私流カメラの選び方を書きます。
一体何を悩んでいるかですが、どんなカメラでも必ず長所欠点があるわけで、自分にとってどこが妥協できるか出来ないかがポイントとなります。私が拘りたいところとしては、
○ 高感度がそこそこ使えるカメラであること。
これは暗いところでの撮影が多いということではなくて、たとえ室内でもそこそこ撮れるカメラであって欲しいということと、高感度特性が良いカメラはそれだけISOを上げることによってシャッタースピードを速くすることができるわけですね。これって結構重要だと思っていまして、シャッタースピードが速いということはそれだけブレが減ります。特に室内ではたとえ一段でもシャッタースピードが上げられるとそれだけて手ぶれ、被写体ブレが減り、没にする写真も減ることになります。
○ 可動式の液晶が着いていること。
一眼レフでもこれが着いているものがありますが、これって使い慣れると無くてはならないものになると思います。これがないと下から上向きのアングル、上から下向きのアングルはまず撮れませんし、例えば人ごみの中からカメラだけ上に伸ばして撮るとか、あるいは花などを接写する時でもしゃがんだりあるいは寝転んだりしてカメラをのぞく必要がなくなるわけで、液晶さえ動かせればカメラを自由自在に動かして撮ることが出来ます。
○ 小型軽量であること。
一眼レフが良いのはわかりますし、今までペンタックス、そしてマイクロフォーサーズを使ってきましたが、私としては小さければ小さいほど良いし、軽ければ軽いほど嬉しいです。もちろん写りとの関係もあって、小ささにも限度がありますが、交換レンズを持って移動することを考えますと小型軽量であるのは私にとっては非常に重要です。
○ 解像感が高いこと。
これはカメラというよりレンズに大いに関係するはずですが、また解像度の高いカメラは解像感の高さも期待できるわけですが、解像度が高すぎて写りが悪いケースもありますのでなんとも言えず。
とりあえずどんなカメラでも数日間、あるいは数時間でも借りることが出来れば撮り比べができてすぐどれが自分に合うのかわかりますが、ゴールドコーストって田舎でカメラの本体そのものさえも触れない、いや見ることさえできないような場所です。日本の大きなカメラ屋でも行って一日うろうろできればすぐにわかることでもこちらでは全くわかりません。
また、持った感じも大事ですが、やはり性能を重視したいと思っていまして、ただし、どちらかというと科学的な性能というより感覚的な、写真を自分の目でみた感じを私は重視したいです。それにはネットの中で様々な比較が出来るサイトを利用します。
例えばここ。ここは有名なサイトで、カメラやレンズの細かなテストレビューがあり、またそれぞれのカメラの写り具合を比べられるので非常に気に入っています。
dpreview.com ← クリック
私がカメラの写りを比較するのはこのページです。
カメラ比較用ページ ← クリック
今私が気になるカメラですが、ソニーのNEX-7、NEX-5N、そして今、主に使っているマイクロフォーサーズの比較的新しい機種であるオリンパスのE-PL3。なぜ上位クラスのE-P3じゃなくてE-PL3なのかは、上にも書いたように可動式の液晶がE-P3には無いからです。
カメラの機能で言えば、ソニーのNEX-7が文句なしにトップでしょう。解像度は2400万画素でカメラの操作感も非常に良い様子。
ではどうしてそれに決めてしまわないのかという点。
まず、解像度は高いですが、解像度を上げすぎた弊害がありそうだ想像しています。これは同じセンサーを使っていて、そしてすでに多く出回っている一眼レフのα77でも問題になっているようで、価格コムの口コミではそれが指摘されています。特にα77は透過ミラーを使っていてどうもそれの弊害があるようで、高感度の写りの悪さが言われています。でも同じセンサーでもNEX-7はミラーがありませんのでさほど酷いことはなさそう。でも解像度を上げすぎの感じはやっぱりあるようで、解像度が低い下の機種であるNEX-5Nの方が写りが良いと言われています。
実際にそうなのかどうか、これは上に書いたサイトの比較でわかります。
