円安で悩んでいる方は多いと思います。私のようにニヤニヤしているのは少数派なのかもしれませんが、海外を拠点にしている場合はそれが普通だと思います。
さて、円安が困るか嬉しいかは別にして、今、一体どうなっているのか、これからどうなるのか、どうすれば良いのかという基本的なところが「誰にでも」わかりやすい動画がありましたので、ご紹介します。
話しているのは近年名が売れてきた上念司という若い経済評論家。ちょっとふざけたところがありますが、それだけに受け入れやすいところもあるのでしょう、メディアにも良く登場しますし、国会にも招聘され議員相手にうんちくを語る、かなり面白い視点を持っている人。保守系です。
彼は自他共に認めるバリバリのリフレ派で、私としてはそのまま受け入れることが出来ない説をいうのですが、でも私は彼のことを買っています。
彼は後半、世の中がどう動くかの持論を言っていますが、「さらなる円安は続くであろう」とのこと。またそれに対してどうするべきかも話している。
ただこの辺になりますと、メディアでも個人でも似たような話で、株式投資とか外貨投資の話が出てくるのですが、それをさらりと流して「自己責任でお願いします」で終わらせる所に私は疑問をいつも感じます。
これって、収入が欲しいのなら「起業したらどうですか?」と言っているのと全く同じなんですね。そして「起業すれば儲かるのかな?」なんて単純に考える人はいないにしても、「真剣に考えてみよう」と思う人は出てくる。
実際に投資で生計を立てているものからすればこれっておかしな話なんですね。中小企業のオヤジが「起業すれば儲かります」という話を聞いて、馬鹿言うんじゃないよというのと同じ。
投資に関して言えば、大事なポイントはいくらでもある中でも「タイミングが全て」と言って良いと思っています。これは株式投資でもFXでも、債権だろうがFTFだろうが不動産投資でも同じのはず。
上念氏が動画の中でも言っていたトレンドは確かに見えますが、トレンドはいつ変わるかわからないんですね。そしてその大きな波の中に中小の波があって、これに翻弄されるのが普通だってこと。例えば株だとして、500円の株が350円になり、それが600円になり、また500円になりそして今700円だとして、この動きの中で大損する人もたくさんいるんですね。その差はタイミングの取り方に関係している。
巷では株式投資でうまく行ったという話が多くありますが、うまく行った話をピックアップしているだけのことでそうそう簡単に行くものではないということ。でも多くの人は
○ 上昇トレンドで
○ 目先の動きに惑わされないように
○ 長期保有
すれば大丈夫だろうと考えてしまう。それは過去のチャート(値動き)を見るからそう思うだけのことで、それで利益が出るのなら、私は株式投資で損をする人はよっぽどの馬鹿ということになると思っています。トレンドを見て長期保有したらどうにかなるようなことじゃないのは、巷でよく目にするこの数年のチャートではなくて、20年-30年のスパンのチャートを見ればすぐわかるはず。
ですから、話としてはなんとなく「その通りなんだろうな」とは思っても、現実的に利益を出すのは簡単ではなくて「運」に頼るしかないのが大きいのではないでしょうか。
余剰資金で気楽にやってみようというのならそれも良しですが、退職し収入も減り、資産も少ない状態で、「このままじゃ大変だから私もやってみよう」というのは最悪の結果を招くことが多いと私は思っています。その考え方そのものが不幸を呼びこむと考えています。
この辺は大事なポイントで、「強い願望」があるから「結果も出せる」と信じている方が多いと思いますが、私は投資の世界は自分の感情や深層心理をコントロールする方法を知っているプロならいざしらず、感情、つまり欲望や恐怖が前面に出るタイプの人は「必ず負ける」と思っています。頑張ろうと思えば思うほど負けるというギャンブルに似た世界。
一般的に言うと「損切りが出来ない」、「平気で難平買い下がりをする」ような人は、カモ以外のなにものでもないと言っていいと思いますが、人間の心理はそれを「やれ」という方向に「必ず」動きます。これは断言できます。
でも「自己責任でお願いします」という人はそんなことは一切考えていない、無視している、あるいは知らないわけで、「頑張ればどうにかなるかもしれませんね」と言っているだけ。あるいは競馬競輪のように、ギャンブルに近い考え方をして、
○ 今のトレンドはこう
○ その方向に乗れば勝てるかもしれない
という非常に単純な確率論を言っているだけなんですね。これはいかにポートフォリオを組んでリスクを分散させても同じことで、根本的なことを横に置いといて手法をいじくりまわしても利益には結びつかないのが現実のはず。でも人間は「手法に溺れる」事が多く、「これで安心、どうにかなるはず」と自画自賛してしまう。多くのファイナンシャルプランナーもそういう傾向があるので注意だと思います。
投資の世界は
○ 買う
○ 売る
という行動の他に
○ 休む
○ 静観する
というのも大事な要素ですが
○ 手を出さない
という選択肢はもっと大事だと私は考えています。
タイミングが全てで、そのタイミングの取り方がわかれば、そもそも株高も株安も、円安も円高も全く関係がないってことなんですね。債券高、債券安も同じ。我々が望んでもすぐプロ野球選手にはなれないのと同じで、タイミングの取り方もすぐに誰にでもどうにかできるものでは無し。でもスポーツと同じで運動神経が良い人がいるのも間違いがない。さて自分はどうなのか?
私が思うことは、我々の世代は「株高円安にどう対処するべきか」とか、「利益を出す」ことより「いかに心穏やかに過ごすか」、そこに注目するべきだと思っています。
参考に今の時点の日経、ドル円のチャートを出しますが、よーーく見て欲しいのです。
Nikkei225 Day Chart
USD/JPY Day Chart
誰でもアタリマエのこととして知っていることは、利益を出すためには
○ 安く買って高く売る
○ 高く売って安く買い戻す
この2つしか無い。
さて、今の状態は?これほど上がってきて、今頃「買おうか」と考えるのは「何かおかしい」と思いませんか?安かった時にはどう思いました?
そもそも人間の心理ってそういう風にできているってことなんですね。だから最後のババを掴まされることが多い。
これからはもう上がらないという意味で言っているんじゃありません。人間の心理に関して私は書いているわけで、そもそも投資の素養が自分にあるのかないのかがこれで分かるってことなんですよ。
もちろん相場の考え方としては、上がっている時には買い上がる。下がっている時には売り叩くのが原則で、そろそろ流れが変わるかな?なんてトレンドと逆のことをするのは天才肌の人だけ。ですから今の状態で、流れと逆をするべきとは思いません。もっと本質的なところで、「自分も参加して大丈夫か」そこを是非じっくり考えて頂きたいと思い、この日記を書きました。
それでも「運を天に任すことなく、自分の足で立って、一歩、歩みだそう」というのがこのブログの趣旨の一つでもあり、「平民の逆襲」これが私の夢。 (笑)
為替や株価の動きで一喜一憂してたまるか、バーローって思いますもんねぇ。 ^^v