沖ノ鳥島って島だったのか&南沙諸島のあれとは違う&日米の安保上の重要地点

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中国の南沙諸島の件でゴタゴタしていますが、それはそれとおいといて、日本の沖ノ鳥島に関して。

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場所的には非常に大事な場所で、もし沖ノ鳥島が消滅したら大変なことになるのは明白。

かつては、まぁ、島と言えば島だし、大きな岩と言えば岩でしか無かった。

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これがこのまま放置され海水の侵食でどんどん小さくなり、もし満潮時に海面下に沈むことになると日本の領土の主張ができなくなるので、侵食を防ぐ工事をした。

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これはどう見たって、私は「岩」だと思っていたんですよ。満潮時でも頭を出しているのは間違いがないから、中国の南沙諸島のあれとは全く違う。中国がこれにケチを付けるのは筋違いだと思っていました。

ところが中国の主張は「沖ノ鳥島は岩だ」というんですね。合ってるじゃないですか。話がおかしい。

で、調べてみたところ、なんと日本は沖ノ鳥島は島だと主張しているんですね。知りませんでした。こりゃどう見たって無理があるでしょう。でも島と岩って扱いが全く違っていて、岩は領土であるから12海里の領海は認められるけれど、島じゃないかぎりEEZ、大陸棚が認められない。こりゃ大きな違いで、そりゃ島として主張したいのはよく分かる。一番上の図の広い海域の権益がなくなるんですから。

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でもなんでこんな小さな岩にしか見えないものを日本は平気で島だと主張できるんでしょうか。おかしいと思ったので調べてみました。

領海だのEEZだ大陸棚だの権利を決めているのは「海洋法に関する国際連合条約」(国連海洋法条約)発効に併せて制定した「排他的経済水域及び大陸棚に関する法律」によると。(Wiki 沖ノ鳥島 クリック)

そこに書いてあるのは

第121条 第1項:島とは、自然に形成された陸地であって、水に囲まれ、高潮時においても水面上にあるものをいう。

第121条 第3項:人間の居住又は独自の経済的生活を維持することのできない岩は、排他的経済水域又は大陸棚を有しない。

あれれ、これを見たら沖ノ鳥島って「人間の居住又は独自の経済的生活を維持することのできない岩」になるんじゃないですかね。

ところが日本政府はこのように主張してる。

日本国政府は、「岩」の定義が同条約上に存在しないことを根拠に、沖ノ鳥島の排他的経済水域を主張している。

定義がない?どういうこと?

条約上では間違いなく「岩」という言葉は出ていて、岩とは「人間の居住又は独自の経済的生活を維持することのできないもの」と【推測】することは可能。でもこれは推測ができるということであって、「岩」の定義はない。そしてちゃんと存在する「島の定義」を見れば、沖ノ鳥島は島に間違いがない。

法解釈ではそれが成り立つんですかね。面白いですね~。でもやっぱりこれは微妙なところで、だから中国政府、台湾政府、大韓民国政府は「これは岩だ」と抗議している。そしてこれは岩だという学者はアメリカにもいる。それはそれで一理あると思いますよねぇ。しかし沖ノ鳥島に隣接していて一番関係が深そうなパラオ共和国は文句をいいそうだけれど、超親日国であるし、日本の主張にはアメリカとともに賛同している。

これを日本ではどう言われているか調べてみると面白い。

「この水域にはレアメタル(コバルト、ニッケル、白金など)があり、天然ガスを含むメタンハイドレードや希少なレアアースなどを含む高品位のコバルトリッチクラストが大量に存在している。だから島なのだ」という論法も見つけた。思わず笑っちゃいましたが、確かに単なる「岩」だと領土・領海だけで、領海は12海里しか無い。ところが島となれば200海里のEEZ、大陸棚が認められるので広大な海域を日本が独占できる。

いつの日か海洋開発の技術が発展した時に、この海域を日本が守れるか守れないかでは大きな差が出るんでしょうね。将来、海面の水位が上がるといの一番でこの島(岩)は消えてしまうはずだけれど大丈夫なんでしょうか。現時点では2つの島があることになっているけれど、満潮時に顔を出しているのはなんと6センチ、16センチしかない。

