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大変申し訳ない。このDual Currency Investmentの私の解釈はどうも違うようです。この日記そのものを無視してください。
● ベース通貨が下がった場合でも元金は返ってくると書きましたが、それらしきことはHPに書いてありませんでした。ベース通貨で戻ってくると書いてあるだけ。でも下がった場合、損失があるとも書いていない。
● 交換レートを選べるようになっている様子。つまり将来の自分の予想に賭ける商品らしい。
多分、ベース通貨の上のほう(多分下にも)に何段階かのレートが設定されていて、遠いレートに達すればより大きく儲かるという仕組みらしい。
つまり、オプションの売りができるようにしたのと同じってこと。
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HSBCマレーシアのマルチカレンシー口座を使って、なにやら短期で10%(年率)ぐらいに回るようにしたという情報が入ってきています。
ホントですかねぇ。
今確認を取っているところなのですが、それのことを調べている間にHSBCで面白い投資商品をだしているのを見つけました。年率20%ぐらいになるかも?みたいな商品です。
HSBCマレーシアのその商品紹介ページ ←クリック
Dual Currency Investmentというもの。キャッチフレーズはこれです。
Gain potentially higher returns up to 20% p.a* with Dual Currency Investment.
どういう内容かというと、
その1 まず二つの通貨を決めます。ベースと相手となる通貨を決めペアを作る。その通貨の種類は
MYR (Malaysia)
USD (United States)
AUD (Australia)
EUR (European Union)
GBP (United Kingdom)
JPY (Japan)
NZD (New Zealand)
SGD (Singapore)
HKD (Hong Kong)
CAD (Canadian Dollar)
ベースとなるものと相手となるのを決めます。例えばベース通貨をリンギットとして相手通貨を日本円にしましょうか。米ドルでもいいのですが。
その2 そして預ける期間を決めます。
1 week, 2 weeks, 1 month, 2 months & 3 months
その3 金額を決めます。
最低25万リンギット。外貨の場合はリンギット換算で25万リンギット以上ならばOK。
さて、何がどうなったら年率で20%にもなるのでしょうか?その説明はこれです。
Upon maturity, if the base currency:
● Weakens – investment and investment returns will be repaid in the base currency.
● Strengthens – investment and investment returns will be converted to and paid in the linked currency.
えええ?と思いませんか?何これ。
つまりですね。25万リンギットを投資してそれをベース通貨とします。相手の通貨は日本円だとします。そして期間は3ヶ月。
で、3ヵ月後にベース通貨、つまりリンギットが相手通貨である日本円より安くなっていたら25万リンギットそのまま受け取って、もしリンギットが高くなっていたら、その上昇分を足して「日本円」で受け取れるという商品。
ん?ちょっといいかもしれないなんて思いませんか?どっちに転んでも損は無いじゃん?
通貨の組み合わせはなんでも良いですから、持っていてもお金を生まない日本円をベースにしたら面白いですよね。で、相手をリンギットとする。もし円が下がったところで最初の投資金額(日本円)はそのまま帰ってくるし、もし上がれば利益がプラスされてリンギットでもらえるんですから。
これはやらない手はない!
なんて思いませんか?
これってどういう仕掛けだかわかりますか?このブログの読者ならすぐにわかると思いますが、こういう仕組みなんですね。
まず。ベース通貨は日本円。相手通貨はリンギット。金額は1000万円としましょうか。期間は3ヶ月。
まず1000万円を契約時のレートでリンギットにします。そのときの交換率がベースになって満期時に上がった下がったの計算がされることになります。交換比率は25円=1リンギットだとしましょう。つまり、40万リンギット。OKですね?
で、その40万リンギットを基本にして、それで円の先物を買います。FXの円/リンギットで円を買います。(先物もFXもあると仮定します)
さて、3ヵ月後に円が下がったとします。そのときは、買った円を現受けして円を手に入れて、そのまま客に渡します。誰も損しませんよね。
もし満期時に円が上がったら、反対売買して利益と元本を手にします。これは当然リンギット。そこから手数料をなんじゃかんじゃ引いて顧客に渡せばOK。
どうです?
