私はどうも「出来合いの冷凍食品」って好きじゃなくて、よっぽど変わったのが無い限りこの20年以上買ったことがないんですよ。ヨメさんも同じ。
ところが最近、なぜかヨメさんが買い物に(一緒に)行くと必ずいくつか買うようになったんですわ。
なんで?と聞きますと、「自分用」なんだそうです。彼女は少食で、ちょっと変な時間に小腹が空いた時にいちいちゼロから作ったり余り物じゃ嫌なんだそう。その気持はよく分かる。
でも料理には五月蝿いヨメさんが美味しいと思うはずがなくて、どんなのを食べているのか知りたくて「俺も食べたい」と言ったんですよ。
ある日のこと、昼の11時頃だったでしょうか。
「お昼のお弁当を作っておいたから、好きな時に食べてね」
ですと。ダボの家は一緒に食べないのか?って思う方もいらっしゃるでしょうが、我が家は私の仕事時間が決まっていないので、暇な時は暇、忙しい時は忙しくて、ヨメさんの都合に合わせられないことが結構あるんです。だから勝手に食べるなんてことが良くある。
「あれれ、鶏の唐揚げ、コロッケみたいなのをいつ作ったの?」と聞いたところ、「それは冷凍食品でほとんど全部【チン】したのよ」ですと。ご飯もそうだし、鮭フレークも作り置きしておいたものをチン。スープは「ナガイのもずくスープ」でお湯を入れただけ。
ふーんと思いつつ食べたのですが、これが結構美味しいのね。へ~~~~~~と思いました。こういう冷凍食品って食べたのは本当に20年ぶりぐらい。随分進歩したんですねぇ。それも「チン」でできちゃうなんて凄い。
こりゃ自分は「浦島太郎」になったのだと思って、買い物に行く時にはいつも素通りする「冷凍もの売り場」をしっかり見るようになったんです。
そこで見つけたのが「大阪王将の肉餃子」それも業務用で大袋に入っています。場所はパブリカのB.I.G.。
大阪の王将って2回ぐらいしか行ったことがないのですが、結構良いと思っていました。美味しいし、早いし、安いし、チャチャッと食べたい時には最高。あんな店が駅前にできたら昔からの中華料理屋なんてすぐ潰れるだろうと思ったくらい。
だから楽しみにしていたんですよ。この王将の餃子。これは業務用ですが、小袋の一般向けも売っていたような・・。そしてそれが結構美味しいという話も聞いたことがあるような・・。
ワクワクしながらいつものようにフライパンで焼いたのですが、私は冷凍餃子って焼いた覚えがなくてどうやって良いのかわからず、いつもと同じように焼いてみたんですよ。
そうしたらこれですわ。orz
こんなことってかなり昔に経験した覚えがあるくらいで、餃子が好きでこの何年何十回と作りましたがこんなことはなかったんです。何が悪いのか?
落ち込み様が半端じゃなくて、でも食べて美味しければ気分も直るだろうと思っていたんですよ。
ところが~~~~~~~~。
俺に何か恨みがあるのか~~~~~~~~~~~~、と思うような味。食感。
これってうまく綺麗に焼けたとしても私の好みとは正反対のもの。
味そのものは良いと思うんですよ。まずい!ってわけじゃない。ところが餡が変に「ヌル」っとしてるのね。あのたこ焼きと同じで、柔らかい食感を出すために「増粘剤」が入っているんじゃないかなぁ。そしてですね、「肉の歯ごたえが全くなし」なんですわ。良く言えば「きっちり混ざっている」のかもしれないけれど、野菜じゃ肉じゃの食感が皆無。フードプロセッサーでしつこくグチャグチャ、デロデロに混ぜ合わすとこんなふうになる、みたいな。
これって焼き方に失敗したからそんなことになったのかな?と思いましたが、どうなんでしょうか。
自分で作った餃子の方が遥かに美味しいと思いました。この冷凍ものはそれこそ30年前に売っていたのと同じレベル。
ま、好きな人もいるでしょうからあんまりコケ落としたくはないですが、期待とは大違いでした。
残念だなぁ、これが美味しければいつでも好きな時にチャチャッと食べられるのに・・・。
この業務用は50個入りで、あと30個は残っているはずですから、焼き方を研究してみます。ああ、ヨメさんに焼いたもらうほうが良いか。
・・・
・・・
うーーむ、ダメだ。このままではいられません。
また焼いてみよう。(笑)
ネットで調べてみました。冷凍の場合はフライパンに火を付けずに、まず油を敷いてその上に並べて、「水」を適当に入れてから強火ですと。なるほどねぇ。私はいつも通りに油を敷いた上に乗せて、そのまま焼いて多少時間が経った頃にお湯を入れていました。これは我が家のいつもの方法。
お湯も少なくなり、間違いなく餃子に火が通った頃にちょっとフライパン返しで動かしてみたんですよ。するとちゃんと動くのでこりゃいいやと思ったらそれが大間違い。次に動かそうとするとピッタリくっついて動きません。
これって私が悪い?放って置いたほうが良い?
