「日本の和牛A5」のシャブシャブ用の肉を買ってきた。卸業者のアウトレット。Lot10地下の田丸屋で売っているのは「和牛」ではなくてただの「国産牛」なのがわかった。Lot10の伊勢丹は日本の経産省も税金を投入しているのに・・・

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前から行ってみたい店があったんですよ。肉や魚の輸入商、卸業者を探していた時に見つけた業者。

Unifrozenという会社。

肉類、野菜、諸々の卸業者

Facebookはここ(クリック)。

この会社がアウトレットを持っていまして、Wmartと言います。

Unifrozenのアウトレット

UnifrozenなりWmartのフェイスブックを見ると日本の和牛、オーストラリアの和牛、オーストラリアの無印牛、アメリカのプライムビーフや、鮮魚、冷凍魚類、生牡蠣、野菜、その他諸々を扱っているのがわかりますので、いつか行ってみようと思っていたのがやっと実現しました。

場所は Chan Sow Lin という街でサンウェイベロシティの近く。

思ったほど大きな店ではないのですが、結構客が入っていました。買い物かごやトロリーを見ると「プロ」のような感じ。皆さん、ごっそり買っていますから。ただこの店は「小売店舗」で、プロは入って左側にあるカウンターで手続きをしていました。割引があるんでしょう。

売り場はこんな。

洗剤などもありますが、やっぱり基本は食品。コーヒーだのジュースだの、お米だのそんなのが並ぶ棚が続いていますが、私はその辺は興味が無いので奥の方へ。

やっぱり卸商ですね。一つの量が多い。

例えば、冷凍野菜。

粉物。

フライドポテトもすごい量で激安。

肉類ですが、ラムの冷凍もの。

鶏の冷凍もの。

そして牛の冷凍もの。ここに私が欲しい、スーパーではあまり置いていないフランクやスカートがありましたが、あまり細かくは見ませんでした。とりあえず、今回は全体の雰囲気だけ見ようと。

安い肉がいろいろ。

水槽もありましたが、中には何も入っておらず、この部門は縮小する計画の様子。

一番奥に、牛肉売り場がありました。

ただ量が多い感じはなくて、種類も思ったほどじゃありませんでした。

でもオージービーフの腿肉はスーパーの物より美味しそうで、なおかつ安い(キロ単価RM38!!)。ローストビーフ用に買おうと思いましたが、今日は我慢。(笑)

安くてコスパ抜群のブレードもありました。1キロなんとRM36です。これでミンチでも作ったらかなり美味しいんじゃないですかね。次回はこれを買いましょう。

そしてありましたよ~~。日本からの和牛が。

リブロースですが、1キロRM880ですね。思ったほど安くない。でもB.I.G.よりは安い。ってそうじゃないと困りますが。

サーロイン。これも1キロRM880。

さて、この肉に貼ってあるシール、どこかで見た覚えがありませんか?

そうそう、伊勢丹はLot10の田丸屋にあった肉と同じ会社のシール。その写真を出してみましょう。

この田丸屋のサーロインステーキは236グラムでRM283。つまりキロ単価はRM1200です。

見やすいように、Wmartの肉のシールを拡大してみます。赤丸で囲んだところをしっかり見てください。Wmartのサーロインと田丸屋のサーロインは同じ日本の会社のサーロインです。「ゼンカイミート」の宮崎産。でももう少し良く見てください。Wmartのサーロインのグレードは「Wagyu A5」とありますね?では田丸屋のは?「Wagyu F1」とあります。つまり田丸屋のサーロインは交雑種(F1)で等級を付けられないんですね。だからこれを「和牛」とか「A5(などのランク)」を言ったら嘘になる。またシールの左上を見てください。Wmartの肉は「和牛」と書いてありますが、田丸屋のは和牛ではなくて「交雑種」とあります。これは和牛のハイブリッド(和牛とホルスタインとかの交雑種)ということ。日本ではこの田丸屋の肉を和牛とは呼ばない。

