私は通販オタクで、オーストラリア国内はもちろん日本から、世界からいろいろ買うことがあります。内容は多岐に渡っていて、それこそタコ糸とかガーゼとか日用品の小物から大きい物はトレーニングマシーンとか。でも多くは日本からの食品とか薬品、便利グッツ。
オーストラリアってそんなに商品が無いのか?って思うかもしれませんが、ハイ、ありません(笑)。というか日本が凄すぎるんじゃないでしょうかね。またタコ糸とかガーゼも無いということはないのですが、多くの種類があるわけじゃないんですね。ところが日本だとありとあらゆる、そして特殊なものまで「メチャクチャ安い価格」で買える。この「メチャ安」ってのが通販の良い所で、普通の商品でも近所の小売店で買うより通販で買ったほうが安いし、日本のアマゾンの安さなんて異常だと思うくらい。楽天でも安いものがありますし、モノによってはヤフオクやeBayなどのオークションサイトから買うことも結構あります。
今の時代、「海外送付代行」が充実していて、「海外には販売しません」という商品でも問題なく買えます。これは単にその店のポリシーであったり、あるいは「著作権」「販売権」のしがらみで外国には売れないものってありますよね。でも「送付代行」を使えば買い物はあくまで「国内」で買ったものを友人や家族に送ってもらうのと同じことになります。ま、重いものは郵送代金(EMS)が高いので下手をすると商品代金より送料のほうが高いなんてことも起きますが、でも船便だのSAL便だの選べますし、利用しない手はないだろうと。
ところがですね、問題がなくはないんですね。当然個人輸入だとしても居住国には居住国の法律があるわけで、「禁制品」とか「輸入許可が必要な品」とかいろいろあるわけです。ここで気をつけないとならないのは「絶対にないと困る医薬品」ではないでしょうか。
この件に関して、友人でもあるペナンのリカさんがブログに経験談を書いていますので、是非読んでみてください。「医薬品などが輸入出来ないケース」を書いています。
リカさんのブログ 海外の通販でサプリやコスメを買う時には通関は大丈夫なのか調べておこう ← クリック
簡単に個人輸入できるものでも「量」によっては許可が必要なものって結構あるんですね。日本も同じのはずで「個人が使う量」以上のものは規制が掛かるのが普通。
例えば、我が家では頭痛薬のサリドン、三共胃腸薬などは必需品なのですが、それを少量買うのなら問題ありませんが、10も20も買うと「個人用?」ってことになるんですね。普通、一度にそんなに買うことはありませんが、たまたま多めに買ったとか、友人の分も一緒に・・・なんてことになると、通関時で足止めを食らうことがあるということ。ここで何らかの書類なり出して通れば良いですが、「駄目」ということになったらそれは廃棄するか送り返すかを選ぶことになるはず。
またサプリでもこんな経験があります。
私は健康食品オタクで色々買うのですが、アメリカってかなり安いんですね。そこから通販で色々買うことが多いのですが、中にはオーストラリアでは禁止されている成分、許可が必要な成分を含有しているものがあるわけです。これはその成分そのもののサプリではなくても、例えば「ダイエット用」みたいなものは多くの成分が入ってますよね。その中にたった一つだけでも規制が掛かる成分が入っていたら輸入できないわけです。
でも何十もある成分のどれにどんな規制がかかっているかなんて調べられないじゃないですか。ですから私は、「通関できなかったらしょうがない。諦める」という考え方で買っています。
これって「通関任せ」で本当はうまくないんですね。でもこちらとしては密輸しようという意志があるわけではありませんから、とりあえず注文しちゃうわけです。で、通関って一つ一つ全部調べるんですよ。オーストラリアの通関吏には大変申し訳無いと思いますが、例えばサプリメントを10種類買ったとして、それを一つ一つちゃんと調べるんですね。で、もし「規制がある成分」が入っていた場合、その商品だけ抜き出して大丈夫なものだけは送ってくる。でも中を見ると、「ある商品はXXXの成分が入っているので破棄するか、送り返すか決めてくれ」みたいな文書が入っていることがあります。その指示通りにやればそのとおりになるのですが、放置した場合は(確か)決まった日数の後に自動的に廃棄処分されるようになっているはず。
