また相場の話:「与沢君の手法」に関して。彼は本物か?

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与沢君のユーチューブチャンネルをサブスクライブしていますので、彼が載せた動画は自動的に私のところに知らせが来るようになっています。そしてこの動画を見てみました。

今回は今までと違うというか、かなり話に無理があると感じました。ま、大事なところはユーチューブで大ぴらにするはずもなく、細かいところは有料セミナーでということなのですが、「大きなトレンドが来る」と「予想」して「初動で入る」んですと。

これが出来るのは神様か、天才か、与沢くんだけだろうと思いました。(笑)

そもそも大きなトレンドが来るかどうか。これは長い時間軸を見て、大きな動きを「想像」するんでしょうが、そもそもその予想が当たるのなら1分足を見ながらスキャルなんかする必要はないんですね。でもその大きな流れの変化を読むのがポイントですと。そりゃそうだ。そしてそのノウハウはセミナーでと。

ま、予想が出来ているのなら「初動」で入ることも可能ですよね。でも彼がビデオの中で言っている通り、それは前からの流れの連続の「戻し」である可能性が高い。もしも流れが変わるにしても、それはその次の山を超えてからかもしれない。あるいはもう一つ先かもしれない。だから一般的に言うと「初動を取るのは難しい」わけで、彼はエリオット波動を口に出したことはないけれど、第3波、第5波に乗るべきだとは言う。ま、これは常識なわけで、でも第一波を見分けるのは至難の業で、第二波、第三波が来て初めて「あれは第一波だった」のがわかるのね。

でも彼は初動(第一波)がわかるという。天才なんでしょうねぇ。

ちょっとおかしいなぁと思いつつ、彼の売買譜があったので見てみたんですよ。それをチャートと比べてみました。

これです。

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一番上に10枚(100万ドル)ショートして約3600ドル。そして5枚売ったものも一緒に精算して1800ドル。合計5400ドルぐらい取った。ま、合計で20枚(200万ドル)ですから、大体PIPSでいうと27PIPSは抜いている。

こりゃ大したもんだと思いましたよ。27PIPSって要は27銭でしかありませんが、これを1分足チャートを見ながら一発で抜くのは「かなりの技術」を要するんですね。普通なら27PIPSを抜く間に山谷がいくつも入りますから、先行き「安くなる」という絶対なる自信がない限り、ショート玉を持ち続けるのは不可能なんですね。これは下降をショートで取ったわけですが、一直線で動くことはなかなかありませんから。普通のスキャルだとUSD/JPYで27PIPS抜くには4-8回のトレードをするんじゃないですかね。

でもそれだけ大きく動くことをどう読んでいるのか、これが私にはわからないし、私には出来ないことなので、チャートから何が読めるかチャートと照らしあわせてみたんですよ。

そうしたらビックリなんてもんじゃなくて、彼はこのショートを放置したんですね。で、どうもトレーリングストップを掛けて寝て、起きたらそれに引っかかって約定し、利益が出ていたと。

でもこれは私は嘘だと思います。

チャートを見ればすぐにわかる。

1分足チャートだと横に長過ぎるので5分足チャートで彼がどこで入ってどこで出たのかプロットしてみました。

どこで入ってどこで出て、その間に何があったかよーーく見てください。高値と安値に注目してください。

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彼は下げトレンドがくると「決めて」いたんですね。でもショートした場所は目先の下げ一杯のところで、1分足を見ながらここでショートするのは全く意味がないんですね。どの指標も売られ過ぎの場所に来ています。本来は大きな下げ波動の中の小さな波動の「山」を叩かなくてはならないのに、彼は「谷」でショートの出撃をしている。超目先のスキャルパーなら「買い出動」をする場所で彼は「売った」。

この場所です。

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それは彼と私とチャートセッティングも使うインジケータも違うからだろうと思うでしょ?