新しくごま油も回して、無理やり持ち上げた餃子の下に流れるように入れてもまたくっつく。なんだこれ?
ということで途中で戦闘意欲がなくなって、戦闘終了~~~。
中途半端な焼き具合。
フライパンも先程みたいに酷くないけれど、似たようなもの。
フライパンが駄目なのかなぁ。二回目はテフロン加工がしっかりしているフライパンを使おうと思ったのですが、同じフライパンを使わないと実験に意味が無いと思ってこの大きなフライパンを使ったのですが、もしこれがくっつくようになってしまったとするとかなりうまくないんです。
このフライパンって「餃子用」に買ったようなもので、我が家は餃子を食べる時にはごっそり食べますので、小さなフライパンで焼きたくないんですよ。でもこの32センチのフライパンなら結構な数、一度に焼けるので重宝していました。
でももうこれで餃子を焼けないとなると・・・・・。
どうしよ・・・・。
先程、ヨメさんに聞いたんですよ。最近、このフライパンくっつくようになったんじゃない?と。
すると「うんうん、安いフライパンってこんなもんね」ですとさ。ったくよ~~~。でもこのフライパンはたしかに安かった。というか、32センチで、平で、蓋付きって意外にないんですよね。これを買うしかなかったわけです。
ティファールのでもあれば良いんだけれど・・・。
探してみるか・・・。底が丸くなっているWOKタイプならあるんですが、平らなのって無いんですよね~。
そして次の日、イケアを調べたら32センチのフライパンがあるのがわかって、買ってきました。これなら大丈夫でしょう。でもこのフライパンも安いって言えば安い。ちょっと不安。
さて、くっつくようになってしまったフライパンですが、どうしませう。
こういうのを捨てるのって嫌いなんですよ。とんでもなく罪深いことのような気がするし・・・。
ヨメさんに決めてもらおう。
でもあいつも私と似ているから、きっとストックルームの奥の方にしまうと思う。(笑)
ところが、諦めるのが嫌いで粘着質の私は、もう一つ試すべきことをやっていないのに気が付きました。
それは・・・・、ベイキングシートを敷いてその上で焼くこと。これなら焼けるはず。そしてうまく滑るはず。
これですよ、これ。
一応、油も敷いてその上に並べて、水を回して火をつける。
ところがなんか変なんですよ。水はもちろん沸騰して蒸気で満たされているのはわかるのですが、水(お湯)が全然減らない。なんだこれ?
ベーキングシートの上のお湯をフライパンに直に流してみると、ジュワ~~~~っと蒸発するのね。つまりベイキングシートは思ったほど温度が上がらない様子。
これじゃうまくないので適当なところでお湯を捨ててごま油を回して・・・。
出来上がり~~~。と思って餃子を剥がそうとしたら剥がれないんでやんの。なにこれ?
でもピッタリくっついてるわけでもなくて剥がすことはできたのですが・・・・・。
水を少量にしたにもかかわらず、蒸しすぎ、というか茹でたような状態。餃子じゃなくてワンタンみたいな感触になってしまった。orz
全く美味しくない、変な餃子になってしまいました。ぐやじ~~~。
そもそもこの業務用の餃子ですが、さすがマレーシアで流通上に問題があるんでしょう。買った時にはヤバイかな?とは思ったものの、一度ちょっと溶けてまた冷凍したものみたいに一つ一つバラバラになっていないでくっついて大きな団子になっているんですよ。それを無理やり剥がせば当然破けるわけで・・・。
破けないにしても皮のカスみたいなのが結構あって、冷凍状態の時に折れてしまったのか。
小売用の餃子ってなぜいちいち仕切りのあるプレスチック容器に入っているのかがわかりました。こういうことなんですね。
でもこの業務用の餃子を使うお店ってあるんだろうか・・・。
売れなくて在庫がいっぱいなのを安く買って輸出する・・・。まぁ、よくあることなんでしょうねぇ。(T_T)
ところで新しくイケアで買ったフライパンですが、残りの餃子をそれで焼こうかと思ったのですがやめました。
もしそれもうまく焼けなかったらかな~~~り落ち込むのはわかりきっていますから。(笑)
やっぱり餃子ってのは愛情をたっぷり注ぎ込んで自分で作らないとですね~~~~~~~~~~~~~。
あ、そうだ。今日は韓国スーパーで韓国産の冷凍餃子を買ったんだっけ。味見しませんか~?って可愛い販売員が焼いていたのに釣られて味見をしたのですが、上海風とかでピリリと辛くて面白そうなのでついつい買ってしまった。というか味見をするとよっぽどまずくない限り何故か買わないと悪いような気がする小心者でございまする。
