我らが夫婦の結婚記念日の食事ですが、記念日の次の日、昨日行ってきました。
ヨメさんの「記念日なんだから【ちゃんとした店】に連れてってね」ということでしたが、どの程度の「ちゃんとした店」なのかわからないし、名前だけは有名みたいな店も多く、私には選べませんでした。
するとヨメさんが「コンラッドジュピターの【Kiyomi】という和食レストランに行きたい」と言い出しました。我々は行ったことがないのですが、ヨメさんの友人のグルメから薦められたとのこと。
コンラッドホテルか・・・・。カジノがあるホテルでどのレストランも高いのだけは私は知っていて、どの程度の内容かってのはちょっと期待薄。でもヨメさんが行きたいというところへ行くしかありません。
長男に聞いたら「なんで夫婦の結婚記念日なのに俺が行くんだよ~。二人で行ってきなよ」と言いましたが、3人の方が面白いじゃんということで3人で行くことに。
和食店と聞いていたので、純和風を想像していましたが全く違う雰囲気。いわゆる「今時の海外の和食店」で「和風創作料理」なのは店構えからわかりました。大きなホテルのオープンスペースの一角という感じ。下のホールをちょっと行けば、そこは巨大なカジノ。
席について目に入ったのはオーストリッチ皮のメニュー。金をかけてますね~~。とビクビク。(笑)
どんな料理を出すのかわかりませんし、記念日ですからコースメニューが良いと思っていました。見てみると140ドル。95ドル。75ドルみたいな。高級店にしては価格設定は安いかもしれない。
どれにしようかと話をしたらヨメさんは迷わず、「140ドルので行こう~~」と張り切っている。でもこれに酒代を入れれば200ドルは簡単に突破するので私としてはヒヤヒヤ。
でも日本語が話せるウェイターが来て言うには、この140ドルのセットはどうもお酒が付いているらしく、食べ物もそのものはかなり小さいのがちょこちょことあるだけで、肉が食べたいなり、刺し身・寿司が良ければ他のコース、あるいは単品で頼むほうが良いと言う。でも我々はこういうところではガッツリ食べたいわけではなくて、小鉢でいろいろ出てくるほうが好きで、それを肴に飲みたいので140ドルのに決定。
それぞれの料理に合うようなお酒が付いてくる。リースリングとか日本酒、梅酒など。ま、わけがわかりませんが、彼らが選ぶ酒ってのに興味があるし、我々は料理に合わせて何種類ものお酒を飲むなんて習慣がありませんので面白いそうに思いました。赤矢印がお酒。
これだけお酒が付いていれば、料理そのものは半額ぐらいなのかもしれず、あまり期待しないほうが良いかもしれないと思いました。
まずは生ビールで乾杯。サントリーモルツ。
乾杯の時の話。
長男 「30年?良くそれだけもったね~~~」
ヨメ 「ホントよね~~」
ダボ 「それもこれもアキ(長男)、ヒデ(次男)がいたからだ。有難う。お前たちには本当に感謝している」
ヨメ 「うんうん」
な~~んて結婚記念日だか、子供たちの感謝デーだかわからなくなりましたが、長男は恥ずかしそうに笑っていました。でも「子は鎹」って良く言ったもんで、彼らがいなかったら500%、我々夫婦は別れていたと思いますもの。(笑)
まず最初に来たのがメニューに書いてある通りの、ヒラマサのMiso Ceviche。ミソセヴィッチェってなんだ?わけがわかりませんでしたが、要はヌタでした。それも柚子風味。激ウマで、3人でびっくり。ヌタと言ってしまえば田舎料理みたいな感じになりますが、こんな美味しいヌタは食べたことがない。上に乗っているのが細かく切ったジャガイモでこれがまたパリパリで美味しい~~。
これで3人分。(笑)
この料理と出てきた酒は、なんとワイン。それもリースリングです。
ヨメ 「美味しいね~~。でもリースリングワインと合うのが不思議。」
男共 「うんうん」
