不思議なもんです。若いころはベトナム料理は嫌いな料理の筆頭だったんですよ。タイ料理もだめ。そもそもコリアンダーなんてのは世の中から消えてしまったほうが嬉しいと思っていたくらいだし。
中華料理は子供の頃から好きだったんですが、コリアンダーが入るものだけは駄目。入れないでくれと頼んだり、入っているものは半べそをかきながらどけていました。細かく刻んであるときは悲惨でした。
でもいつの頃からでしょうか、コリアンダーがなくては「世界がつまらなくなる」ぐらいに好きになりました。そしてベトナム料理もタイ料理も良く食べるようになった。この変化は50代になってからかもしれない。
最近はお腹が減ると、ベトナムのフォーを食べたい・・って思うくらい。
でもこればかりは即席で作るわけにはいかないし、私が美味しいと思うフォーはやっぱり半日はかかってしまう。
ということで半日かけて作りました。(笑)
フォーボー(Pho Bo)、牛のフォーですが、やっぱりこれが美味しいと思います。
実はこのフォーボーは大失敗。上に乗っているのはコリアンダーじゃなくてイタリアンパセリ。紛らわしいっつーーーのっ!食べてから気が付きました。(たまに間違えます。だってそっくりだし~)
このフォーボーには肉がいろいろ入っていますが(底の方にはたっぷりのモヤシ)、これは自宅で作るからこういうフォーボーになるのであって、外でこういうのはないかもしれない。牛肉はトロントロンになったものと(頬肉、あるいはオックステイル)シャブシャブ用の肉(赤身)がたっぷりあるんですから。肉は海鮮醤(ホイシンジャン)とベトナムのチリソースを付けて食べる。
またスープには化学調味料の類は一切使いません。このスープの作り方も最近はパターンが決まってきて
◯ 牛骨(肋骨、首の骨、大腿骨)でスープを取る。圧力鍋で2時間ほど。
◯ 牛肉(頬肉、オックステールその他、煮込んだら美味しい肉)を入れて圧力鍋で30分ほど。
◯ スパイス&調味料を入れてコトコトと1時間ぐらい煮込む。
◯ 味を調整して出来上がり。
このパターンで決まってきました。フォーの本格的な作り方を調べますと圧力鍋なんかとんでもなくて、コンソメスープを作るようにかなりプロは神経質に作るのが普通。でも悲しいことか嬉しいことかわかりませんが、私のベロでは圧力鍋と鍋でコトコト6時間も8時間も掛けて作ったものとの差はわからず。(笑)
ただしスープを見ると違いはすぐわかるんですね。手を掛けてじっくり取ったスープはまさにコンソメのように澄んで綺麗なスープになる。ところが圧力鍋で取ると、なんというか品のない汚いスープになる。(笑)
本式は「絶対に乳化させない」んですね。でも圧力鍋で煮ると透明度はなくなる。これって乳化しているの共に、多分「雑味」もたくさん出ているんでしょう。でも私にはその「雑味」とやらがわからない。だれか「これが雑味だ」ってのを2つ並べて違いを教えてほしいくらい。また乳化させないということは油分がすくないってことですが、私は野蛮人ですし基本的には乳化したスープが好き。またゼラチンがしっかり溶けている方が良いと思うので、あえてそういう骨(肋骨)や肉(頬肉)を中心に使います。
これがダボ流。このあと、浮いている油は綺麗にとって漉しますが、美しさは皆無。色が茶色いのはスパイスのせい。
食っちまえば同じだろうなんて乱暴なことは言いたくないのですが、ま、私のベロでは違いはわからないので、食っちまえば同じ。(笑)
ただこのフォーボーもそのうち飽きてくるのは間違いがないですし、大好きなトロントロンの肉、シャブシャブ肉を好きなだけ入れられるから好きだということもあるわけで、その発展形で、このフォーのスープを作った「鍋物」をいつかやってみたいです。中華に良くあるホットポットですが、このスープを使ってそれをやるという考え方。
でもやっぱりゴールドコーストは常夏ではないものの暑いし、その機会がありません。昔は夏でも良く鍋を食べたのですが、最近は皆んなで食卓を囲んでワイワイ食べるようなことが極端に減りました。パーティも全くしないと言って良いくらい。お客を呼んで一緒に食べることも無し。これって小さなコンドに引っ越ししてきたからの傾向。
マレーシアに渡ったらどうなるんでしょう。今みたいにお地蔵様の引きこもりみたいな生活になるのか、それとも昔みたいに友人も集まってワイワイやるようになるのか。多分、前者の方だろうと思っていますが・・。