中国の場合は「岩か低潮高地」という日本より怪しいところに人工島を作っちゃったわけで、沖ノ鳥島と似ているようで似ていない。沖ノ鳥島はあきらかに低潮高地ではない。その中国がやりたい放題やるのなら、逆に、日本が「わが領土なのは間違いがないのだから、埋め立てをしようか」「中国が埋め立てを続けるのなら、我々も対抗してそれをやる」ぐらいのことを言っても良いと思うんですよ。地位がある人が言い出したらバカにされるだけだけど、中国はこれを聞いたら冷や汗モンじゃないですかね。中国は「自分の領土なんだから埋め立てても問題ない」というのなら、他の国のそれも認めるしか無いはず。沖ノ鳥島は日本の領土だというのはどの国も、中国さえも認めているんだから。

このまま年月が経てば、海面上昇で間違いなく水面下に消えるはずで、そうなったらEEZどころの話じゃなくて「領土、領海」を失う。標高6センチ、16センチじゃお話にならない。

島(岩)は小さいなんてもんじゃなくて、それこそ畳一畳二畳程度しかない。ところがサンゴに囲まれている地域はかなり広い。

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日本の叡智を使ってこれが常時海面の上に出るようにすることは出来ないんですかね。なんだかサンゴの生育を早めてそれをやろうと言う計画はあるらしいけれど、この広い面積が領土となれば3000m級の滑走路も作れるし、港湾設備も当然作れる。面白いことになるんじゃないですかねぇ。

超巨大な漁業基地、加工設備も作れる。

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地図を見ていると、いかにこの海域が重要かってのが見えてきますね。

中国は第一列島線を超えて太平洋に出て来たいのは間違いがなくて、その攻防が今行われているところ。沖縄から宮古島、石垣島、与那国島のラインを軍事的に強化して中国を出さないようにしているものの、このラインを突破したところにあるのがこの沖ノ鳥島。そしてその背後に控えているのが第二列島線でグアムがそこにある。

ということは第一列島線を守るための後方支援基地として沖ノ鳥島の重要度は半端じゃないはずで、もし将来、中国が言っているように第二列島線まで出てこようとした時には沖ノ鳥島が最前線となる。こりゃ絶対に何がなんでも守らないとうまくないじゃないですか。ここにもし米軍と協力して広域レーダー、対艦ミサイルを配備して、対潜哨戒機、そして潜水艦の基地を作ったら中国は動くに動けない。第二列島線までは出てこれない。

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アメリカにしてみればアメリカ領土のグアムの前に拠点ができればそれの利益は半端じゃ無いはず。アメリカが日本の主張を支持するのは当たり前ですね。

今の時点では尖閣諸島が危ないと言われているけれど、あそこを万が一取られても第一列島線の守りをしっかりしていれば大丈夫でしょう。また中国は台湾を必ず取ると断言しているわけで、台湾が取られれば尖閣諸島は全く意味がなくなる。しかし第一列島線を超えて太平洋に出てきた場合、沖ノ鳥島の場所は日米には最高の守りの拠点となる。中国にしてみれば邪魔なんてもんじゃなくなる。

ま、沖ノ鳥島に基地がつくれないにしても硫黄島があるし、あそこには民間人を入れないというのも将来の重要基地にする場合を想定しているってことでしょうね。

日本国内で尖閣の話をする時に、中国はあの海域の石油が欲しいのだとそれを全面に出すけれど、実は安全保障上、あそこを中国に取られたら第一列島線を抜ける拠点が出来てしまって大変なことになる。そんなことはわかりきったことなのに、それを言うと「戦争反対~~~」なんて声が高くなるし、言わないだけなんだろうけれど、まさか沖ノ鳥島が次の時代の重要拠点になる場所にあるなんて想像したこともありませんでした。すくなくとも有事の際に、あの海域に領海があるのと無いのじゃ大変な違いになる。

石原元東京都知事の時には彼が沖ノ鳥島に随分力を入れていたのはこういうことだったんでしょうね。全く、気が付きませんでした。そういえば、沖ノ鳥島の設備の更新工事も行われている様子。何が出来るんだろうか。

ああああ、中国大陸からもしグアムをミサイルで狙った場合、沖ノ鳥島の上を通るのか・・・。

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中国が沖ノ鳥島に文句をつけたいのはこういう背景もあるんでしょうね。なるほどなぁ・・・。あそこに日米軍の不沈空母、軍事基地でもできたらあの海域で中国は手も足も出なくなる。

こんな話題を出すと、軍事オタクか?みたいに思われるかもしれませんが、私は軍事オタクじゃありません。(笑)

