あの件ですが大人の対応、解決があったようですね。
当の本人同士がお互い主張し、分かり合えることがあったのなら第三者の私がその件に関していうことは一切ありません。
私としては関係ない私が横から突っついて邪魔をしたとは思っていなくて、ブログを書くもの同士、一線を超えてはならないという声を上げたことに関しては良かったと思いますし、あのような形で突然、特定の個人が大衆の面前に引っ張りだされ、断罪されるようなことはあってはならないという考え方に変わりはありません。たとえ明らかに犯罪が行われたと思えることがあったにしてもです。でも無視しろ、口を出すなってことじゃなくて、「手順に問題がある」と私は思っただけ。
だからブログやコメント機能やメールが送れる状態にしておくのは大事だと思っていて、おかしいと思ったらまずコメントやメール機能で「本人に聞いてみる」ところがスタートだと思います。
ま、どちらにしてもこの件は大人の対応があったのが見えますし、私がこれ以上とやかくいうことはありません。
ここであの件に関することは終わり。これから先は我々があらゆる物品をマレーシアに持ち込む際に一体どうなっているかの話。
今回の件は、自分でもかなりあやふやに理解していたことをかなり詳しく調べ、マレーシアの現状が理解できたキッカケになったのは良い点です。問題の食品を含む物品の持ち込みに関してですが(牛肉は氷山の一角)、ここは調べれば調べるほど「はっきりしない」のがわかってきました(笑)。結局私が知りたいと思うところまでは到達できませんでしたが、これがマレーシアなのかという点が見えてきたということ。
特に牛肉に関してですが、これは世界中でBSEや口蹄疫の問題があり、自国産業、国民の安全を守るために規制がある国は多い。オーストラリアの厳しさは異常なくらいで「牛肉に関係するものすべて」が絶対に持ち込みできないようになっています。日本も同じで、いや日本はオーストラリア以上に厳しい面がある国で「牛肉だけでなく全ての肉(牛、豚、鶏等)、肉製品」の持ち込みが制限されている。ただし、肉製品には幅があって、オーストラリアほど厳しくはない。つまり肉製品であるハムやベーコン、ソーセージは規制対象であるけれど、ビーフブイヨンのようなものまで規制対象とは書いていない。でもオーストラリアはそれも駄目。では非常に厳しいオーストラリアは牛以外の肉はどうかというと、日本ほど厳しくない。
つまり、牛肉の輸入・持ち込みが「良いのか悪いのか」の2つに一つかということではなくて、国によって「肉、肉製品の全て」「牛は絶対に駄目だけれど、他の肉は良い」とか、厳しい制限がある日本でも特定の地域からの肉に関しては証明書の添付があれば良いとか、オーストラリアのように証明書があろうがなかろうが駄目なところなど、国によって制限の中身を見ると全く違うのがわかる。
ま、ややこしいのは間違いがなくて、だからとにかく「牛だろうがなんだろうが肉製品を持ち込まなければ良いんだよ」という考え方もあるのは確か。これはオーストラリアがそうで、他の食品に関しても五月蝿いお国柄もあって「オーストラリアには【全ての食品を持ち込んではいけない】」と思っている人が多い。ガイドがそう説明することもある。でも現実的には冷凍の海産物でも干物でもあるいは他の食品でも殆どの物を持ち込むことが許されている。じゃぁ肉以外なら良いのね?というのも間違いで、「たらこ」の持ち込みは問題がなくても「イクラ」は駄目だったり、それはそれは細かい分類がある。
これを「旅行者」が理解することはまず不可能だと考えるのは妥当で、多くの旅行者の面倒を見るガイドや旅行会社は「とにかく食品は駄目」という説明をするのもわかります。
でも真実は違うところにあるし、旅行者と在住者は違うわけで、規制の細かいところまで知っていれば持ち込みにしても送付にしても現地にはないものを入れることは出来るので、多くの在住者はそれに詳しいのが普通。
さて、マレーシアは?
