牛骨スープの考察 (笑)

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結構美味しいと思った牛骨スープですが、それを濾してデミグラスソースにまで持って行こうと思っていたのに、動物臭さが表面に出てきてしまったので断念。

私はその後一切食べずに放置しておいたら、長男が美味しい美味しいと食べていた。(笑)

あいつって・・・。モツ鍋が大好き。ブルーチーズも大好き。臭いものが好き。 (笑)

しかし、どうして失敗したのか、ここでしっかり考えないとまた失敗するし、良い物を作るヒントも探せないと思うんですよ。ということで一から勉強のしなおし。

○ 脂ごってりの肋骨を使った

ここにも一つ失敗の理由がある。というか脂の処理を簡単に考えていたようです。どうせ上に浮くからあとで掬えば良いと思っていましたから。ふと思い出すのはヨメさんがオックステイルを作るときには必ず下茹でして、なおかつ丁寧に脂肪を落としていたこと。ではなぜ私は下茹でしなかったのか。その理由は簡単で、私がユーチューブで勉強しているのはほとんどが洋食。外人のレシピを見ていると、下茹でということはほとんどしないんですね。でもきっちり焼く。焼くのは焦げ目、つまりメイラード反応させるのが主目的だと私は考えていましたが、それだけではないだろうとは想像はしていました。

○ アクを取らなかった。

きっちり焼くとそのまま茹でたようなアクは出ないんですね。肉から出るアクってその正体は血にあると思っていますが、焼くことで血が変性するんでしょう。どちらにしても血の処理を全く考えていませんでした。また思い出すのは「韓国式」。彼らは肉でも骨でも水に1-2時間漬けて血抜きをするのが普通。赤い肉が薄茶色になるまで水につけているレシピは山のようにあります。私の失敗はやっぱり血の処理を考えなかったことにありそう。でもですねぇ、「血は悪者」と多くの人が言いますが、海外レシピの中には「血も美味さの内」というプロがいて、血抜きしていない肉のほうがうまいといっていたのが忘れられないのです。また所ジョージの番組で、実はアクは美味しいなんてのも見たことがあるので、私の頭のなかはかなり混乱しています。

○ 牛がそもそも臭い

これは特にグラスフェッド、つまり牧草を食べて育った牛はステーキでも青臭い臭いがすることがあるんですね。悪く、そして大げさに言えば、牛糞、馬糞の匂いです。日本では穀物で育てるのが普通ですがこちらは牧草で育てるのが普通。でも日本向けの牛や高級な牛は集荷前の数十日穀物を食べさせる。30日なら30Days fedとか60日なら60Days fedとか言って、当然その日数が長いほうが高い。ま、それも考え合わせれば、日本では下茹でするのが普通なのに、それよりもっと匂いが強いはずの牛骨の下茹でをしなかったらどういうことになるかは今になればわかる。また牛骨スープはフォンドボー。ボーとは仔牛の意味。そういえば高級レシピだと牛骨にしても牛肉にしてもVeal(若牛)を使うと言っていたっけ。つまり大人の牛はそもそも臭い。オーストラリアのグラスフェッド(牧草を食べて育った)牛は臭いとなれば、私の失敗は明らかってことですね。

○ エマルジョン(乳化)してしまった

多分これは間違いがなくて、グツグツ煮たわけではないけれど、賞味4時間は煮込んでいるわけで、そこで乳化が起きてる。肋骨は非常に脂肪分が多いのだけれど、またゼラチンも普通の骨や肉より出る。つまり大量の脂と大量のゼラチンを煮込んだわけだから、白濁した豚骨スープと同じ状態になっていたはず。豚骨も美味しいのは美味しいけれど、昔、熊本で食べたとんこつラーメンがすごかったのを思い出す。スープは濃厚でヌルヌルして獣臭くて食べられなかった。つまり、今回の牛骨スープはあれと同じ状態になったってことですね。濃厚で美味しかったのをデミグラスソースを作ろうと思って煮込んだわけだから、濃厚が行き過ぎて濃すぎて臭さが目立ったってことかもですね。

少なくとも、下茹でをして脂とアクを落とす。なおかつヨメさんみたいに脂を取る。そして浮いてきた脂は放置せずにすぐに取り去る、アクもこまめに取るべきでした。ああああ、韓国レシピでは3度湯でしてましたっけ。最初は下茹ででお湯は捨てる。二度目は途中でスープを取っておいて冷ましてから冷蔵庫へ入れ、あとで固まった油を取り除く。3度めは油はほとんど浮いてこずに長時間煮ていましたっけ。そうする理由をビデオレシピでは説明はしていませんでしたが、「脂が溶けだしている状態で長く煮ない」ってことなんでしょうね。そうじゃないとあまりに多くの脂とスープが乳化して溶けこんでしまうってことなんでしょう。なるほどですわ。乳化して白濁すりゃ良いってわけじゃない。というかきっと注意をしないと簡単にやり過ぎちゃうってことかもですね。私みたいに。

脂がなければ乳化もしないし、濃厚な味も出ない。でも行き過ぎたらしつこくなりすぎるってことなんでしょう。白濁させない清湯スープは温度は低めにしてかき混ぜるということはしない。かき混ぜれば乳化が進んでしまうから。でも程よい脂とゼラチンがある状態で強火で煮込めば大きな対流が出てきて乳化が始まる。せいぜいこの透明で綺麗な清湯と乳化して白濁した白湯のその中間で作るべきであって、私はその白湯を遠く通り越してしまった、行き過ぎてしまったってことですね。

多分この反省は間違っていないと思うのですが、今の私としては濁りのない清湯スープをしっかり作る練習をしたほうが良さそうに思いました。きっとうまく行かないで白濁、つまり乳化してしまいそう。それはそうなるようなやり方をする癖が私に付いているからにほかならないはず。だから清湯スープを作ることによってその癖を矯正できるかもしれない。清湯スープでも白湯スープでも自由自在に作れるようになりたいもんだ。

その練習をするならやっぱり鶏でしょうかね。透明な清湯スープは低温調理の流れを利用すればどうにかできそうだけれど、白湯は実は難しいと言われている。そりゃ時間を掛けてボコボコ煮れば乳化して白濁するのだけれど、鶏はそんなことをすると風味が簡単に飛んでしまう。どうも世の中のラーメン屋のプロは「時間を掛けずに、高温にもせずに、鶏ガラの白湯スープを作る」らしい。これが非常に難しいのだそう。もちろんレシチンなどの乳化剤は使わないのだけれど、どうも鳥の足は大量に使うようで、ゼラチンを大量に抽出してコクを出し、なおかつ乳化させる方法があるんだろうと思う。そんなことでも追求してみましょうかね。ちょっとハードルが高そだけれど。 (笑)

しかしまぁ、ノウハウを教えてくれる先生もいなくて試行錯誤だけでやるって大変だわ。回り道ばかりしてるんでしょうねぇ。

--------(後記)----------

読者の方からメッセージを頂きました。

「インドカレーはアク取りません。あれは旨味だと言うはずです。」

なるほど・・・。

煮詰める前にカレーを作ったのですが、こってりしてかなり美味しかったです。でもやっぱり香辛料の強いカレーだからかもしれませんね。

きっと「汎用性」のある素材なんてありえなくて、最終的に何を作るのかによって変わるんでしょう。でももし「汎用性」が必要であれば、強烈な個性はつけないってことなのか・・・・。

 

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