ブログに本音なんか書けない

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私は結構本音を書く方ですが、これでも結構抑えているところがかなりあります。ですからたまにストレスが貯まるんですね。本当はこんなことを書きたいんじゃないなんて思いながら書くことがありますから。

マレーシアに関してです。

ここの読者の多くはロングステイでマレーシアを考えている人たちだと思いますが、中にはもっと若くて、海外に活路を見出したい、あるいは海外で子育てをしたい、また資産形成するためという目的で「日本脱出」を考える人もいて、決してマレーシアが好きだとか希望と夢を抱いてということではなく、マレーシアも多くの候補地としての一つとしか見ていない人は決して少なくない。

ま、それはロングステイヤーも同じで、マレーシアが住みたい国の一番を何年も続けていますが、では実際にどれほどの人が渡ってきているかというと、統計で出て来るMM2Hの数なんて極々少数でしか無い。今更ランキングには出てきませんが、ハワイや西海岸に渡る人、あるいはロングステイの考えをもう少し広げて移住に近い事を考えてアメリカ、カナダやオーストラリアに永住権を取って渡る人の方が圧倒的に多いのはたまにこのブログにも出す統計でわかります。

ああ、MM2Hは月別の数字が出ますから、ちょっと調べてみましょう。今年に入ってからは5月までにたったの113組しかいない。

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年間ベースではこんな感じ。円安の影響があるんでしょう。

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でも円安の影響はマレーシアだけじゃないわけで、ハワイでもタイでもアメリカ、オーストラリアも同じこと。

何が言いたいかというと、アタリマエのことですが、マレーシアだけが海外脱出のターゲットではなく、実は数としてはかなり少数派だという事実をまず捉えないとならないと思っています。

まず、こういうことを読んだだけで「イラッ」とする人がいるはずなんですね。実はこれは他の国でも同じで、オーストラリア情報のところでオーストラリアだけがターゲットではないみたいな言を書くと反発を食らう。これはどの国でも同じです。

つまりですね、こういうブログが登録されている場所は「ファンクラブ的なもの」があって、提灯記事だけが受け入れられる傾向があるし、また書く人も同じで良いことを連ねる。これはジャランジャランという掲示板はもっと酷くて、ちょっとでも否定的なことを書くと、「だったら帰れ」「来るな」というオコチャマ丸出しのコメントが多く付きます。

そりゃどこでも同じで、好きで集まって、自分の選択は間違いだなんて思いたくもないですから、物事を良い方ばかりに取るんですね。目障りな意見は捻り潰す、まさにファンクラブ。

でも誰しもそうであったように、最初は全く何の知識もなければ、あるいは勘違いをしていることはいくらでもあって、有頂天になっている人たちの書き込みを冷ややかに見ていたはずなんですね。ここで冷静な人たちは「ホントかよ?」と思うし、どこかに誇張はないか、反対の考えはないのか、また最初はそのつもりでも結果的には帰るはめになったことなんかないのかと考える。でもそうではなくて、「夢がどこかにないか」探している人たちは自分も同じ夢が見たくて飛びついてしまう傾向がある。これは何度も書きますが、マレーシアに限ったことじゃなくてどこでも同じ。

ま、飛んで火に入る夏の虫タイプは嬉しい話ばかり探すようになってそれはそれで良いし、そういう話はゴマンと転がっているわけですが、では冷静に考える人達に取ってはどうかというと、情報が全くと言って良いほどないんですね。

あらためてマレーシアのMM2Hの取得者数を見ると合計で3,700組いる。でも今の時点でどのくらい残っているんでしょうか。半分程度?このへんの数字は私には想像のしようがありませんが、巷の話を聞いた限りではかなりの数の人達はすでに引き上げているだろうと思います。これはゴールドコーストも同じで、20数年前にはごちゃごちゃいた永住組も、私の知り合いでは3分の2以上の人たちがいつのまにかいなくなっています。ロングステイではなくて永住組の数字ですよ。