ここでオーストラリアに来る旅行者のように「とにかく何も持って入らないのが良い」という考え方もある。「いやいや、肉・肉製品以外は大丈夫」とか「肉全体じゃなくて牛だけ気をつければよいんじゃない?」とかいろいろな意見が出てくる。
さてどうしたら良いのか。答えは簡単で、マレーシアの規制を調べれば良いだけの話。
ところがですね、これを調べてもはっきり規制が書いてある公式サイトが見つからないんですよ。輸入に関してはそれなりに出てきます。でもその輸入に関する情報も非常に大雑把で他国のものと比べると驚くほど。そしてここははっきり理解しないとならないのは、業務としての輸入と個人が個人の使用範囲で持ち込むものとは規制がまるで違うのが普通だということ。当たり前といえば当たり前で、輸入は大量にそして全国津々浦の販売店、家庭に出まわるのを想定して厳しくなっているけれど、個人の使用範囲は限定されているから甘いのが普通。
これは上に書いた「(牛を含む肉)の持ち込みに厳しい日本」も同じで、個人の持ち込みなら特定の国からの証明書があれば良いとなっているものの、輸入となったらその厳しさは半端じゃない。オーストラリアも同じで、刺し身だろうがタラコだろうが個人が持って入れるものはいくらでもある。ところが業務の輸入となったら話は別なんですね。
これはどこの国も同じでマレーシアもそうだろうと想像しています。
でもマレーシアの場合、業務としての輸入の場合の制限は大雑把なところはわかるけれど、個人使用枠ならどうだという記述は全く見つからない。唯一、見つけたのは「個人が使う医薬品」に関してだけ。これは命に関わることで重要度緊急度が非常に高いので、「個人が使用する1ヶ月分」なら持ち込んでも良いと明文化されている。ま、この辺はどこの国でも似たようなもの。
先進国ではこれと同じように、他の物品でも「個人使用の少量ならOK」というものがいろいろあるのが普通。日本も同じ。
さて、マレーシアは?
これに関しては調べても何も出てこない。不思議なくらいです。
牛に関しては、日本やオーストラリアは証明書を出していますから、それがあれば大丈夫かな?とは思うもののそれに関する記述もない。日本の場合は特定の国からの証明書付きなら持ち込めるので、マレーシアもそうだろうと思ったら大間違いなんですね。オーストラリアみたいに証明書があっても駄目な国がある。だからやっぱり「マレーシアの規制そのもの」を調べないかぎり他国と比べても全く意味がないわけです。ただし、日本の情報を見るとマレーシアは「日本からの肉の輸入禁止国」にはなっていない。
でもその規制をマレーシアサイドで調べても出てこない。どこかに必ずあると思うのですが、どれだけ調べても出てこない。旅行者が見るであろう飛行場の情報を見ても出てこない。
これはかなりひどい状況で、食品だのなんだのとは別に「絶対に持ち込んではならない禁制品」ってあるじゃないですか。麻薬だったり銃であったり。その記述さえすぐに分かるようにはなっていない国。税関のサイトにそれを書いたページがあるのですが、これも酷いもんで、メニューから探していくと内容は書かれておらず「This page will be made available soon.」と出ている。ただし、検索するとそれが書いてあるページが出てくるんです。だからそれを見れば良いとは思うのだけれど、公式サイトでそれにリンクを貼っていないということは、何か理由があるはずなんですね。内容の変更があるのかもしれない。
この禁制品って非常に重要で、これはいかなる理由があっても持ち込み不可なものだから、普通の国ではどこにでも目のつくところに出ている。旅行案内、飛行場の情報、ありとあらゆるところにあるのが普通。でもマレーシアの場合、「禁制品は持ち込むな」とは書いてあってもその内容が書いていない。
これはネット上の情報開示が進んでいないということだけじゃなくて、マレーシア独特のお国事情があるんじゃないかと思うんです。というのは今まで経験したMM2Hビザしかり銀行しかり、書いてあることと実際の運用が違っていたり、それがすぐ変更になったり、「聞く相手によって違う」ことも出てくる。おかしな国だなと思って調べていくと、多くの場面でそういうことが起きているのがわかる。
ここは法治国家に生きている我々としては非常に理解に苦しむ所なんだけれど、人脈とかネゴで結果が変わる国なのは間違いがなさそう。
さてさて、話は物品の持ち込みに戻りますが、ここでも似たようなことが起きているであろうことは想像できます。
ただMM2Hのビザ関連や銀行のように「自分の都合の良い方にやってくれるならそれで良いじゃん」ってわけには行かないと思うんですよ。どんな分野でも担当によっては「駄目なものでも通してくれるケース」って非常に多くて、私もすでにブログには書けないことを経験した(優遇してもらった)ことが何度かあります。それも「貴方には特別20%オフします」みたいなレベルじゃなくて「これって違反じゃないの?」と思うような内容。それがあちこちで起きている国。警官に対する賄賂も同じ。
