妄想? オバマショック

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世界中がひっくり返るような事態になった中で、やっぱり気になるのが米国の動向。今まででさえ莫大な借金を抱えていたのに、今後の桁違いの財政出動の原資として未曾有の国債を発行することになるのは間違いがないはずで、しかしその買い手がいないと言われている。

1980年代には日本が米国の国債を買い支えたものの、今回はその余裕がある国はない。ただ、2006年から米国連銀は通貨の供給量を発表しなくなっており、いくらドル紙幣を印刷してもわからない状態だと言われている。連銀は国債の買い取りだけではなくて社債まで買いとるという気前の良さだけれど、その原資はどんどん刷れば良いということなのか。

米国債の買い手がいないことによる米国債の暴落、つまり長期金利もあがり、米国の信用度は今以上に落ちて米ドルの暴落、混乱は避けられないと言われてはいるものの(1980年代半ばと同じ)、今回は連銀がドルをどんどん刷って国債を買い支えて、急激な米ドル、国債の下落は避けるだろうとも言われている。でもこれは当然問題の先送りでしか無く、解決策でもないわけで、そんな小手先の対策で諸外国が納得するはずもない。でも、時間稼ぎはそれなりに意味があり、その間に米国は復活を図るのだと考える人も少なくない。実は私もそう考えていた。または日本がドル買い介入し、そのドルで日本が再び米国債を買うことになるであろうという誰でも考える単純な構図。

ところが最近、極端な米国の陰謀とも言えるような対策がとられるであろうという評論家や調査機関が出てきているようで、まさかとは思いながらもそれらを完全否定する根拠もない。

そのまさかの話として一番怖ろしいのは

● オバマ氏が就任直後にデフォルト宣言をするという予想。

そんなバカなことがあるかと思う。個人でも企業でも、破産する前にありとあらゆる手を打ち、最後の最後の選択として破産、再生の道を選ぶのであって、簡単に借金棒引きの道を選んで良いはずがない。将来的にはこれによって米国は再生されることはあるだろうけれど、米ドルは暴落し、そして国債は紙くずになる。米ドル建てで輸出を行っている世界の企業は致命的な打撃を受け、米国債を大量に保有している日本は巨額の金を一瞬に失うことになる。大混乱どころの話ではないと思う。

少なくとも米国がデフォルト宣言しなければならないような状態であると匂わせるだけで世界はそんなことをされては大変なので、まずは債券の3分の1、2分の1を放棄するとか、IMFなり各国が好条件で融資をするとか、順序としてはそういうことが考えられるわけで、突然米国がデフォルト宣言をするなんてことはどう考えてもあり得ないと思う。

ついこの間、12月22日だったろうか、トヨタが来年度3月期決算の再度の下方修正をしたのを思い出す。前年度に過去最高だった連結営業利益2兆2700億円から一気に1500億円の赤字に転落すると発表した。今の時点でも、トヨタ一社でさえ2兆4千億円の金が飛んでしまう予想なのに、米国がデフォルトなんてことになったら、大多数の企業が潰れ、日本国自体が瀕死の重傷を負うことになる。当然、一瞬にして米ドルは基軸通貨としての機能を失い、世界経済は大混乱。

まして、米国は政治的な指導力も失うだろうし、ロシアや中国との関係、イラク・イラン・アフガン・北朝鮮、そしてイスラエル問題に対しても指導力どころか影響力さえ失うはず。

背に腹は代えられないとは言うものの、米国がそんな選択をするとは思えない。ただ、妄想的な評論家だけではなく、フランスのシンクタンク(LEAP/E2020)でも2009年中に米国はデフォルトするであろうという意見を出しているのが気になる。

● 北米連邦(North America Union)の発足と3国の新通貨であるAmeroの導入。

北米3国(米国、カナダ、メキシコ)を統合した連邦を作り、新通貨アメーロを発行するという構想をブッシュが持っていたという噂は以前から流れていた。もう新通貨は印刷さえ終わっていると言う情報通もいる。

私には残念ながらヨーロッパにおいてユーロが導入された背景、またその過程はよくわからない。しかし、北米でもそれが起こっても不思議ではないとは思う。またNSU、新通貨アメーロ構想を知る人も多いと言われ、それがいつ導入されるのか、あるいはされないのかは別にして、単なる噂ではないレベルの話の様に思えてくる。ただどうもNSU構想には、国境の撤廃(自由な行き来)という一面もあるようで、これが実現可能なのか私の頭では到底考えられない。