ところがところが、彼の使っている(単純な)チャートを見てください。赤枠の所。これって前に私がこの日記に書いた、私が大好きだったRCIを3本並べたものです。DL出来るように紹介した「RCI_3Line_v130」と基本的には同じです。そして彼のパラメータはヒジョ~~~にオーソドックスな(9,26,52)を使っています。つまり?彼はこのインジケータの使い方をわかっていないってことなんですね。長期中期のRCIが下降に入っていて、短期のRCIが上がって、落ちてきたところが最高のショートの場所ですが、彼はその動きを全く見ていないで、「目先の底」でショートした。これはオシレータの使い方が全くわかっていない人の使い方。ただ、今後は「下がるはずだ」という「予想」のみに賭けたんですね。

でも彼はきっとこういうでしょう。「オシレータの動きを見れば確かに目先の底で売ったけれど、この後、大きく下がる「確信」があったから乗り遅れないように売ったのだと。そしてその確信は「彼の真髄」から来るものであって、「それを優先するのは当然である」ってことになるんでしょうね。

でもそれならあのRCIは全く必要のないただの「飾り」だということ。まるで使っていないんですから。事実は「焦って売り急いだ」だけで、たとえ「真髄」だろうがファンダメンタルズだろうが、「下がるという確信」があったにしてもチャートを見、オシレータでタイミングを見つけるのがプロ、ハイアマで、「慌てて飛び乗る」のを正当化しようとしても無理があるはず。つまりこういうケースは例題として出すべきトレードじゃないんですね。

これは彼のチャート。赤枠のインジケータを見てください。何だかわかりますよね?

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でも結果的に勝てたのだから良いじゃないか、なんてのは全然駄目なんですよ。

チャートをよ~~く見て下さいな。彼が売った後は下がることなくヨコヨコで、なんとその後、急騰しているじゃないですか。ここで彼は真っ青になったはずですよ。売値から40PIPSぐらい上がっちゃったんですから(彼が勝ったのは最終的に27PIPSでドローダウン(一瞬の含み損)のほうが大きいということ)。でも彼は損切りしなかったんでしょ?40PIPSもやられて放置ですよ。普通こんなことはあり得ません。8000ドルの含み損なんですから。彼はストップロスも設定していなかったってことですね。1分足のデイトレでSLを40PIPS以上取る人なんていませんから。

で、「下がる確信」があるのなら、値が急騰したところでどうして「売り増し」しないんですか?最高の場所じゃないですか。だから彼が「下がると確信していた」ってのも怪しいことになるわけですよ。

でもま、彼は「下がる」と信じていたんでしょう。確かに誰でも「遅れて飛び乗る時」はインジケータを無視することはありますから、「この後は必ず下がる」と読んでいるならインジケータの無視も妥当となる。でもインジケータも見ずに、それほど強い確信を得られる「真髄」とはなんなんでしょうか。きっとセミナーではここを説明すんでしょうね。チャートのインジケータを無視して、損切りすることなく大きなドローダウン(含み損)を抱えても「固持する」ほどの「真髄」があるのでしょう。

ま、実際に下がってきたのは間違いがない。でもその後がいけません。彼は「トレーリングストップを仕掛けて寝た」と言っていますが、どんなトレーリングストップなんでしょうか。

このチャートを見てください。緑は逆に動いて高値をつけた(彼が損切りをしなかった)場所。そして黄色のラインを見てください。これは最安値とその後の高値のところにラインを引きました。

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底値を付けてから上がった値幅が黄色のラインですが、どれほどあります?25PIPSはあるでしょ?トレーリングストップとは、値が動くとそれに合わせてストップ(出口)の場所も自動的に変わるわけですよ。だから最安値を付けて戻ったところで「普通なら」そこで約定するはずなんですね。でも約定していないってことは彼はトレーリングストップを使いながら、その幅を25PIPS以上取っていたってことなんですね。これじゃトレーリングストップじゃないじゃないですか。わかりますよね?

