未来はわかるか?

NO IMAGE
古いエントリーが表示されているかもしれないので、是非、「投稿日」を確認してください

資産運用の方法の一つとして、投機も一つの方法と考えている方もいらっしゃると思います。私は、リスクコントロールの一環として投機を積極的に取り入れています。リスクコントロールというのは、リスクを取らないという意味ではもちろん無いわけで、ハイリスクはハイリスクと承知の上で全体を構築する必要があると考えています。私の場合は、本部隊はリスクの低いところへ、そして遊撃隊には積極的にリスクを取らせ、そして結果として部隊全体が大きくなって来ましたので、ここで投機に関して書こうと思います。

基本的には相場を初めて日が浅い方々向けです。相場そのもののノウハウに関してはその道で頑張ってる方々がたくさんいますので、そちらを参考にしてください。ここではあくまで、早期リタイアとか移住だとか考えている人にとっての相場という位置づけで、私の独断と偏見を書きます。

私が資産運用をして生活していることを知る人は、私にたまにこういう話題をふっかけてくることがあります。

ドルが下がっていますが、どのくらいまで行くと思いますか?

今年の暮れには日経平均はいくらぐらいになると読んでますか?

日経平均の底値はどのくらいなんでしょうね?

18000円を回復するのはいつ頃なんでしょう?

日本の景気はよくなるんでしょうか?

こういう事を聞かれると、相場好きの人は普通喜ぶんですね。あれがあーなってこうなってあーじゃこうじゃーで、だからその答えは私としてはこうだろうと思います、なんてね。

ところが、私の場合は、

そんなのわかるわけ無いじゃないですか

って答えるんですが、そう答えられた方がびっくりした顔をするんですよ。こいつ本当に相場で食ってるのか?って顔をします。

その顔を見たときに私は思うんですよ。ああ、この人も相場をやっているんだろうけれど、損したり儲けたりでたいしたこと無いんだろうなぁ、って。

相場で儲けるとは将来を当てることで、それを正確にやるには、人が寝ているときには起きて勉強し、人の何倍も苦労して調査して、将来の数字の根拠となるであろうことを探し、分類し、優先順位を付けて、考えて、理解して、間違えのない予想を立てなくてはならないと信じてる人が多数です。

テレビの経済ニュースでもそうですもんね。今はこうこうこういう理由で下がっていて、将来はああなるだろうとか言うじゃないですか。エコノミストもそうだし、何とか経済研究所の研究主任とか。そういうのを聞きながら、自分もそういうのがわかるようになろうとするんですね。経済の仕組み、現状もわからずに、将来がわかるはずがないと信じています。

だから私が明日のことなんかわかるわけないじゃないですか、みたいな言い方をすると、こいつバカか?と思うわけです。

実は、私も若いうちはそうでした。猛勉強しました。他人よりたくさん、そして早く情報を持てば儲かるような気がしていましたもの。そして株式がメインだった頃は四季報はもちろんのこと、日経新聞や株式新聞も当たり前、気になる業界新聞まで読んでいましたっけ。

でも、勝てないんですよ。

そこらの勉強もしない叔母さん投資家の方がうまかったりしますから、悩みましたねぇ。まだまだ勉強が足りないなんて思ったもんです。

でもあるとき、ピンと来ました。ある会社の財務諸表とにらめっこしていたときです。

俺って何をしようとしてるの?

その会社の経営者になるわけでもないし、監査役でもないし、その会社に貸し付けをする銀行に働いているわけでもない。同業種の競争相手でもないし、株で儲けるのにここまで知らないと駄目なのか?って。

当時、株式投資の仲間の中で、投資家たるものは自分が単なる金儲けで投資をするのではなくて、一人の株主としてその会社を理解し、その会社が益々発展するように、うんぬんというのが信条なのがいたんです。彼の言うのは変だと思ったものの、会社の内情がわからずに株主になるってのもおかしなもんで、その会社を調べ上げるのは当たり前だと私は単純に考えていたんです。