私は以前日本人会の理事も2期やっていましたし、それなりの知り合いも多かったですが、本当にあの当時の人達が消えていなくなっている。今では私の日本人の知り合いなんてほんの微々たる数しかいません。また永住組は子連れも多く、子供繋がりで付き合う家庭も多く、皆、核家族で親類なんかいませんからかなり密な付き合いになるんですね。子どもたちも皆が兄弟みたいに育ちますし、私から見ても甥や姪よりはるかに近い子どもたちがいます。

ま、そんなこともあって、家庭内の様々な事情も見えてくるわけですが、帰りたくないのに帰らざるをえない人って少なくないんですね。理由は様々で、経済的なものも大きいですが、子供が地元に馴染めなかったり、人間関係が嫌で離れていった人もいたし、当初の「夢と希望にあふれて笑顔でいっぱいだった人たち」というのはある一面でしか無いのがよくわかります。浮かれている時期って誰にでもありますが、大体、早くて3年、長くて5年もするといろいろ見えてきて有頂天さはなくなってくるし、悪いところもよく見えてくる、そして喜びだった毎日の出来事もいつの間にかただの日常となって感激もなくなる。

こうなった時に「そろそろ引き上げるか」とロングステイヤーだったら考えれるわけですが、子育て、仕事、移住の場合は、そう簡単には動けないんですね。すると今度はそこに住むことが苦痛になるひとも出て来る。

ま、いろいろあるわけですが、帰らざるを得なくなった人、もう引き上げようと思った人の話ってどれだけ聞いたことがあります?ほとんどないはずなんですね。良い話は100も200もあるけれど、もうダメ、引き上げますって話は100分の1もないでしょ?でもそういう人たちの数って、もしかしたら新たに来る人と同数いるのかもしれない。私は新しく来る人達とは全く接点がありませんから、「知り合いの殆どは引き上げた」という印象しかありません。

なぜ引き上げたのか?

もう十分楽しんだから帰る、というのなら全く問題がないわけですが、世の中そんなうまい話ばかりじゃないわけですよ。でも実際には何が起きているか、起きたかなんて書く人はほとんどいないし、経験者も書かない。ここが問題なんですね。来た当初、盛り上がってる頃は「最高~~、幸せ~~」と書いているのに、何かあって帰ることになるとぷっつり書くことをやめてしまう。また本人も後悔をしたくはないですから、書いたにしても過去を美化する傾向があることや、オブラートに包んだ書き方しかしないのも忘れてはならないと思います。

こういう状態ではまともな情報なんか入ってこないし、何を基準に考えたら良いか、自分や家族の将来に何が起きるかの予想もできないってことだと思うんですよ。ましてや「移住のすすめ」を書く人は多いですが、そういう人の書き込みを見ていると、まずその人こそが「移住したばかり」なのが普通でしょ?まだ頭に血が上っていて、毎日が感激の連続で、「最良の決断をした」と信じているわけですよ。でもそれは殆どの人が通る道で、大事なのはその後なんですね。子育ても同じです。子供が小さい時には親のオマケみたいなもので、子どもたちも言うことを聞きますが、中学高校になったらどう変わっていくか、これは経験してみないとわからないんですね。また私がいつも書いていますが、永住権もないと大変なことになるというのが薄っすら気がつく時期でもあるわけですよ。でもそういう経験のない人たちが身の回りの良いことばかり書く。

私は東京で生まれ育ち、39歳にオーストラリアに渡ってきましたが、思い出しても東京に住みながら「東京ってサイコ~~。皆おいでよ~」という人に会ったことがありません。これはゴールドコーストも同じだし、他の国へ行ってもそこに住む人達が有頂天になっているのを見たことがない。でもマレーシアは元より、ゴールドコーストでもどこでも来たばかりの人は舞い上がるのね。これはきっと東京も同じなんでしょう。田舎から都会に憧れて東京に出てきて、「やっぱし、東京ってスゲーところだべさ。オメーもこいや」と言ってるのと同じ。本来こういう人のほうが少数派なんですね。でも海外ブログを見ると頭に血が上っている人が書くケースが多いから読む方は「勘違いする」。

