スキャルは大損することは無い理由【相場】【備忘録】

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MT4のインジケータ+テンプレートの配布をしてから、数人の方とメールでやり取りしているのですが、その中で気になったのは「なぜスキャルなのか」という点。配布したものは別にスキャル用でもなくて、1分足でも1時間足、日足、週足でも使えます。とにかく「トレンドを把握しやすく」「出撃撤退ポイントを見つけやすく」作ってありますので、スキャルだろうとスイングだろうと中長期投資でも使えるはず。ただ、基本は「トレンドフォロー」です。

巷には相場で大損したという人はゴロゴロいますが、私の周りも同じ。長男に聞いてみますと20代でも、そしてオーストラリア人でも20万ドル損したとかそんな話があるようす。若者がどうしてそんな金額を損でき得るのか不思議なのですが、その友人は金持ちの息子で、親にやってみろと言われてやった結果がそれだったそうです。「相場はギャンブル、近寄るべきでない」という一生持ち続ける決心ができたのかもしれませんが、まぁ、儲けた話は本当に少なくて、一時的には儲けても最終的には大損という話ばかり。

そもそもなんで大損するのか。これって簡単なんですね。

○ トレンドを無視している
○ 損切りが出来ない
○ 大きなロットでトレードしている
○ ルールらしいルールを持っていない

ま、この4つに集約出来ると思うわけで、利益を出すにはこれの逆をやれば良いんですね。

ただ儲けたり、損したりを繰り返しているうちに、自分に才能がないと諦めればそこで終わるし、傷も浅い。ところが不思議なもんで、これはカジノ遊びが好きな人にはわかるはずですが、グズグズやっているうちに、「よし、これが最後だ、勝負しよう」という気持ちになってくる。これは私も何度も経験していまして、ギャンブルって麻薬だと思います。麻雀もそうで、負けて「お願い、お願い、もう半チャン m(_ _)m」なんてことは良くありますが(笑)、最後の半チャンはレートを上げようなんて話も出てくる。

この「自然な心の動き」が負けに繋がる。不思議ですよね。勝ちたい一心が負けを呼びこむんですから。

トレンドフォローをしているつもりでも、逆に動いてくると「そんなはずはない」なんて思うし、損切りするどころか難平してどんどんポジションを大きくするのね。戦略として難平するのなら話は別ですが(これは非常に難しくて危険)、「負けたくない」という思いだけでする難平は自殺行為。でも値がちょっとでも戻れば大きく取り戻せますのでこれの誘惑の大きさは半端じゃ無い。

だからスキャルじゃないにしても

○ トレンドを最優先
○ 損切りポイントは出撃時に決める
○ ロット(ポジション)を無計画に大きくしない
○ ルール通りに売買する

これがトレードの大事なお約束だと私は考えています。でも「勝つため」を考えだすとこれが簡単にくずれる。トレンド優先でも「乖離が大きい」と逆張りしたくなりますし、損切りポイントもチャート分析がある程度できると、「ここで損切りする必要はない」と思うようなこともあるし、ロットの大きさにしてもやっているうちに「勝負どころ」が見えますからどうしても大きく出たくなる。ここは私も同じで、自己制御はかなり難しい。ルールに関しては、あれやこれや勉強すればするほど、世の中にはあの手この手があって、「どんな動きでも利益を出す方法はある」と考えてしまう。これは事実ですが、自分にそれが出来るかどうかは別問題。そして自分のルールを決めるというのは実は簡単ではない。

ここで一つ重要なのは「勝負どころ」でロットを大きくするのは当たり前じゃないかという点。でもここはやっぱり考えもので、大きくしないどころか「そもそも勝負どころでしか出撃しない」という考え方があるんですね。ここは多くの人がハッとする考え方だと思いますし、私の師匠筋にあたるトレーダーは(スキャルが一般的ではない頃)何ヶ月でもじっと自分の出番を待てる人だったのはこの日記にも何度か書いています。その人に「ダボさんは一度、裸にならないと(破産の経験)わからないかもね~」なんて言われていましたが、こういうことかというのを理解するには、あの時から10年程度の月日が必要でした。

ま、この辺は議論の余地があって、勝負どころでは勝負する。自信がないところでは小さなロットで出るという考え方を私には完全に排除出来ていません。でもきっとそれは「欲望をコントロールできていない」証拠かもしれません。私が20年以上も頭に常に残っているある(当時は)若きトレーダーの言葉があります。彼は仲間との勉強会に来てもらった凄腕トレーダーだったのですが、彼は「バカでも勝てるときにしか出撃しません」と勉強会が終わった後、飲み屋に行く途中、路上で私に「大事なポイント」として語りました。

