読者の方から、今の日経平均の動きをどう読むのかというご質問がありました。
とりあえず今の時点ではこんな形。Nikkei225 CFD Day chart。
もしこれが日中の一分足ならあまり難しく考えること無く、下げトレンドの中の下げ波動で「まだ下がる」と読むのが普通。かなり勝率は高いと思います。ただし、「今から出撃ではない」のは当然で、下がるべき場所で下がってきたこの下げ波動の頭で売って、どこで手仕舞うかを考えるような場所。
ところがですね、日足の場合は読み方が違うんですね。日足、つまり毎日毎日新しい情報が出てきますから、それひとつで方向性がガラッと変わることが多い。ザラ場の1分足ではそういうことってまずないですが、日中足はいつなんどき何が起こるかわからない。
今回の下げはイギリスのEU離脱が発端でしたが、これはショックと言っても良く、落ち着いてくると戻る可能性が高い。また離脱そのものはまだ先の話ですし、今の時点で「はっきり世界経済に悪影響がでる動き」があるわけじゃないし、逆に将来の為に「良い対策」が出るかもしれないわけです。つまり、あのショック時の下げは「突っ込んだだけ」と見ることもできる。
と仮定すれば、突っ込んだ次の日からの上昇波は大きなトレンド変換の第一波で、今の下げ波動は「上昇トレンドの中の修正第二波」と見ることができる。そして次に来るのは「上昇第三波」で「見逃すべきではない波動」となる。
この可能性を考えないとならないから日足は面倒だと私は思うわけです。
つまり、それを考えると今の小さな下げ波動を追いかけ続けてはならないことになりますし、次に来るであろう上昇波が非常に大事なポイントとなる。今の下げ波動より次の動きに注目しなくてはならない。
でも今の時点では「大きな下げトレンドの中」と見るのが普通ですから、その上昇第三波が来ると予想して買い準備をするのは「早とちり」かもしれない。当然、陽転時に出撃したとしても、それは逆張りになるわけです。上昇トレンドに転換するとすれば、最高の場所でのロングとなりますが、今の時点では上昇に転じるとは読めないわけですから「逆張り」になるんですね。ギャンブルです。
でも今の下げ波動は市場参加者が「イギリスのEU離脱の影響」の様子を見ている動きですから、この下げの力が弱ければ次の上昇波は強く出てくる可能性がありますからやっぱり難しい場所。
ですから、順当な線では、今の下げ波動を注視しして「下げ止まりが見えたら」すぐにショート玉は撤退。そして次の上昇波動の動きを見て、それが強そうなら乗らなくてはならない。でも慌てて乗るべきでもなくて、直近の高値を超えられるかどうかを見るのも一つの手で、超えてきたらロング出撃するのが妥当じゃないですかね。
今の時点で「どう読むのか」とご質問を頂いたということは、今が微妙な場所にあるのがわかるからなはずで、きっと今後の見方は私と同じじゃないでしょうか。
でもどうなるかそれは神のみぞ知ることでありますから、想定した動きが来た時にだけ出撃し、そうじゃなければ見逃しして見ているだけが良いと思います。無理やり上だ下だと決めて「常に出撃」するようなことはなさいませぬように・・。
「自分の得意なパターン」にハマったと思う時だけ出撃すれば良いのであって、常に将来を読んで出撃するなんて馬鹿なことはなさりませぬように・・・。
でもそれを待ち続けるのは簡単じゃないんですね。下手をすれば何ヶ月も見ているだけになりますから。でも適当なところで出撃するとやられる。私がなぜデイトレを薦めるのかはこういうことなんです。デイトレなら一休みしている間にどんどんチャートの形は変わってきますし、出撃チャンスはいくらでもありますから。
どちらにしても今週の動きは非常に大事だと思います。
でも私の手法ですと、今の小さな下げトレンドが上昇に転じだとしても、大きなトレンドを見ている雲(一目均衡表のアレンジ)の下にあるわけですから、「ここでは買わない」というルールがあります。つまり、今日明日、あるいは今週中に上昇に転じたところで、そこで買いに入ることはない形です。もしこれが一分足だとしたら、やっぱり「下げ続けると見る」スタンスは保持で「売り場だけを探す」ことになります。
日足でチャートを見る場合、チャートに出てくる力関係だけを見るわけにはいかないんですね。こんな時に「良いニュース」が出るだけで流れは変わりますから。でも何も出てこなければまだ下げ圧力は消えていないでしょうから更なる下げを考えないとなりませんし、自信を持って買いだの売りだの言える場所には「私には」見えません。
基本的には為替の動きも同じで、この辺で安倍さんも黒田さんも何かしないとならない場所に来ていると思います。でも何もなければまだまだ下値はあると考えるべきで、直近の最安値(円の最高値)が更新される可能性もあると思います。
現時点でのショートポジション維持は正解にしても、それを追いかけ続けて良いのかどうかは疑問な場所。