料理を作らない頃でもなぜか料理番組が好きだったんですが、最近はユーチューブ専門です。それも海外ものばかり。
なぜ海外ものなのかというと、世界中で一般的な料理でも日本と海外ではまるで違うんですよね。その代表がハンバーグだと思うのですが、日本のハンバーグはどちらかと言えばミートローフに近くて、日本みたいなハンバーグを作る国って無いと言っても良いくらい。
またユーチューブの動画で見ると、レシピそのものもちゃんと文字で出すところもあるし、どういうタイミングでどういう火の入れ方をするのかとか、そういう細かいのがわかるのね。だからユーチューブ専門。
最近は料理の作り方を紹介する動画じゃなくて、料理関連の番組があるじゃないですか。例えば「鉄人」とか「貧乏救出大作戦」みたいな。あの手も時間があると見ているんですが、あれの海外版も面白いんですね。有名な調理人でGordon Ramsyってのがいて、それが多くの番組にでてくるのですが、彼の「Mastershef」シリーズが凄いと思っています。素人参加番組で勝ち抜いていって最後に一人を選ぶ番組なんですが、1時間番組で一人を落としていくというかなり時間が掛かっているんですが(1シリーズ19話ぐらい)、それぞれの個人が何をどう料理するのかが良くわかるし、見ている内に参加者の名前も覚えて好きな人もでてきて、その内感情移入して「頑張れ~~」なんて声援しながら見るのが面白い。
それと「駄目な店」を復活されるのもあって、それは「Kitchen Nightmare」という番組。これが半端じゃなく面白くて、こんな恐ろしいメチャクチャな店があるのかとぶったまげるような駄目な店が次から次に出てきます。舞台はほとんどがアメリカなんですが、これを見ているとアメリカでレストランには絶対に行きたくないと思うようになる。(笑)
でも変身するんですね。この辺の変わり身がどうも日本的ではなくて、言葉では説明のしようがないのですが、やっぱり物の考え方が違うんだなぁと思ったり。
それと日本には「調理師」という国家試験がありますが、ああいう「最低限の事を知るべき」という国と「自信があれば勝手に出来る国」との違いを感じます。試験も何もない国、そして自己主張、あるいは自信過剰が多い国って恐ろしいと思います。日本にはこれほど酷い店は無いだろうという店ばかり。
でもダメな店は淘汰されていくわけですが、事故が起きて当たり前という状態を野放しにする国って我々日本人には信じられませんね。これがまさに自由主義、市場主義の欠点だと思います。駄目な奴は淘汰されるけれど、消費者は自己責任の下で常に危険にさらされている。でもだれでもチャレンジしたい人はだれでも出来る。これが規制緩和の良い所なんでしょうが、いつになってもレベルが低いところでの競争ばかり行われているという感じがします。
ところが日本みたいな国家試験、あるいはドイツみたいなマイスター制度がある国って違うんですよね。それと修行とか丁稚という概念がある国とない国がどう違うのかというのが、こういう料理番組を見ているだけでわかるのが面白いと思います。そして私としては「自由主義?規制緩和?冗談じゃない、糞食らえ~!」と思うわけです。(笑)
貧乏救出大作戦みたいな番組で、ある地方都市のある店がアメリカで注目されるようになりました。この店のことを知らないアメリカ人はいないんじゃないかと思うくらいで、テレビのニュースや様々なサイトで紹介されるようになりました。
でも凄く美味しいとか、変身して有名なのではなくて「めちゃくちゃなオーナーの店」ということで有名。
どうメチャクチャかというと「自信過剰で自分の料理は世界一だと信じていて、クレームをつけた客には怒る。怒鳴る。追い出す。」という店。その店が美味しくて繁盛しているのならそれもありなのかもしれませんが、ビジネスがうまく行かなかくなってその「貧乏救出大作戦」みたいな「Kitchen Nightmare」なる番組に出たわけですよ。普通は頑固なオーナーでも変身して良くなる店が多いのですが、過去にその番組に出た店で全く駄目だった一件。その時点で80数件、まるで変身できずに駄目だったのはその店を入れて二件という確率。
そもそもその番組に出たのは、「自らを省みてより良くしよう」じゃなかったんです。大して美味しくもないのに生意気な店ですからネットの中でガンガン叩かれるわけですよ。食べログの口コミみたいな、様々なSNSで叩かれ、店のフェイスブックにもいろいろ客は書くんですね。普通、そういうのは無視すると思うのだけれど、その気の強いオーナーは「理由のない攻撃を受けている」として反撃するんですわ。(笑)
だからネットの中で戦争状態になるし、店には観光客がくるようになるし、そういう状態から抜け出たいからそういう番組に出たのですが、自分が悪いなんてことは一切考えていないからどうにもならないんですよ。
このオーナーの馬鹿さも半端じゃ無いと思うのは、ネットの書き込みに反撃するから余計盛り上がるんですね。で、いつのまにかアメリカ中で有名になってしまったという店。ニュースでも取り上げられ、店は「攻撃されている」と警察にも訴え出るわけですからFBIまでも動くという大事になっています。
また「料理が出てくるのが遅い」と怒って帰ろうとする客に、金を払えっていうんですよ。冗談じゃないと客は言いつつ帰ろうとすると警察を呼ぶ。(笑)
面白いですよ~~。
その発端となった番組がこれ。Amy’s Baking Companyという店。英語ですが、難しい内容ではないので見ていれば話の流れはよく分かるはず。こういう店がある事自体、信じられませんが、あの国ならあり得るというか、ここまで酷くないけれど「客が悪い!」という店はこの番組にいくらでも出てきますから、これがアメリカなんだろうというのがわかる番組。
この女性が自信過剰で、絶対に自分の非を認めないとんでもない料理人。一緒にやっている旦那もヨメさんが怖くて、客からクレームが出てもそれを伝えないとか、逆にヨメさんの立場になって客を罵倒したり。「二度と来るな!」と追い出すんだから凄いです。「美味しくない」という客にニコニコしながら「あんたは料理の味がわからない人だ。もう来るな」ですよ。(笑)
この店はこの番組が発端で有名になって、風刺するアニメが作られたり、ちょっとした有名人。
この番組ってここまで酷くないけれど、腐ったものを平気で出す店なんかいくらでも出てきますから面白いです。
暇な人は是非見てみてください。また英語を勉強したい人はこういう番組を見るのは良い勉強になると思います。難しい話をしているわけではないし、見ていれば分かるわけだから、こういうのを見ている内にいつの間にかヒアリング能力が向上する、また知らないうちにフレーズを覚えて口から出るようになるなんてことになるはず。