もしアメーロが導入された場合、旧通貨と新通貨がどの様に交換され(10対1とも言われる)、世界の為替市場でどうなるのかも私にはさっぱりわからないけれど今の米ドルは急落するであろうとは言われている。結果として、デフォルト宣言に似たインパクトがあり、その影響は計り知れないものがあるだろうとは思う。

カナダでおかしな事が起きている。ハーバー首相が議会休会で不信任投票を阻止。議会を突然休止させてしまった。これは「首相が議会から逃げ出すのはカナダ史上初めてだ」と言われており、議会が再開するのは早くとも来年の1月26日らしい。どうしてもこの時期まで現政権を維持する必要があるのかもしれない。

世の中の単純なお金の貸し借りにしても、持たざる者の強さというのがあると思う。債務者が借金を返すためにも今後こうしなければならないと言い出した場合、債権者はそれを飲まざるを得ない事も少なくない。

オバマ氏は「Change」というスローガンを揚げているけれど、私はそれに甘い期待を持っていた。でもChangeという言葉の中に何が含まれているのか想像したときに、底知れぬ恐怖を感じることが無くもない。米国を、そして世界を変えるために何をするのか。古いものを捨て、新しい構造を作るかもしれない。では、古い構造の中で生きてきた国、企業はどうなるのか。

フト思い出すのが1971年のニクソンショック。ニクソンが米ドルの金本位制を中止すると突然発表した。議会への相談もなく、これは大統領権限なのであろうか。突然の発表は青天の霹靂であり、世界中が大混乱した。固定相場制はくずれ、ドルは下落し、そしてそれプラス10%の輸入課徴金の導入により日本が受けた、いや世界が受けた損失は莫大であった。

私は当時まだ若く、また米ドルがどうなろうと影響がある世界にはいなかったし、円が強くなって海外旅行に行きやすくなったことを喜んでいた程度であった。しかし、弱電関係の輸出をしていた父は頭を抱えていたのを思い出す。

1980年代に米国が大量発行した国債を日本がせっせと買っていた当時も思いだす。政府も金融関係も莫大な金額の米国債を買って何をしているんだと世論が文句を言っていたのを思い出す。そして250円前後だったドルは一気に150円前後に下がった。日本は当時バブル突入期で、私の感覚では円高になった悪影響よりも、円が強くなったことを喜んでいる世の中の風潮があったような気がする。1970年代終わりに出版された「ジャパンアズナンバーワン」という書籍があったけれど、もしかしたら日本は米国を抜いて世界一になるのではないかと思ったこともあった。そして日本企業は莫大な金額の海外投資を繰り返した。

米国は、というよりどの国も自分の国が生き残るためにありとあらゆる手段を講じるのだろうと思う。そして、今心配なのは、ニクソンショックの時の米国、1980年代の米国の不景気よりも今、米国が抱えている問題の方が深刻なのではないかということ。

オバマ氏の「Change」という言葉の意味。きっとこれには今までの常識では考えられない様なことも含まれているだろうと想像するのは考えすぎだろうか。

では、それにどう対処するか。

ニクソンショックの時も、1980年代の米ドルの急落の時も、私はまだ若く、ただ見ているだけで、なんら対策も建てなかったし建てられなかった。いや、建てる必要もなかった。

しかし、今の私はただ見ていようとは思わない。

今後の更なる米ドルの下落。株式市場の今以上の暴落。そして日本経済が受けるであろう大打撃がもし起きるとするなら、これにどうにか対処したい。

方法はいろいろ考えられるが、今回私が注目しているのは、オバマ氏の就任直後に何かが起こるであろうと言われていること。1月21日22日辺り。これに関してはパウエルが意味深なことを言ったのが取りざたされている。彼はNBCに出演したときに

The problems will always be there and there’s going to be a crisis which will come along on the 21st, 22nd of January that we don’t even know about right now.

この言葉を受けて様々な憶測が一人歩きを始めている。中には上に書いたようなオバマ氏がデフォルト発言をするだろうと言うような評論家もいれば、イスラエルのイラン空爆による戦争突入であるとか、わけのわからない、そして根拠もありそうもないと感じる様々なことが言われている。あえて私が気になるのは何かというと、北米連邦発足と新通貨アメーロの導入発表の可能性。

カナダの議会が今月突然休止してしまったこともこれに関係があると言う人もいる。議会休会で不信任投票を阻止し現政権をオバマ氏就任まで保つ必要があったと考えることも出来る。またそれから連想するに、麻生さんが解散を延ばすのもこれに関係があるかもしれないとも思った。米国べったりな日本はまさに自民党と今の官僚がいるから維持できるわけで、もし日本に政治的混乱があり、また官僚主導である政治が改革され官僚の力が弱まるようなことがあったら、一番困るのが日本の献身的協力を前提としている米国であるのかもしれない。オバマ氏就任まで自民党政権維持するのは米国の強い要請があったからかもしれない。