だったら「うまくやっちゃえよ」ということは絶対に言わない私であるのはこのブログの読者なら十分わかっているはずで、多くのMM2Hがやっているはずの「関係部署に出す届出を操作することによって国保を使えるようにする裏ワザ」とか「脱税に関すること」とか、あるいは「お酒、タバコの免税範囲以上の持ち込み」に関しても「黙っていれば見つからないよ」ということは一切書いたことはない。
ではなぜ今回、肉・肉製品を持ち込んでも大丈夫だと私が思っているのか。
この答えは簡単なんですよ。個人枠でも「規制がある」という記述がどこにも見つからないから。
ただ事実はどうか想像するのも簡単なんですね。多分、駄目だろうと思う。多くの国がそうであるから。でもこれも想像でしかないんですね。
ここで発想の転換をして、「何を持ち込んで良いのか」という視点から調べてみると、参考になるのは「禁制品」なんですね。「持ち込んではいけないもの【以外】は持ち込んで良い」と判断するしか無い。
ただし、ここが重要ですが、禁制品だけれど「関連部門の許認可」があるものは良いというのがある。これは「Custom(税関)」のサイトで見つかった。上に書いたのがそれですが、このページも検索では見つかるけれど、メニューを伝って行くと表示されないという摩訶不思議なページ(ここをクリック)。
その内容はこれ。
The importations of goods specified below are prohibited except under an import licence or permit from relevant authorities:
Egg in the shells.
Any meat, bones, hide, skin, hoofs, horns, offal or any part of the animals and Poultry.
Live animals-primates including ape, monkey, lemur, galago, potto, and others.
Explosives and Fireworks
Imitation arms, toy gun / pistols.
Imitation hand grenades.
Arms and ammunition other than personal arms ammunition imported by bona fide traveler.
Bullet proof vests, steel helmets and other articles of clothing as protection against attack.
Soil and pests including live insects, rats, snails, and cultures of plant disease causing organisms.
Safety helmets (except as worn by motorcyclists or motorcycle pillion riders).
Video machines excluding game watches and video games for use with television receiver.
Motor vehicles.
Batik sarong.
Rice and padi including rice products.
Equipment to be connected to a public telecommunication network.
Radio communication being used for telecommunication in the frequency lower than 3000 GHz.
Saccharin and its salt.
Parabola antenna for outdoor use.
Pests and organisms which are capable of being injurious to plants.
Live fish.
Animal oils and fats.
Plants include parts and plant products.
Household and agricultural pesticides.
Electric domestic equipments that use 50 volt or 120 volt Dc or more
Toxic and/or hazardous wastes.
Corals, alive or dead.
Apparatus/equipment for the brewing of beer in the home.
Pharmaceutical products
「動物、家禽類の肉、骨等」はライセンスか許可が必要だと書いてある。だからそれがなければ「持ち込みも禁止」であろうことはわかる。ここで一歩踏み込んで考えないとならないのはここに書いてある「ライセンスや許可」のこと。関連部署からのものと書いてあるけれど、それってどこなんでしょうか?
