昨日のアップルパイ繋がりで、今日はミートパイを作ってみました。あのサクサクしたパイ生地が良いなぁ。アップルパイが好きなのもそのせいかもしれません。だからパフ(多重層)のパイ生地じゃないと駄目で、ショートクラスト(単層)なら食べたくありません。普通ミートパイってショートクラストを使うようですが、我が家は絶対にパフ。(笑)
出来上がりはこれ。器に入れて焼いたのはこれが初めてかも。
パフの冷凍パイ生地。いつもこれを使います。
今回こだわったのは餡です。きっちり美味しい餡を作ろうと思って、これだけで2時間位かかったかも。
肉はこれ。安い煮込み用の肉です。1キロ以上あって、ちょっと多いような気がしましたが、結果的には足りないぐらいでした。
肉に小麦粉をまぶしてから、これをしっかり焼いて焦げ目を付けます。この焦げ目が美味しさの元ですから必ず焼く。でもこの時です。我が家の火災報知機がギャーギャー騒ぎ出したのは。煙らしい煙が出なくてもあれって反応するんですね。ほんとにもう高性能で困っちゃいます。(笑)
これを冷ましている間にミレポアを用意します。ニンジン、玉ねぎ、セロリ。肉が冷えたら細切れにして、脂身だけは別にしてカリカリになるまで炒めます。これも美味しさの素。(笑)
かなり脂が出たので、余分な分は捨てて(油かすは捨てない)ミレポアを炒めます。これも焦がすぐらい。そしてマシュルームを投入。どんどん炒めて行きますが、かなり炒まったところでトマトペースト。そしてそれも炒めてから赤ワイン。それが煮詰まったら細切れの焼いた肉を投入し、また炒めていきます。
そしてスープストックを入れて、弱火で煮ていきます。この時間がかなり掛かりました。1時間半ぐらいかなぁ。でも段々といい匂いがしてきて、美味しそうになるのが見ていてわかります。この辺で度々味見をして味を決めていきますが、基本は塩コショウとローリエだけ。それとトマトペーストをちょっと足したり。
煮込んでいくと本当に美味しくなって、シチューのルーのたぐいは入れていませんが、市販のルーを入れたものよりかなり美味しいと思います。私は面倒だとハヤシの素を使うのですが、やっぱり全然違います。この味見の時に、面倒だけれど作ってよかったって思います。
肉を焼くときに小麦粉をまぶしてありますから若干トロミはあるのですが、ここでミートパイに使えるようにもうちょっと固めにしますが、今回はコーンスターチを使いました。最近どうも小麦粉や片栗粉よりコーンスターチのほうが良いような気がするんですよ。説明が難しいですが、口当たりとか、冷めてからとかコーンスターチのほうが良い感じ。
完成直前。
調度良い感じになったら冷まして冷蔵庫に入れて取っておきます。でもこの餡、本当に美味しく出来て、あんな安い肉を使ったとは思えないほどでした。これってご飯のオカズにもなるし、パスタソースとしても使えるし、その内、もっと大量に作って小分けして冷凍しておこうと思います。
そして今日、この餡を使ってミートパイです。
我が家は高性能の火災報知機のせいでオーブンを使えないのですが、代わりにあの小さな、魚の切り身を2枚ぐらいしか焼けないオーブントースターを使います。ですから皆のぶんを一度に焼けないんですよ。
でもそれが功をなして、作るたびに改良を重ねることが出来て、良い勉強になりました。
使ったのはこんなお皿。オーブントースターですから背の高い器が使えない(火に近づきすぎる)のですが、調度よい感じでした。
これにパイ生地を敷いて、その上にベイビースピナッチを乗せます。
そしてお肉の餡、その上にスイスチーズとパルメザン少々を乗せます。その上にまた薄く肉の餡を敷いて、パイ生地で覆い、焼くだけ。
焼き上がり第一号。でもこれは失敗でした。そうそう、下に敷いたパイ生地です。焼けていないんですね。
ショートクラストを使った大きなパイの場合、最初にパイ生地を敷いただけで焼きますが、なんとなく焼かなくても大丈夫のような気がしたんです。でもそれは大ハズレ。ダメでした。(笑)
そもそもなんでベイビースピナッチを下に敷くかですが、水っぽいから所詮下のパイ生地はぐちょぐちょになりますよね。でもそれも狙いの内の一つで、パイ生地がスープでちょっとベチョっとなったので美味しいじゃないですか。ですからスピナッチ、牛肉の餡と重ねれば、上から汁は垂れてきてスピナッチもそしてパイ生地も美味しくなるという計算。でも考え過ぎでしょうね、きっと。(笑)
そこで第2番目はパイ生地だけ敷いて焼きました。結構膨れていますが、具を入れるときには潰しちゃいます。
これはいい感じに出来上がりました。でも最初とは違ってチーズはパルメザンチーズだけで作ったんです。でも餡にはしっかり味がついていますし、パルメザンチーズは塩気も味も強いですから、「味が喧嘩している」と長男の指摘。(笑)
そこで第三番目は最初のパイ生地も焼き、チーズは味の柔らかいモッツァレラにしました所、「ばっちり調和している」と長男の評価。(笑)
もし大きなオーブンを使えたとしたら3ついっぺんに焼きますので、美味しいものは作れなかったと思います。高性能の火災報知機に感謝せねば。(笑)
しかし良い勉強になりました。そして餡の味付けをどうするべきか、チーズを入れるとしたらどんなチーズが良いか。それはまさに全体の調和を考えて合わせないとならないという「当たり前のこと」に気が付きました。
でもねぇ、私が食べる分がなかったんですよ。一番最初の失敗作は「お腹が空いた~~」と騒ぐヨメさんに出したら、「返品扱い」を受けまして、食べ残しを私が食べ、最後の一番良く出来たものをヨメさんに再度出しました。2番めは長男が食べましたし。さて私の分をちゃんと作ろうと思った時にはもう餡が殆ど無い状態。あんなに肉をいっぱい焼いたのにどうしてなんでしょうかね。
そういえば冷蔵庫から出した時に、量が減っているような気がしました。知らない間に泥棒猫が食べたかな? (笑)
ということで、私の分としてちゃんと作れたのはこれだけ。直径5センチぐらいのかわいいやつ。
でも美味しかったです。
これを食べてから台所の片付けに入ったわけですが、いろいろ考えちゃいましたよ。私って主婦みたいだと。(笑)
皆が美味しいと喜んで食べてくれればそれで良くて、自分は余り物を食べるみたいな。
でもこういう生活も面白いと思いました。亭主が頑張って外で働いてくれているうちに、「お前の料理は世界一だ」と言ってもらえるように料理を一生懸命突き詰めて毎日努力するみたいな。
10年毎日頑張ったら凄い腕になりそ。でも私のベロじゃ難しいかもだなぁ。
ああ、そういえばヨメさんと結婚するときに、「家で美味しい料理を食べたければ、それなりの店に定期的に必ず連れて行ってくれ」と約束させられましたっけ。それなくして美味しい料理は作れないと。
明日ヨメさんに言ってみましょうか。
「(友達同士で行くばかりじゃなくて)私を美味しい店に連れてってくれ」と。 (笑)