まず、比べる機種ですが、NEX-7、α77、NEX-5N、E-PL3を選びます。ドロップダウンメニューから比べたい機種が選べるようになっています。そしてISO感度、そしてjpgかRAWか選びます。私としてはやっぱりRAWが重要で、これこそが我々が手に入れることができる素材。カメラが自動で出してくるjpgはこのRAWを画像処理した結果であるわけです。で、その画像処理にはカメラ、メーカーごとの特徴がありますので、それだけを見てそのカメラが良いのか悪いのかを比べるのは無理でしょう。素材であるRAWの写りが悪くてもそれを画像処理で一見良さそうにすることは難しく無いし、新機種が旧機種より写りが良いといわれるのは、実はこの画像処理技術の違いだけだったなんてこともあるわけです。
比べてみましょう。まずはそこそこの写りを確保したい感度であるISO3200。カメラから撮ってだしのjpgでの比較。
いかがでしょう。比べる元は上の大きな画像で、拡大する部分は小さな小窓を移動させることによって替えられます。今は左下の乾電池の部分を拡大比較しています。それぞれの画像はDownloadと書いてあるところをクリックすると手に入りますので、より細かなチェックが可能です。上に出したURLの比較ページでの話です。
これを見るとオリンパスのE-PL3はこの感度では使いたくないなぁという感じ。ではソニーの3機種を比べて見ますと5Nの写りが一番はっきりしていて、同じセンサーを使っているα77とNEX-7ですがα77の方がぼやけて見えます。
次にRAWを見てみます。つまり上のは画像処理をした後のjpgでRAWはそれの元になっているもの。
なんじゃこりゃ?と思いませんか。
今の最新機はISO3200なら問題なく使えると言われていますが、素顔はこんなものだというのがわかります。E-PL3はちょっと暗いですが、写りとしてはα77に近い感じ。ソニー3機種の中では一番良いのは5Nだというのがわかります。
ではもう一段階上のISO6400で見てみましょう。RAWです。
どれも使えるようなレベルじゃありませんね。でもjpgだとどうでしょうか。
面白いもんで、ソニーの3機種はどれでも使えそうに見えます。画像処理の能力ってこれだけ凄いんですね。でもE-PL3はどうにもならない感じ。でもそれって画像処理も大いに関係しているってことが想像できるし、素顔が汚くても化粧一つで結構化けることが出来るということ。逆に薄化粧は汚く見える。でもその辺の調整の考え方がメーカーによって違うので、化粧後の違いだけでどれが良いの悪いのいうのは間違えていると私は考えています。
ただ、撮って出しのjpgが綺麗かどうかというのは大事で、誰でもがいちいちRAWから現像なんか面倒でやってられませんね。
しかしこここそが我々消費者が戸惑わされる一番のポイントだと思うんですよ。jpgのパッと見た目が良いと良いカメラだと思ってしまうってこと。
この辺はメーカーもちゃんとわかっていますから、このパッと見を重要視して一見綺麗に見えるように調整するんですね。ところがノイズを消すってことは細かな部分も消えてしまうわけですよ。ここが問題。でもその辺は良くわからないようにうまい具合に調整してある。これってずるいわけでもなんでもなくて、我々がノイズの多い写真を調整する時だって、ノイズを消すのと精細感が損なわれない微妙な接点を見つけるのですね。化粧も派手すぎることなく、アラを隠す方法を見つけるわけですから。
でもそのアラの隠し方が大げさなケースが多いと私は思うんです。アラは消えても全体的にはいわゆるのっぺりしていて大げさに言うと絵の具を塗ったようになってしまう。私としては独断と偏見ですがソニーはその傾向が強いと思っています。でもオリンパスやペンタックスは派手な化粧をしない傾向がある。だからパッと見た感じはアラが多いように見えるんですね。でも精細感、解像感がある。
ま、使っているセンサーの能力の違いもあるし、そしてメーカーや機種ごとの画像処理の味付けの違いがあって、どれが良いとか悪いとかじゃなくて、自分はどういうのが好きなのか、それにあった機種選びが大切なのでしょう。
その画質の調整でどう変るかってのも見てみましょう。精細感を見るには髪の毛とか毛布とかそういうのが良いと思うのですが、例えばこれ、毛です。まずは生のRAWから。
ISO6400ですからE-PL3は駄目としても、ソニーの3機種でも随分違いがあるのがわかります。このRAWの状態でもNEX-5が優秀なのはわかります。で、これを画像処理がなされたjpgで見てますと