これって私としては素晴らしいシステムだと思っていて、決して「危ない商品」を買うわけでもなく、アメリカや日本では普通に流通しているサプリをいろいろ買っていたわけです。で、「これはダメ」というのは2,3回経験したことがあります。それらはメタボ解消の(笑)、燃焼効果を上げるある成分でした(名前は忘れた)。
ところがですね、ある日あるとき、な、な、なんと「弁護士とともに出頭せよ」という連絡が入りました。ぶったまげましたよ~~。もちろんアメリカから買ったサプリに関してです。
弁護士とともにクーランガッタにある「税関」に行ったのですが、まさに警察の取り調べみたいなことが始まりました。個室に入り、担当官の横にはテープレコーダーがあって「全ての話は録音します」と告げられ、「氏名住所は?」ってな感じで取り調べが始まるんです。
一体何がどうなっているのかさっぱりわからなかったのですが、どうも私が買ったサプリに「成長ホルモン」が入っていたんですね。これってダイエット関係ではアメリカや日本でも普通に売られていて、まさかオーストラリアでは駄目だとは知りませんでした。ですから私はそれを伝え、PCにはそれを買った会社のサイトのその商品販売ページをコピーして入れておいたので、それを見せて、「どこででも普通に売っているサプリ」だと思ったことを主張しました。
結果はその商品を廃棄することで話は終わったのですが、なんで出頭させられたかというと「成長ホルモン」という規制のある商品を「密輸」しようとした疑いだったんですね。
この時の係官も可愛そうだと思ったのは、話をしている中で「私はただ単にダイエット用のサプリを個人輸入しようとしただけ」なのはわかるわけですよ。でも決まりは決まりだから細かいことをいちいち聞くわけですが、その係官も「大した問題じゃない」のはわかりながら自分の仕事を進めているんですね。そして後日、また連絡をしますということでその場は終わったのですが、2週間後ぐらいに、なんとその係官は私の自宅まで来たんです。その後の決定事項を私に説明するためだけにです。
密輸容疑も晴れたので何の問題もなかったのですが、お茶を飲みながら彼と雑談をしたんです。そこでわかったことはその当時、ちょうどシドニーオリンピックがあったのですが「ドーピング」が大きな問題になっていたんですね。で、まさにその「成長ホルモン」はドーピングに使われる成分であったということ。ですから上の方から成長ホルモンを厳しく取り締まれという指示が出ていたんですね。
この成長ホルモンが入っているサプリはアメリカでも日本でも普通に売られていますから、私は簡単に考えていたのですが、国が変われば扱いもまるで違うことを確認させられた出来事でした。
こういうことってどこの国でも起こるはずで、「どこにでも売っているものだから大丈夫だろう」なんてのは全く関係ないってこと。
ですから今の時代はネットで調べれば駄目な成分、禁制品、規制がかかっている商品はわかるわけですから、ちゃんと調べる必要があると思います。
面倒だから買わないという選択肢もあるわけですが、それじゃ面白くないですから「気になる場合」は調べるべきだと思います。
これって通販に限らず、自分で買って持ち込む場合も同じなんですね。空港で足止めを食らうことがあります。私は日本から食品を買ってくることが結構あるんですがネットの中には面倒なのでしょう「オーストラリアへは食品の持ち込みは出来ません」と書いてあるところも多いですし、ツアーの場合も面倒なことになるのが嫌なのでしょう、「とにかく食品は駄目」というところがある様子。
でもそれは全く嘘で、「大丈夫なもの」「駄目なもの」があるんですね。オーストラリアの場合は特に「牛肉関係」「乳製品」「鮭関係」がうるさいようで、それはオーストラリアの主要産業ですから、下手に病気でも持ち込まれたら大変なことになるわけです。そして「イクラ」も駄目なんです。もしそのイクラが孵化して、変種だったり病気持ちだったら産業自体が大打撃を受けるんですね。ところがイクラはイクラでも「瓶に入って売られているものはOK」というおかしな決まりになっています。でも自分で塩漬けにして瓶詰めしたものは駄目。
