プーチンを知れば知るほど怖くなる

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最近、プーチンが今まで何を言ってきたのか、今、何を言っているのかを調べていくとかなり怖くなってきました。

やっぱり彼はウクライナに興味があるんじゃないと思う。彼は西側がロシアを潰そうとしていると長年考えてきた。そしてそれの仕上げの段階に来ていると見ている。それが「ウクライナのNATO加盟」であって、かつてジョンエフケネディが、ソ連が作ったキューバの軍事基地を絶対に認めず、戦争寸前にまで行ったのと同じ状態。

プーチンは西側が「露骨にロシアの首根っこにナイフを向けている」と考えているのは間違いがない。だからそのナイフを排除するためにウクライナに侵攻した。

プーチンの話を聞いているとゼレンスキー大統領を重視していないのがわかる。これって、プーチンにしてみるとゼレンスキーはただの役者だと思っているような気がしてきます。アメリカ+NATOの手のひらの上で転がされてその気になってしまった【国際政治の初心者】みたいな。

そんなプーチンを見ていると、本気度が伝わってくる。ま、あれだけのことをやらかしたのだから当たり前といえば当たり前ですが。

彼は領土拡張とかそんな野望はないのは聞いているとわかるわけで、そもそも領土拡張は【豊かな国にしか出来ないこと】で、ウクライナにとんでもなく豊富な資源があるわけでもなく、下手に手中に収めたら【金食い虫になる】のは目に見えているじゃないですか(クリミア半島にもとんでもない財政支出をした)。ましてやウクライナって内戦も長年続いてきた本当にややこしい国で、プーチンはウクライナが欲しいわけじゃない。

常にそこにあるのは「ロシアの安全保障」なのがこの30年の歴史を見てもわかる。私達にはピンと来ないけれど、プーチンにしてみれば、それこそ自分の街にどんどんヤクザが増えて、自分の家の周りまでヤクザが住むようになった。そしてとうとう、目の前の庭先にまでやってきた。これって恐怖を感じるのは当たり前だと思うんですよ。

そもそもそのヤクザ連中が武装しているのは「ロシアと戦うため」なんですから。他に彼らの敵がいるわけじゃない。

ジョンエフケネディが激怒したのも同じで、キューバのソ連のミサイル基地は、「アメリカに向く」わけで、他の国との争いのためじゃないのは明白。

あの時のジョンエフケネディが本気だったのと、今のプーチンも同じに見えてきます。

つまり、【ウクライナのNATO加盟を推進する】としたら、プーチンはボタンを押すのを厭わないはず。あの時のケネディと同じじゃないかなぁ。

そのプーチンの真意もはっきりわかってきたから、ゼレンスキーもNATOに加盟しないようなことを言い出した。

じゃぁ、今まではNATOに加盟してもそれは我が国の自由だと思っていたのか?ってことでもあるし、なぜそう思ったのかといえば、アメリカの存在じゃないんですかね。そしてウクライナが核を放棄する時に「安全は保証すると」言われた1994年の「ブタペスト覚書」を信じていたんでしょう。

だからこそ侵攻が始まってすぐの時に、ウクライナのドミトロ・クレバ外相が「1994年の核放棄決定は、賢明な判断ではなかった」として、米国に対し「当時約束していた安全保障を履行せよ」と求めたってことですよね。

この数日、ロシアが「キーフ制圧を諦めた」「負けている」「撤退した」と言われていますが、これもまた私には大きな進展には思えないんですよ。確かにプーチンはウクライナを制圧しようとしていたのは間違いがないものの、ロシアの軍隊で制圧できるとは考えていなかったのは明白

それはウクライナどころか、キーフさえも「制圧するにはロシア軍が少なすぎる」し、「制圧しても維持はできない」のは最初からわかっていたじゃないですか。

つまりプーチンが考えたのは「ウクライナはすぐに降伏する」ということであり、キーフやその他の都市を監理するのは「ロシアに降伏し、新しく出来たロシア派の新政権のウクライナの警察とウクライナ軍」だと考えていたはず。それ以外に手はないんですから。

でもその思惑は今のところ成功していないのは間違いがない。

でもこの作戦にはもう一つ伏線があるのも明白で、それは「ウクライナ東部の独立」で、そしてすでに手中に収めていた「クリミア半島」を正式に認めさせて、なおかつ「ロシアーウクライナ東部ークリミア半島」を繋ぐ「ロシアの回廊を確保する」ことじゃないですかね。

私は今回の侵攻は「二正面作戦」であって、本命はこちらだと思っています。キーフは陥落すればラッキーでしか無くて(ウクライナが降伏すればキーフを陥落させる必要もない)、この東部での作戦は絶対に成功させないと今回の侵攻の意味がなくなってしまう。

