日本の定期金利が低いので外貨での運用をする人が増えていますね。当然、マレーシア関係だとマレーシアリンギットでの運用が多い。
これはMM2Hビザ取得のために定期が必要なのとは別に、リンギットの利回りが良いという人がいるわけですが、私はどうもリンギットの利回りって低すぎると思っています。これは実際の数字がそうであるということと、マレーシアの実態を考えても低いと思うのです。金利政策ってインフレ率と非常に密接な関係があるのと同時に、景気刺激策としての金利決定があるはずなんですね。で、マレーシアは投資奨励策を税制の上でも取っていますし、当然金利もそういう方向で決めていると考えています。
つまり、あえて金利を低くしているってこと。実態(インフレ)より低いと私は考えています。
金利を低く誘導するのって良いと思います。企業は安いコストで資金を集められるし、個人も起業、投資が楽になるし、そして住宅ローン、自動車ローンも助かります。
でもそれって借金する人たちにアドバンテージを与えているってことであって、貯金をする人からすると逆の効果となる。
3%あるいは4%を良い金利だと思う人は多いですね。そりゃ日本に比べれば良い。でもなんで日本を基準に考えるんでしょうか。日本に住むわけじゃないのに。
そもそも、私は
○ 自分が住みたい場所
○ お金が住みたい場所
この二つは全く関係ないという考え方を持っています。
私は豪ドルが中心ですが、これは私がオーストラリアに住んでいることとは全く関係なくて、私が今後マレーシアに住もうが日本へ帰ろうが、今のところオーストラリアドルでの運用が続くだろうと考えています。今までですが、日本を出た21年前はまだ日本の金利も高く、日本の転換社債を多く持っていました。その後の円高では米ドル建ての債券に替え、そして豪ドル中心になってから10年ぐらいでしょうか。
通貨選びの話をしていると、どうもこういう考え方を理解できない人が多いのに気がつきます。
これって、「自分が住む国の通貨を持つ」のが当たり前だという固定観念があるんでしょう。また、お金は自分の近くに置いておきたいという本能があるのでしょう。一般的にはそうして生活するのが当たり前ですし、特に給料取りですとその固定観念が強いようです。住んでいる国の通貨で収入を得ることが普通ですから。
ところが企業そのものもそうですし、あるいは投資で食べている人たちはそういう考え方ってまるでないのが普通だと思います。水は高いところから低いところへ流れるのと同じように、投資効率が良いところへお金は流れる。ただそれだけのこと。
じゃぁ、金利が高ければそれでいいのか、ってバカなことを言う人がいるんで困るわけですが、当然その国、通貨、あるいは投資先の信用度、将来性を考えた上での話で、%が高ければなんでもOKというわけにはいかないのは当たり前。
そして当然、為替変動を考えなくてはなりません。でもま、この辺は将来どうなるかは神の領域ですから、いくら考えてもわかったような気がするだけでわかるはずもなく、もし我々レベルでそれがわかるなら、ソニーにしてもトヨタにしても為替で損を出すことはなくなります。でも将来はわからなくてもすくなくとも過去と現在の動きはわかるわけで、私は我々レベルの投資に必要なのは過去と現在の動きだけで、それだけわかれば十分利益は出せると思っています。
ま、そんなこんなで、通貨選びには固定観念を持たずにあちこちに目をむけ、アンテナを張っていなければならないと思うのですが、最近、今までは考えもしなかった他の通貨、たとえばトルコリラであるとか南アフリカランド、あるいはブラジルレアル。これらは金利は高いけれど・・・・・という感じがありましたが、やはりBRICSやVISTAにも分散投資をするべきであろうと考えるようになりました。(今更ですが・・笑)
そんな感じで私は私なりに持っている固定観念をぶちやぶるべきあちこち見ていまして、こりゃ意外に面白いかもと思うものを見つけました。日本株です。
日本の金融商品は利回りの低いものばかりですが、日本株で結構利回りの良いものがあるんですね。これに投資するのも面白いかも。
ただキャピタルゲイン、つまり値上がりを狙うのではなくて、配当狙い。日本株は安いままに放置されていますし、PBR(株価純資産倍率)も1以下の優良企業もあるようですし、配当利回りも定期や国債よりはるかに良いものがある。
日本経済新聞でこんなのを見つけました。
高利回り銘柄。これらは時価総額が100億円以上で、自己資本比率が40%以上、今期予想までの10年間で経常赤字、減配、無配がない銘柄を抽出したもの。つまり配当狙いでもリスクが少ないだろうという銘柄です。
クリックすると大きくなります。ブルーの欄が利回り。