(後記)これに関してはブログ友達のリコヨンさんが教えてくれました。恐ろしく面倒くさい文書の中に書いてありました(ここをクリック)。ライセンスはワイルドライフなんちゃらかんちゃら(笑)というところからもらい、許可はMAQIS、検査もMAQIS。(/後記)
これを「日本、オーストラリアなどが発行した証明書」と考えるのは早とちりで、私はマレーシアの関連部署の許認可と考えるべきだと思っています。他国は関係ない。他国の証明書は単なる添付書類の一つ。あるいはその証明書もいらないかもしれないし、他の書類が必要かもしれない。でもその記述は見つからない。上に書いたことを思い出せば、日本は日本の独自の「特定の国」を決めているし、その他の国は証明書があっても駄目。またオーストラリアはどんな国の証明書があっても駄目。だからマレーシアにはマレーシアの決まりがあるわけで、それを知らなければどうにもならない。またどんな国も「あの国はこの証明書があれば大丈夫だ」なんてことは言えないんですね。一つのガイダンスにはなりますが、それを断定したら越権行為になりますし、他国の一部署がそのリスクを取ることは絶対にしない。そんなことはないと思うのであれば「駄目だったら責任をとってくれますね?」と聞いてみればすぐわかる。
ではこの規定の詳細を調べてみようと思うと、またそこで壁にぶち当たるわけです。見つからない。orz
ここで一つのブレイクスルーがあるんじゃないかと私は想像するわけで、それは上のリストで赤文字になっている「医薬品」。これも肉類と同じで許認可があれば良いとなっている。しかしこの医薬品は「個人が使用する一ヶ月分はOK」という特例があるわけです。
医薬品と肉は違うと読者からコメントを頂きましたが、それはその通りで、重要度緊急度がまるで違う。でもこれは同じ「税関」がコントロールすることで「検疫」とはまた別の話なんですね。で、他国では普通にある「個人使用枠なら認める」ということが他の物品にもあるだろうと想像するわけです。
でもそれに関する記述は出てこない。書いてあるのは「医薬品」だけでそれ以外は見つかりませんでした。
ということは他の商品はここに書いてある通り「許認可が無ければ駄目」と考えるのが論理的だと思います。リストを見れば、許認可がなければ個人使用だとしても駄目なのがはっきりわかっている「自動車」もありますから。
ところがよーくリストを見てください。今まで多くの人が持ち込んでいる物品、全く気にしていない物品もここに書いてあります。
○ スマホ、通信可能なタブレット、電話機、モデム、ファックス、通信機能付きパソコン Equipment to be connected to a public telecommunication network
○ 殺虫剤
○ 米、米製品(煎餅もこれに入る)
○ ビデオ機器
○ サッカリン
○ 電化製品(50ボルト、120ボルト(日本製品はこれに該当するかどうかわからず)
これらの物品を許認可を取って持ち込んだという話は私は一度も聞いたことがないし、日本から持ち込んだなんて話は山のようにある。
そしてこれらと同列に並んでいるのが「肉類」だということ。
論理的に考えれば、スマホも殺虫剤も米も電化製品も駄目なんだから「持ち込むべきではない」。持ち込んだ人は「密輸の可能性がある」と断罪されるかもしれない。
でもなんかおかしいなぁって思いませんか?スマホも煎餅もダメなんですよ。
私が「想像」するに、これらのリストは「輸入に関して」じゃないかと思うんですよ。だとすれば許認可が必要だというのは全くそのとおりでしょう。では「個人使用」の場合は?これがわからない。
ここでここを読んでいる方々の考え方が幾つかに分かれてくるはずなんですね。
1 ここに書いてある物品は持ち込むべきではない。
2 個人使用の少量なら良い物もあるのではないか。
3 とにかく持ち込んで、駄目と言われればしょうがない。
番外編として、「黙って持ち込めば良いんだよ」。(笑)
多分、正解は1なんでしょう。何が正しいのかという議論になれば、そりゃ1に決まっています。
でも私としては「現実的に」考えようと思うわけです。だから2番か3番の考え方を取ります。