これは地図を見るとすぐわかることで、ロシアとクリミア半島は離れている。これを繋がないと意味がないじゃないですか。そしてそれを繋ぐことでロシアは直接、黒海に出ていくことができるようになる。そして親ロシア派の安全も確保できる。(またまさに西側はこれを阻止したいはず)

そしてマリウポリはその回廊上の最重要都市。プーチンはここを何が何でも制圧しないとならない。

その重要度もわかっているから「アゾフ大隊はマリウポリに拠点を置いていた」んじゃないですかね。そしてこのアゾフ大隊こそが、ネオナチと言われる軍隊で、かつては【正規軍ではなかった】のは絶対に押さえておかないとならないはず。かつては義勇兵部隊で、対親露派との戦闘で名を上げた。つまり彼らがウクライナ東部でドンバス戦争を起こした張本人。

アゾフ大隊 Wikipedia(ここをクリック)

私はこのアゾフ大隊というのが非常に重要な存在だと思っていて、でもこの大隊に注目した西側の報道はない。おかしいじゃないですか。

でもこのアゾフ大隊って「極右の過激派」でウクライナにとっても獅子身中の虫で、この存在にスポットライトが当たるとウクライナも西側も困るんでしょう。プーチンに侵攻の口実があるのを認めることになるから。

この大隊はそもそもウクライナの正規軍ではなかったのを絶対に忘れてはならないわけです。

それと「ミンスク合意」ってのも忘れちゃうまくなくて、これは2014年に始まったウクライナ東部紛争を巡る和平合意。ロシアとウクライナ、ドイツ、フランスの首脳が15年2月にベラルーシの首都ミンスクでまとめた。親ロ派勢力とウクライナ軍による戦闘の停止などの和平合意ですが、「これが守られずに戦闘は続いていた」のは明らかで、プーチンはこれにも文句を言っている。

この過去を知らないと絶対に今回の侵攻の意味が見えてこないはずで、本当に不思議なのは、「ウクライナ東部で親露派を殺すようなことは起きていない」と主張するウクライナ人がメディアで引っ張りだこになっている。彼は「見た目も同じのロシア派を攻撃することは不可能だ」なんてことも言っている。じゃぁ、ミンスク合意ってなんなのか。

ナザレンコ・アンドリー。私には彼は「極端なウクライナの広告塔」に見えます。

当然、彼は「悪魔のプーチンが、平和主義のウクライナに侵略した」という立場であって、プーチンの言い分を一切認めない。ウクライナ東部での内紛も無いと言う。

感情的にはわかるのだけれど、「事実を見る場合」に彼の発言を重視すると誤解を招くと思うし、私の好きなユーチューブニュース番組である「虎ノ門ニュース」では彼が常時出てきてウクライナ問題を話す。

ここには「ロシアサイドからの視点が欠けている」のが問題だと私は思っています。ウクライナ側には「一切の落ち度がない」という立場。ま、世の中には「殺人鬼」「戦争犯罪人」である【プーチンの言い分なんか聞く必要はない】という考え方が大勢を占めていて(虎ノ門ニュースもそういうスタンス)、私はそれは「常に西側は正義で、東側は悪」という昔からのイメージを強化する方向にしかいかないので気になっています。

何度も書きますが、「プーチンの肩を持つ」んじゃないんですよ。【敵を知れ】という大事なところさえ無視してはまずいということでしかないんですよ。

○ ウクライナのNATO加盟は白紙にする+アメリカNATOがそれを約束する
○ ウクライナの中立化
○ クリミア半島がロシア領であることを認める
○ 東部ウクライナの独立承認

最低でも最初の2つをウクライナが飲まなければ、プーチンは妥協しないと思います。

それと「ロシアに賠償責任を求めない」のも大きなポイントじゃないですかね。

そんな事がありうるのか?と思いますが、それに関しては「過去にフィンランドに攻め入って何が起きたのか」を知ればわかるし、プーチンはウクライナを「第二のフィンランドにしたい」と考えているんじゃないですかね。フィンランドはNATOに加盟しない中立国を維持している。

ところがもしこんなところでゼレンスキーが妥協したとすれば、彼を「売国奴」と見る勢力が黙っていないはず。

そもそも、ウクライナ侵攻が起きる前に「ウクライナ東部では戦闘が行われていた」状態なのに、ロシアの要求を飲もうものなら、ウクライナはとんでもない内戦状態になると私は思うわけです。