でもそうじゃないって思うようになりました。

ファンダメンタルズの基本として、株価はいつかその会社のあるべき株価に帰結するというのがありますが、どうもそう簡単にはいかないのが普通。良い会社だから株価が上がるかというと逆の動きもあるわけです。それと同時に、どんなチャートのどんな指標を使おうとも将来は絶対にわからない。わかるはずがないと思ったんです。未来は神の領域。

これも同じテクニカル分析派の人たちの中にも反論があって、将来はわかる!と断言する人がいます。それが当たらないのは下手だからだと。やり方が違うから当たらないのであって、もっと研究するべきだというわけです。

でもこれって、四季報とにらめっこしてる人と同じなんですよ。何か勘違いしてると私は思いました。未来を当てる競争をしたくて相場をやるんじゃないんですよね。儲けるために相場をやるわけで、儲かるならば未来はわからなくても良いわけです。

それからです。将来は私にはわかるはずがないと決めることにしたんです。エリオット波動の第何番目の波動だから次はこの高値を追い越して、フィボナッチで計算すると第一目標がいくらで、これを越えれば次の目標がどうじゃこうじゃとか、そういうことがバカらしくなってきたんです。

将来を予想するのは止めようと決めましたが、じゃぁどうすりゃいいの?

ぼーーっとしながらあるチャートを眺めながら、あーーあ、良く下がるなぁ、と単純にそう思ったんですが、あれれ、どうして今下がっているのがわかるんだ?と気がついたんです。そして他のチャートを見てみたら、ヨコヨコの動きだとか、ダラダラ上がってるなぁとか、凄い勢いで上がってるなぁというのがわかるわけです。

将来の事は神のみぞ知る。しかし、少なくとも過去と現在はわかるわけです。で、これだけでいいんじゃないの?と非常に単純なことに気がつきました。

上げているときは買う。下げているときには売る。ヨコヨコの動きの中ではボックスを想定して上下の抵抗線で売り買いする。つまり、今の動きがこれからも続くという前提で売買すればいいだけなんだと気がついたわけです。それまでは、高くなればそろそろ下げるだろうとか、下げればそろそろ買おうかとか、そういう根拠のないことばかりやっていました。

予想をするからはずれる。だから予想をしない方が良い。

ただ、当然動きはいつか変わります。相場というのは

★ 方向は持続する傾向がある
★ 一つの方向だけに動くことはない

こういう二つの相反することがあるわけですが、方向が継続しているときには儲かり、動きが変わったときには損切りすればいいだけのことなんですね。難しく考える必要はないということに気がつきました。

株も同じでした。新製品が発表になるとか、業績が良くなるのか悪くなるのか調べなくても、そんなことはチャートに出てくるわけです。自分がいの一番に情報を得ることは絶対に不可能で、どんなニュースにしてもそれを知った誰かが必ず買い出したり、売り出したりするわけで、その動きは必ず株価に現れるんですね。一体何が起きているのかはわからないものの、少なくとも何かが起きているのはわかる。じゃぁ、それに乗ればいいだけだということがわかりました。初動に注意するわけですが、これは株価チャートの機能を使えば簡単に投資候補を抽出できる。

それに気がついたのは30代でしたが、やっぱりそれで儲かるほど簡単ではなかった。しかし、将来を読まないというスタンスを取ったのは正解だったと今でも信じています。将来はわからないという前提で、では今の勢いはどっちを向いているのかということだけに集中すればいいわけですから、あれもこれも気にする必要がなくなりました。

12、3年ぐらい前でしょうか。インターネットの普及によってチャート分析の手法の情報を入手するのも簡単になり、そして世界中の同じような投資家と切磋琢磨できる環境ができ、私のやり方も固まっていきました。そしてどうにか、これだと思える自信が付いたのはそのかなり後ですね。

脇目もふらず、あれじゃこれじゃと浮気もせずに、自分には未来がわかるはずはないという前提で、今の動きを見ることだけに集中して、投資をするようにしたら、負けが減ってきました。