つまりですね、許認可が必要と書いてあってもそれは業務としての輸入であろうというのが分かる場合は、2番3番の考え方があっても良いと思うんです。絶対に駄目な禁制品じゃないんですから。だから私は「肉の持ち込みも大丈夫だろう」と想像しているわけです。ただ肉と言ってもいろいろで、私が考えている肉とは「牛肉」で「生」の物だけではありません。豚、鶏、その他の動物のジャーキー、缶詰、肉入りスープ、牛コンソメ、そしてありとあらゆる肉から派生した物品です。
(牛肉に関しては日本なりオーストラリアから輸出許可証、あるいは証明書が付いたものをマレーシアに持ち込めばすぐわかりますね。マレーシアの法律ではマレーシアの許認可がないと駄目だというリストに肉が入っていますから、もし輸出許可証だけで持ち込めれば「個人枠の特例がある」という証拠になります)
私としては「スマホ」や「煎餅」は持ち込んでも問題がない(と考えがち)のなら、ビーフカレーのレトルトだって良いと思うんです。
いやいや、問題は牛の生肉なんだよと思う人は、牛の生肉は何か特別なものだと思う先入観があるんじゃないですかね。例えばBSEが問題になって輸入も持ち込みも止めるときには、牛由来の一切のものをストップするのが科学的で、実際にそうしますよね。BSEが問題になった時に、日本ではアメリカからビーフカップヌードルも持ち込めなかったはず(今でもそうなのかは知らない)。そして何度も書きますが、オーストラリアでは牛由来のもので煮汁が一滴でも入っていたら駄目なんですから(最近OKなものも出てきた様子)。
先入観を持たず、結論ありきで考えるのをやめた時、皆さん、どう考えますか?
とにかく牛の生はだめなんだよというのなら、それをはっきり書いてある公式サイトなり、文書なり見ないと何もわからないんじゃないですかね。
それがなくても駄目だというのなら、スマホも煎餅も駄目だと声を上げるべきじゃないですか?日本からスマホ、パソコンを持ち込んだと書いている人を探してみますか?凄い数なはず。
とにかく面倒なことが嫌なら、肉類、牛の生肉はもちろん、肉由来のものが入っている製品(即席ラーメンを含む)、スマホも、米も、殺虫剤も、電化製品も何も持って入らなければ良いという考え方もあるでしょう。それはそれで良いと思います。
でも私は「持って入れる可能性」を捨てたくないんです。スマホはもちろんそうだし、お米もそうだし、煎餅もそうだし、米由来の和菓子しかり、日本には良い殺虫剤もあるし、そして、そして、肉類も持ってこれる可能性を捨てたくないのです。私自身は日本、オーストラリアから牛の生肉を持ち込む必要があると思っていませんが、マレーシアには存在しない牛由来の調味料なりなんなり、持ち込みたいものはいろいろあるわけで、それを簡単に諦めたく無いのです。
多くの人はそう考えているはずで、日本から煎餅を買ってきたり、高級米菓子のお土産をお裾わけしてもらったり、美味しいお米を持ってきてもらった時に、「これは違法だ・・・」「密輸に加担しているのか・・」なんて考えたく無いと思うはず。日本から持ってきたスマホを使っていたら、突然、「お前は違反行為をしている」なんて公衆の面前で名指しで言われたくもない。
だから「牛肉の冷凍を持ち込むのは良いのか?」という問題提起そのものは間違いなく良いと思うんです。それを発端にして、米や煎餅、他の食品はどうなんだ?と考えるキッカケになりますから。
ま、そんなことを考えていて、私の中ではまだまだ結論は出ません。ただし、「検疫所で牛肉を持っていると申告する義務はない」と思っています。マレーシアの法律では「すべての物品が検疫対象」であり、申告しろという記述はどこにも見つけることが出来ませんでした。申告するしないは我々の問題ですが、当局は「全物品が検査対象」と言っているわけですから、申告するしないは関係ない。
このブログの読者の皆様に私が願うことは、「黙ってりゃわからないんだから・・」という考え方を基本にし、「ブログに持ってきたと書く奴がバカなんだよ」という方向には行かないで欲しい。危ないこと、誰かに突っ込まれそうなことは書かないってのは私だって考えますが(笑)、でもそれを気にしすぎたら何のためのブログかって私は思うんですよ。
それとも、日本からスマホやパソコン、殺虫剤、お米、お煎餅、米菓子、電化製品を持ち込んだとブログに書いた人は今まで多くいましたが、こりゃ大変だと、慌てて削除しますか?また、皆さんの身近に、お煎餅をお土産であげたら「違反しましたね?釈明してください」なんていう友人がいたらどうします?
