真剣に肉骨茶を作ってみた

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今までこちらで随分探したのですが肉骨茶の素が見つからず、かと言って肉骨茶で使う薬草の種類は調べたらわかったものの、それを個別に買ってこようという気も起こらず。

そんな時、偶然、いつも行く中華食材店(オーストラリアフェアの中の店)で見つけました。やった~~。\(^o^)/

これ。4-6人前用と書いてあります。

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さて肉ですが、迷わず豚のシャンク(脚)を買いに中国人の肉屋に行きました(スーパーでは売っていない)。他の部位、例えばバラ肉とかも一瞬考えたのですが、食べ慣れているバラ肉だと出来上がりも想像出来てしまうので、普段まるで食べることがないシャンク(脚)にしました。また私は未だかつて肉骨茶を一度しか食べたことがありませんが、その時に食べたシャンクが美味しいと思ったのも理由の内。

これ。重さは忘れましたが、かなりの量。ずっしり重いです。そして非常に安かった。

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これで早速作ろうと思ってユーチューブで検索したのですが(最近はクックパッドは当たり前すぎて面白く無いと思うようになりました)、肉骨茶の素なんてのは材料の一つでしかなくて、それだけじゃ駄目なのがわかってがっくり。仕方がないので、一時中断、足りないものは次の日に買いに行くことにしました。

夜中に肉骨茶のレシピを検索したのですが、色いろあるんですね~。中国本土や香港、台湾でも食べられていて多くは「南洋肉骨茶」とか「南国肉骨茶」と呼んでいる。そしてレシピも幅が広い。

それらを見ていて気がついたことは、肉骨茶とはスープであるということ。これって意外で、KLで肉骨茶を食べた時には豚の足だ、内蔵だといろいろ頼んだのですが、その時の感覚はまさに焼肉屋でカルビだホルモンだと頼むのと同じ感覚。でもユーチューブで見たものはスープに重点がおかれているような気がしました。

まさ肉骨茶とは茶であって、また滋養強壮の元というのであればスープをしっかり飲み干すぐらいの食べ物だろうと。そういう意味では、KLで食べた時には肉を食べてあれが美味しい、こっちの方が旨い、そんな感じで食べていました。

このスープが大事ということになると、料理法も変わってくるんですね。

実は前の日記に書きましたが、煮ること、蒸すこと、あるいは圧力鍋を使う使わないことの違いとか最近やっとわかるようになっていたので、肉骨茶はコトコトと長時間煮ようと思っていたんです。またユーチューブで見たレシピもコトコト煮ている。

しかし、スープをしっかり出すのなら、また肉が半端じゃなく固い脚であることから、今回は圧力鍋を使うべきだと判断。ただ、懸念もあって、肉骨茶独特の風味が飛ぶのではないかということが気になっていました。

まず、たっぷりの水に肉骨茶の元(袋に入っている)を投入。これは漢方薬と同じで水から煮だすんですね。その間に、豚の脚を沸騰したお湯に入れて下処理。再度沸騰してから5分程度煮ました。

その後、肉は流水にさらして綺麗に掃除。そんなことをしている間に、大きな鍋に入れた肉骨茶の素のお湯も湧いてきました。そこで弱火にしてコトコトと30分放置。

部屋中にあの肉骨茶の臭いが漂ってきましたが、強烈な臭いではありません。スープの味見をしてもこんなに薄かったっけ?みたいな感じ。なんだか物足りない感じ。

でも肉骨茶であることははっきりわかる味なので、そこで豚の脚を投入、ニンニクの塊をそのまま2個投入。沸騰してきたところでアクを取り、圧力鍋の蓋をしました。

その後、圧力が掛かったのを確認し、弱火にして40分放置。そして火を消してから圧が下がるまで1時間放置。

これを開けるときにはワクワクしていたのですが、どうも私が想像していた肉骨茶とは随分違う感じ。まずスープに肉骨茶らしい色がついていませんし、味見をしても風味が弱い。

豚の脚も40分圧力をかければ骨からポロっと肉が落ちるかと思っていたものの、意地になって肉は骨にしがみついている様子。(笑)

もう少し圧力をかけようと思ったのですが、肉骨茶も煮過ぎると風味が飛ぶようで、悩みました。そこで肉を取り出し、解体。骨を外して肉だけ鍋に戻しました。脚の骨って半端じゃなく太いですし、肉だけにするとかなりカサが小さくなって、これから水分を飛ばしつつ煮こむのにはこれで良かったと思いました。