だからこそ、ゼレンスキー大統領は「国民投票が必要」だと言ったんでしょう。国民からのお墨付きがない限り決定できることじゃない。でも今は国民投票ができる状態ではないし、もし国民投票でOKが出たとしても、ウクライナには上に出したアゾフ大隊のような「極右組織」があるわけで、彼らが「革命組織」あるいは「テロリスト」に変貌するのは目に見えている。

プーチンから見てもその極右組織は邪魔でしか無いから、今、マウリポリで彼らを一掃しようとしているんじゃないですかね。

でも一般市民まで殺害している。

これにはまた伏線があるようで、囲まれて逃げ場の無いアゾフ大隊の兵隊が「軍服を脱ぎ捨て民間人のフリをして包囲を突破しようとしている」のは間違いがない様子。そしてウクライナでは「ゼレンスキー大統領が【成年男子は戦え】と大号令を出した」のもとんでもないことで、これは「民間人も戦え」ということだから、国際法上でも彼らは民間人ではなくて戦闘員(非合法戦闘員)となる。

これって「便衣兵」であり、かつて日本はこの便衣兵に悩まされたんですね。中国でもマレー半島でも同じ。中国人はいつもこの戦法を取るわけで、日本軍から見ると「軍隊なのか民間人なのかがわからない」んですね。そして便衣兵は国際法上、兵隊なので攻撃しても良いことになっている。

なおかつ「民間人も銃を手にして戦え」というのは非常にうまくないことで、勇ましくてく愛国心を刺激するけれど、この便衣兵は「もし敵に捕まっても、【捕虜としての保護を定めた法律に守られない】」。

そういう意味からもゼレンスキー大統領は「問題がある」と言えるはず。情緒的には彼は英雄だけれど、国際政治も戦争も知らない素人なのは間違いがないと思います。(最近、ゼレンスキーが【半端じゃない大富豪】なのを知りました。なんで大金持ちなのか?)

敵にしてみれば、戦闘員でしかないけれど、それと戦えば「民間人を殺している」ように見える。実際に、見分けるのは簡単ではないから「疑わしければ攻撃する」ことも起きてしまう。

これと同じことがベトナム戦争でも起きていたんですね。戦闘員が民間人の中に紛れ込むからややこしいことになる。中東でも同じで、「バズーカ砲を抱えた少年を殺した」アメリカ兵は非難の的となる。銃を構えるモスリムの服を着てヒジャブを被る女性は見逃すべきなのか?

ただ最近の報道を見ていて、私はどうしても理解できないことがあるんですよ。

それはロシア軍が民間人を大量虐殺をしているというニュース。実際に、あちこちに殺された人たちが放置された映像が出回っている。

上に書いた便衣兵じゃなくて、老人、女子供まで殺す必要はないわけで、なぜそんなことが起きているのか。それをすることにロシアに何の利益があるのかがさっぱり理解できないわけです。

ましてやロシア兵って「若者」で「未経験」で「やる気もない」と言われているじゃないですか。そういう報道と、民間人をも殺す殺人鬼とどうしてもイメージが重ならないわけです。

ただし、シリアとチェチェンから傭兵、義勇兵をロシアはウクライナに投入しているわけで、彼らは「戦争のプロ」であって、まさにシリアやチェチェンで悲惨なことをした当事者なわけで、彼らなら「ロシア兵がビビっている」ときにでも平気で民間人を殺戮できるような連中。

そしてロシア兵は訓練が行き届いていないと言われているし、そもそもロシアは近年「市街戦を経験していない」んですね。この市街戦というのは、平野で戦車を使ったり、ヘリで攻撃したりする戦いとは全く別で、経験がないと出来ないと言われている。そしてその経験があるのが「シリア、チェチェンの戦闘員」(アメリカ軍も)でもある。当然、彼らはウクライナ人に対してなんの思い入れもないから銃を向けるにも躊躇しないんじゃないですかね。

それと、前にも書きましたが、プーチンは自軍だけでウクライナ全土どころかキーフの制圧も出来ないのはわかっていたわけで(兵数が少なすぎる)、「制圧するぞ」という脅しで、降伏させようと計画していたのは明白。そしてそのためには、「ウクライナ人に恐怖を与える」のが何よりも重要になる。

私はキーフに攻め込む一番の目的は「ウクライナ人に恐怖に与えて降伏させる」ことだと考えていたのは前にも書いた通り。実際にロシア軍はキーフを制圧することは不可能と、多くの軍事専門家は最初から言っていたこと。

だから「恐怖を与え続ける」ことはやるのかなと思ったり。でもそれをやればやるほど、ロシアの世界的立場はどんどん悪くなるのはプーチンもわかっているはずで、理解に苦しみます。