ただ、中国は「核心的利益」を公言しているし、なぜ台湾を欲しいのか、尖閣が欲しいのか、そこを考えるのは大事だと思うし、まさか戦争なんて起きないと思うし、起こしてはならないわけだけれど、世界の国々は「まさかの想定」をしてシミュレーションは怠らないし、万が一の時の戦略を立てている。

日米でも様々な戦略が立てられて、どういう方針でやっていくかってのは決まっているわけですが、もちろんそんなのはメディアは報道しない。でも隠しているわけでもなくて、ちゃんと公文書で公開されている。で、これを日本国内では反発が起きるからどのメディアも話題にもしないけれど、この数年のアメリカの変化って恐ろしいんですね。なおかつトランプがあんな滅茶苦茶なことを言うけれど、実はあれもアメリカの戦略に沿っているのは間違いがないんですね。

つまり、有事の際には「日本は自分で守れ」ってことであって、もちろん日米安保もあるから助けるけれど、アメリカは全面には出てこないことになっている。そして現代の兵器の進歩はめざましてくて、特に近年言われているのが中国が開発した超音速対艦ミサイル。どうもあれからアメリカは自分の艦隊を防御出来ないようで、有事の際には第二列島線だったかな、空母は引き下がる事になっているとのこと。これは文書で誰でも見れるらしい。

アメリカが防御できないものを日本が防御出来るとは思えないのだけれど、アメリカとしては他国、東アジアを守るために多くの犠牲を出すことは出来ないわけで、安全を確保した上での応援しかしない。だから何か起きたらアメリカが助けてくれるなんてのはもう何年も昔からあり得ないのが公表されている作戦からそれがわかるようになっている。

この有事の際のアメリカと日本がどう組んで対処するかの話って表に出てこないけれど、それは常に日米で話し合われているんですね。もちろん自衛隊とペンタゴンで。その内容とか、一体中国が何を企んで動いているのかの分析もされていて、その内容を聞くと嘘だろ?って誰しもが思うはず。

だからこそ戦争の火蓋を切っては大変なことになるわけで、絶対にそれを阻止しないとならないのだけれど、それでももし中国が一方的に動き出した場合、今の日本の戦力では守り切れないのははっきりしていて、軍事費は米軍が助けてくれるにしても今の最低2.3倍から3倍は掛けないとダメらしい。潜水艦がキーになって日米はその分野で優位に立っているけれど、それは空との連携があって生きるわけで、対潜哨戒機や広域警戒機を飛ばせないようならそれも意味が無いとのこと。

でも費用対効果で言うと、潜水艦を増やすのが一番らしい。

だから軍事専門家はこのままじゃ大変なことになると言うのだけれど、大声でそれをいうことも出来ない様子。それはまさに「軍事大国になれ」ということでしかなく、政治家も国民の反応を考えれば、その話に乗れるわけもない。耳も傾けないと。

じゃぁ、何かが起きたら沖縄もどうぞと差し出すのか。そうなればいつか日本は占領されることはないにしても、中国の影響下に入る。でもアメリカは超長期戦略ではそれも想定していて、いつかその時代が来るのかもしれませんね。

ネトウヨの若い連中は、尖閣で日中がぶつかることがあっても数日間で日本が勝つとか、あの青山繁晴氏も似たようなことを言うけれど、自衛隊OBの軍事専門家はそんなことは言わない。また今の時点では中国にその実力は無いにしても時間の問題で、いつか彼らが勝てる自信を持った時に何をするかはわからない。あのポンコツみたいな中国の空母を笑っていてもどうにもならない。

まさか中国が日本に向けてミサイルを打つことは無いにしても、今の時点でもすでに標準を定めてミサイルは配備しているわけで、もし打たれたら日本は完全に廃墟となると。これは原爆を使わない通常ミサイルでも防御は不可能で、ましてやどこからミサイルが飛んで来るかわかっていても日本はその拠点を叩くことは不可能で、その場合は、アメリカが中国本土を攻撃する計画が練られているとのこと。もちろんそれは核ミサイルを意味するんでしょう。空母も近くには寄れないんですから。

そんなまさか・・って思うけれど、それだからこそ抑止力が働くんじゃないですかね。下手に喧嘩したら国が無くなる。

つい最近、アメリカのオバマ氏が「アメリカは核の先制攻撃はしない」と宣言する用意をしているという報道がありましたよね。平和主義者はそれをまた拍手で受け入れて、あの広島原爆記念碑の前での出来事を思い浮かべるのでしょうが、その報道が出た時に、いの一番に「日本が抗議した」のを皆さん、気がついたでしょうか。それでは「核の傘の意味がなくなると」。

