調理実験をするようになってどのくらい経つんでしょうか。その中でも麻婆豆腐は一番作った回数が多いかもしれません。
で、最近思うに、「美味しくなったなぁ」と。(笑)
当たり前って言えば当たり前で、自分が良いと思う麻婆豆腐に近づける努力をしているんですから、美味しくならないほうが変ですよね。でもこれが本来あるべき姿かどうかは全くわからず。
でも言葉を変えれば、「好きな様に作れるようになった」ということでもあって、それはそれで嬉しいです。ヨメさんも私が麻婆豆腐を作るようになってから一切作りませんし、美味しいと言ってくれます。ただ肉が多すぎると。(笑)
また汁ダクって言う言い方は違うのかもしれませんが、ヨメさんはいつも私にそれを注文します。もう少し汁気が欲しいと。
それで作ったのがこれ。
大きな土鍋で作るんですが、量としては多分6-7人前ぐらいはあるんじゃなかろうか。これがなぜか次の日の朝にはなくなるのが普通。夜中にガツガツ食べる魔物が我が家には生息している。(笑)
辛そうに見えますが、ハイ、辛いです。(笑)
でもこの辛味は「韓国の粉唐辛子」が主ですので、良い出汁が出ています。この辛味を豆板醤だけで作ろうと思うと塩っぱくて味がおかしくなるんですよね。
私の作る麻婆豆腐の特徴というか、ガラッと変わったのは次のことをしてから。
◯ 美味しい韓国産の粉唐辛子を(大量に)使う。
◯ 甜麺醤はしっかり炒める(焦げが着くくらいの感じ)。
◯ 最初に油でニンニクとショウガを炒めて香りを出す。
◯ 豆鼓を多めに入れる(豆鼓醤では塩っぱくなる)。
◯ 肉は最初にしっかり炒めて、甜麺醤と豆鼓を入れ(焦げるぐらいにして)別のボウルに出す。
◯ 葱は肉と一緒に炒めずに、大量の葱を油でしっかり炒めて風味を出す。最後に入れる葱は別途用意する。葱の前に豆板醤は油でこれまたしっかり炒める。そして韓国産の唐辛子を(大量に)入れ、これも炒めてから葱を投入。
◯ 麻婆豆腐の「麻(痺れ)」に相当する花椒(フォアジャオ)を使い、日本の山椒は使わない。
◯ 豆腐は別途茹でてから使う。
こんなところかなぁ。かなり本格的な味になりました。でも(本式の)四川料理や上海料理で食べるものとはかなり違っていて、日本式に近い。本場の麻婆豆腐って「これが麻婆豆腐?」って思うくらいまるで違う料理に感じます。香辛料も強いし。
ただ改良の余地はまだあって、ホアジャオ(花椒)ですが最後に粉を入れています。でもこれってインチキでちゃんとしたレシピでは一番最初に油にホアジャオ(花椒)の粒を入れて炒めて香りづけをするだけなんですよね。でもこれはまだやったことがありません。それをやるとどう違うのかが気になります。果たして違いが自分にわかるのかどうかもわかりませんが。(笑)
それとプロの説明を聞くと、一番最後に強火で鍋肌が焦げるように火を入れるんですね。この焦げが大事な風味になるんでしょう。洋食で大事にする焦げと一緒でメイラード反応。ただこれだけは大きな鍋がないのと火力がロウソクみたいな火力しかない我が家では無理。
これらが私に残っている課題かな。でもそれを試すのはマレーシアに行ってからで、ちゃんとウェットキッチンのあるコンドに住んでから。(笑)
それとわからない部分が一つあります。それは出来上がり時の豆腐の状態。今の作り方で問題があるとは思っていないのですが、火の入れ方と最後に入れる化粧油で豆腐のテクスチャーが随分変わるんですよね。でもその辺が私にはわからず。多分、豆腐はただ煮込んだ状態のままかもしれません。
中華料理は和食と違って「香り」を大事にする様で(蒸気に乗る風味ではなくて食べた後に鼻に抜ける香り)、その辺が文化的背景も違うし、私の鼻もそもそも性能が悪いので良くわかりません。ただ香りは油性で油に溶ける(だからショウガやニンニク、ホアジャオは油で炒める)、味は水性で水に溶ける。この辺が私には実感として良くわかりません。やっぱり気になるのは味ばかりで、香りに関しては気にはしているものの、ちゃんとできているのかどうかがわからず。
いつか本物を作るプロに教わってみたいなぁ。でもあの本格的な四川の麻婆豆腐を食べたいとは思いませんが・・。(笑)