長男 「どうせお酒は足りないから何を頼む?日本酒も色いろあるみたいだよ」
ダボ 「どんなのがある?」
長男 「聞いたことがないものばかりだわ。ところでオヤジ、バジェット(予算)は?」
ダボ 「今日はそんなものがあるわけないだろ。うまそうなのを頼めよ。(ヨメさんの方を向いて)だよね~~?」
ヨメ 「だよね~~~」
長男 「マジ?」
ダボ 「嘘に決まってるだろ。ばーーか」
長男 「ったく・・・。どれにしようか」
ヨメ 「なんでも良いから早く頼んでよ」
ダボ 「あのねー、アルコールが入っているならなんでも良いみたいなことを言うなよ」
長男 「ったく、アルコールの点滴でもしてもらったほうが良いんじゃないの?」
ダボ 「それ、メニューにないか?」
長男 「ああ、このホウレイザンとか言うのが美味しそうだ」
ヨメ 「やだーーそれはやめて。ホウレイセンみたいじゃないの~~」
ダボ 「びったりじゃんか」
ヨメ 「嫌だ。絶対に嫌。」
長男 「じゃぁ、これにしようか。枯山水だって」
ヨメ 「うんうん、なんでも良い」
ダボ 「お前、高いから美味しいってわけじゃないんだから、その辺、考えろよ」
長男 「わかってますよ~」
てな会話の後に来たのがこれ。
初めて飲んだ酒で、美味しいことは美味しいけれど癖があると思った。でも長男に言わすとこの癖がオージーには受けるとのこと。我々夫婦としては飲みやすくてグイグイ行ける日本酒のほうが好きで、「上善如水」みたいなのがあれば文句なし。でもそういう飲み方は飲兵衛の飲み方で、「味を嗜む飲み方」ではないんですとさ。悪かったね~。
でもワインリストを見てみると日本酒がズラーっと並んでいるものの、日本みたいな辛さの度数が書いてあるわけではなく、ワインみたいに「フルボディ」とか「ライト」、肉に合う、刺し身に合うという分け方。こういう分け方はやっぱりオージー向けで、こういう分け方を意識したことの無い私としては面白いと思いました。
次に出てきたのがこれ。オーシャントラウト(海で育てたニジマス)の刺し身、カルパッチョみたいな。
ダボ 「確かにこれ、美味しいけど・・・」
長男 「最初に出てきたらずっこけるね」
ヨメ 「でもソースもちゃんと考えているし、さすがだと思うわ」
料理と一緒に酒が出てくるはずなんですが、5分10分ずれるんですよ。彼らが選んだ酒と一緒に食べたいのに、お預け状態。これがどの料理でも同じで、何度かウェイターに「お酒は?」って聞くことになりました。
お次がこれ。酒が来るまで待っている間にヨメさんがチェック。「これお寿司みたいに見えるけれど、このご飯、お焦げだわ。」ですと。
食べてびっくり。こんな美味しいものがこの世にあるかと思うような美味さ。(笑)
長男 「これってやっぱりお寿司って呼ぶのだろうけれど、良くこんなのが考えつくよね」
ヨメ 「私も初めて食べた。美味しいね~~~~~」
ダボ 「お前、こういうの作れる?」
ヨメ 「お焦げだけじゃなくてXXXの醤油漬け(忘れた)とかXXが入っているけれど、こういう微調整って出来ないと思う」
ダボ 「そっかぁ。お前が作れるならマグロを買ってきて【お焦げ寿司パーティ】でもやろうと思ったのに」
ヨメ 「そんなに食べたいのなら、お代わりするなり、ここへ来てまた食べれば良いじゃないの」
ダボ 「・・・・・・・・・」
しかしこのお寿司、本当に美味しくてこれだけ食べに来ても良いと思うくらい。次に来る料理が楽しみ~~~。
でも次に来たのはイカのフライ。
なんだかテンションが下がって3人共無口に。
この店って外人向けで、コースに味噌汁があるんですが、一番最初に出てくるようになっているんですよ。これって冗談じゃなくて、味噌汁だけ真ん前に置いて飲む(食べる)なんてことは死んでもしたくないし、味噌汁はミソスープだけれど洋食で言うスープとは違うわけで、どうしてもこういう出し方をする和食店は許せない!
