かなり前に「これで勝てなければやめちまえ」シリーズを書きましたが、その中でお勧めしたDoda Donchianを使ってみたら勝ち勝負が多くなったというメールを頂戴しました。また、トレードすべきところ、トレードせずに見ているべきところが自分の中で区別がつくようになった気がするとのこと。
嬉しいですねぇ。
この方は株と先物をやられているそうですが、どういう風に組み合わせているのか、また株は信用取引(売りが出来る)もやられているのか、トレードスタイルもどんなものなのかはわかりません。ただスキャルじゃないのは間違いがなさそうです。会社員だと書いてありましたから。
そして質問がありました。このDoda Donchianを個別株で使うにはどうしたら良いのかとのご質問。これは他の方にも関係あるので日記に書くことにしました。
これに関しては、MT4(メタトレーダーVer.4)では出来ませんね。データが取れませんから。
でもNinjaTraderというソフトを紹介しましたが、これですとeSignalというデータベンダー(データを売る会社)と契約すれば、世界中のありとあらゆる商品のティックデータ(一つ一つの売買データ)をリアルタイムで取れます。元はデータの基礎の基礎であるティックデータですから、これを1分足だろうが1時間足だろうが、また50ティック足でも出来高足、はたまた練行足でもカギ足、ポイントアンドフィギュアでも表示できます。
ただこのデータは有料ですし、各証券取引所にもデータ料を払わないとなりませんので、月々15000円以上にはなってしまいます。またNinjaTraderもとりあえず動かすのは無料ですが、全ての機能を使うとなるとそれなりの投資が必要となります。
日本の株や先物でしたら、いろいろなチャートソフトが出ているはずで、それを利用する方が良いかもしれません。ただ私はもう15年以上個別株から離れていますので、今の状況は全くわかりません。過去には株の達人とか増田足チャート、無料のFchart(これがかなりの優れもの)とか使っていましたが、当然搭載されたインジケータしか使えません。
またDoda Donchianですが、これもどういう使い方をしているのかわかりませんが、売買シグナルとして使うのであれば、これがなくてもBollinger Band Stopのようなものでもサインが出る場所はほぼ同じですし、代用は可能だと思います。ただ、これだと位置関係が見れないので、というか、位置関係はDoda Donchianは非常に見やすいのでこれを利用しているとなると代用ではうまくないかも。
では既存のチャートに埋め込むことが可能か、またそれを作ってもらうことは可能かと言う話になりますが、日本の株価分析チャートのことはわかりません。
NinjaTraderならDDは存在しますし、またその他、特殊なものでもアルゴリズムがわかっていればプロのプログラマーに低料金で作ってもらえるのは前にも書いたとおり。
その他、本格的になりますが、CQGとかTradeStationのような昔から有名なプロご用達のソフトでもなんでも作れると考えて良いと思います。
もし見たいチャートが日足で良いとするならば、日足データをエクスポートする機能があるチャートソフトと組み合わせて、そのデータをMT4に読み込むことは可能ですが、まぁ、面倒ですよね。
私としてはNinjaTrader+eSignalという組み合わせが一番とっつきやすいと思っています。
前にちょっと書きました「相場師養成中」に関していつか中間報告を書かねばならないと思っていたのでこの機会に書きますが、やっぱり難しいですね。
私が一方的に話をしても伝わらないんですね。またその方が何を考えて、どういう癖があるのかわからないとどうにもならないというのが初期の段階ではっきりしました。そしてそれがいつまでも付きまとうのね。ですから遠隔でやるのはほぼ不可能だと思います。
それと気が付いたことですが、何か魔法の様な、これさえあれば勝てる、勝率が上がるようなものが存在しているような錯覚に陥ってしまうことがあるように感じました。
つまり、1時間に10回トレードするスキャルパーだとして、勝率は五分五分。もしダボ流スキャルをやったらその勝率が7割、8割に上がると思い込んでいるようでした。でも、それはそうじゃなくて、10回のトレードの内、自分の好きなパターン、○○でも勝てる瞬間を待ってトレードして勝率を上げると言うことが理解出るまでに結構時間がかかるようです。つまり1時間に10回のトレードで勝率五分五分てあったとするなら、売買数を4回までに絞って確実に3回は勝とうとする手法でしかないんですね。
つまり、自分のパターンを作るということ。そしてそのパターンが出現するまで待つ。この二つが基本になるわけですが、実はこれが難しいというのもわかりました。待てないんですね。自分は待っているつもりでも、実は待っていないということが繰り返されるのもわかりました。
これは欲望との戦いで、どんなインジケータ、分析方法を使ったところで、機関銃を撃ちまくるがごとくトレードして勝率が上がるなんてうまい話はないわけです。たった5発しか銃弾を持っていないスナイパーが確実に敵を倒すにはどうしたらよいのか、それを考えるのがスキャルであるということを理解するのは実は簡単でないのもわかりました。
ですので、チャートをどう見るか、インジケータをどう使うかではなくて、自分の欲望との付き合い方をどうするか、自分の悪い癖はなんなのか、それを自覚するための話、そのやり取りが中心になってしまったのはちょっと意外でした。
これも面白いもんで、よし!わかった!と思っても、実はわかってないのね。多少、欲望を抑え付けることが出来ても、スキャルで勝つためにどこまで我慢しなくてはならないのかがわからないわけです。欲望を絶つということは絶つのであって、ちょっと我慢するということとは大きく違うわけですが、その辺を伝えることも難しいし、実行することはもっと難しいのね。特に専業で無い場合は時間に制約がありますから、自分に許された2時間なら2時間の間にどうにかしようと「必ず」焦る。今日は見ているだけで終わったということがあってしかるべしなんですが、無理してでも出撃しようとする。
その次の段階として実際にチャートを使いながら・・と話は進むわけですが、その方が、実際にちゃんとチャートをセッティングしているのか、こんなもんで良いだろうと自己流でやっているのか、その辺のチェックもできなければ、実際に売買した売買譜がわからないと、その見方で良いのか、何かおかしいところがあるのか、それさえも私には見えないわけです。
こんなやり取りでダラダラと時間が過ぎるばかりで、お互いに疲れてきちゃうのね。でももし一緒に並んでリアルタイムでチャートを見ながらやれば、すぐに解決することばかりなのもわかりました。
つまり、どんな凄い書籍だろうが、セミナーだろうが、一方通行で学ぶことは絶対に不可能だと言うことがわかりました。逆にマンツーマンで学べば、簡単なこと、勘違いしていたところを理解するだけで負けは間違いなく少なくなる。
やっぱりトレーダーズルームを作って皆であーじゃこうじゃ言いながらトレードし、切磋琢磨するとか、マンツーマンで付きっ切りでやらないと駄目だし、またそれをやればかなり有効であろう事がわかりました。
まだまだ相場師養成は初期の段階から出たいうことさえ出来ないレベルですが、とりあえず負けは減っているようなので、それだけでも私は嬉しいです。
さて、今後はどうなりますか。難しいですが、学ぶためにはどうするべきか、どこをまず押さえるべきか、そんなことが少しずつわかってきましたので、やっぱりやってよかったと思っています。でもこれからが正念場。