ここで知っておかなくてはならないことがあります。

「和牛」=「黒毛和牛」「褐毛和牛」「無角和牛」「日本短角種」の4品種だけが和牛として認められていて、その4種間の交配で生まれた牛。

「国産牛」=日本で3ヶ月以上にわたって肥育された牛、もしくは各国を巡った牛でも日本で肥育した期間が一番長ければ「国産牛」と呼ばれる。

「和牛交雑種」=ハイブリッドと呼ばれ、和牛と他の種の牛の間に生まれた牛。

マレーシアでのWAGYU=規定されていない。

A5などのランキング=脂の入り方、歩留まりなどのランキングで「美味しさを表す基準」ではない。

Wmartで売っている「本物の和牛でクラスはA5」。

田丸屋の「和牛(純粋種)ではない交雑種の国産牛でランクは付かない」。

伊勢丹の田丸屋は和牛ではない交雑種を和牛と間違えるような表記で売っている。サーロインスライスの表記は「JPN F1 BEEF WAGYU SIRLOIN STEAK」です。これを見て、「ああ、これは和牛ではなくてF1(ハイブリッド、交雑種)なんだ」とわかる客がどれだけいるんでしょうか。シールには「ISETAN」の印がありますが、伊勢丹はこのことをわかっているんですかね。

客は田丸屋じゃなくて「伊勢丹のブランド」を信用して買うわけで、これをこのまま放置するのはかなり上手くないと私は思う。

でも田丸屋は「和牛として売っていない」という立場なのかな?

そういえばLot10で「和牛祭り」みたいなことをやっていましたよね。日本から和牛を一頭買いしてそれを各レストランで提供するというイベント。もしその牛肉がこれだとしたら、かなりうまくないことを伊勢丹がやっていることになる。日本だったら「不当表示」で結構大きな問題になるんじゃないでしょうか。ましてやLot10の各レストランがそれを知らなかったとしたら、各地の有名店なのに彼らとて「不当表示に加担した」ことになるわけで、知っていてやったのか、知らずにやったのか・・・。

いやいやあの牛肉は正真正銘の和牛で、田丸屋の牛肉だけが和牛ではない国産牛だとしても、この状態ってうまくないし、ましてやLot10の伊勢丹は、日本の経産省がクールジャパンの一環で税金を投入してやっているのに、これを経産省が知ったらただじゃすまないんじゃないですか?

Wmartは本物の和牛でランクはA5。田丸屋のは和牛交雑種でランクは無し。さて、価格の違いは?上に書いたとおりです。Wmartの本物の和牛のA5より、交雑種でランクなしの田丸屋の肉は約40%高いってこと。

「和牛ではない交雑種だけれど、和牛と同じ様な美味しさの牛肉をお安く提供します」というのならわかりますが・・・。

私としてはまぁそんなもんだろうと思いますが、伊勢丹の和牛は美味しいと思って喜んで買っているマレーシアのセレブたちがこれを知ったら黙っていますかね?新聞社もこれを知ったら食いついてくるんじゃないですかね。「やっぱり田丸屋の日本の和牛は美味しいねぇ」なんて思っていた貴方、本当は和牛じゃなくても別になんとも思わないですか?

少なくとも田丸屋は「これは和牛ではなくて交雑種です」ということははっきり誰にでもわかるように明記するべきじゃないですかね。F1 Wagyuなんてインチキじゃないですか。どうぞ勘違いしてくださいと言っているようなもので、私としてはこれは確信犯だとしか言いようがない。プロなら簡単にわかることでも、我々一般消費者はF1 Wagyuがなんなのか知らないのが普通なんですから。

ところが「マレーシアには和牛もWAGYUも決まり事がないので、どんな肉をWAGYUとして売っても不当表示にはならない」ってことじゃないんですかね。(オーストラリアは基準を作った)

今の時代、和牛はオーストラリアだけじゃなくてアメリカでもニュージーランドでも生産していて、本家の和牛はそれと世界市場で戦うのは大変だと思うけれど、こんな売り方をしていると「これが本物の和牛だ」なんていう謳い文句の信用度が一気に下がりますね。ところがですねぇ、海外産の和牛(WAGYUというべきか)は実は交雑種ばかりなわけで、それと日本の(ほんものの)和牛が戦うのは不利なのは間違いがなくて、だから俺たちも交雑種で戦うってのも良いと思うんですよ。でも「これは(日本では)和牛とは呼ばない」ってことを明記して欲しい。でもねぇ、海外のWagyuは和牛じゃないわけで、「This meat is NOT 和牛 but WAGYU」なんてややこしいことは言えないし、余計なことを言えば自分の首を絞めることになるんでしょうね。