白黒付けないとならないことはあると思いますが、マレーシアというお国柄のせいかはっきりわからないところはそれなりの対処の仕方があるはずで、正論をぶちまけてはっきりわからないことに無理やり白黒つけるのを私は受け入れようとは思わないのです。
じゃぁ一体全体何がどうなっているのかを考えた時に、私の頭によぎるのは私が経験したMM2Hビザ関連の出来事なんです。法律上あり得ないことが起きました。サインはもらえないはずなのにもらえた。この詳細はここには関係者があることなので書きませんが、これは一度や二度じゃなくて「一体法律はどうなっているんだ?」と思ったことは何度もあります。
我々にしてみると「法律は守るべきもの」ですが、どうもマレーシアでは「努力目標」みたいな感じがします。(笑)
今マレーシアはでは大汚職スキャンダルが進行中ですが、あんな国の大事でも何か普通の国では考えられないことが起きているのは見え隠れします。
つまり、担当官の腹づもりで動く社会。そんな感じがします。法律的には駄目でも許可書にサインをくれたらOKで、「俺が法律だ」みたいなところがある。(笑)
でも法治国家という概念が浸透せずに、法体系もしっかり出来ていない細かい規則まで作られていない国々っていくらでもあるわけで、その代わり現場の担当官に大きな権限を与えて問題を処理するという傾向が発展途上国にはどこにでもある。ま、それが贈収賄の温床になるわけですが、まさにマレーシアはそういう国だと思います。
だから法律の細かい取り決めがどこにもないのなら、現場の担当官に聞くのが一番。でも昨日と今日は違うことを言うかもしれない。KLとJBとは違うこともあるんじゃないですかね。それをいい加減と思っては駄目なはずで、現実に即応できる体制を取っているという考え方もあるはず。
だから今回の牛にかぎらず、食品等の持ち込みに関しては「現場主義」で考えるのが良いと私の中では一つの結論を出しました。悪く言えば行き当たりばったりで、どうなるかの確証がない。
でもはっきり駄目だとわかったものは持ち込まないのは当たり前で、許認可が必要ならそれを取るのも当然で、黙ってやってりゃ良いのだよ、みたいなことを私は認めたくない。でも私は聖人君子でもないし、マレーシアに行ってビール一本飲んだら絶対に運転しない、なんて考えていません。
飲み会の後に運転して帰ったなんてブログに書く人は多くいますが、これは正論を言えば法律違反でしょう。あるいは警官に運転中止められて、その警官に100RM渡せば許してもらえるのかとか、スピード違反だったら30RMで済んだなんてのは「贈賄」なのは間違いがないわけで、自分の話ではなくて「聞いた話」としてもそういう話題は贈賄の相談、示唆みたいなものなのは間違いなくて、そういう話題は出すべきではないのか、それを書く人がいたら、贈賄の相談をするのか!と断罪するべきなのか、そういうことも含めて今回はいろいろと考えるきっかけになったと思います。
私としてはマレーシアという「現実」はどうなのかが一番気になるし、その中でどう生きていくのかを隠さず話すのは非常に大事だと思っていて、我々は光と影の中で生きているのであって、光の部分、綺麗事だけ並べてはならないと思うのです。
でも誰しも面倒なことは嫌いだから綺麗事ばかり並べるのが今の現状だと言える部分があって、マレーシアの物価は3分の1だとか、良いことばかり書いてあるのも根本的には同じだと思うんですよ。闇をあばくべきっていうんじゃないんです。我々は光と影の中に生きているという現実を隠すべきじゃないと思うだけ。
今回の牛肉問題は牛肉だけじゃなくて、スマホやPC、お米でも煎餅でも同じだし、黙っていれば良いんだよなんてことになれば、飲酒運転はほぼ大丈夫だみたいな話にもつながって行くし、またブログには何を書くべきか、何を書かないべきか、同じブログ主同士の関係はどうあるべきか、そんなことも考えさせられる出来事でした。
勉強になりました。m(_ _)m
(おまけ)
スマホが許認可が無ければ持ち込めないという決まりには驚いた方が多いと思います。でもスマホは問題はないだろう、肉とは違うと考える人がいたらとんでもない勘違いなんです。実はオーストラリアでもそうですが、この電話網につなげる機材ってかなり五月蝿いのが普通なんですね。海外製のわけのわからないものを持ち込まれたら広域電話網に障害が出る可能性があるからなんです。
これは私の身近で関係がありまして、モデムってありますよね。電話線とかケーブルにつなげてアナログ=デジタルの信号変換をする機器ですが、これがわけのわからない信号を送り出したり、出力が高かったりしたら広域の電話網に大変なことが起きるわけですよ。わかりますよね?