それと寝ていたのもウソですね。寝ている間にトレーリングストップに掛かったのに、なぜその数分後にまたトレードしているんです?

はっきり書きましょう。この部分の彼のしゃべりは「素人を騙す話」だってことです。こんな下手くそなトレードをするのは初歩の初歩です。私が思うに、彼の「真髄」から得た「下がるという確信」で、視聴者がびっくりするようなショートによる大儲けをここで作ろうとしていたんでしょう。でも急騰した時に「売り増し」するほどの確信も実はなく、トレーリングストップも掛けていなかったはず。もしトレーリングストップを掛けていたのだとしたら、彼も「初心者用の教本」をちゃんと読んだほうが良いですよね。あんなトレーリングストップを掛ける人は初心者でもいませんから。

そして彼は「都合の悪い部分のチャートを動画には載せていないし、その説明もしていない」ってこと。でも良い話は延々と続く。

でも結果的に勝った。

彼は天才なんでしょう。

そしてですね、この後に次の勝負の説明が続きますが、これに関しては全く問題がなくて、うまいところで出ているし、動画に乗っているトレーリングストップの使い方も上手い。

さてさてさて、与沢肇くんとは何者なんでしょうねぇ。

それと売買譜に書いてあるその後のトレードもどこで売買したのか見てみると面白いですよ。良い所で出ているのもあれば、ド素人か?と思うようなところでも売買しています。あの売買譜からは彼が自信を持って言う「真髄」は「全く」見えてきません。

彼はどうしてあんな売買譜を見せるんですかね。下手くそなのが簡単にバレちゃうじゃないですか。それとも私みたいに調べるオタクはいないと思っているのか、そして調べられても下手くそなのがばれないと思ったのか。どちらにしてもあれを出すということはかなりのリスクなのに、彼はどうしてあれを平気でだせるのかとっても不思議です。

あの数百ドルの負けが続くところは本当に下手くそそのものです。でも「逃げ足が早い」のは間違いがなくて、負けてすぐ手仕舞いしてドテンで買っている場所はたいしたもんだと思いました。どちらにしても彼は「チャート分析はしていない」としか言いようがないと思います。「勘」で動いている。本人は勘ではないと言うのでしょうが、彼の単純なチャートから、彼の行動の裏付けになるインジケータの動きはありません。逆に、インジケータを見ていないのがあの売買ではっきりわかります。

でも「勘が良い」のは間違いがなくて、では「その勘はどこからくるのか?」を我々が知ることが大事なポイントだと思うんです。そしてあの「変わり身の速さ」はちょっとなかなか真似が出来ない彼の才能だと思います。ここがわからない限り彼のセミナーを受講しても全くうまくならないんじゃないですかね。

それと彼は前の動画で、スキャルで勝てるようになれば「あとはロットを大きくすれば良い」と私がいつも言うのと同じことを言っています。でもね、彼は10倍でも100倍でもみたいな言い方をしたんですよ。これって彼は「自分で経験していないこと」を話しているんですね。10倍ってことは1千万ドルロット、100倍は100ミリオンですよ。100億円ロット。こんな注文が通るFXの会社ってないでしょう。1千万ドルでも無理。500万ドルでも無理。300万ドルなら「通るところもある」でしょう。しかし一回の注文でその額を入れても「表示している値」では付かないのね。「必ず」スベります。

でも彼はそれに言及したことはないし、言うだけで自分ではやったことがないからじゃないんですかね。もしウソじゃないとしたら、是非とも1千万ドルロットでトレードしている動画を載せて欲しいです。

私がFXならなぜ業者はDukascopyが良いのかってのはそこなんですよ。Dukascopyは板情報が見れますし、自分がどれほど大きな注文を入れたらどのくらい値が滑るかはすぐわかる。そして板がかなり厚いのね。でもプロやハイアマが多いと言われているDukascopyでも表示している価格で通るのはせいぜい200万ドルまで。EUR/USDだともう少し余裕があって300万ドルぐらいまでは大丈夫。でも与沢くんが言うみたいに1千万ドルとかそれ以上の注文を入れたらアウトなんですよ。