ま、伊勢丹、田丸屋がこういうことをやっているということは、レストランの牛肉って何がなんだかわからないのは当たり前って言えば当たり前なんでしょう。もしかしたら和牛ではない交雑種を和牛として売るのは常態化しているのかな?和牛とはこういう牛を指すという規定が日本にあるけれど、マレーシアには「WAGYU」はこうあるべしという決まりがないわけで、法律的には何の問題もないんでしょう。そういえばオーストラリアに「KOBE」というブランドのオージー和牛があるんですよ。それが売られる時には「KOBE WAGYU」「KOBE BEEF」として売られる。これってオーストラリアでは全く問題がないのだけれど、それを見た客は「ああ、神戸牛」なんだろうと勘違いする。日本では「神戸牛」は商標登録されていて、神戸牛とはどういう牛なのかきっちりした規定があるけれど海外では関係ない。ところで本物の神戸牛が海外で売られる時にはどんな表記になるんだろうか。「KOBE WAGYU」「KOBE BEEF」だとしたらオージー和牛と同じになってしまう。

私達が肉屋やレストランで和牛と称するものを見つけた時に、それって「和牛?それともWAGYU?」って聞かないと何もわからないって、冗談みたいな話ですねぇ。これは「日本のWAGYUです」という答えが返ってきそう。英語でその違いがわかるのか?(笑)

すくなくとも私達消費者は「WAGYU」と「和牛」の違いを知らないとならないってことですね。その違いを知らないのは消費者が悪いとなれば、伊勢丹、田丸屋が交雑種をWAGYUとして売るのは全く問題がないということになるし、和牛だと勘違いするのは消費者の問題なのか。だからもしかしたら伊勢丹も田丸屋も「和牛」という文字は一切使わないで「WAGYU」で通しているのかもね。でもそのWAGYUを使って日本人向けに「和牛祭り」とか「和牛を販売している」とか書いたら、マレーシアでは和牛、WAGYUの規定はないから法律違反では無いにしても、心情的には「騙された」ってなりますよねぇ。

マレーシア人だって「日本の和牛はまるで違う」のを知っている人も多いはずだけれど、でも彼らは【和牛ではない交雑種】を買わされているとは思っていないはず。

要はですね、我々海外に住んでいるものは和牛に関しては「純血種か」「交雑種か」という見方をすれば良いってことなんですね。日本では純血種のみが和牛と呼ばれていて、交雑種はただの国産牛でしか無い。でも海外ではどちらもWAGYUで通ってしまうわけだから、純血種(Purebred)か交雑種(Crossbred)か、そこを確かめれば良いということになる。

レストランや肉屋で、Is this Wagyu meat purebred or crossbred?と聞いてもちゃんと答えられるスタッフはいないと思うけれど。(笑)

美味しければどちらでも良いというのはわかるんですよ。でも交雑種の(日本の)国産牛に「本物の和牛の値段を払う」としたら面白くないんじゃない?自分は本物の和牛だと信じていて、実は違っていたとしても問題ない?また私だったら「(交雑種を)この肉は日本の和牛だから美味しいですよ」なんて勧められたらバカにされたのと同じで腹が立ちます。また前にも書きましたがマレーシアの和牛はイマイチ美味しくないという巷の話も、それは本物の和牛じゃないからかもしれなくて、そして交雑種にしてもあまり良くないものが入っているだろうし、また本物の和牛もたとえA5だA4だとしてもそれのランクは「美味しさを表す規格ではない」わけだからいろいろあるんでしょう。

ま、とにかく、マレーシアでも本物の和牛は売っているということ。そして「交雑種」より安く手に入れる方法もあるということ。

比較的安い部位のチャックロインもありました。これは1キロRM320だったかな。脂身が多いですが、リブロースの半額以下。

それと写真を取るのを忘れましたが、ランプもありました。これは1キロRM418。まぁまぁですね。

この肉はランプなのにサシがばっちり入っているんですよ。かなり美味しそうに見えます。肉質はサーロインやリブロースには負けるでしょうが、そこそこ歯ごたえもあって良いんじゃないですかね。

