夫婦で二週間に一度1296ドル80セントをもらう方法があります。年間で33716ドル80セント。月計算で2809ドル。日本円にすると26万円程度。
これがオーストラリアで夫婦がもらえる年金。
この年金はPensionと言って税の中から払われる年金ですから、我々は一切掛け金を払っていません。つまり日本の「生活保護」に似ている。
基本は65歳からですが、日本と同じく受給開始年齢が段々と引き上げられているものの、生活保護みたいなものですから本当に素晴らしいシステムだと思います。
ただし、そういう性格の年金ですからジジババ全員にというわけではなくて、「資産」と「収入」チェックが有ります。で、それが一定の基準以上ですと受給できませんし、額によって段階があるわけです。
でもこれってオーストラリアの一般家庭では問題にならないルールで、贈与税はありませんから「資産は贈与」する手があります。また「自宅」は最初から「資産」として計算されませんので、どんな豪邸に住んでいようとまとまった資産もなく、無職で収入がなければ毎月26万円程度の年金はもらえる。
もらわなければ損ですよねぇ。
これに日本の厚生年金みたいなSuperannuationというプラスアルファの年金がありまして、これがあるこれからの世代はそこそこ楽な老後が過ごせるはず。かなりの額になりますから(給料の9%を事業主が払う+自分が払い込むことも出来る)。ただ、私達の場合はこのSuperannuationがスタートしてから多くの額を払い込んでいませんので恩恵はなし。
さて、これを私達も受給できるようにするべきかどうか。
あの手この手を使えば受給できるわけですが、それを目標にしていろいろやるべきかどうか、ここが問題。
もちろんこのままオーストラリアに住み続けるのなら真剣に考えようと思いますが、これってやっぱり「弱者救済システム」なわけですよ。私は「まだ」弱者ではありませんし、弱者になりたくありませんから、これを積極的にもらおうとすることにはやっぱり抵抗があります。なんせ掛け金も何も払ったわけではないのですから。
このままマレーシアに出て、本当に食えなくなることがあればこれを受給するという手もあると思うのですが、それはどうも簡単には行かない様子。受給開始時にオーストラリアにいることが必要なようです。またかなりいろいろ規定があって、細かいことはわからないのですが、最近オーストラリアでも「老後を発展途上国で過ごす」のはブームになっていて、多くのオーストラリア人が海外に出て年金で暮らしている様子。
これからその辺を調べてみようとは思うのですが、なんだかしっくりきません。資産もないフリ、収入もないフリをわざわざしますかね?この国には贈与税がありませんから、全部子供たちに譲って、「俺は貧乏だ~~」という形にして年金をもらう?
それって日本であの手この手で生活保護をもらうのと同じですよねぇ?
ま、調べるだけは調べてみようとは思いますが・・・・
余談ですが、オーストラリアってこういう国で、仕事がなければ見つかるまで何年でも失業保険は出ますし(掛け金無し)、病院は公的病院ならほとんどお金は掛かりませんし、シングルマザーなんか下手に働かないほうが収入が良いなんて話も聞いたことがあります。もちろん子どもの教育も公立ならお金はかかりません。大学は奨学金(低利子の借金)を使って子供が自分の意志と責任において行くのが普通で(近年は市民権保持者のみ対象となった)、親が全部面倒を見るのは金持ちだけ。
私が永住権永住権と騒ぐのはこういうことなんですよ。でもこういう社会保障が無い国では永住権を持っていても意味が無いかもしれませんが、社会保障は無い、就労の自由はない、病気も教育も全部自費の国で何十年も生きて行けますかね?ましてや老後は?
永住権取得は難しいのは確かだけれど、タクシーの運ちゃんだってレストランのウエイトレスだって永住権を持っているんですよ。金がなければ永住権は取れないなんてのは錯覚で、そんな永住権だったら移民国は成り立つわけがないんですね。
子供を海外で育てたいと考える人がいるなら、オーストラリアを狙ってみるのは良いと思います。そういう人たちが日本から韓国から中国からそしてマレーシアからごっそり来ているわけです。遊んで暮らしながら生活しようなんて、そんなうまい具合には行きませんが、ちゃんと仕事をすればどうにかなる国。仕事がなければ助けてくれる国。病気になっても年寄りになってもどうにか命は繋げる国。
でも私達はここから離れるつもり。(笑)