なーんて言ってもしょうがないので、オーダーする時にミソスープは途中に持ってきてくれと頼みました。ご飯と一緒にって。
そうしたら、オカズは何もないのに、ご飯と味噌汁が・・・。orz
頭に来たので味噌汁とご飯を混ぜて猫マンマにしてやろうかと思ったのですが、それは我慢して味噌汁とご飯だけ食べました。(笑)
その後に出てきたのが、キングブラウンマシュルームですと。そういうキノコは知りませんが、どう見てもエリンギ。
そして鶏の焼いたもの。
なんだかどんどんテンションが下がって来てしまいました。でも確かに美味しいんですよ。鶏肉キチガイの私でもこういう風に鶏を焼くのは出来ません。ちゃんと焼き目が付いているのにフワっとしてジューシーな焼き上がり。ソースも美味しいのだけれど・・・・。
料理に関する話題は3人の中ではほとんど出なくなって、でもお酒も回ってきてバカ話の連続で盛り上がっていました。
そしてデザート。
我が家は全くデザートは食べない家族で、デザートの名前も知らないし、その良さもわからず。自分が好きか嫌いかの判断しか出来ず。でも美味しいことは美味しかった。
皆で適当に酔っ払って話は盛り上がったのは良かったです。でもこのコースを頼んだのはやっぱり失敗かもです。この店ってメニューを見るといろいろあってかなり面白そうなんですよ。でもコースからはその面白さはわからない。周りの客を見てみると、やっぱりちょっと変わったものを頼んでそれをみんなで食べて、あとは「酒を呑む」って感じですかね。この店をやっぱり和食店と考えちゃだめで、やっぱり今時の洋食レストランですね。バーと捉えるのも良いかもしれないし、お腹をすかして行く店でもない。
こんなお寿司とか。
こんなお刺身とか。(多分これだけで500ドル超えでしょうね。真ん中はキャビア)
こんな焼き魚とか。
こういう一品を頼んで食べて呑んだら面白いと思う。でも酒代を入れて一人最低300ドルぐらいは覚悟しないと楽しめないかもだ。
実はこの日は記念日ですからそのぐらいは覚悟していたんです。でも結果的にはトータルで600をちょっと超えた程度。(飲兵衛の)ヨメさんはもっとお酒を~~~って言い出さなかったし、(大食いの)私も量が足りないと思わなかったし、あの途中で出てきたご飯と味噌汁に救われたのかもしれない。(笑)
でもやっぱりこの店は「オージーのための店」って感じがします。ゴールドコーストの有名店の「天」もそうだし、世界的に有名な「Nobu」もそうだし、和食店だと思って日本人が行くと「あれ?」って思うのね。
日本食に飢えている我々としては、そしてやっぱり歳を取っているんでしょう、昔懐かしい「小料理屋」に行きたいです。無口な板前としっかりものの女将が居るような店。そして出し物はもちろん日本の伝統そのものの和食。常連になると何も注文しないのに、さっと大好きなものを出してくれて、「今日は最高のタコが入りました」なんて「タコぶつ」を食べてヒーヒー言いたいなぁ。そしてそんな日本の文化を息子たちに教えてやりたい。
話に夢中になっていると女将に「早く食べないとお刺身が腐っちゃいますよ」なんて言われてね。(笑)
クアラルンプールが楽しみだなぁ。少なくとも和食に関してはゴールドコーストより上だし、材料も良いのが入っているのは間違いがないし、日本から離れて久しい我々にはびっくりする和食ばかり。「日本と同じ」なんて言われる高級店もあるし、そういうところに通うことは無いにしろ、存在するというだけで安心するのね。
たまに「清水の舞台から飛び降りてみる?」なんて特別な日に行くだけで、幸せいっぱいになれると思う。
マレーシア、楽しみだなぁ・・・・・
Kiyomi | Jupiters Gold Coast