TPPって絶対おかしい

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TPPに関して新たなニュースが出てきた。

後から交渉に参加する国はすでに決定済みの内容を変更することはできない、みたいな話。

TPP交渉参加、「後発組」に出された3条件 ← クリック

新たに交渉に参加する国に、

〈1〉合意済みの部分をそのまま受け入れ、議論を蒸し返さない
〈2〉交渉の進展を遅らせない
〈3〉包括的で高いレベルの貿易自由化を約束する

まぁ、当たり前と言えば当たり前。後からノコノコ出てきたヤツにすでに決めたことをあーじゃこうじゃ言われたらまた最初からやり直し。たまったもんじゃない。

でも日本としては文句を言える立場があるわけですよ。まずTPP参加国のGDP比を見てみましょう。

アメリカと日本を足すと91%。つまりTPPってアメリカと日本の条約と言っても過言じゃない。で、アメリカっていうのはそもそも開かれた市場であるからしてターゲットは日本なのは明白。

TPPの交渉参加の順番がどうじゃとそういうことを言うのであるならば、じゃぁ今回は見送らせてもらいましょうって言えるんじゃない?

日本が入らないと困るのは誰?日本?それともアメリカ?その他の国?

私にはTPPに参加するメリットよりデメリットの方が多いと思うのだけれど、多分それは何か大事なところを理解していないからだろうと思ってTPP参加のメリットを調べても調べても何も出てこないんですよ。

賛成派のうんちくを読んでも、戦前の保護貿易主義に戻ってはいけない!なんて大げさなことが書いてあるし、そういう全く筋違いのポイントを大げさに書いて「自由貿易」「自由市場」「規制緩和」というお題目がとにかく素晴らしいことなのだという「雰囲気」を盛り上げようとしているだけ。

これって宗教に勧誘するのと同じようなものさえ感じるんですよ。

各国それぞれ思惑があって、また歴史や文化に支えられて今の市場が出来上がっているわけですよね。それらを全く無視して国内法の上に立つような形でそれぞれの自由な進出を許そうなんて、文化も拘りもなーんもない連中の企みに思えます。左翼が世の中をぶち壊して革命を起こそうと言っているのと同じように聞こえるんですよ。

あれれ、まさか日本のTPP推進派ってまさかあの当時の連中?マスコミ各社はTPP推進派だというのはもしかしたらそれが理由なのかもしれない。

TPPってわかりやすく考えると、例えば日本で言えば大都会ではない茨城と群馬でそれぞれ全く違う法律や規制があったとしましょうよ。そこで売られる物品、製造される物品、そしてありとあらゆるサービスもそれぞれ全く違う法律や規制に従っていたとしましょう。これって他県との流通を考えると非常にうまくないわけで、あの商品、この商品、あのサービスを県をまたいで販売しようとすると相手の県に合わせて全て作り直さなければならない。売り方も変えないとならない。

これって非常にうまくないですよね。大都会ほどの大きな消費があるわけでもないのに、隣同士で面倒なことをやっていたら全く前に進まない。

じゃぁ、この際、細かい法律や規制は無しにして、統一市場を作りましょうと茨城県と群馬が手を結ぼうという話になった。これがTPPの発祥だと思うんです。(2006年、シンガポール・ニュージーランド・チリ・ブルネイの4カ国による環太平洋戦略的経済連携協定、通称「P4協定」)

そこに東京都が目をつけて、俺もいれてくれと言い出した。で、どうせやるならこうしようぜと口も出して様々な条項を付け加えた。まぁ、茨城や群馬にしてみれば、東京も同じ市場となれば万々歳でウェルカム。(2010年3月、アメリカ・オーストラリア・ペルー・ベトナムの4カ国を加えた全8カ国で「環太平洋パートナーシップ(Trans‐Pacific Partnership)協定」の交渉開始。これがTPP。)

でもま、東京にしてみると茨城や群馬はどうでも良いって言えばどうでもいいのね。実は全く習慣も文化も売れる商品も違う大阪をこれに取り込むのを東京は考えていたらどうでしょう。東京から大阪へ商品を売り込むには大阪向けの商品を作らないと駄目で、細かな規制じゃなんじゃにそれぞれの商品をあわすのも大変。ところが統一市場となれば簡単になる。で、どうにかして大阪を取り込もうじゃないかってのが今のTPP。

で、これに大阪が参加すると、しょうゆ味の濃いうどんは駄目だとか言えなくなるかもしれない(笑)。東京のうどん屋が大阪で醤油で真っ黒のうどんを売ろうしても売れない場合、それが売れなくなるような規制があるのかもしれない、あるいは抵抗勢力を野放しにしている大阪府が悪いのかもしれないとなると提訴することができる。関東味のうどんを店におかないうどん屋は処罰の対象になったりして。