つまり、この商品は銀行が為替交換手数料、その他の名目で手数料を取る、あのインチキな日本の外貨預金と全く同じ性質のものであるのがわかります。
実際にはリンギットの先物もFXもありませんから、これを個人でやることは不可能ですが、リンギットとシンガポールドルには相関関係があるのがわかっていますし、シンガポールドルならFXで売買できますから、これとほぼ同じことは誰でも出来ることになりますよね。もし、リンギットじゃなければ全く問題なくできちゃう。
インチキですよねえ。
つまり、ベース通貨と相手通貨を選びますが、実は本当のベースは相手通貨なんですね。ここがミソ。
でもなんとなく悪くない話に聞こえませんか?
例えば豪ドルでも米ドルでもそちらの方を増やそうと思っている人はこの手を使えば良いって事になります。
為替はわからないし、損したら面白くないなぁって思うでしょ?でも日本円をベースに考えた場合、もしヘマをしても日本円ベースで損をしなければ良いって考えられるわけです。
もしも普通に円から豪ドルに替えて、あとで円が下がればやったーーってなりますが、円が上がったら悔しいじゃないですか。でもこの手を使えばOKってことなんですね。
やりかたを再度書きます。
とりあえず、今、豪ドルに替えちゃいます。でも銀行で替えるとごっそり手数料を取られますからFXの会社を使います。円で豪ドルを買って、すぐに現受けすればOK。これは前にも書きましたがマネーパートナーズとか証券会社でとんでもなく安い手数料で交換ができるのは前に書いたとおり。
そしてその豪ドルで、円が上がりそうなタイミングを計って今度は円を買うわけです。そのまま保持します。
でも、円が下がったら?現受けすればほぼ最初の日本円を手にすることが出来る。
もし上がったら?普通に反対売買すれば、円が上がった利益と元本を豪ドルで受け取ればOK。
おもしろいですねぇ。面白いでしょ?
でもね~~~、ここで面白いと思った人はやっぱりカモになる素養十分ってことなんですね。
つまりこの考え方ですが、本来何もしなければ自分が持っている通貨の価値が下がっても関係ないですよね。1000万円は1000万円で変わりなし。で、あるとき、リンギット、豪ドル、何でもいいですが、前より下がっている(円が上がってる)のがわかれば、その時に交換すれば良いって事だけなんですね。前より安く外貨が手に入るわけですから、あるいはより多くの外貨が手に入るわけですからその分は儲けとも言える。
その過去のある時点と将来のある時点の為替の差、損が出ていれば何もなかったことにして、為替差益が出ていればそれを目に見えるお金にして、あたかも運用利回り、それも高利回りみたいに見せかけているのが今回の商品だということ。
もしどの通貨が強いとか弱いとか、将来上がる下がるとそれが予測できるのであるならば、自分でFXでもやればいいだけのこと。
こういう商品はFXとか為替の売買を自分ではやらない人が引っかかるんでしょうね。
この商品の酷いところですが、この商品はヘッジになるとか、定期とは違ったものを持つ必要性とか、子供の将来の教育資金になるとか、マレーシアで働く外国人に良いとか書かれています。こうやって単に為替の損益を動かすだけの商品なのに、あたかもファンドや何か新しいそして効率の良い商品に見せかけている点。
これに引っかかりやすいのは、将来他の通貨が必要になることがある人たちだろうと思います。つまり、いつかアメリカに行くから米ドルが欲しい。だからベースは日本円、あるいはリンギットにしておいて、将来米ドルが入るようにしておきたいと。
でもよく読めばわかるはずで、ベースの通貨が下がれば、その通貨で受け取るわけです。つまり、米ドルを使いたくても米ドルは無い。ではその時に交換したらどうなるか。ベース通貨はさがっているわけですから、同じ金額のドルを手に入れるのに多くのベース通貨が必要になる。で、こんな商品を買わずにさっさと米ドルにして置けばよかったってことになるわけです。
ではベース通貨が上がったとしたら、上昇分を含めて米ドルが手に入るじゃないかと思うかもしれませんが、ベース通貨が上昇しているのだから、その時に交換に必要な額は減っているわけですよね。あるいはより多くの米ドルが手に入る。つまりこんな商品を買わなくてもちゃんとその分が利益として出ているって事でしょ。
これって銀行の、何も無いところに何かあるように思わせて、うまくやれば儲かるような余計な期待を客に持たせて手数料だけいただこうという商売なんですね。まさに錬金術。
私がどうして平民の逆襲をしたいかってこういうことでもあるんですよ。我々の周りにはこういう人を馬鹿にしたような仕掛けがいくらでもある。
馬鹿にするな~~~~~~~~~~~~~~~。と叫びましょう。(笑)