多くの情報をもち、多くのややこしい分析方法を使う必要もなかったんです。私が使っているチャート分析の指標ですが、誰でも知ってるオシレーター系のものが4種類。あとはお決まりの移動平均から波及した動きが素早い移動平均を特注で作ってもらったのを使って、MACDだとかボリンジャーバンドみたいなものを作ってやっています。その他いろいろありますが、それは相場の動きがわかりやすいように手を加えただけで別に特殊なものは使っていません。一目均衡表、P&Fものめり込んだときがありますが、今では見ることもありません。

テクニカル分析を勉強しているときに一番役に立ったのは日本テクニカル・アナリスト協会 が編集し、日本経済新聞社が出している「日本の株価分析」という本です。基本を押さえるにはこれが今でもきっとベストだと思います。そしてその次のレベルの勉強はアメリカで出版されている月刊誌でした。今ではもうその名前さえ忘れてしまいましたが、それは本当に役に立ちました。またインターネットの中には独自に開発したテクニカル指標を提供しているところも結構あって、それらをかじってみるのも勉強になりました。日本のものは酒田五法に始まって中源線だ増田足だと多種多様、いろいろありますが、科学的、近代的な分析という点に置いてアメリカのものが一歩進んでいるように思われます。チャートそのものはCQGという会社が出しているものです。データフィード付き。

勢いを重要視する私はオシレータ系が大好きなんですが、所詮オシレータはオシレータでその域をでないのもわかりましたし、またエリオット波動のようなものも利用できる点はありますが(第三波は逃さないようにしています)、それで全てがわかるという論者のいうことも信じられず、自分の中で取り入れられる所は取り入れて、捨てる所は捨てたら、意外や意外、簡単なものしか残らなかったというのが事実です。

あえて書くとすれば、オシレータでもあるいは移動平均でも係数の違うものを並べるとレインボー曲線と呼ばれるような帯状のものが出来ます。これは収束と発散がはっきり見えて取れるので、かなり使い道があると思っています。つまり、ストキャスにしてもRCIにしても係数を決めて使わないんです。2種類を使ってクロスを見る見方がありますが、私は5.6本重ねてみるような使い方をしています。また、ダイバージェンスは結構重要視しています。トレンドブレイクの判定ですが、いくつか基準があり、どれを取るかという決めは作っていません。ただ、出撃の時には裁量しますが、撤退の時には考えません。サインが出たら従います。ですから私の手法はシステムトレードとは言えません。裁量トレードの問題点もありますが、それはそれで突っ込んで勉強するとブレイクスルーが見つかることもありますので、システムトレードこそがテクニカル分析だとも考えていません。

これからもっと歳を取って、頭の回転も悪くなるのがわかっていますから、もっと単純なものにシェイプアップするつもりです。

実は、私の身近な親族、友人に相場で成功した人は一人もいません。みんなが止めろという中でこれを生業にするのは大変でしたが、そろそろ人生の最後の仕上げをする歳になった今、後悔はありません。

私の父は相場師でした。そして私が小さい頃、良くある話ですが、やっぱり失敗しました。その後、また70を過ぎてから大金を突っ込んでリベンジをしたものの、またもや失敗。今でも父は健在ですが、相場には手を出しません。

私が20代の頃でしたでしょうか。その父が言った言葉があります。

「相場は簡単だ。難しいのは自己コントロール。自分をコントロールできれば必ず勝てる。」

当時、父は真夜中にはいつも罫線を引いておりましたが、この言葉は裁量トレードの言葉だと思います。そして、父は自らその言葉を発しながら、相場では成功しませんでした。その跡を私が継いだわけではありませんし、私が相場で成功しているというほどのことでもありませんが、今、父のその言葉は真実だったと思います。

兵法に勝てない戦はしないという言葉がありますよね。相場で言えば、勝てるか負けるかわからない勝負はするべきではない。誰にもわからない将来を予想してそれに賭けるということがどれほどの自殺行為であるのか、そこのところを考えると、おのずと道が開けてくると思います。というか、それこそが初めの一歩かもしれません。