写真全体をパッと見た限りではソニーの機種はそれぞれ良く見えて、ISO6400でも使えそうだなんて思いますが、こういう細かいところを見るとこれだけ違いがあるわけです。この差はどんな被写体でも質感の差となって見えるはず。
α77は十分な光があるところなら良いけれど、ちょっと暗くなるとアウトだというユーザーがいるのはこういうことなんでしょう。そして下位機種ですが5Nが一番だという人がいるのもこれが理由。
NEX-7ですが2400万画素。この画素が自分にとって必要かどうかがNEX-7を選ぶポイントになりそうです。普通にPCで見たり、小さなプリントしかしないのならこれだけの画素は必要ないでしょうが、でも大きなプリントにしたい、パネルにしたいと思うとこの画素に魅力を感じます。でも細部がボケてしまうなら全く意味がないということになります。
その他、NEX-7には操作性の良さがありますので、私としてはもしNEX-7にNEX-5のセンサーを積んでくれたらそれがベストということになります。(笑)
ところでオリンパスのE-PL3は全くお話にならないような感じになっちゃいましたが、ここで考えないとならないことがあります。それはレンズのこと。今までの話は同じISOで比べてきましたよね。でも実際の撮影を考える時にレンズのことを忘れるわけにはいきません。つまり、ソニーならISO3200で撮らなくてはならないところだとして、もしE-PL3に明るいレンズが付いていたらどうなるのか。ソニーならISO3200でもE-PL3ならISO800でOKというケースはいくらでもあるってことなんですね。そういうことを無視して、同じISOで写りを比較しても全く意味がないと思います。で、ソニーには明るい良いレンズは何もないと言って良いくらいで(ツァイス銘は別にして)、でもオリンパスのマイクロフォーサーズには明るくて写りが抜群のレンズがいくらでもある。なおかつ小型。私にはソニーのレンズは図体ばかり大きい感じがします。で、小型のレンズがあったかと思えば写りに問題があったり。
そしてもう一つ。手ぶれ防止機能。これって大げさだとは思いますが、メーカーによってはシャッタースピード3段分の効果があるなんて言う。つまり通常はISOは低いままに保つならシャッタースピードを遅くしなくてはならないわけですが、もし手ぶれ防止が効いて3段分も違うとなればシャッタースピードを多少遅くしても写りが良いもっと低いISOを選ぶことが可能になるわけです。
つまり、レンズが明るくて手ぶれ防止装置が付いていれば、高感度特性が多少悪くても全く問題ない。それどころか暗いレンズ+手ぶれ装置なし+多少高感度特性が良いカメラよりはるかに良い写真が撮れる可能性があるわけです。で、それがまさにオリンパスなんですね。マイクロフォーサーズには小型で明るく性能の良いレンズが多く揃っています。そしてオリンパスの機種にはカメラに手ぶれ防止装置が付いているのでどんなレンズをつけてもそれが機能する。残念ながらソニーにはそれが無い。ソニーの場合はカメラ本体ではなくてレンズの方に手ぶれ防止装置が組み込まれますが、すべてのレンズにそれがあるわけではない。
ということで、ソニーのNEX-5Nが良いような感じの話の展開でしたが、実はマイクロフォーサーズ、それも手ぶれ防止付きのオリンパスの機種の方が良いという結論を出すことも可能だということ。ソニーには手ぶれ防止装置が組み込まれていない、そしてレンズは暗いものばかり、なおかつレンズが大きいという三重苦のデメリットがあります。最大のデメリットですが、残念ながらNEXつまりEマウント用の良いレンズは今のところツァイス銘をつけた24ミリしかないということ。あとは何てことの無いレンズか、あるいは問題が指摘されているレンズ(16mmf2.8)とか。
困りましたねー。NEX-7は化粧はうまいけれど素顔ではNEX-5に負けている。そしてソニーとオリンパスを比べると、素顔も化粧もソニーが良いのだけれど、着ている物がダサいので見た目がイマイチ。良い服は一着だけある。その点、オリンパスはソニーに比べると若干ブスだけれど素顔を大事にする薄化粧で、センスの良い服がいくらでもあるのでトータルとしてはかなり良いって感じか。(笑)