中国は「核による先制攻撃はしない」と言っているから同等じゃないかなんて考えては駄目で、もし中国が通常兵器で攻めてきた場合、そしてアメリカが核を使わないということになった時、日本は消滅するんでしょう。

オバマ氏のその話が出てきた時に、すぐに日本が反応したってことは、ちゃんと政府内には日米の「有事の時の作戦」「中国がどう動くか」の想定はちゃんとなされているってことなんでしょうね。

でも日本は軍事費を増大させることも出来ないし、9条のこともあるし、攻撃されたらひとたまりもない国なのに、戦争反対していればどうにかなると思う人たちが多い。どの国もどの政府も、そしてどんなに小さな国でも「国防」を真剣に考え、語られているのに、日本にはそれがない。

もしそれで平和が守れるのなら、一体、南モンゴル、チベット、ウィグルで起きていることをどう説明するんでしょうか。

フト、鳥越氏がテレビにでた時の発言を思い出します。南シナ海の問題、東シナ海の問題が討論されていた時に、南シナ海と同じことが東シナ海でも起きるという意見に、鳥越氏は笑いながら「南シナ海と東シナ海は違う」と言った。でも何がどう違うのかも説明はなし。

私が思う日本左翼の危うさは、結論ありきで、他国は絶対に攻めてこないという前提を持っていること。その前提を崩せば軍備拡張、9条改正も飲まないとならないからだろうと私は思っていて、自分の「主義」あるいは「宗教」と言っても良いくらいのこだわりを守りぬくには「外敵の危険性」を認めるわけには行かないのだろうと思う。でもその討論会で「もし外敵が攻めてきた場合」は「自衛の戦いは当然する」と鳥越氏は言った。これって「万が一の時には一億玉砕だ」ってことじゃないんですかね。飛んでくるミサイル、戦闘機相手にどう戦うんですか?ってどうしてその場の他の出席者は聞かなかったのか、本当に詰めが甘いと思いました。

でもま、中国からミサイルの雨が突然日本に降ってくることは考えられないし、まずは尖閣諸島、あるいは台湾に対して動き出すんでしょう。その時でも日本国民は戦争反対とその時の政権に叫び、若者は議事堂前でラップの音楽に乗りながら、政権を倒せというのだろうか。

私には平和主義者の考えていることが全く理解できず。もしそれを理解させてくれるセミナーでもあったら本当に出てみたい、勉強してみたいと思っています。

あるいは、これを読めばわかる、みたいな書籍ってあるんでしょうか。もしそういうものがありましたら、私は絶対にその内容に対して反論もしないし、文句もいいませんから、是非教えて欲しいです。

私はシールズをバカにするようなことは時々書きますが、でも彼らが反日だとは思っていないんですよ。日本の愛し方が違うだけだろうと私は思っています。どうしたら私は彼らの主張をなるほどと理解できるようになるのか、それを知りたい。

共産党しかり。護憲派というけれど、天皇制を廃止するには改憲の必要があるし、かつては共産党も改憲派だったはず。それもあの9条を変えるべきだと言っていたはず。そして「人民軍の必要性」を言っていた。私には自衛隊が駄目で、なぜ人民軍という軍は良いのかそれもわからない。また近年は彼らのその悲願は一切口に出さず、共産主義の理想社会を作るとも言わず、それでもなぜ共産党という名前を維持しているのかもわからない。

でも共産党にはしっかりした理念があるのは間違いがないと思っていて、それに賛同できるかどうかは別にしても、しっかりしたものを持つのは良いことだと思うんです。そういう意味じゃ、どうにもならないのが民進党で、内部もバラバラで独自の理念が出せないのなら、そして共産党と共闘するぐらいなら、民進党は共産党に吸収されたほうが良いと思うくらい。

ま、またいつもの通り長くなりましたが、中国の南沙諸島での行動にしても、日本の沖の鳥島における行動にしても、オバマ氏の核の先制攻撃はしないという希望に即応して反対した日本にしても、表には出てこない、それぞれの国が生き残りを掛けて動いているのは間違いがなく、その辺を今後も見ていきたいし、感じたことをブログに書き残していきたいと思っています。

 
 
 

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