ということで、これを買うことにしました。聞いてみるとこのブロックそのまま買う必要はなくて、好きな量だけ好きに切ってくれます。私はこれをシャブシャブで食べてみようと思ったのでシャブシャブ用に切ってもらいました。

オバサンが奥ですぐ切ってくれます。そしてすぐに真空パック。

しゃぶしゃぶ用に切った肉はこれ。ランプにしては凄いサシですよね。キロ単価RM418の肉。

オバサンがサーロインが美味しいから買え買えとしつこいのでそれもちょっとだけ付き合うことに。キロ単価RM880の肉。倍の値段ですがどれほど違うのかテストが楽しみです。

オーストラリア和牛はありませんでしたが、オバサンに聞いた所、「On the way」だそうです。前に日記に書きましたが、きっと彼らの取引のあるオーストラリアの和牛を出す会社の認可が降りたのかもしれませんね。

また和牛は「リブロース」「サーロイン」「ランプ」「チャックロイン」しかありませんでしたが、(私のお目当ての)「ブレード」や「トップサイド(腿肉)」はないの?と聞きましたら、「今はないけれど入る」とのこと。ああ、そういえば「テンダロイン」もありませんでした。

このブレードやトップサイドって安い肉ですから、やっぱりすぐに売れちゃうのかもですね。ゴールドコーストではオーストラリア和牛のブレードには本当にお世話になりました。安くて美味しいんですよ。ちょっと写真を出してみましょう。

オージー和牛ですが、これ、1キロ2000円しなかったんですよ。100グラム200円以下。(笑)

このオージー和牛のブレード肉は、普通の無印牛のリブロースより安かったんです。でも美味しさはオージー和牛の圧勝。売っていたのはあるモールの中の肉屋で、そこだけでしか売っていませんでした。スーパーで並べたら飛ぶように売れるんでしょうに。でもまだまだオーストラリア人は健康志向が強くてリブロースでも「脂身がないものから売れる」のが普通で、このブレード肉をスーパーに置いても売れないのかもね。めちゃ安いってのはそういうことかもしれません。

普通の無印牛のブレードはこんな肉で、やっぱり和牛はオージー和牛でも全く違うのね。

ですから、私としてはオージー和牛でも日本の和牛でもブレードを是非探したいのです。そしてスーパーで売っている腿肉って残念な肉ですが、オージー和牛、日本の和牛の腿肉なら段違いに美味しいはず。また無印牛の腿肉はこのWmartで売っているものの方がはるかに美味しそうで安いので良いと思います。

あるいはWmartでも田丸屋と同じ「交雑種」を入れるようになるかもしれませんね。だとすれば和牛でさえ田丸屋よりやすいわけですから、それが入ってくれば田丸屋の半額程度にはなるのかも。それはそれで私としては大歓迎で、その交雑種のブレードやランプ、腿肉をどうにか手に入れたいです。

前の日記に日本和牛の輸入卸商からA4のリブキャップ(かぶり)、松阪牛のランプを手に入れて食べたリポートを書きましたが、価格はそちらのほうが安いです。でもあれから一年、どう変わったかはわからず。

また肉屋も気になる他の業者がありますので、そのうち、そこも行ってみようと思います。

例えばこんな。価格はそれぞれ1キロの価格。

この二種はオージービーフ。

インドからのサーロインです。表示されている価格は「1キロ単価」ね。

メチャクチャ安いと思いません?ただ問題は最低総額で200リンギじゃないと駄目とか。このオックステイルも買おうと思ったのですが、最低200リンギですと。つまり10キロ。冷凍庫に入らない。(笑)

でもまだ個人がここから買えるかどうかもわからない状態ですので、買うことが出来たら詳細をリポートしようと思います。

私の果てしない肉探しはこれからも続く・・・・。(笑)

今回のWmartでは魚も買ったのですが、それはまた別の機会に・・・。

 
 
 

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