい有名なステーキハウス」があるけれど、そういう店が扱っている肉を私達も手に入れることができるわけで、その「安さ」なんて異常にも思える価格。
でもま、「外食で十分安くて美味しく食べられる」とするなら、それで十分で、わざわざ自分の家で料理して食べる必要がないというのもその通りだと思うけれど、私としては「そういう牛肉の市場にアクセスする」ことによって「そういう安売りレストランとしては高くて使えない様な良い肉」も見つかるはずで、でもそういう肉でも我々一般消費者から見ると【激安】であることが多い。
結局、牛肉に限らず、ありとあらゆる商品、製品には「とんでもない多くの種類とそれぞれの流通ルート」があって、【問屋や卸売業者】という「上流にアクセスすると大きなコストダウンが可能」ということ。
そういうことは自分が飲食業界にいた経験があれば知っていることだし、どんな職業でも同じだと思う。
私は宝飾業界の卸しに長かったけれど、例えば、ダイアモンドの指輪をデパートのキャンペーンで25%引きで売っても、そこからデパートの取り分や販売経費、納入業者も利益を得るということは、「原価はどれほど安いか」は簡単に想像できるはずで、また卸問屋も1次、2次とあるし、宝飾品を加工、生産するメーカーの出荷する価格なんて、デパートの定価の6分の1ほどなんてことになる。当然、宝飾品でもブランド物やファッション性の高いものの原価はもっと低い。
健康食品や化粧品の原価率なんても~~と低いのが普通で、私としてはそういう「流通の仕組み」を考えずに「小売店で小売価格で買う」のって「なんで?」と思うくらい。
私は百貨店やスーパーとの取引があったからいつのまにか「他の業界の卸商、納入業者」とも親しくなって、「なんでもかんでも卸商から買う」なんて生活をしていた頃もあったっけ。当然、「宝石類」を彼らに売ることもあって「定価の50%引き」でも喜ばれた。でも百貨店に卸す価格はもっと安かったり。
レストランも同じで、私の実家は飲食店だったけれど、原価は「3分の1」なんてのは常識で、中にはもっと低い原価率のものもあれば、そしてそれは「卸問屋から仕入れる」わけで、では「卸問屋の原価ってどのくらいか」を考えてみるのも面白いと思う。父の実家は築地の魚河岸の仲買人だったけれど、セリでセリ落とす魚介類が回り回って魚屋やスーパー、飲食店に届くまでどれほど「高くなるか」、あるいは、魚介類も漁師から漁協、卸売市場を経由するわけで「漁師の価格ってどれほどのものか」を考えるのも面白いし、そういう「一般人は知らないルートから買う方法っていくらでもある」のね。
ところがそれをするには「目利きである必要がある」から簡単にはいかない。またロットの大きさも問題で「鯵を2匹安く買いたい」というのも無理。ところが魚河岸では(知ってる業者なら)「え?鯵を2匹?それなら持っていきな。ただで良いよ」なんて【ケース単位で買うのが普通】の時代もあった。
でも「最初から目利きだった人はいない」わけで、興味を持っていろいろやっている間に覚えるし、「出会い」もあるからやめられない。(笑)
とまぁ、話はいつもの通り長くなるけれど、「マレーシアの牛肉」も全く同じで、自分が「精肉店、レストランを始める」という仮定で世の中を見てみるといろいろ見えてくるはず。
でも実際に起業はしないわけで、「末端消費者のまま」であるとすれば、「かなり有利な買い物が可能」なのはどんな商品でも同じだと思う。
でも「価格は正直」なところもあって、「牛肉も安いけれど美味しくない。硬い」なんてのもよくあること。
私はオーストラリアという牛肉大国で25年間、そういう牛肉と付き合ってきましたから、「安い肉を美味しく食べる方法」を覚えました。
「美味しくない」のは【調理方法と味付け】でどうにでもなるわけで、美味しくない牛肉をサッと焼いて塩コショウ、醤油とワサビで食べて美味しいはずがなくて、でも「ソース」でどうにもなるのね。また細切れにして炒めたら「どんな牛肉でもどうにかなる」のが普通でしょう。また「濃い味で煮込む」とどうにかなる。そもそもそれが「牛肉を食べる世界の歴史」だったんじゃないですかね。
でも「硬いのはどうしようもない」と思いますが、これも意外に簡単にどうにかできるわけで、「煮込めばほぼOK」だし、「低温調理」という手もあるし、「物理的に柔らかくする」のも簡単で、海外では「肉を叩く」なんてのも普通にやるし、「テンダライザー」の効果も凄いものがある。
細かな「筋切り」をするのと同じで、これでブスブスすれば「硬い肉だったのがわからない」様にもなる。私は3種類使い分けていますが、それぞれ一長一短があるけれど、この「数百円」で買えるこれで十分かもしれない。
あるいはこのタイプ。豚肉にはこれが一番良いと思う。
これも「万能」で、私は「鶏肉」にはこれを使うことが多いかな。これは「ジャカード(Jaccard)のミートテンダライザー」だけれど、大昔からこれは「飲食店の必需品」だったはず。
これで体重を掛けてガンガン刺すと「叩いた効果」も相まって、かなり硬い肉も結構食べれるようになる。でも「美味しさが増すわけじゃない」から、「良い肉の安くて硬い部位」に適していると思う。
また、「肉たたき」もあったほうが良いと思うけれど、お酒やワインの「瓶で叩く」のも良いし。