私がなぜ「先物が良い」というのはそういう意味でもあるんです。為替では「大きな金額」でスキャルできるような環境は存在しないんですね。でもま、一般的には一千万ドルとか500万ドルロットで売買する人はごくごく一部の人だから誰もそんなことは考えない。でも本当にやる気がある人はいつか為替では頭打ちになるのね。でもま、適当にずらして分散させれば大丈夫でしょうが。

私?私は小心者ですから・・・・。(笑)

あ、そうそう。動画の中で彼は違うインジケータを使っている場面もありました。赤枠のこれ。

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これもどこかで見た覚えがありませんか?そうそう、ダボチャートのTraders Dynamic Indexとそっくり。

私のはこれ。オシレータをボリンジャーバンドの中で動かしてるだけですが、RCIにしろこれにしろ、私と似ている部分があるのでびっくりしました。だから読み方は私と同じなんだろうけれど、彼が実際に出撃する売買譜を見ると、チャートを参考にしていないのがわかる。

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彼のセミナーは30万円ぐらいでしたよね。今の時点で受講者は1000人を超えているとのこと。簡単なチャートとおしゃべり、サポートで3億円ですか。

今日の動画みたいなのを見てしまうと、そのセミナーを受けてみたいなんて気は一気に失せるんですが、でもやっぱり気になります。彼の揚げ足取りをすればいくらでもできるけれど、彼の頭で考えだした理論の真髄を是非聞いてみたいです。

彼のセミナーはこれにて終わりらしいけれど、後にセミナーの録画をDVDで発売するようなことがあれば、私は買うつもりです。やっぱり彼は「普通の人」には私には思えないし、「インチキの塊」だとも思えないんです。ましてや詐欺師だなんてことは全く的はずれだと思っています。

彼の「真髄」とやらの話を聞いてみたいです。もし10の内、8つ9つが適当な話でも最後の一つ光るものがあれば、それにお金を出す価値はあると思う私。そして彼のあの「勘」はどこから来るのか。あの変わり身の速さはどうやったら真似できるのか。

そして勝った時の話はもう聞き飽きましたから、予想に反した時の「上手い逃げ方」の動画を見てみたいです。まさか40PIPS逆に動いても(今日の動画みたいに)「信念を通せ」「勝つまで粘れ」なんて言わないと思うんだけど・・・(笑)。あの細かく負けたところの動画をだして、何を考えどうしてそう動いたのかを是非聞きたい。いくら勝ったのかより、ここのところのほうが大事じゃないんですかね。でも「儲けたぞ~~」って話のほうが素人ウケするし、セミナーを受けたいと思う人も増えるんでしょうね。

どうやって「うまく負けるか」の方がよっぽど大事なのに・・・・。

実はですね、正直なところを話しますと、私の手法だと1分足での「FXのスキャル」はかなり難しいんです。動きの良いUSD/JPYかEUR/USDしか選択肢はなくて、それでもうまく行っても5PIPS抜けたら上出来なんです。私としてはこれをどうにか打開したいと思っていまして、何か違う考え方が無いかいろいろ悩んでいます。でもDAXなら大丈夫で(値幅が十分に出るから)、私の手法で戦えます。ですから夕方から夜はDAXがあれば問題がないのですが、昼間の時間はFXぐらいしか無いんですね。日経225なんか難しくて出来ないし(笑)、他国のインデックスでその時間帯にトレードできる面白いものはないし。

だから出来ることなら私も与沢くんの「真髄」とやらを知りたい。(笑)

でも私の戦場はDAXしかないとしても、その中で上を目指すのが正解で他のことを考える必要がないとも思うんですが、なかなか・・・・。

 
 
 

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