釣りには行かないわよ、なんて言いながらヨメさんはせっせと仕掛け作りをしていました。
釣りっていうと男性の趣味と思われがちですが、もしかすると私よりヨメさんの方が釣り好きかもしれません。日本にいる頃には良く乗り合い船に乗って釣りに行きましたっけ。でも女子供の釣りって感じじゃなくて、ヒラメとか真鯛狙い。
昨日、釣りを終えて引き上げようとしたときに、まだ一人の青年が釣りを続けていました。で、我々がもう使わないイソメ(ミミズみたいなやつ)は特餌で、他の餌で食わなくてもこれなら食う。それを使うなら使ってくださいと言ったのですが、有難う、でもそれ、気持ち悪くて触れないんです、との答え(笑)。
男のクセに~~、なんて思いましたがこういう人も結構多いんですね。ところがうちのヨメさんは、そういうのは全く平気で、カエルやラット(こちらのはミッキーマウスみたいで可愛い)でも素手で捕まえる人。
釣りって結構汚れるんですね。撒き餌もそうだし、ゴカイ(ミミズみたいな釣り餌)を使う釣りだとどうしても手がヌルヌルになり、またゴカイの血も手にこびりついちゃう。魚を触れば当然手は魚臭くなる。最初のうちは手を洗ったりタオルで拭いたりするのですが、その内面倒になって何もしなくなる。
で、その手で平気でオニギリを掴んで頬張るんですね。うちのヨメさんも全く平気。
グアムでも良く釣りに行きましたが、トイレがないのが当たり前で、もちろん私は立小便。ヨメさんはどうするか?車の中でバケツを使います。
女のクセにといっては何ですがそれほど釣り好きなのがうちのヨメさん。
だから釣りには行きたくないと言いつつ、仕掛けを作っていました。
結局私に対して腹が立っているだけなんですね。乾癬で手は酷い状態で、釣りをするにも手袋をしたままですから餌もつけられない。それなのに私が自分の釣りに一生懸命だったので、まぁ、怒って当たり前といえば当たり前。
で、釣りには行かないと言い出していたヨメさんですが
「ちゃんと餌もつけてくれる?」
「(はいはい)餌でもなんでもつけますよ。」
「じゃぁ、行こう。」
ここまでは想定内の動きで、それはそれで良かったのですが、ヨメさんが作っていた仕掛けですが、手は絆創膏だらけですし、うまく結べていないんですね。糸を引っ張ったら針からほどけてしまうのもあった。
私もやめておけばいいのに、
「こんな仕掛けじゃ釣りにならないじゃないか」
と一言言ってしまった。
プライドの高いヨメさんはこれが許せないんですね。
「釣りに関してはあんたにとやかく言われたくない。」
と怒って自分の部屋に閉じこもってしまいました。
あーーあ、どうしていつもこうなるの?
「手もちゃんと使えないのにわざわざ仕掛けを作ってくれて有難う。あれれ?これちゃんと結べてないみたいだよ?」とか言えば良いのでしょうが、こちとら江戸っ子でぇ、そんな女々しい言い方が出来るかってんだ。てやんでぇ、バーロー。(笑)
でもま、その内、「さぁ、行くわよ」なんていうのは目に見えていますが、正直なところ昨日みたいな釣りはしたくありません。というか、もうキスや黒鯛は釣りたくないのです。食べても美味しく無いし、美味しくないと思いながら食べるなら釣らなければ良いし、じゃぁ、キャッチアンドリリースにしようか、なんて話をしていました。
あるいはまだ釣ったことが無い魚を狙うか。目の前の釣り場は内海ですが外海に近く、我が家の前の川とは微妙に釣れる魚が違います。まず、アイゴが釣れる。これって背びれなどの棘に毒がある魚ですが、まだ我々はこちらで釣ったことがなく、是非それを釣ってみたい。そしてマナガツオ。これも釣れたら美味しい魚だから楽しみ。でも仕掛けも餌もまるで違うから難しいかも・・・
さぁ、どういう展開になるのでしょうか。