それと「科学的に柔らかくする」ことも簡単で、最強なのは「重曹=baking soda」ですかね。でも使い方と量を覚える必要があって、「味が変わる」から難しい。でも「臭みも抜ける」。中華で「メチャ柔らかい肉が出てくる」のはほぼ「重曹を使う」んじゃないですかね。「味付けを濃くする」のがポイントで、薄味のものには「重曹を使うとバレる」のね。また「エビ」に使うと「プリプリになる」のもおもしろい。剥き身エビで「PH調整済み」なんてのが市場に多くあるけれど、それも似たようなもので、「このエビ、新鮮でプリプリしてる~」なんて勘違いして喜ぶ消費者は多い。実際に家庭でエビ料理(天ぷらやエビチリ)を作る時にほんのちょっと重曹を使うと「食感が変わって美味しい」と思う。(笑)
また「塩麹」も良いし、マリネする時に「舞茸」も使うと強力。その他、パイナップルとかキーウィーとか、あるいは「ミートテンダライザー」なる添加物も多く売られている。私は使いませんが。
私は、柔らかくしたいけれど「味が変わる」のは好きじゃないから、「物理的に柔らかくする」のが主で、あとは塩麹、舞茸って感じですかね。ああ、「おろした玉ねぎでマリネ」も良いと思う。また多くのスパイスとヨーグルトで2,3日漬け込むとか(鶏肉の場合)も結構やりますが、「塩と砂糖だけで漬け込む」だけでもしっとり柔らかくなるのね。
だから柔らかくするのは「比較的簡単」だと思います。
やっぱり牛肉でも豚でも鶏でも「何を作るかに寄る」わけで、でも「ステーキを食べる」と決めてしまうと「それに合う食材を手に入れる」必要があるから、「まず適当な素材」を手に入れてから、「どう調理するのか」を考えるほうがうまくいく。そのうち、「何種類かの定番の肉が決まってくる」はずで、それの使い分けができるようになれば食生活は格段とアップする。
そして、「多少高くても良い肉を使う」ケースと、「コスパ重視の料理をする」ケースと両方使い分けると「満足度は増す」と思っていて、「高い肉ばかり」なんてのは馬鹿げているし、「安い肉ばかり」も気が滅入ってくるはず。その両方を使い分けることによって「価格の平均値は低いまま満足度を上げる」ことは可能だと思う。
ただし、「肉はいつもスーパーで買う」と決めていると「スーパーには偏った肉しか無い」から無理だと思う。
たまには「美味しい和牛でしゃぶしゃぶ」にして、そしてたまには「安いブラジルやアルゼンチン産の牛肉でカレー、シチュー」なんてのが良いと思うし、「しゃぶしゃぶならリブロース」「煮込みならスネ肉、頬肉などのスジが多い肉」という【部位を分ける】のも重要だと思う。
でもそういう様々な肉を手に入れるのは簡単ではなくて、でもちょっと調べれば買えるのもわかるはずで、「高いものと安いもの」を使い分けながら、「コスパの良さは維持する」のは決して難しくないと思う。
今現在、我が家には牛肉がごっそりあるけれど、「ステーキ用の肉がない」ので、Pok Brothers(ここをクリック)からRib LoinかSirloinの安いブロックを買う予定。和牛でもWagyuでもないオーストラリア牛。それを「厚さ4~5センチで切り分けて冷凍」する。我が家はステーキの焼き方が変則的なので「普通のステーキ」だと薄すぎて【火入れが難しい】のね。でも「分厚いステーキ」って売ってないからブロックで買うしか無い。
それと「豚肉」に関しては、今、ある「ブランド」に凝っています。前にもちょっと書きましたが、Berkciousブランドの豚肉。供給元はイポーにある農場(ここをクリック)で「抗生物質不使用(No Antibiotics)」「成長ホルモン不使用(No Growth Hormones)」「ベータ作動薬不使用」で有名で、バークシャー種の「黒豚」と三元豚の「白豚」を育てている。
この豚は「ちょっと高い」けれど「かなり美味しい」と思っていて、このブランド肉は多くのスーパーで売られているから入手は簡単だと思う。私はQraから何度か買っていますが気に入っています。また「高い」けれど、牛肉みたいに「驚くほど高いわけじゃない」ので良いかと。
ただ、まだこの生産者から直接買ったことはないのだけれど、イポーにある農場(ここをクリック)から直接買えるし、種類が多いのでこれからはここから買おうと思っています。
またこんな店も見つけて、この店からもそのうち買ってみるつもり。他店にはない豚肉、鶏肉がある。Nam Heng Fresh & Frozen Meat Supplies(ここをクリック)。
またTTDIの豚肉も良いとは思うのだけれど、出不精の私としてはTTDIに行くのが面倒。またデリバリもしてくれるらしいけれど、やっぱりネットで見てクリックするだけで買えるのが私は嬉しい。
細かいことに拘っていますが、我が家はグルメじゃないし、本当に美味しいものを知らないから何がA級で何がB級なのかもわからない。値段が高いから美味しいわけじゃないし、手が込んだ料理だから美味しいわけでもなくて、素材が悪いから不味いわけでもなくて、何がなんだかわからない中で「自分が思う最低線をいかに守るか」って感じですかね。だから決して「上を狙っている」んじゃないのね。
そして「コスパ」を大事にしていて、それは「食は生活の一部」だからであって、コスパを無視した家庭料理なんてありえないですもんね。