---------(後記)-----------
やっぱりこの時に買った「大阪王将の餃子」が駄目だったのがわかりました。その後いろいろ試しましたがこのようなひどい状態にはならない。これは大阪王将が駄目っていうんじゃなくて、マレーシアの流通に問題があるんでしょう。「冷凍が解けて、皮がグズグズになったものが再び冷凍された状態」。ヨメさんに怒られましたよ、「そういうものをちゃんと見ないで買うあんたが悪い」と。家庭の主婦ってそういうのをいつも確かめながら買っているんだ?と正直なところ関心しました。(笑)
それからは大袋に入っている冷凍物を見つけると、それを必ず手で持って揺すってみることに。中身がバラバラになっているものもあれば、全部固まって一つになっているようなものもある。なるほど、こういうことかとこの歳になって気がついた。(笑)
それと昔からヨメさんにしつこく言われていたのは、魚の冷凍物などの場合、「袋に空気が入っているものは絶対に買うな」ってこと。これはゴールドコースト時代もそうだったんですが、同じ商品でも空気が入っておらずピッチリしているものもあれば、空気が入っているものもあって、その場合、細かい氷のクズが多く入っているのが普通。これもやっぱり「一度解凍しちゃったものがまた冷凍されて・・」ってことなんでしょう。
これに関しては、ヨメさんに五回以上、「こういうのは買ってこないで言っているでしょ!!」と言われているので、アホな私も覚えた。(笑)
でもマレーシアに来て気がついたのは、冷凍の魚でも空気が入っているものが非常に多いってこと。そして魚は「氷で覆われてる」。なんでだろうと思ったのだけれど、これも調べてみてわかったのは「魚を冷凍する時にわざと水を入れて冷凍するケースが多い」のね。そしてその水の割合が10%とか20%とかあって、それがちゃんと表記されているものもある。10%Graze、20%Grazeとか。30%なんてのもある。
こういうのって日本では見た覚えが無いのだけれど、こうやって水分とともに凍らせたほうが「流通に問題がある場合、内容物が悪くならない」ってことらしい。つまり、まさに「コールドチェーンが発達していない国」ではこれの意味があるってことなんでしょう。でも日本ではその心配はない。
では水分が多く含まれて冷凍された魚はどうかというと、安い魚の代名詞である「Basa(マレーシアではDory)」の場合、解凍したらベチャベチャなのが普通。ある日、モントキアラのVerveにあるジャヤグローサーで見つけたBasaは、日本のようにピッタリ真空パックされおり、中には氷が入っていないのは「袋の上から触る」とわかった。
このBasaは他で売っている「解凍するとベチャベチャになるBasa」とは違って身がしっかりしていたっけ。
結局、Basaは世界中にメコン川周辺から輸出されているけれど、A級品、B級品、C級品とか、また各国の事情に合わせたパッキングをしたものがあるんでしょうね。これってBasaに限らずなんでもそうで、「日本に入ってくるのは特級品」で、マレーシアを含む発展途上国では「購買力」に合わせたレベルのものが入ってくるのは当たり前なんでしょう。
とにかく流通に問題があるのは間違いないようで、魚にしてもマレーシア周辺ではそれなりに水揚げ量があるのに、我々が見る魚はもう新鮮ではないのが普通。特にエビ類がそうで、スーパーで売っているようなエビはもうすでに黒ずみが出ていたり、ミソが臭くなっているようなのが普通。だったらすぐに漁場で冷凍してしまったほうが絶対に美味しいと思う。
でもマレーシアの漁業の実態を見るとそれは無理なのがわかるのね。下手をすれば獲った魚類は船の上に山積み(かつてはオーストラリアの漁師も似たようなのが多かった)、港に返ってすぐに氷詰めにしても時すでに遅しなんでしょう。そして残念ながら漁港に冷凍施設はないし、冷凍してもコストが上がるばかりで、刺し身で食べる習慣もなければ、多少悪くなった魚介類でも問題なく売れる市場がある。
となれば、日本みたいな扱いをするわけがない。新鮮な魚介類でも「良いものなら高くても良いという需要がそもそもない」ってこと。
マレーシアの生鮮ものを見て文句を言うのは日本人ぐらいかもね。きっとオーストラリア人は「え?なにか問題ある?」ぐらいに言うかもだ。(笑)
海外に出ると、日本の食の凄さに驚くことばかりなり。