また関東では狐うどんに狐ソバ、狸うどんに狸ソバがあるけれど関西にはそれがない。揚げか揚げ玉の違いかではなくて、関西ではうどんかソバの違い。こういう習慣の違いがあることによって関東にはある4種類のうどんソバが関西では売れない。これは問題があるので、狐、狸の名称を統一するために大阪府は条例をださないとならないかもしれない。もしそれを怠れば大阪府が提訴される。(笑)

ではどこの裁判所にそれを持ち込むかというと東京でもなければ大阪の地裁でもない。なんだかわけのわからない裁判所がそれを裁く。で、それの決定に大阪は従わなければならない。

これって自治権の侵害でもあるんじゃない?

東京のおでん屋が大阪に進出した場合、それを関東炊きと読んで区別したら、差別したと訴えられるかも。すき焼きも同様で、あんな味付けはすき焼きじゃないと市民団体が動き出して不買運動でも始めようならそれを大阪府は押さえ込む義務が生じるのでしょう。たこ焼きも大阪のものだなんて主張してはいけない。(笑)

なーんて馬鹿な話だけれど、私はTPPってそういうもんだと思っています。

私たちは安い商品があればそれで嬉しいんじゃないんですよね。ちゃんと文化に根ざした商品、サービスが欲しい。安全も確保したい。売るほうは買うほうの都合を考えて商品なりサービスを提供してもらいたい。そしてそれに応えるのが日本の常識。

ところが海外ってどうでしょう。オーストラリアを例にしてみれば、本当に単純な消費社会でろくなものが無い。変ったものもない。とんがった個性や文化のある商品もサービスも無い。どの地方へ行っても同じ会社のスーパーがあって、どこででも同じ商品がならんでいる。

野菜や肉も同じで、たまねぎはたまねぎ。種類なんかありゃしない。肉も同じ。豚は豚で皆同じ。鶏肉だって地鶏なんかありゃしない。牛は牛、皆同じ。

これって食料品に限らず、衣料品でもなんでもそうなのね。最低限必要なものにちょっと毛が生えたくらいのものがあるだけで、個性とか差別化とかそういうものが非常に希薄。品質は全て「並」。幅が無い。

アメリカ市場もそうでしょ?どこへ行っても同じものしかないのが普通。日本みたいなバラエティに乏しい。

そして売り方を考えてみてくださいよ。お客様は神様でもなんでもなくて、売り手も買い手も同等。下手をすれば売ってやるという態度の店はいくらでもある。客のためにより良い商品を売ろうという気がないというのがわかる店はいくらでもある。でもそれでいいのね。命を繋ぐ商品、必需品が豊富で安ければそれで良い国。

自動車だって見てくださいよ。日本車がなぜ売れたか。安いから?それだけじゃないでしょう。またじゃぁどうして安く出来るのか?日本って客の立場で物事を考えるから売れるものを売れる値段で提供できるようにするのが普通。ところがアメリカの車なんか酷いもんで、売れないのは規制があるから、輸入税があるからだと思ったら大間違いなんですよね。

アメリカって昔からそうだけれど、そういう一番大事なところを全く理解しようとしていない国だと思うんです。日米構造協議や年次改革要望書でもそうだけれど、相手を変えようとするだけで、自分が反省し売れるものを作ろうとはしない。本当に傲慢だと思うのだけれど、そういう文化だと思うんですよ。客が第一じゃないのね。これはオーストラリアも同じ。

ま、反省や努力がないわけじゃないけれど、日本人の常識から比べるとかなり違う。これは住んでいればすぐにわかるし、旅行でも見えてくるんじゃないでしょうか。

サービスに関してはそれが顕著ですよね。彼らは客の事なんかたいして考えていないのがすぐにわかる。その点、日本は異常と言えるくらい、サービス過剰と言ってもいいくらいだけれど、それが日本では普通。

私に言わせればそういう商売の根本理念が違う野蛮な連中に当たり前の顔して日本市場に入ってきて欲しくないんですよ。

どうせ売れないのはわかっているけれど、売れないのはお前のせいだ、なんてTPPには訴訟を起こす権利のおまけまで付いている。ここが問題。

オーストラリアの貧乏人はジャガイモとソーセージを主に食べます。それとパン。ステーキはオーストラリアでも高級品です。ではジャガイモ、ソーセージ、あるいはパンに拘りがあるかといえば全く無い。パンに至っては酷いもんで、どうしてパン食の国なのにこんなにパンがまずいのかと思うくらいまずい。