私は日本株はもう持っていませんし、この数年売買もしていません。ああ、よせば良いのにJALに結構突っ込んでしまいましたっけ。でもま、それっていわゆる株の売買では無いというか、なんていうのでしょう。決して遊びではないけれど株式投資という感じでもなく、まぁ、JALと自分との長い間の付き合いの延長線の出来事とでもいうべきで、これは株式投資とは別に考えています。ま、とにかく株式投資らしいことはこの数年やっていません。
でももし日本円があって、それをどう運用するのか、日本円を持っている必要もあるということならこういう株式に投資してもいいような気がします。
多くの人がいうこととして、「日本はいつか破綻する」という考え方。これは今のまま行けばその通りになるでしょう。つい最近のニュースでは貿易収支が31年ぶりに赤字になったなんてやっていましたし、景気は悪いといいつつ、今までの貿易黒字が回りまわって日本の経済をささえ、国債も買い支えていたと思うのですが、それも今後は危うくなってくる。つまり、どう考えても円高どころか円安に向かうはずだと。そしていつか「日本売り」の時代が来るのではないかと。
まぁ、これは私もそうなるような気がするのですが、根拠のない言い方で申し訳ないけれど、みんながそう思うことって、まず実現しないのが今までの経験。また、相場の格言で「民衆は常に間違える」というのがありますが、みんながこうなると思うことって、たいてい逆になるんですね。
こういうのって説明が難しいし、またその話の根拠なんて何もないのと同じですから説得力はゼロ。でもですねぇ、自分の中では常にそういう逆の流れを考えてそちらを重視するという生きかたを今までしてきましたし、それが不思議にうまく行くんですね。
商売もそうじゃないですか。みんなが良いね、なんていう商売は当たらないのが普通。そんなことをやって大丈夫か?みたいな方が面白い結果がでる。会議でもみなが賛成するようなときは注意が必要で、逆の方が当たってるケースが多い。
ま、そんな私の考え方の癖から見て、日本売りの時代は来ないなんていうのは理屈にも何にもなりませんが、日本売りの時代は必ず来るという前提で動くのはまずいと思っています。円高も同じで、いつか円安に向かうときが来るかもしれませんが、とりあえず今は円高で、円高になる要素があるわけでそれが解消されずに、そしてそれが今後助長されればもっと円高になるかもしれませんし、方向としてはそちらを向いていると私は考えています。
これは相場でもなんでもそうですが、上がり続けるといつ下がるのか、いつか下がるはずだと考えがちですが、そういう考え方で転換点を探そうとしてもまず無理だという考え方を私は持っています。今、上がっているのならそれがそうなる理由があるのだからそれが続くと考えた方が現実的だということです。つまり、円高で言えば、日本が買われたのではなくて日本以外が売られたと考えるべきで、ではドルは、ユーロはこれからどうなのか、そういう視点の方が今の時代に合っていると思うのです。
でもいつかは流れが変るはずですが、それはいつ来るかわかりません。予想するのも良いですが、実際に変れば変ったというのがわかりますから、いつ出るかわからないお化けが出るぞ出るぞと騒ぐのではなくて、もし本当にお化けが出てから考えても遅くはないと思っています。
ということで、まだ日本売りは始まっていないし、それを今、考える必要もないと私は考えているということ。
もし、私に円があったら、そして円を持っている必要があるのなら、配当狙いの日本株投資も面白いかもしれない。当然、買って放っておけばどうにかなるわけはありませんが、どこの債券がいいのか、ファンドは何にする?なんて考えるのであれば、日本株もその候補の中に入れてもいいのではないかと。
自分なりに、円安、円高になったらとか、今後考えられるディザスターも考慮してスクリーニングしたら面白い銘柄が見えてくるかもですね。
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それと大事なことを書いておくのを忘れました。
日本円だから日本、あるいは日本の銀行や証券会社。豪ドルならオーストラリア、あるいはオーストラリアの銀行という考え方は全く必要がないということです。
世界のどこの銀行・証券会社でも同じ物を扱っていると考えて良いとおもいます。だからオーストラリアの銀行で米ドルを持ってもいいし、アメリカの証券会社から日本株を買っても良いし、マレーシアの銀行で豪ドルを持っても良いし、それは上にも書いたように、お金のことですからお金が一番住み心地の良い場所を選べばよいって事。自分を中心に考えるのではなくて、相手(お金)のことを考えてあげないと~。(笑)
これもどうも一般的には理解できないようで、日本株だから日本の証券会社で売買するのが当たり前と思う人が多い。
投資対象がなんだろうが、どの通貨にするのか、それをどこに置いて売買するのかは全く関係がないんですね。この辺を自由自在に考えて実行できないとうまくないと思います。