防空識別圏 日本の対応っておかしいと思う

また中国が次の手を打ってきてウンザリしているのは私だけではないと思いますが、この中国の航空識別圏への日本政府の対応は私はうまくないと思ってます。そこに日本らしさ、つまり全く弱腰になるか突然強気になるかで、どっちもおかしいんじゃないの?みたいなものを感じています。

まず私が情報を探している中で思ったのは、多くの人が航空識別圏を領空と同じように考えているフシがあるということ。また政府関係者にもそれを感じます。そして毎度感情的になってギャーギャー騒ぐネトウヨもそう。

領土とか領海とか排他的経済水域とかいろいろあって、空も同じでややこしい。ここでちょっと整理する必要があるかも。

まず陸地と海から見てみる。

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で、領空とは何かと言うと領海の上を示す。非常に狭い範囲で地図上では同じと考えていいはず。では防空識別圏とは何か。これがややこしいというかいい加減というか、領空や権利がはっきり認められている海の排他的経済水域とは全く違う。

今回の中国の設定した地域を重ねあわすと、

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ではそもそも航空識別圏って何かと言うと、今の時代、音速を超える戦闘機もあるし、絶対に他国に侵されてはならない領空を守るためにも、その領空に不審機が入る前から監視、あるいは危険排除のための行動を起こさなければならない。まさに誰が何の目的でその地域を飛んでいるのかそれを把握する必要がある。で、防空識別圏はその行動をとる空域を言うわけですよね。

さて一体誰が決めた?その基準は?

ここが航空識別圏のいい加減なところだと思うんですが、国際法ではなんら決め事が無いのね。つまり、国が勝手にここはおれの防空識別圏だと決めただけ。Wikiにはこう説明されている。

自国の航空機が平和時に他国の防空識別圏内を飛行する場合には、事前に飛行計画を提出することで望まない偶発的紛争や軍事的緊張が高まるのを防ぐよう配慮されていると一般的には理解されている。ただ、この防空識別圏は国際法で確立したものではなく、領空、領土の範囲を定めたものではない。

多くの国において領海は12海里に設定されており、他国機が領海上空の領空を侵犯してから領土上空に到達するまで、旅客機でも1分強、超音速軍用機であれば数十秒あれば可能であり、領空侵犯を確認してから対応するのでは手遅れになる危険がある。従って領空の外周の空域に防空識別圏を設定し、届けのない航空機が防空識別圏に進入した時点で空軍力による強制措置を含む対応[要出典]がなされる。そのためのスクランブルは、当該機が防空識別圏に進入する姿勢を見せた時点で行われることが多い。

つまり各々の国が内規で勝手に決めたものでしかない。

ただ、慣例としてその存在を各国が認めて、安全のために各国がそれに対処しているわけであって、それを守る義務もなければそうしろという権利も無い。違います?

本来なら中国に対して止めろという権利は誰にも無い。ただし、国際秩序の点からそれを乱すなということしか言えない。中国は日本のそれに重ねて設定したわけだから。

だからアメリカの対応にガタガタ言う人も多いのだけれど、アメリカは秩序を乱すなとは言えても止めろとは言えない。特に今回来日し、また訪中したアメリカのバイデン副大統領が中国には強く言わないことに不満を表す傾向があるけれど、アメリカとて法的根拠が無いのに止めろとは言えないと私は思うんですよ。

でもアメリカ政府ははっきりと「認めない」と言っている。でもそれ以上は言わない、言えない。

ここを考えずに、ギャーギャー騒ぐのはおかしいと私は思うわけです。そして嫌中派はまたそれを煽る。じゃぁ、日本は黙っていれば良いのかと言うと全くそんなことはなくて、文句はしっかり言うべきだし、言っている。

そこで私が気になるのは民間機の飛行プランを提出するのかしないのかという点。私はアメリカの対応って筋が通っていると思うわけで、提出するなと言う日本政府はちとまずいんじゃないかと思うんですよ。

もし何かあったらどうする?ってところ。

撃墜なんてことはないにしろスクランブルを掛けて脅かしたりすることは十分考えられるわけで、それが切っ掛けで何か起きたらどうする?乗員乗客が非常に大きな恐怖を感じたってだけでも私は問題だと思うんですよ。それをやってみようかと彼らに突っ込むチャンスを日本政府が与えていることに私は腹が立つんです。

ま、元気の良いネトウヨ系は、そんな弱気でどうすると言うのかも知れないけれど、問題が起きた場合の責任は誰がどう取る?飛行プランを出せばスクランブルも掛けてこないはずで、中国も安全な航行を保証すると言っているんだから。

また飛行プランなんて中国に提出しなくても、調べればわかるんだからと勝手に調べさせろと息巻くのもただの子供の強がりでしょう。ここは逆に、中国はそういうシステムがあるのを知らないはずもないのに、提出しろなんていつものヤクザの因縁付けと同じだと笑ってやるべきことだと思いますよ。だからフライトプランを中国に出さなくても良いわけだけど、だしてやるのも良いし、騒ぐほどのことじゃないと思うんですよ。

中国にしてみれば、尖閣は中国の領土としているわけだから、そこに防空識別圏が無いことの方が国内的におかしくなるわけで、今回のことは考えてみれば必然であったと言えるかもしれない。

なんでもかんでも嫌中、嫌韓で騒げばよいってもんじゃないと思いますわ。

私が今回興味を持ったのは、航空識別圏とかフライトプランがどうじゃということじゃなくて、それぞれの国のどの部門が何を言っているかというところ。我々ってTPPに関してもアメリカがとか国を主語にしてしまうけれど、実はそうじゃなくて、それぞれの部署が「何か、誰か」の意思を代弁しているだけだというのも段々わかってきましたよね。そういう観点から今回のことを見ると面白いと思ったり。アメリカも飛行プランを出せといったのはどの部署かとか。

また、あの佐藤優氏が今回の件でしゃべっている内容も面白いと思いました。ただし、この放送時点ではアメリカが飛行プランを出すという話はまだ出ていなくて、それに関して佐藤氏がどう説明するのかに興味があります。

この話はラジオの「くにまるジャパン」。

また航空識別圏に関する話はこれ。

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ちょっと見逃していた点がありました。それは中国のこの識別圏に関してどう言っているかに注目していなかったこと。

中国国防省の公告に拠ると、「防空識別圏は中国国防相が管理する」としたうえで「圏内を飛行する航空機は飛行計画を中国外務省または航空当局に提出する義務」を負わしている。また「圏内の航空機は、国防省の指令に従わなければならない」とし「指令を拒み、従わない航空機に対し、中国は防御的な緊急措置を講じる」と明記している。

 これは、国際法上の一般原則である公海上の飛行自由の原則を不当に侵害するものであり看過できない。

つまり、問題は太字の部分で、防空識別圏と言いつついかにも領空と同じような扱いをすると言っているってこと。

これに対して民間機はフライススケジュールを出すなという日本政府の指示は、中国にまた次の手の餌を与えることになるんじゃないでしょうかねぇ。

フライトスケジュールは出さなくても良いけれど、出したら今度は中国が何もできないわけで、もし余計なことをしたらただじゃおかないぞと脅かすアメリカのやり方のほうが筋が通っていると思うんですけどねぇ。

     
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