これって家電屋とカメラ屋のポリシーの違いのような気がするのですが、まぁ、とどのつまりはどれを選んでもOKってことなんでしょう。今時のカメラでハズレってそうそう無いはず。
ということで、カメラ選びは振り出しに戻る。 щ( ̄∀ ̄)ш
でもま、多分NEX-7を買うことになるんだろうと思います。
おっと、比較写真の大事なのを忘れていました。光が十分にあればISO100、つまりきっと一番写りが良いISOで撮れるはずですが、それを比較してみましょう。RAWです。えーと、E-PL3はISO200からですので、E-PL3だけISO200。
5Nの良いのがずば抜けていますね。E-PL3もISO200で不利ですがかなり良いのがわかります。それに比べて2400万画素のNEX-7、光が十分あれば良いと言われているα77がどうもボケているように見えます。
ではjpg。
私はこの中ではE-PL3が一番好きです。自然な感じ。5Nも良いのですがエッジが強調されていて、つまり精細感を出そうと無理をしている処理に見えます。それにしても2400万画素組みはイマイチですね。これで大丈夫なんでしょうか。
NEX-7も他のサンプル画像を見ているとかなり良いように思えますが、こういう比較を見ると、この比較写真がそもそもおかしいんじゃないかと勘ぐりたくなります。それともこれがNEX-7の実力なのでしょうか。あるいは5Nの場合はシャープネスが強調されすぎている感じがしないでもなく、NEX-7はそれが弱いがためにボケて見えるのかもしれません。でも5NのRAWは素晴らしいですよね。画像処理前でこれだけ綺麗なのですから、やっぱり5Nの方が良いというしかなさそうです。APS-Cサイズで2400万画素ってそもそも無理があるのでしょうか。精細感を欠いた高画素なんて意味がありませんよねぇ。そういう点でやっぱりすげーーと思うのはペンタックスの645D。時間があったらちょっと見比べてください。凄い解像感です。細かいところまでくっきりはっきり。なんと4000万画素。(笑)
この際だからペンタックスの645Dの比較写真を載せましょう。鳥の羽の部分ですが細かいところまで解像しているのがすぐにわかりますよね。そしてNEX-5Nも健闘している。でも2400万画素組みはイマイチ。なんなんだろうなぁ、これって。
これはそろそろNEX-7の出荷が始まりますから、注意して口コミなどを見ているといろいろわかると思います。でもねぇ、価格コムを見ていても親衛隊が多いから困るんですよね。良いことを書くとそうだそうだと仲間内で盛り上がりますが、ちょっとでも欠点を書くとネガキャンだと騒ぐアホが多くて、本当のところを価格コムから読み取るのはかなり難しいと思います。あるいは他のサイトでも提灯記事が多くてなかなか事実が見えてきませんね。その点、個人のサイトの方が素直なことが書いてあるので、それを楽しみに待つことにします。
でもこうやって見ると、マイクロフォーサーズの良さもわかりますでしょ?特にオリンパスのPENシリーズは見た目も良くて女子に評判が良いのが良くわかります。ただオリンパスとしては女子向けってのをやりすぎた反省みたいのがあるらしく、今度の機種はオリンパスらしいカメラになるようですね。かつてのOMシリーズを思い起こすようなカメラらしい。防滴防塵仕様で、マイクロフォーサーズ初めてのプロ仕様だとのこと。
しかしまぁ、ややこしいことを今日も書きましたが、これってカメラの性能のある一部分の話でしかないんですね。私が拘っているのはこの部分であると言うだけのこと。
実際にはダイナミックレンジや色乗りが気になる人もいるはずだし、あるいはAF(オートフォーカス)の機能、あるいは連射性能であったり。あるいは見た目や色であったり。(笑)
人それぞれ求めるものが違うし、そしてそれは複数の項目だし、その度合いも違うわけで、ベストのカメラとはカメラマンの数だけあると言っても良いのかもしれませんね。いくら良いカメラがあってもマウントが違えばおいそれと手を出すこともできませんし、だからこそこれだけ多くのカメラが売り出されていて、それぞれがそれなりに売れているのでしょう。
でも私が思うことは、単なる思い込みじゃなくて、実際に自分の拘りたい部分をちゃんと比較してその性能を把握した上で手に入れたいということ。
皆さんがカメラに拘る部分ってどんなところですか?