儲けるために投資資金を用意し、さぁやるぞとモニターの前に座って、そのまま何時間も、何日も、あるいは何ヶ月も待つことができる人ってどれだけいるんでしょうか。

でも待つことができなければ「必ず負ける」と思います。

だから私はスキャルに向かうわけです。例えば昔からそれが普通である「日足チャートを見ながら株式投資をする」とした場合、ここぞという出撃ポイントなんて数ヶ月に一度あるか無いかなんですね。私にはそんなチャンスを待つことは不可能だし、またそれが出来る、そうするべきだと言った人は未だにたった一人しか知りません。それは上に書いた私の師匠筋に当たる人。

当時はデイトレなんてなかったし、つまり日経225の先物もなければデイトレ、当時は日計りと言っていましたが、そんなことをするのは証券会社のディーラーぐらいで一般的ではありませんでした。でもいつのころからか先物もでき、PC環境も充実し、ネットからリアルタイムでデータを取得し、デイトレ環境が整ってきました。1分足でも5分足ても見ていると、「ここがチャンスだ!」と思う場面っていくらでもあるんですね。これって画面いっぱいに表示した日足チャートと同じですが、そのチャンスを何ヶ月も待つ必要はなく、数10分、あるいは数時間でチャンスは巡ってくる。だからそれを待てば良いというのが私がデイトレに入った一番の理由です。

でも問題は「ここがチャンスだ!」というポイントはどこか?ってことですよね。こればかりは自分でルールを作り、それに従うしかないものの、どこがチャンスなのかは初心者にはわからない。これは長い時間を掛けて独学するか、誰かに着いてマンツーマンで覚えるしか無いのでしょう。

これが面倒だから、「こんな感じかな?」みたいなところで多くの人は出撃するんですね。生意気なようですが、最近はユーチューブでも「これで勝てる」とか「必勝法」なんて説明がいろいろありますが、私に言わせると「ほんとかよ?」と思うことが多いです。また書籍で「これで私はXX億稼いだ」なんてのも、あるいは「指標の使い方」の説明があるチャート分析関連のものでも、「教科書用のばっちりハマった時」を抜き出して説明するばかりで、実戦で使うのは簡単ではないものが多い。でもそれは「自分の好き嫌い」「得手不得手」が大きく関係していて、またチャートの読みとは別の「建玉法」との組み合わせで乗りきれることでもあって、簡単ではないものの、それさえもわからない人は「単にメチャクチャやっている」のと同じレベルだろうと思います。

これを読んだだけで「面倒だなぁ・・」と思う人も多いと思いますが、実はここが出発点だと思うんです。つまり多くの一般的な市場参加者は、そのスタート時点に立つこと無く参戦しているというのが現状じゃないでしょうか。つまりですね、「俺はサッカーが好きだ。サッカーをやりたい」という思いだけで、誰でも出場できる「ワールドカップ」に出場しているんですね。あるいは「野球が好きだ」という理由だけでアメリカのメイジャーリーグの試合に出られるのが相場の世界で、自分がピッチャーとなりバッターのイチローに向かってボールを投げることも出来る世界。

相場の世界ってそういうものだと理解すれば、勉強もせずに練習もせずに、自分の性格を把握してそれにあうルールを作ることなく参戦するのがいかにおかしなことかわかるはずなんですね。でもそういう人ばかりがごっそりいる世界ですから、80%以上の人が損する世界だというのは当たり前だし、またそういう人が多く、そして常に参入してくるから、プロは存在できるってことでもあるんですね。FXも先物もゼロサムの世界ですから、誰かが損してくれないと誰も儲けることが出来ないわけです。株の世界はゼロサムではないと言う人もいますが、私は同じだと思っています。それどころか下げトレンドになれば皆で分けるものも少ない中で分け合うのですから株の世界はもっと難しいと言えるかもしれません。(株は買うものだと信じているとそういうことになる)

同じことを再度書きますが、

○ トレンドを最優先
○ 損切りポイントは出撃時に決める
○ ロット(ポジション)を無計画に大きくしない
○ ルール通りに売買する

これさえ守っていれば、絶対に大損しないんですね。でも勝てなければ利益も出ませんが、負け続けてもそれを続ける人ってよっぽどの変人だと思いますし、自分には無理だと思った時には「最後に勝負をしてみよう」なんてバカなことは考えずに静かに身を引けばそれで終わりになる。

でもどうにか利益が出るようになったら、少しずつロットを大きくしていけばOK。ここで大事なのは「大きく利益を伸ばすには大きな利幅を取るしかない」と考えてはダメなんですね。目の前にいる小魚を捕まえるような手法で上手く行ったから、では大きな魚を捕まえようなんて思っても無理だし、それは「手法を変える」ことであって、わざわざ出発点に戻るような愚かさがあると言っていいはず。利益を伸ばすには、「小魚をもっと取る」方法を考えるべきで「網を大きくする。竿を何本も出す」つまりロットを大きくするしかないわけです。

