各航空会社によってFFPに特徴があって、どこでも同じ手が使えると言うことではないのだけれど、私が主に使っているJALで一つの例をあげてみようと思います。この方法は特典航空券を使うのになれてる人にとっては常識ですが、意外に知らない人もいるので、書くことにしました。
たとえば、クアラルンプールに住んでいて年に何度か日本に帰るとする。出発地はクアラルンプールで目的地は日本。旅行期間が短期間で日程が決まっていれば、格安航空券を買うのが一番得であるはず。
ところが数週間、あるいは数ヶ月、あるいは1年未満ではあるが日程は未定ということになると格安航空券は使えない。制約の少ない、より高い航空券を買うことになる。この時に、初めて自分が持っているマイルを使うと効果的になるわけです。
例えば、クアラルンプール-成田往復の航空券はJALであればエコノミーで35000マイルで交換できる。1年間有効で日程の変更が可能な航空券を頂ける。私の場合、1マイルは3円の価値があると考えているので、35000X3で105000円となる。クアラルンプール-成田の往復航空券で、1年オープンはいくらなんでしょう。マレーシアからの金額ではなくて日本発着の値段で申し訳ないのだけれど、なんと341500円のエコノミー普通運賃となります。当然、ここでは燃費サーチャージは含んでいません。マレーシアからだと値段は違うのだろうと思うけれど、格安航空券の3倍はするのではないでしょうか。
こんな運賃を支払う人はいないだろうから、他の航空会社を使うなり、違う手を考えるのが普通で、JALを使うのは止めようと結論を出すひともいるでしょう。だって、特約航空券を使うならスカイチームの例えばノースウエストのFFPに入っていればそちらをつかえばビジネスでも30000マイルなのだから。
おっと、ちょっと待って。そのマイルで手に入る航空券は1年オープン?そうじゃないはず。日程の変更も可能でした?
ということで、JALの特約航空券を使うことをまた考えてみます。
ここで、頭を柔軟にして考えてください。今はクアラルンプールにいて、成田との往復のことを考えているけれど、機会があったらオーストラリアへ行ってみようとか、ヨーロッパ、アメリカも行こうなんて考えてみたらどうでしょう。
つまり、今仮定しているのは、クアラルンプール-成田間の1年以内の旅程だけれど、目的地を成田ではなくしてロスアンジェルス、シドニー、あるいはフランクフルトでもいい。成田を単なる中継地と考えてみるわけです。
私はオーストラリア在住ですから、ブリスベン-東京を利用することばかり考えているけれど、クアラルンプールにも行ってみようと仮定してみます。マレーシア在住の方とは逆のルートになるだけです。
オーストラリア-成田間の特典航空券は4万マイルで交換できます。成田-クアラルンプールは35000マイル。両方で何マイル?75000マイル?
ところがどっこい、クアラルンプール-成田-ブリスベンの航空券は6万マイルでOKなんです。つまり、マレーシア在住の人ならたった25000マイル足すだけでオーストラリアに行ける。私から見ると、たった2万マイルでクアラルンプールへ行けることになります。
では、ヨーロッパだったらどうでしょう。クアラルンプールからヨーロッパへ行くのに、成田を経由して行こうと考える人はいないかもしれない。でも、それも考えてみる。目的地がヨーロッパだとしても、なんと必要マイルは7万マイル。これってJALにしてみれば損になるけれど、自社便でマレーシアからヨーロッパへ飛ぶ便を持っていないのだからしょうがない。(北米に行くのも7万マイル)
これらの航空券は1年オープンだというのが最大ポイント。そして成田は中継地という考え方だけれど、成田、つまり日本で往復とも何ヶ月滞在してもOK。
これって凄いことだと思いません?(日程が短くて、日にちが決まっているなら格安航空券が断然有利。つまりそう言うときにマイルを使ったら損ということ。)
私がマレーシアに行くとすれば、本来ならブリスベンからマレーシア航空でクアラルンプールというルートが一番なのだけれど、そうではなくて、日本へゆっくり帰国したときに、ちょっとクアラルンプールへ数週間行ってみるなんてことが可能になるわけです。ちなみにブリスベン-クアラルンプールのマレーシア航空とて1年オープンで買うと目が飛び出る料金になるので、とうていJALの特典航空券にはかなわない。
この航空券は一連のシーケンスとして一気に使う必要がないということも憶えておきましょう。成田を中継点と考えれば券は4枚発行されるわけですが、高度な使い方として、もう一組の別の特約航空券を手に入れて(例えば、成田発着の航空券。目的地はどこでもOK。)、それと入れ子にして使うことも出来るのです。(ややこしいかなー?)
いかがでしょう?
つまり、特典航空券を使うと、日程が自由に組めるという点。そして、本来の目的地を中継点と考えるだけで、他国へも簡単に行けるという点。中継点と言ってもトランジットですぐに乗りかえる必要はなく、往復とも好きなだけ滞在できる。
私はこの2点が特約航空券の良さだと思っています。(日本在住の方は海外発着で旅程を組めば同じことが出来ます。)
私にしてみると、オーストラリアから日本に帰国して、何ヶ月も滞在する中で、途中で数週間クアラルンプールへ行くような旅の航空券が6万マイルで手に入れられる。そして私の換算で言うとそれは18万円の価値。ヨーロッパへ行ったとしても7万マイルで21万円換算です。1年オープンでオーストラリア-成田-フランクフルトの往復がその値段ですよ。エコノミーの普通料金だったら楽に60万以上の価格になります。もし、安い格安航空券だったら自由に旅行は出来ないわけですし。
つまり、もし1マイルを3円で買うことが出来れば、お金を出してでも買った方が得と言うことになります。じゃ、マイルを買おうかと話は続くわけで、この話はこれからが面白くなるのですが、この続きはまた今度にしようと思います。