実はブログには一切書いていませんが、マレーシアを好きでも何でもないし、本音は他の国に行きたいけれど、「しょうがないから」マレーシアに行こうかと考えている人と今いろいろ情報交換をしています。私としては「そんな程度の思いならやめたほうが良いんじゃない?」ではなくて、「それこそが最良の選択だと思う」と話をしています。

でもなぜ私がそう思うのか、また「マレーシア?嘘でしょ?」と思う人でもなぜマレーシアを選ぼうとしているのか、本当はここに大事な話が隠れていると私は思っているんですが、その内容はブログに書けないんですよ。

みなさん2ちゃんねるってご存知ですよね。マレーシア関連の2ちゃんねるを読んだことがありますか?それはそれは凄いことがたくさん書かれていて、マレーシアをクソミソにけなす人も少なくないのね。私の想像では多くは駐在組だと思っているのですが、彼らのその本音の中に真実が隠されていると思うし、お調子ばかり書く人でも薄っすら気がついていることでもあるはずなんですね。でもそんな内容をこういう普通のブログに書いたら非難轟々大変なことになります。

好きな芸能人のファンクラブに入るようにマレーシア(どこの国でも同じ)を愛して、盛り上がるのも良いですが、単に腰掛けのロングステイではない場合、それじゃ絶対にうまくないわけですよ。でも冷静に話し合い、情報交換をする場は皆無なんですね。

私はある意味正直に、「もうオーストラリアでは食えないから出る」と書いていますが、こういうことを書く人ってオーストラリア関連ブログでもみたことがありません。でも同じ理由で帰る人、他国へ移る人はかなりの数いるんですね。もちろん他にも理由なんていろいろあって、でも夢いっぱいの人にはそういう話は届かない。でもいつかそれを見ることになるし、自分がそうなることもある。

私と同じような理由でマレーシアを選ぶ人も実は結構いると思うんですよ。マレーシアが好きだから行くのではなくて、資産防衛、あるいは儲けたいから行くと。子育ても同じで、日本から出たいけれど、マレーシアしか選択肢がないと考える人もいるでしょう。ましてや社命で転勤の人は「行かなくて済むなら行きたくない」「一日でも早く帰りたい」なんて思っている人もかなりの数いるはずなんですね。

私としては、「じゃぁ、帰れよ」ではなくて、「それでもマレーシアを選ぶ」という考えがあって良いと思うし、そういう冷静な視点で、ダメなところは駄目だとはっきり認めた上で、どうにかやっていく方法がないのか、そういう模索を皆でできたら良いと思っています。

でもそういうのは表ではなくて、つまりブログのような場所ではなくて、個別に裏ではなしをするしかないんでしょうね。下手なことを書くと「ダボさんはロングステイヤーをバカにしている」とか「無理にマレーシアに来ないでください」なんて反応する人がいますし。(笑)

ま、結局、私は今愚痴を書いているだけですが、マレーシアに限らず、海外に出るとか、海外での子育て、海外での起業にしても、ネットの中にある情報なんて上辺だけのものが殆どで現実の問題に関しては全くと言って良いほど語られていないという事実を知る必要があると思います。また積極的に書いている人も、まだ経験途中でしかなくて、何かをやり遂げた人が振り返って書いているんじゃないんですね。あるいは、仕事として「海外生活のすすめ」をやっている人は、わかっていることでもあえて書かない、言わないこともあるはず。でも中にはちゃんとしている人もいるのがわかりますし、コンサルタント選びも慎重にしないと、飛んで火に入る夏の虫にしかならないし、海外脱出組のほとんどはそれでやられてしまうのが実情だと思っています。