ところが瓶に入っているイクラなんて重くて高いですから、簡易包装のイクラを買うわけですが、これは通してもらえないんですね。あるいは「牛肉」は当然駄目ですが「牛から取ったスープ」も駄目。ですからラーメンとかカレーでも牛肉、あるいはエキスが入っているだけでもアウト。ミルク関係も駄目。でもそういう規制があるものでなければ何でもOKです。アジの開きの冷凍モノでも持ち込み可能(笑)。
ただこれも結構頻繁に変わるんですよ。面白いのが「梅干し」で一時は駄目になったことがあります。どうも「種」が駄目だそうで、飛行場で日本から持ち込んだ梅干しの種だけ取り出して通してもらったなんて話もきいたことがあります。(今はOK)
それとですね、これって結構重要だと思うのですが、税関で持ち物を調べられた時に「これはダメ」と「大丈夫なものなのに」言われることがあるんですね。その時は素直に聞く必要はないわけで、こちらもその理由を聞くことが大事だと思います。というか持ち込む前にちゃんと調べてOKなのがわかっているものに関してですが、それを述べると「ちょっとまってくれ」ということでその場でコンピュータで調べたり、あるいは他の税関吏に聞いて、「ああ、これはOK」だ」なんてこともありました。彼らとて全てが全て覚えているわけでもないってこと。
ただ飛行場での話ですが、オーストラリアの場合は出入国カードと通関のカードが一緒になっていますが、「食品を持っているか?」というチェックボックスがあります。ここを勘違いして「規制のある食品は持っていないから」とチェックをしないと「虚偽の申告」になるんですね。この程度は大丈夫だろうというのも駄目。もちろん荷物の奥の方に隠して持ち込むなんて絶対に駄目。これは現金も同じで、1万ドル相当だったかな?それ以上のキャッシュを持っているか?という項目があるのですが、なぜかこれに違和感を感じる人が多いようで、没収されるわけでもないのに、キャッシュをそれ以上持っているのに申告しない人もいる様子。これもまた発覚するとかなりうまくないそうで、これってマネーロンダリング防止関連なわけですが、「持っていない」と虚偽の申告をするってことは「マネーロンダリングをしようとしている」と判断されてもしょうがない。嘘か本当かしりませんが、ガイドをやっている友人に聞いた話ですが、日本からの旅行者がそれをやって、次の日には裁判所に出廷することになって大変だったという話を聞いたことがあります。
それと「花や野菜の種子」を個人輸入するケースが結構あると思いますが、なぜかオーストラリアは種子は駄目ってことになっています(日本の郵便局)。でもこれはそんなことなくて、私は昔から何度も何度も日本から輸入しています。ただし、「駄目な種類」もあるんですね。繁殖力が強くて「生態系を変えてしまう危険性があるもの」なんですが、普通我々一般が使うものは大丈夫。以前は買うつもりの種子が輸入可能かどうかをネットで調べたり、送ってもらう時に「英名」でインボイスを書いてもらったりしていましたが、最近はそんなこともせずに普通に送ってもらっています。ただし市販の種子なら良いですが、「田舎のおばーちゃんが送ってくれた」みたいな「何の種子かわからない」ものが小袋に入っているとかって駄目だと思います。
意外だと思いますが、草木でも「竹」が駄目なんですよ。根が横にどんどん広がるタイプの竹。こちらで許されている竹はまとまって生えてどんどん横へ横へと広がらないタイプの竹しかありません。あとは「バナナ」は州をまたいで移動させられないとか、州によって駄目な種類とかいろいろ。ああ、良く池の浮草で使われるホテイアオイってありますよね。日本では一般的で根本が膨らんでいるアレ。あれも禁止で栽培は違法。また生き物では「鯉」を買うのも違法で、買うためには特別の許可が必要だったり。ま、いろいろありますね。
面倒ではありますが、規則通りにやれば問題はないし、買い物にしてもちゃんとやれば地元では手にはいらないもの、非常に安いものが買えるわけですから、私には「面倒なことはしない」という考え方はありません。 (笑)
ましてや話は戻りますが、絶対に必要な医薬品やこれじゃなければ駄目という化粧品などもあるわけですから、ちゃんと規制を調べることは重要だと思いますし、許されている範囲があるわけですから、諦める必要もないと思います。でももし隠し持つなんてことをすると「密輸」になるわけですから、馬鹿なことは考えないほうが良いと思います。