でもロットを大きくするのは精神的にかなり難しい物があるはず。でもそれは「余剰資金が大きくなれば乗り越えられる」んですね。つまり小さな利益を使ってしまっては駄目で、どんどん貯めこむ。そして「最近勝ててるからロットを大きくしよう」ではなくて「とんでもない何かが起きても耐えられる自信」がついた時点で大きくするべきだと思っています。つまり、ロットを大きくする時に、レバレッジを大きくするなんてのはバカのやることで、あくまで増えた資金に合わせて考えるべきじゃないでしょうか。つまり、ロットを大きくして、そして何か予想外のことが起きても、資金ショートにはならない増やし方を考えるべき。

これは時間がかかることですが、私はリスクコントロールとして、そして早く儲けたいとウズウズする欲望を押さえつけるためにも、資金管理ルールははっきり作ってそれに従うのは大事だと思います。もしここで「俺って結構うまくね?」なんて調子に乗ってロットを大きくすると、やっぱり負け組に入る可能性が出てくる。この欲望の要求を許すと、面白いもんでダムが決壊するのと同じで、いつかただの人に戻ってしまうんですね。相場に負けるというのはこういうケースも多いわけで、決して「売買ポイントもわからない」「売買ルールもわからない」初心者ばかりではないということ。

100回勝っても1回の負けで退場せざるを得なくなるのがこの世界ですから、911の同時多発テロ、311の大震災みたいなことが何度か起きても大丈夫なような資金管理が大事で、勝つことよりも「生き残ること」を重視するべきだと思います。そういう点でもスキャルの良い所は「リスクに資金をさらす時間が極端に短い」ってことで、長期投資ですとどうしても世の中の予期せぬ事件に巻き込まれる可能性が高くなる。また前にも書きましたが、「値は瞬間移動はしない」ですから、スキャルで場を見ていると「何かが起きても」それに市場が反応するには時間が掛かりますから逃げることは難しくないんです。逆に難しいのは「重要指標の発表時」でしょうか。あるいは重要人物の記者会見なんてのは一瞬にして大きく動きますから、何もしないで見ている方が良いと思っています。逆にそういうイベントを狙う手法もありますが、私には関係ないと割り切っています。

どういうふうになったらロットを増やすかも大事ですが、逆に負けたらロットを小さくするルールも同じで、私はこの「ロットを小さくするルール」を厳格に作り、守ることが大事だと思っています。それを守っている限り、勝てないかぎりはロットが大きくなることはないし、またちょっと負けが続いたら大きくロットを減らしますから、大損したくても出来ないんですね。勝てたら少し増やす。負けたら大きく減らすルールだと、下手くそは「最小ロット」でのトレードが続きますから、勝っても負けても子供の小遣い程度にしかならず、いつまでもチョロチョロと儲けたり損したりが続くのなら、自分には縁がなかったと思って諦めるべき。

また勝てるようになっても、ではルール通りにどんどんロットを大きく出来るかという点。これはこれで難しくて、いくら手持ち資金があっても「怖くなる大きさ」ってあるはずで、これは私は人間の器に関係していると思っています。この辺が普通の人と違う感覚を持っている場合、あの有名な若者のように11桁の資産を作れるようになるんでしょう。彼は考えられない大きさの資産を作りましたが、ではとんでもない大勝負を繰り返して勝ってきたのかというとそうじゃないと私は考えています。ロットが大きくても鼻歌を歌いながらトレードできるという類まれな性格を持っているだけかもしれません。こういう人っているわけで、このブログで知り合い、相場で資産を作りシドニーに移住してきたあの人も、話をしているとちょっと普通じゃないのがわかるんです。何千万儲けても、あるいは何億損しても淡々としているんですね。これって普通の人にできる芸当ではなくて、論理で感情を抑えることができる、やっぱり類まれな才能を持った人だろうと思っています。

相場って面白いもんで、ビシバシ読みが当たる人でもそれは自分はポジションを持っていない時で、自分が参戦するとハズレ出す、なんてことが良くあるんですね。麻雀でもレートが低いと勝てるのに、レートが高いとビビって勝てなくなるのと同じ。(笑)

私も感情の起伏が大きいタイプですし、すぐにアドレナリンが出てきて手が震えたり、声がうわずるタイプですから、本当は相場には向かないんですね。FXでも100万ドルロットになるとかなりビビりますから(笑)。ですから自分の限界ってもうこの歳になるとわかるわけで、私みたいに欲望が強くなく、論理的である息子の時代になりましたら、厳格な資金コントロール法を決めて、「大損しない」は当然のこと、「大きく儲ける」ことも積極的に考えていこうなんて計画しています。