一つの例をお話ししましょう。ある株式投資のプロですが、彼の場帳を見せてもらってびっくりしました。売り買いが重複しているんです。つまり買い玉もあれば売り玉もある。これって何?って思いましたが、その時その時の勢いを読んで玉を増やしていると言っていました。本来なら、ポジションはショートかロング。両方の建玉があるというのにはびっくりしましたが、そういう手法を採る投資家は現在でも結構いるんですね。いわゆる両建てです。私にはできない手法ですが、私と一つだけ共通点があります。それはいつ頃に株価がいくらになるだろうなんていうことは一切予想もしていないってことです。

将来を予想するのと共に、塩漬け、ナンピン、逆張り。これらは自殺行為だと私は考えています。実際にはナンピン逆張りの天才もいますが、私はこれは神への挑戦だと考えて、自分では入らない領域だと決めています。もちろん、投資家の数だけ投資手法があり、私と全く違う考え方の投資家もたくさんいます。大事なことは、どんな手法だとしても、自分に合った手法があるので、それを自分で開発することではないでしょうか。必ずそれはあるはずです。

それと、デイトレを否定する人はたくさんいます。あれは儲からないよ、と言います。それはその人が儲けられなかったという意味であり、私から言うと、デイトレは楽だけれど、中長期投資は難しいと言うことになります。どちらが正しいも糞もないんですね、自分が得意とする領域があるということです。それを早く見つけるのが大事でしょう。

今もし、デイトレで悩んで、もう止めようとしている方がいらっしゃったら、前の記事で紹介したドイツ市場で最後の挑戦をしてみてください。ドイツ国債のBUNDの先物ですが、動きが緩慢です。これは取引高が大きいからだろうと思いますが、これを分足ではなくてティック足にしてみると、かなり綺麗なチャートになって見やすいはずです。

偉そうに言う私ですが、このドイツ市場と出会わなければ、デイトレは止めていたかもしれません。あるいは、これは単に私の手法に合うだけかもしれません。そうだとしたら、貴方には貴方にあった商品があるのかもしれませんので、世界中の商品を見てみてください。

私が良いと思った中では、台湾指標なんかも面白かったです。最近は手を出していないのでわかりませんが、誰でも最初に手を出すCMEのE-miniですが、あれの動きは上下のおかずが多すぎて返って混乱すると思いますし、世の中で良いと言われているものが必ずしも良いとは限りませんので、いろいろ調べてみてください。

相場は難しいし、どの手法が一番なのかは誰にもわからない。ただ、負けばかり目立つ世界ですが、その中でどうにか生きているのもいるのは間違いがないです。こんな話をここに書くのも、早期リタイアだ、移住だ、オーストラリアだ、マレーシアだと好きなことを言うためにも相場との戦いに勝ち残る手法を編み出して頂きたいからです。

85%の人たちは負けているよ、といいますが、私に言わせるとその内のほとんどの人たちはあまりにも無知過ぎます。やるべきではない人が手を出している。この世の中に存在するどんな仕事でも無知な人がやって成功するものなんかないですよね。でも相場はどうにかなるような気がして、パチンコでもやるようなつもりで入ってくる。そんな人たちが負けるのは当たり前で、勝たれてしまったらこっちが困るわけです。相場の世界はゼロサムと言われる世界で、誰かが負ける分、誰かが儲けている。そういう意味で、無知の人たちがお金を持って常時入ってくるように業界自体が力を入れているのも事実でしょう。その誘いにホイホイ乗ることなく、勝ち組に残る方法はありますし、損切りは早く、儲けは簡単に確定しないで追い掛ける。この二点が出来るようになっただけで勝てる様になったという人もいるぐらいです。しっかり目を開けて大事なことを見てやって頂きたいと思います。

これが最初の関所だろうと思います。是非通り抜けて来てください。

「にほんブログ村」のランキングに参加しております。是非、応援のクリックをお願いします。

にほんブログ村 海外生活ブログ マレーシア情報へにほんブログ村 海外生活ブログへにほんブログ村 海外生活ブログ ゴールドコースト情報へ