電話機、スマホでの実例は知りませんが、アメリカ製のモデム(オーストラリアに持ち込む許認可はないモデル。しかし何の問題もないはず)を使っていたIP業者が2万ドルの罰金を課されたことがあります。
だから、「牛肉を持ってきた」という人と「スマホを持ってきた」という人に何の差もないってことなんですよ。ネットに繋がるパソコンも全く同じです。危険度が高いから輸入には許認可が必要になっている。
余計なことはブログに書かないほうが良いと思っている人もいるでしょうが、スマホや(通信機能付き)パソコンに関してはノーマークだったんじゃないですか?
ことの重大さで言えば、私は「スマホなどの通信機器」=「牛肉」だと考えます。
さぁ、どうする?どう考える?
スマホやパソコンが大丈夫なんだから牛肉も大丈夫だってことはないと思います。でも牛が駄目ならスマホ、PCも駄目で、今持っているものは破棄しようと考えるならそれはそれで良いと思うんです。石部金吉で曲がったことが嫌いな人は自分の日本から持ってきたスマホは叩き割るんでしょう。あるいはスマホはマレーシアの飛行場でゴミ箱に捨てるんでしょう。持ち込んだら違反です。
だから私が思うことは、どんな物品だとしても「個人使用の範囲で認められるものがあるはずだから、それをしっかり確かめよう」ってことなんですよ。輸入の場合の規制だけを重視するんじゃなくて、他の方法もきっとあるんじゃないですかね。
もしスマホやモデム、ファックス、PCも許認可がない限り絶対に駄目だというのが判明したら、牛肉は持ち込まないのと同じ様に、スマホもファックスもPCもどうするか考えないとなりません。スマホだけは良いと自分に都合が良いように考えることは許されないはず。当然、日本から(ネットに繋がる)PCを持ち込むのも駄目。
だから、まずはしっかり調べることから入らないと駄目だと思うわけです。結果はどう出るか、それは分からないにしてもです。
個人使用枠の物品の場合は現場の担当官次第というのがわかればそれはそれで良いと思うわけです。
例えば個人枠でOKとされている医薬品だって、担当官が駄目と言ったら駄目だということも忘れてはならないと思います。異議がある場合には裁判に持ち込むしかない。私の友人で、睡眠薬を持ち込んだ所、駄目だと言われた。彼は簡単に通ると思っていて医者の診断書のたぐいも持っていなかった。でもその薬がないと困るのでゴネた所、別室に連れて行かれ、素っ裸にされて検査され、「あの薬はどうしても必要か?」と聞かれ「あれがないと困る」と言い続けたらOKになった、なんてこともありました。ちなみにこれは日本で起きたこと。一緒にグアムに遊びに行った帰りのことでした。
だから「余計なものは持ち込まない」のは正解でしょう。でもどうにか持ち込めるものは持ち込みたいと私は思うし、その方法を模索し続けたいと思っています。当然、法律に反することなく、です。これが基本。