カナダも日本も待った無しの状態なのに、無理矢理現政権を維持させたとすれば、オバマ氏がなんらかの構想を持ち、それに関する発言があるとしたら就任直後であろうことも筋が通る。

ただもしパウエルが何かを知っていたとしても、それを民衆に匂わす必要があるのかどうか。それともパウエルは反対派で、推進派に対する牽制なのか。どういう理由があろうと、パウエルの発言に関しては事実は闇の中。

これらのことを真に受けていろいろ考えるのはバカらしいとは思う。いつくるかわからない地震・災害に対処する準備は必要であるとは思うものの、いつでるかわからないお化けに対処しようとするのはバカげている。

しかし、世の中ではニクソンショックしかり、2001年の911同時多発テロしかり、想像も出来ないことが突然起こる。

私が想像したのは、911のテロの時の事。あれが起こる前から変な兆候が株式市場で見えていたことが言われている。あの落ちた航空会社の株式の空売り残高が、911の前に尋常でない大きさに膨れ上がっていた。つまり、株式の暴落を見込んでショートポジションを取った、何かが起こることを事前に知っていた人達がいたということ。

もしオバマ氏が就任直後に何か重大発言をする。あるいは何かが起きるであろう事を知ってる人達の中にはそれに乗じて一儲けを考えるのが必ず出てくるであろうと思う。つまり、市場の動向を見ていれば、911の時と同じように何かの変化が見て取れるかも知れない。で、オバマ氏就任直前に株式の空売りが増えたり、オプションのプット買い残が増えたり、あるいは米国債の先物が大きく売られたりすることがあれば、何かが起きる前兆だと考えて良いと思う。

で、もしそれらが見えた場合には、それに乗るのも一つの手だと思う。

ただ、こんな就任直後に爆弾宣言があるかのような妄想に似たバカな話に真剣に乗るのもまさにバカであると思うので、今後の長期的な動きに関しては対処したいとは思うものの、就任直後の出るか出ないかわからないお化けに対して真剣に取り組もうとも思わない。

とりあえず、ここは頭の体操、想像を楽しむ程度の事として、何が考えられるか。

ポイントは就任直後の爆弾宣言、緊急事態の勃発だとすれば、短期間にその影響がでるだろうということ。きっと1週間の内に世界は大混乱し、市場は暴落。為替も大きく動くはず。つまり、ねらい所はプットオプションの買い。現物や先物はたとえ1週間のあいだに大きく動こうが3ヶ月掛かろうがそこに差はないけれど、オプションの場合は時間が関係してくる。長期の場合はオプション買いは時間価値がどんどん減るので駄目。その代わり短期で大きく動くと一気に何十倍、あるいは100倍以上の値動きとなる(10月11月の動きがまさにそれ)。

日経225のプットオプション2月限か3月限のOTM、つまり現在値よりはるか下の行使価格狙いが良いかもしれない。もちろん、米ドルの通貨オプションもOK。このポジションを1週間維持したとして、オバマ氏就任後オバマ氏期待で株価が上がったり、米ドルが上がることがあれば、10-30%の損失はあるだろうが、もし爆弾発言があったとしたら、きっと数十倍の値に化けるはず。つまり小さな投下資本で大きなヘッジになるということ。

確かにバカな妄想だと自分でも思う。しかし早くには2006年の時点で、近い将来米国経済が凋落し、それを受けて世界が大混乱するであろうというシンクタンクや評論家の予想を読んだときに、それは妄想だろうと思った自分がいたのも忘れられない。そんなバカな事が起きるかと鼻で笑っていた私はこの半年で天国と地獄の違いを見ることになった。

近年マネーゲームに明け暮れていた企業や個人が破綻するのは自らが撒いた種であるとは思うものの、その影響が国家に及び、全世界に波及してしまった。物作りという原点で頑張っていた企業にもその影響を受けて倒産の危機が迫っている。米国がどうなろうと、為替も自分には関係ないと思って普通に過ごしていた個人にも何かが忍び寄ってくる気配を感じる今日この頃。

今の時代、各国が勝手に自国の利益だけを求めて行動を起こすことは許されないと思う。是非とも各国が手を結び、どうにかいい方向へ世界を導いていって欲しい。

来年は多くの企業や個人が苦汁をなめる年になるであろうことは想像が出来るけれど、せめて妄想は妄想で終わって欲しい。

オバマショックなる流行語が出来ないといいなぁ・・・・・

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