マレーシアでは美味しくてなおかつコスパが良い牛肉を探すのが難しいと思っていますが、もう一つ問題があるんですね。
ステーキを焼くのが難しいってこと。
私はきっちり焼き目がついて、外側は厚めのクラストが出来るぐらいが好きなんですが、家でそういう焼き方をするのはほぼ不可能なんですよね。
また日本のお店で出るステーキも外側の焼き方がイマイチで、多くは火傷したみたいな焼き方だ~~~なんて思いますし。
やっぱり真っ黒に近いくらいにしっかり焼けていて、メイラード反応がばっちり出ていないと美味しくないと思う。そして焼けているところは硬い層が出来て歯ごたえも欲しい。メイラード反応ってのは旨さの元みたいなもので、タンパク質と糖質が反応して出来る焦げなんですね。醤油やミソもあの色はメイラード反応。タマネギを茶色くなるまで炒めるとカレーやシチューは美味しくなるわけで、ただ生の玉ねぎを刻んで入れましたってのとはかなり違うじゃないですか。ハンバーグもステーキも焼き鳥だってネギ焼きだってお好み焼きでさえ焦げがないなんてあり得ないでしょ。だからメイラード反応という言葉は知らなくても「いかに焦げが大事なのか」はみんなわかっている。
でもその焦げってステーキの場合は一瞬にして作れないと駄目なんですね。時間をかければそりゃいくらでも焦がすことが出来るし、よく焼けた層を厚くすることもできる。でもそんなことをしたら焼き過ぎのカチンカチンのステーキになっちゃうじゃないですか。
でも家庭で焼く場合には、高熱でも大丈夫な「キャストアイアンのフライパン」を使って、煙が出るほどに熱して焼く程度のことしか出来ない。この温度って「くっつかないフライパン」じゃ無理なんですね。コーティングが焼けて取れちゃいますから。でもそれでもどんなに頑張っても温度で言うと300度辺りまでじゃないですかね。でもこれじゃ温度がまだまだ足りない。
じゃぁ400度だ500度だなんていうと、間違いなく油、脂は燃えるわけでキッチンでやる仕事じゃないんですね。
だから庭でBBQをするわけです。500度ぐらいまでは温度をあげられますから、ステーキの焼き上がりがまるで違うのね。でも我が家はコンドで庭がない。
じゃぁプロのGrillの店ではどうしているかというと、見たこともないからわからないけれど多分もっと高い温度で焼くのかもしれない。だからしっかり焼けて香り高く焦げのクラストの歯ごたえもあって、そして中身はレア、ミディアムレアが出来る。
これはどう頑張っても家では出来ないから、プロの店に行くしかない。
これに不満を持った一人のドイツ人が家庭用のグリルを開発して発売した。なんと800度の温度まで上がる。素晴らしい~~~~~~~~。
上から熱するタイプで、レストランには大抵あるGrill(サラマンダー)と同じなんだけれど、こういう小型のものって聞いたことがない。
でも調べたらやっぱり販売しているのは欧米で、日本を含めたアジアでは売っていない。(T_T)
しょうがないですよね、アジアでは欧米人みたいに肉をガッツリ食べる文化じゃないし、売れないんだろうなぁ。
プロパンガスを使うので、パイプの口さえ合えば大丈夫なんだろうけれど・・・。
個人輸入ってのはやっぱりね~~、考えちゃいますよね。低温調理器も全く同じで、壊れたらヤバイな・・なんて思っていたらちゃんと壊れるし、高い郵送料を掛けて送り返すぐらいなら新しいのを買ってしまったほうが安いくらい。で、新型を買う羽目になりました。
でもこの手のグリルがないとどうにもならないってわけじゃなくて、私みたいな人たちは何を使っているかと言うとバーナーなんですね。
これです。
ただこれは一点だけ熱くするのは簡単なんだけれど、全体を焼くには役不足で多くの人はもっと大型の(プロパンガス使用)を使うのね。また卓上型コンロで使うガスボンベって「ブタンガス」なんですね。で、ブタンガスはその匂いが素材に着いてしまうと嫌う人も結構いる。
これはプロパンガス使用タイプ。匂いが移らない。
でも庭があって、なおかつ拘る人はもっと凄いことをやるわけですよ。普通のBBQセットではなくて、800度ぐらいまで温度があがる「チムニー」や「鍛冶屋が使う炉」みたいなのを使ったり。
しっかり焼かなくては美味しくないという前提で、どういう焼き方をしたらどうかなんていう比較動画もあります。
ポイントはいかに短時間で一気に焼くかなんですが・・・・。
火に注目するだけじゃなくて、他の方法もいろいろあるんですね。
ステーキは「常温にしてから焼け」とよく言われますが、逆にキンキンに冷えた状態で一気に焼くと「中まで火が入りすぎない」事が起きる。
また外側が乾いているとクラストができやすいですから、冷蔵庫で裸のまま1-2日放置したり、風乾で外側を乾かすとか。中華のローストポークや北京ダックも乾かしてから焼くのは同じ理由。
そしてステーキは厚くないと駄目なのね。そうじゃないとすぐ中まで火が通っちゃうから。
それを高温で一気に焼くと、香ばしくしっかり焦げて、その焦げたクラストも厚みがあって美味しい~~~~となるわけですが・・。
マレーシアではヒルトンホテルとマンダリンホテルのGrillでステーキを食べましたが、ヒルトンのGrillはさすがプロという焼き方でした。たいしたもんですが、あれってどうやって焼いているのかは全くわからず。
美味しくてコスパが良い肉がないのはしょうがないですが、焼くのは我々の問題で、どうにかならないもんか・・・。
バーナーでシコシコやるしかないのかなぁ。できることなら炭火で焼きたいんだけれど・・・。
ああ、ステーキ用に買ったキャストアイアンの鉄板ですが、これは失敗でした。カンカンに熱くするとすぐに火が着いちゃう。危なくてどうしようもない。(笑)
深さがある鍋状のものにしたほうが良かった。やってることが逆です。(笑)
美味しい焼き方をしてあるステーキはそれなりの店に行って食べろ?
それを言ったらおしまいですわ~、旦那~~。
スーパーで売っているような肉を低温調理で火の入れ方は完璧にして、それを美味しく焼いて、美味しいソースで食べると化けるから家の料理って面白いとおもうわけですよっ。
ダボはケチなだけだ・・・なんていうのも大当たりかもしれないけどさ~~~~。
こんな風に焼けたらなぁ・・・・・。
一般的なステーキの焼き方って下の画像みたいなのが多いじゃないですか。これじゃ全然焼きが足りないと私は思うわけです。
日本で流行っている「いきなりステーキ」の焼き方。
オーストラリアやアメリカではBBQが盛んですが、ただ焼けば良いってわけじゃなくて、みんな拘りを持って焼くわけですよ。BBQというとキャンプに行った時に・・と思う人が多いかもしれないけれど、拘り方がまるで違うのね。
これはアメリカ人ですが、前の日から手をかけて「美味しく焼けるように」している。焼き上がりがまるで違うのがわかりますかね。