そもそも「夢を持つ」ことそのものに、失敗を呼びこむ根源があるんですね。

夢を持たずに何ができるか?なんて思うのはまさにわかってない人の言い方で、海外に夢を持つことの大半は「海外コンプレックス」でしかないことを知るべきだし、海外の子育ても「英語コンプレックス」があるからかもしれない。英語が大事なのは当たり前だけれど、本来我々に、あるいは子どもたちに必要なのはツールとしての外国語であって、それを得るがために「母国語がないがしろになる」危険のほうがはるかに重大だと考えるべきだと私は思っています。あるいは言語だけではなくて多民族とうまくやる能力を伸ばしたいなんて言う人も多いですが、それって海外育ちだからどうなるわけじゃなくて、個人の性格、能力によるもののほうがはるかに大きいと思っています。

実際に子育てを海外でしてみればわかりますが、兄弟でも全く違ったように育つし、外人嫌いな子供やコミュニケーション能力がない子供はいくらでもいるってことを忘れるべきじゃないと思います。海外、海外というけれど、ではその地に住む子どもたちを見て、彼らと同じになるのが良いことなのか、それをじっくり考えるべきだと思います。我々親は、子供は日本人として育つと信じていますが、それは単なる錯覚でしか無くて、子供は日本人プラスアルファを持つ子供にはならないんですね。地元の子どもと限りなく近く育つだけ。そのことに気がついていない親が多すぎると思います。そしてこれは、子供が大きくなって「こりゃヤバい」と思った時にはもう遅いってこと。

親は外国に憧れるかもしれないけれど、子供にとっては日本こそが外国になるんですね。もちろん日本語は外国語でしかなくて、親が英語で苦労したのと同じように子供は日本語に苦労する。さてさて、海外育ちの子供は一体何人になるんでしょうか。アイデンティティはどんなものを持つのでしょうか。国際人なんていうカテゴリーは世の中には存在しないし、あえていうならそれは「根無し草」、あるいは「放浪者」「難民」と同じレベルになる。

海外で子を育てる親はそういう危険性も考えているのが普通で、もしそうなって子供が日本を選ばないように育っても大丈夫なようにその国の永住権を確保するんですね。何人だかわからないような、日本語もちゃんと使えないような子供が、日本に住む権利しかなく、日本でしか働くことが出来なかったらどうなるか、そういうこともちゃんと親は考えるべきなんですね。

でもあくまで軸足は日本に置いて、腰掛け程度で海外を経験するのは非常に良いと思います。でも気をつけないと子供は外人になってしまう。また親も同じで、海外に10年、20年と滞在していると、今更日本には帰れないってことになるのが普通で、そういう日本人が海外にはゴマンといるのも知る必要があると思います。

そういうことも踏まえた上で、ではどうしようか、というのが情報交換であって、でも残念ながらブログの世界ではファンタジーの話しかできないと感じています。

うちのヨメさんはマレーシアには全く興味がなくてゴールドコースト大好き人間なのはいつも書いていますが、そういうヨメさんもマレーシア行きを決めているわけです。なぜそんなことが出来る?どうやってマレーシアで生きていくつもり?マレーシアでやっていけるの?

私としてはヨメさんが何を考え、どういう風にマレーシアに順応していこうと思っているのか、またどうなるのか、その辺に一番興味があって、そこにこそ我々が知るべき大事なものがあるような気がするのです。

ファンクラブの親衛隊みたいな人たちの自画自賛を聞いても、そんなのはいつか目が覚めるのはわかりきっていて、覚めた時にどうする、どうなる、何を感じるのかが一番大事だと思うんですよ。あるいは本意でなくてマレーシアに渡ることになった駐在組の人たち。彼らがどんな思いでマレーシア生活を有意義なものにしようとしているのか、ここに私は一番興味があります。

盛り上がれるだけ盛り上がって楽しんで、飽きたら帰るなんて「遊園地に遊びに行くがごとく」海外生活を楽しめるのはまさにお気楽ロングステイという「特殊な立場」の人たちだけで、「(腰掛けではない)お国替え」を真剣に考えた場合、知るべきことは山のようにあると思うんですが・・・。

でもそういう話はネットの中を探しても一切出てきません。

 
 
 

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