この二度煮の時に、戻した干し椎茸、中国醤油、米酒、オイスターソース、クコの実を投入し、弱火で煮込みます(煮込むので調味料の量は少なめに)。

約1時間たった時の画像。水分も3割以上減りました。

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見た目にも肉骨茶らしくなってきましたし、スープも美味しくなっていました。ただ、肉骨茶の風味そのものは私としてはもっとパンチが欲しいと思いました。でもきっと圧力鍋を使ったこと、またその後も煮続けたことで風味が飛んでしまった可能性があります。でも私としてはスープをもっと煮詰めれば良いと思いました。

ちなみにユーチューブで見た動画の中で、肉骨茶らしい黒い色を出すため(と説明では言っていたはず。中国語なので細かい所はわからず)の薬草を入れている物がありました。私はあの肉骨茶の色って醤油とか調味料の色だと思っていましたがそうでも無いようです。また多くのレシピではあの真っ黒と言っても良いような色をしているものは少なく、ちょっと茶色っぽい程度でした。ですので、私が作ったものもKLで食べたものの様な色になっていないので心配していたのですが、それは不要な心配。

でも肉骨茶の濃い色って私は大事だと思っていて、実は今回使った豚の脚(シャンク)も見た目が綺麗じゃないんです。またもし他の部位や内臓系を入れた場合、それらがはっきり見えないほうが良いということもあると思うんです。美味しそう~~というより、げ?大丈夫か?と思うかもですし(笑)。また濃い色のほうが薬草が効く感じがしますもんね。きっと肉骨茶のあの色にはそういう背景があるんじゃないかと想像しています。だから色を付けるためだけの薬草も入れるんでしょう。

肉もスープも良い感じにはなったのですが、なぜかもう少し水分を飛ばしたほうが美味しいはずだと考えて、その日(昨日)は食べずに一晩置くことにしました。

そして今日ですが、浮いている脂を捨て、30分も煮込んでいきますと良い感じになってきました。また一晩置いたのも良かったのかもしれませんが、色もかなり肉骨茶らしくなってきました。

この状態で食べても良いのですが、どうもこれでは駄目だと思うようになりました。つまりスープとしては良いのですが、その中に大量に入っている肉にしては味が薄すぎるんですね。

そこでまた検索。面白いのを見つけました。台湾のレシピだったのですが、肉はツケダレにつけて食べるという考え方。ですからスープは薄味の方が良いし、そうじゃないと飲めませんものね。ということでこれを真似することに。

必要な野菜類はこれだけ。一番左は香菜(パクチー、コリアンダー)。

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これをかなり細かく刻み、そこに
○ 中国醤油
○ 米酒
○ オイスターソース
○ 砂糖(代替品を使用)
○ お酢
○ 辣椒醤(これがなかったので唐辛子を使いました)
○ 豆板醤
○ (元のレシピではホォジャォ(花椒)を入れている)
を入れて混ぜます。かなりドロッとした感じになりますが、これを水で薄くします。

それがこれ。

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味見をしてみると、まぁ、なんとも言えない、面白い味。もしかするとこれってタイで食べたことがあるかもしれない味だったのですが、台湾でも結構使われているものかもしれませんね。甘くて、酸っぱくて、辛くて、全ての味覚がここにあると台湾シェフは言っていたようです(中国語なので確信なし)(シェフはここにホォジャォ(花椒)も入れています。中国山椒ですね。私はパスしましたが)

で、これはスープの中に入れたければ入れて良し。でも基本は肉を食べるときに付けるもの。

大きなドンブリによそってみましたが味気がないので、急遽、チンゲンサイを鍋に投入し、しんなりしてから一緒に盛ってみました。

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食べてみましたが激ウマ。ハイハイ、自画自賛です。(笑)

スープに肉骨茶のパンチが弱いと感じましたが、でももしそれが強いとなるとスープは一口しか飲めないはず。だからこんな程度が良いのだろうと思いました。パンチはありませんが肉骨茶の風味はどこ?と探すようなほど弱いわけでもなく、肉だけ別のツケダレにつけて食べても肉骨茶の風味がツケダレに負けてしまうようなことはありませんから、きっとこれでよいのでしょう。実はパンチを出すために肉骨茶の素をもう一箱買ってこようと思っていたのですが、それはしなくて正解のようです。

