角煮にはかなり入れ込みました。
なかなか思うようには出来ませんし、オーストラリアの豚肉ってそもそも日本の豚肉と違うんですよ。オージービーフだってそうでしょ?でもそのオージービーフだって、あれは「日本人が好むように育てた牛」なんですよ。オーストラリアのどこにでもいる牛を日本に送り込んでいるわけじゃないんです。
また角煮に使うバラ肉でもいろいろあるのがわかりました。部位で言えばお腹のアバラ骨の周辺なわけですが、人間で言えば胸、脇腹、下っ腹などの部位によってまるで肉質が違うんですね。
私が狙う角煮は、とにかくフニャフニャの角煮なんですが、これはバラ肉の下っ腹の肉を使えば比較的簡単に出来るのがわかりました。この部位は皮も薄く肉質が柔らかいんですね。で、いわゆる脂肪と肉が交互に何層かになっている三枚肉と言われる部分ですが、厚みが薄い方が私の狙う柔らかさになるのがわかりました。そのことは詳しくこのブログでもレポートしてきましたが、こういう肉。
下っ腹の肉で、おっぱいが付いているような場所。
こんな厚さ。
これならどうにかなるのがわかりました。
ところが切り身で売っているタイプのバラ肉は部位が違うんですね。皮はゴムみたいですし、肉厚も厚い。これはこれで要は使い道が違うってことだとある日やっと気がついたわけです。
でもそういう肉でもちゃんと出来るはずだと思っていて、私がこれがベストと思う「最初に低温調理」その後に「蒸す」という方法でやってみました。でもやっぱりその中でも薄くて柔らかいのを選びました。
適当に切り分けます。
これを自家製ヨーグルト(ホエーが多ければホエーでOK)に浸けて、一晩冷蔵庫へ。
ヨーグルトは捨てて、でも肉を綺麗に洗わずに、そこに酒、醤油、みりん、ショウガを入れる。薄味。
これを約80度で3時間低温調理。ただこれのベストの温度、時間は探し当てていません。
これを取り出して、お湯で簡単に洗い流してしまいます。色目もこんな感じ。
そして新たにきっちり調味料を入れて冷蔵庫で一晩。(どうもこれに意味がありそう)
そして次の日にこれを蒸します。蒸し時間は2時間。
この汁だけを取り出し、煮詰めてトロミを付け味の調整をする。
あれれ、出来上がりの写真がない。(笑)
でもこれでほぼ狙い通りのものが出来ました。
前は蒸し時間は1時間で大丈夫だったのですが、今回は2時間蒸しました。1時間目で確かめた時にまだ固い感じがしたのですが、2時間で随分変わりました。
ま、私が出来るのはここまでですし、これ以上柔らかくしようとすると脂が全部落ちてしまったり、なかなかうまくできませんし、きっとこの程度の「かなり柔らかい」けれど「歯ごたえ」も残っているこの辺りが良いのかもしれません。
これにて私の角煮づくりはもう卒業しようと思います。私のベロが覚えている世界最高の角煮は昔、五反田にあった「上海園」という中華料理屋の「東坡肉(トンポウロウ) 」ですが、その美味しさの足元にも及びません。全くの別物。これってきっと素材も作り方も根本的に違うのだろうと思いますが、それは私にはわかりようもありません。残念です。
でも今、作れるようになった角煮はパサつくことは皆無でしっとりしていますし、肉の繊維が硬いなんてことはありませんし、まぁ、一般的にはこれで良いんでしょう。
そういうことで、角煮はもう卒業します。これ以上は追求しませんし、興味もかなり薄れてきました。またバラ肉なら角煮じゃなくてもっと違う料理、出来たら洋風の方向で今後はいろいろ試したいと思っています。
しかし、長い旅路でした。(笑)