そしてそれが適しているのはやっぱりデイトレであると、上に書いた諸々のことから言えると思うのです。そしてデイトレで大きくなるには「先物の世界」に行くしか無いと思います。先物は実際の売り手と買い手が存在する世界で、本来ならそれの仲介をして手数料を取るべき証券会社が自分で値を付けたり、その他、様々言われているようなあの手この手でトレーダーから利益を出そうとする世界ではないわけで、訳の分からないFXでは難しいと私は考えています。

ECNなら、NDDならと言う人もいると思いますが、ではそれらの証券会社から入ってくるデータを見ても「データには手を加えられていない」という自信があるでしょうか。私にはそれがありません。理由は簡単で入ってくるデータが少なすぎるからです。例えばEUR/USDなんてのは世界最大のマーケットですよね。どんなに大きな先物よりももっと大きな世界。そこで取引されている金額、また参加者の数を想像してみると、あんなチョロチョロ入ってくるデータなわけがないんですね。1秒間に世界でどれだけの取引(約定、ティック)があるのでしょうか。

この辺は、データベンダーのeSignalのFXデータと較べて見てもわかることですが、eSignalから入るFXのデータの方が多く、ヒゲも上下に長く、実態に近いのはこれだろうと思います。

何年か前に、FXの証券会社のデータとeSignalのデータと比較した動画を作ったことがあります。左は証券会社でFXでは見慣れたものですが(どこの証券会社か忘れました)、右はeSignalです。

それとECNだ、NDDだという業者の板情報(DOM)はどうなっているでしょうか。あんな少ないわけがないと私は思うんですが・・・。

つまり、大きな桁の資産構築を考えた場合、FXではスキャルにはどうしても上限があるんですね。誰がこの上限を決めるんです?本来はマーケットに買い手売り手がいるわけで、彼らのBid&Askが全てのはずなのに、上限(その額は世界的規模から想像すると小さすぎる)があるっておかしいと私は感じるのです。

でも先物の世界は実際の買い手と売り手のBid&Askが常に表示され、その数字は現実で、それ以上、それ以下のものでもないんですね。ですからそのDOMに表示されているロット数なら間違いなくそれで約定するわけです。そしてその量は半端ではなく、流動性(Liquidity)には全く問題がない。そりゃそうですよね。何百億動かすようなビッグトレーダーが戦う場所なんですから。

ま、大きな話は横においておくにしても、先物の世界は公正な取引の場で、資金が小さくても大きくても誰かにチョロまかされる世界ではないと私は考えています。そしてE-miniの刻み値(ティック)は0・25ポイントですし、ほぼ24時間動いていて、目先のウネリの大きさは十分大きいですから、スキャルには最適だと思います。ドイツのDAXもそれは同じで、DAXは私が20年近く前に日経225から世界に目を向けて初めて出会った記念すべき先物で、値動きを近視眼的に見ると目が回りますが、要はそれだけティックが細かいわけで、スキャルには適していると思っています。

これはSP500 E-mini。先物のデータではなくてCFDですが、1分足です。チャートの横線を見てください。これは1マス1ポイント=4ティックです。スキャルで狙う目先の小さな波がどのくらいの大きさがあるか見てください。

2016-01-12_23h22_53

これはDAXのCFD1分足。さてヨコ線の1マスは何ティックあるでしょうか。なんと(先物の場合)5ポイント=10ティックです。

2016-01-14_02h59_21

異論はあると思いますが、私はティックが小さい方が、出撃撤退が簡単だと考えています。だから日経225みたいに1ティックが10円だと非常に難しく感じます。10円の中で利益を出したり出撃撤退が出来ませんから、どうしても大きな利幅を狙うしかないんですね。注文が成り行きだとすれば、どうしたって売り買いで現在値より10円ずつずれるわけで、これはバカにならない大きな損だと思います。そういう意味では日経225ミニの方がやりやすいはず。刻み値は5円ですよね?やったことがありませんのでよく知りませんが。

まだまだFXの小さなロットで四苦八苦なされている方も多いと思いますが、いつかFXの限界みたいなものを(スキャルの場合)感じることがあるはずで、実はデイトレーダーの昔からの主戦場は先物の世界であって、いつかはそちらの方へ目を向けなければならない時が来るのは頭の片隅に入れておくのも良いのではないでしょうか。

私は専業トレーダーから足を洗って10年以上経ちますし、正直な所、現状を十分に把握できていません。これからはマレーシアで息子を鍛えあげることに専念するために(それプラス、世の中の金利・投資効率の低下で困っているから 笑)、自分も再びのめり込むことになりますが、きっと今まで書いてきたこととは違うことを感じる、見つけると思います。それはそれでこのブログに書いて行こうと思っていますので、これからもよろしくお願いします。m(_ _)m

 
 
 

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