ロシアは「そんなことはしていない」と言い続けていますね。あの子供たちも大勢いたと言われる「マリウポリの劇場も爆破していない」と言う。

誰がそんなことを信じるか、と思いますが・・。

ロシアの公式発表を聞いていると、「戦争犯罪は犯していない」という立場を取っていますね。そもそものウクライナ侵略も「殺戮が続く親ロシア派を救うため」だし、あちこちの爆撃、爆破、民間人の殺害でも「ロシアがやったのではない」と主張をし続ける。

これってロシアに限らず、戦争当事者は必ずそれを強調するわけで、それなら後に「国際法廷で裁かれても罪に問われない」ことになる。でもそれは「証拠があれば簡単に証明できるはず」と私たちは考えますが、「その証拠は偽造されたものだ」とすったもんだすれば【逃げ切ることも可能】なのかもしれない。まして、戦争に勝てば「不問となる」し、「ロシア軍のやったことではない」という建前はそのまま認められる。

それどころか「人道に対する罪」でも【勝てば官軍でそれを問われることはない】のは世界の常識。アメリカがやってきたことは常にそれで、広島、長崎、東京大空襲も同様。

ま、私達にはわからないことばかりで、なおかつ「デマとプロパガンダ」の戦いは戦争の一部、情報戦であり、当然、どの国もそれに力を入れる。ロシアもウクライナもアメリカもNATOも同様。

でも私たちは「そもそもロシアは悪」と頭から信じ込んでいるから、何が起きても「ロシアは信用できない。嘘だ」となってしまう。情報戦では間違いなくウクライナ+アメリカ+NATOの勝ち。

でも私は「西側の嘘」も暴きたいと思うんですよ。

なぜそう思うのかですが、私は日本人としてやっぱりアメリカの原爆投下、東京大空襲などの「無差別大量虐殺」を認めたくないから。そしてそういう思いを持ちつつ、「西側も嘘がうまい」という目線で歴史を見ると、「嘘ばっかりなのが見えてくる」わけです。

歴史的にもいろいろありますが、私がこの目で見続けて釘付けになった「湾岸戦争」「イラク戦争」は【茶番どころじゃない】と思いました。リビアのカダフィを倒したのも同様。

でもそうやって西側は豊かになってきた。

そしてその中で私たちは富を得、平和を享受している。

これをどう解釈すべきなんですかね。

私が何よりも知りたいのはその答えです。

皆さん、どう思います?

邪魔者を消してしまうことに声援を送るべきなんですかね?

そして西側にも利益がある場合は、チベット、ウィグル、南モンゴルは見捨てる?

台湾はどうなりますかね?

ウクライナに侵略したロシアは「悪の権化」なのに、なぜチベット、ウィグル、南モンゴルに侵略している中国には何も言わない?

私は、「中国に侵略をするなと声を上げずに、ロシアには文句を言う人たち」は政治家でも民間人でも、信用しようとは思えないんですよ。そういう人たちの「善だ、悪だ」の議論に耳を傾ける必要もないと思っています。

私がおかしい?

で、ウクライナの話になりますが、たとえアメリカ+NATOの罠にプーチンがハマったにしろ、あるいはそれは関係ないにしろ、プーチンがやったことは許されないと思うし、今、それは進行中で、どうなったら止められるか。

私はプーチンが暗殺されるなり、ロシアで大規模な反対運動が起きてプーチンを引きずり下ろすことが出来ない限り、終わらない気がして仕方がありません。プーチンを追い詰めれば追い詰めるほど、「彼の指は核のボタンに近づく」ような気がしています。

西側がいくら正義を訴えても、プーチンの耳には届かない。自分に正義があると信じているのだから。

ただプーチンとてこの膠着状態をいつまでも続けることは不可能で、彼も妥協点は探さないとならないはず。

まさかプーチンもウクライナもかつての日本みたいに、「本土決戦。一億玉砕」みたいなつもりでいるのかどうか。

でもウクライナがNATOに加盟して安全確保をしたいと考えたのと同じように、ロシアも安全保障上の危機にあると考えているわけだから、【いかにプーチンが納得するロシアの安全を西側が約束するのか】に掛かっているんじゃないですかね。

アメリカ+NATOがこれを機会にプーチン率いるロシアを叩き潰すつもりなら妥協はしないでしょうが、プーチンは核を持っている。

国連も全く機能しない。

これって、人類史上初めての「核を持った大国が、核を持たない小国に侵略した」という出来事。

これの結末いかんによって、我々人類の将来も見えてきそうな気がします。

 

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