服も同じ。オーストラリアの店で洋服を見たことあります?低賃金の安い国で作った縫製もめちゃくちゃな服が普通に売られていて、まず日本じゃ見たことが無いようなものが主流。

結局、生きるために必要な物品、サービスが市場の多くを占めているってことだと思うんです。でも日本民族には「こだわり」がある。彼らにはそれがない。いや、希薄であると言いましょうか。(笑)

日本のこだわりの文化って絶対に絶やしちゃ駄目ですよね。最低限の必需品でも、それプラスアルファを求めるのが日本の消費者ですよね。食文化にしてもそうで、食とはエネルギーを摂取する行為じゃない。でも海外に行くと、食とはエネルギー摂取なんだというのが良くわかる。

こういう連中が彼らの論理、常識で日本市場に入ってこようとしても無理なのは明白。特にスーパーなんかことごとく進出に失敗しましたよね。あれってアメリカ人のプライドをかなり傷つけたはずだと思うけれど、それだけ日本人のニーズのレベルは高いってことだと思うんです。自動車も同じ。洋服も同じ。食べ物なんかまるでお話にならないでしょう。アジとサバの違いがわからない連中に日本で食品を売るのは不可能。利尻昆布と羅臼昆布を使い分ける主婦が多いのはなぜか、それを理解できるのなら日本市場に入ってこれるかもしれないけれど、海草や海苔を全部ひっくるめてSea Weedなんて言ってるようじゃ日本に来るのは無理。

だから日米構造協議や年次改革要望書で日本を変えてもアメリカは日本に入り込めない。彼らに必要なのは、相手に合わせるという考え方を持つこと、これしかないんですね。力でねじ込もうと思っても無理。でも文化の違いなんでしょう、彼らにはそれがわからない。自分達の国で成功したパターンは世界で通用すると思ってる。これって大国だからこそ井の中の蛙になってしまう典型的な例だと思うんです。

TPPを見ているとパターンは全く同じでしょ。売れなかったら客サイドの落ち度を探そうっていう考え方。彼らには日本の「商いの精神」「客ありきの精神」が欠落しているのは明白じゃないでしょうか。

ま、アメリカに限らずTPP参加国のオーストラリアもニュージーランドも同じで、彼らの商品やサービスをそのまま日本に持ち込んでも絶対に売れないのは今まで通り。それは関税のせいでもなければ規制や法律のせいじゃない。日本人は高くても良いものを買う民族だというのを彼らはわかってないのね。そして彼らには客が喜ぶ良いものを作る技術も情熱もないってこと。でも日本はその技術と情熱は世界一だから今まで輸出市場で世界を席巻できたってことでしょう。

だから前にも書きましたが、もし日本がTPPに参加したところで、彼らが期待するほど日本市場には入り込めないと私は想像しています。サービスも同じで「気に入ったら買えば?」みたいな売り方で売れるほど日本市場は簡単じゃないのね。

でもTPPには彼らの主張をごり押しする手立てがあるわけですよ。強姦してでもお前を手に入れてみせるという意思があるってこと。それがISD条項。これが今までの構造協議や年次改革要望書と違うところ。要望じゃないんですね。法的な拘束力がある。BSE牛にしてもそうですが、どういう扱いになるかわかりませんが、あとで文句が言えないような頑強な縛りつけがTPPにはある。一度決めたことは後戻りさせないという条項。こんなのも滅茶苦茶。普通、何年に一度は見直しをするとか、世の中の変化に合わせるのが当たり前でしょうよ。

まぁ、TPPって一般常識から外れたことが盛りだくさん。アメリカでは締結後4年間は内容を公開しないって?バカじゃないの?

こんな条約にどうして賛成するのか、私には全く理解できず。

良い部分もあるでしょう。だったらそういう条約を提案すればよいわけで、でもこのTPPだけはなんだか今までの世の中、世界の動きとまるで違う何か異常なものを感じるんですよ。これをバックで動かしている大元の姿が見えてきません。アメリカでさえ国内には反対派がいるわけで、どうしてこんな各国の国内法や文化習慣を無視した、それこそ世界統一政府、統一市場を別に生み出そうとしているような動きが強いのか。各国が今まで培ってきた文化、そしてそれに基づいた法律や規制も根こそぎ剥ぎ取らなければならないのか。なぜそれをこれほどまで急ぐ必要があるのか。

マレーシアも参加するようですが、マレーシアの場合、日本以上に国内が滅茶苦茶になりませんかね。自動車も安くなるのなら良いなんて話は論外。

参考資料

TPPの今までの流れが良くわかるサイト(Gigazine)   ←クリック

アメリカでTPPを協力に後押ししているのは誰か?  ← クリック

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