ユーチューブで探した肉骨茶のレシピですが、本当にいろいろありました。これに野菜類をたくさん入れたりするのもあり、いわゆる日本の寄せ鍋に使うスープが肉骨茶だ、みたいな感じ。もちろん麺類も入れて食べるとか。

肉骨茶に正統派があるのかどうかわかりませんが、肉骨茶はスープであって、それは料理の素材であると考えれば好きなようにアレンジすれば良いと思いました。

私としてはいろいろ入れると肉骨茶の意味がなくなりそうですし、これに入れるとしたら麺かな、と思いました。今は糖質制限中ですから駄目ですが、もしこれが解除された時にはまた作ってみたいです。その時には、中華麺と緑豆はるさめをラクサみたいに半々ずつ入れるとか。美味しいだろうなぁ・・・・。

そうそう、肉ですが脚にしたのは大正解でした。ゼラチン質が半端ではなくて、煮ているとスープの上に薄い膜ができるほど。煮込み過ぎかもしれないと思いましたが、本来固い肉も崩れるほど柔らかく、また皮がちょっとブヨブヨしますがゼラチンそのもので美味しかった~~~。

圧力鍋で40分、その後、コトコトとなんだかんだで2時間近く煮込んでいますから脂は出きっています。途中で浮いた油をすくってしまえばベトつく感じもなく、良いと思いました。

この肉骨茶も大ヒットでした。美味しかった~~~~、ご馳走様~~~~~~~。

食後1時間後の血糖値ですが、104.4mg.dl。何も食べていないのと似たような数値。 \(^o^)/

最後に私が参考にしたユーチューブの動画を出しておきます。

ツケダレを作るアイデアはこの動画から。ここではホァジャォ(花椒)も入れてますが私はパス。(後半は違う料理)

美女私房菜 09-9-27 《肉骨茶》 01

その2

中国語のレシピではわからないと思いますが、多くあるレシピの中で英語でレシピを「詳細」のところに書いてある物ものがありますし、また中華といえども使う調味料などは大体決まっていますので、見ている内に何がどれのことなのかわかるようになりますので心配無用。

ただ文字による説明もなくダラダラ喋られたらアウトですね。でも中国の料理番組を見ていると面白いなぁと思うのが、ただ単に作るだけじゃなくて、なぜそうするのかを話しながら作るのが多いんです。これって流石、食の国だと感心するわけで、見ている方もかなり勉強になるはず。その料理を作るだけじゃなくて、料理の本質がわかるようになるのね。

中国語がわかったら良いのに・・・と思いながらいつも見ています。 (笑)

今気がついたのですが、肉骨茶のレシピで煮るときに、殆どが蓋をしているんですね。ずらして隙間もつくらないし、蓋そのものに穴もない。我が家にはそういう蓋は無いのですが(笑)、これも風味を逃さず閉じ込める為なんでしょうね。蒸気を外に逃してしまえば風味は飛んでしまう。勉強になります。

それと味付けは最後の最後にするケースもある。そう言えば、前に煮込みを作った時に入れたハーブ類の香りがほとんど無くなっていたことがあったんですよ。いつまでもグツグツ煮ているとそういうことになるんだろうし、また(弱火で)時間をかける必要があるのなら蓋をして蒸気を逃さないようにするんですね。私はそんなことさえ知りませんでした。 (笑)

--------(後記)----------

これを食べた長男が絶賛。(笑)

あいつは私が作ったものを必ず褒めるから話半分に聞かないとならないのですが、面白いことを言いました。

「マレーシアを思い出すなぁ。でもあの店はMSG(味の素のような化学調味料)が一杯入っていて、胸焼けしたんだよ。でもこれは全くそれがないし、良いわ」とのこと。

私自身はKLで行った店(ワンウタマの中にある店)の肉骨茶にそれほどMSGが入っているかはわからないのでなんとも言えず。ただ長男はちょっと変わってて、彼が高校生の頃、久しぶりに連れて行った寿司屋で刺し身を食べる醤油に「この醤油、前のと違う」というような奴。私が「何を言ってるんだ、同じだろ」と言ったところ、板さんが突然「あ、間違えました。すいません。すぐに変えます」と言って醤油差しごと変えたのにはびっくり。しかし私は何もわからず。 (笑)

 

 
    

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