「ボロネーゼ(ミートソース)」を真剣に作ってみた。でも・・・・

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これまた子供の頃からの大好物のボロネーゼ(ミートソース)ですが、久し振りに、マレーシアに来てからは初めて作ることにしました。

厳密にいうとイタリアのボロネーゼとアメリカ経由で日本に入ってきたミートソースって違うわけですが、今回はイタリア風の「肉の煮込み」に焦点を当てて作ってみました。

実は私は今風のイタリア料理って全くわからないのですが、高校生の頃に友人に連れて行ってもらった渋谷の宇田川町にあった「壁の穴」というスパゲティ屋に惚れ込みまして、高校生のくせして学校の帰りに週に一度は通うほどになりました。当時、つまり50年ぐらい前は本場イタリアのスパゲティなんて巷にはなくて、ケチャップを使ったナポリタンが全盛の時代。ミートソースやミートボールも無くは無かったですが、それはアメリカ経由で入ってきたアメリカ料理。でもその壁の穴のスパゲティは全く別世界の味で、ありとあらゆる種類のスパゲティ料理がありました。そこに通う内に面倒見の良いオーナーとも仲良くなって「支払いはツケで良いよ」なんて言葉に乗せられちゃったんですわ。調子に乗って通っていてもいつになっても料金の精算を言わないし、そのまま一年が・・・。

ある時、「親父さん、そろそろ精算しないと駄目だと思うのだけれど、すごい金額になってるよね?」と聞いた所、「お金はいらないから、ウチでバイトしないか?」と言われ、渡りに船とばかりに壁の穴でバイトをするようになったんですよ。高校生の私にできることは洗い物ぐらいですが、次第に紅茶を入れたり(コーヒーはなかったような・・)、簡単な「たらこスパゲティ」は私が準備をするようになったり。とにかく小さい店でカンターしか無くて客も10人ぐらいしか入れなかったんじゃないかなぁ。スタッフは親父さんと洗い場の私を入れて3人(4人だったかな?)だけ。今は有名で大きくなった壁の穴も、小さな小さな店でした。

当時を思い出してもイタリア料理専門店って多くはなくて、後に行くようになった飯倉の「キャンティ」とか、ピザで有名だった六本木、渋谷に店があった「カッペリーニ」とか、飯倉の「ニコラス」ぐらいだったような・・。ああ、ピザで有名な店は数件ありましたね。でもそんな程度の記憶しかありません。

高校生の私は実家が飲食店でも料理なんて全くわからなかったわけですが、小さなカウンターだけの店でバイトしていますといろいろわかるようになってくるんですね。話し好きの親父さんが本場のイタリア料理ってどう違うのかなんてウンチクを教えてくれたり、当然、客もそれを求めてきていますから親父さんと客との会話も多く、耳学問で随分勉強になりました。

このバイトが忘れられないのは、従業員のまかないのご飯なんですよ。親父さんが私に「なんでも好きなものを食べていいよ」っていうのですが、当然、こちらは遠慮するわけですよ。すると親父さんが「ステーキスパゲティ」とか「牡蠣のホワイトソースのスパゲティ」とか作ってくれて、そのうち私も調子に乗って店のほとんどのメニューは食べさせてもらいました。今思い出して一番好きだったのはボンゴレなんですが、太ったアサリとシメジがほんとに美味しかった。

しかしなんであの親父さんが私にそれだけ良くしてくれたのか、今考えても全くわからず。バイトを辞めてから何年も経って社会人になってもおかしな付き合いは続きました。でもある日、その親父さんは急死。

バイトと言っても作り方までしっかり見て覚えるなんてことはなかったわけですが、イタリアのボロネーゼとアメリカ経由で日本に普及したスパゲティミートソースは違っていて、ボロネーゼは結構面倒な料理だということだけはわかった。

ジジーになってからそんなことを思い出して、いつものようにユーチューブでイタリア人のレシピを探して自分で作るようになりました。でもやっぱりいろいろあって、昔からの伝統的なボロネーゼがどうあるべきかはわからない。使うスパイスも様々なのね。

好きなように作ればよいわけですが、ジジーの趣味の調理実験としては「伝統的なものに近づけたい」という気持ちがあります。でもそもそも料理の基本がわかっていませんから勝手流になるだけ。

まずはお約束のミレポア炒め。タマネギ、人参、セロリはかなり細かくします。最終的にそれらのチャンクが目立たないようにする。ああ、それとニンニクを少々。

後にしっかりじっくり煮込みますので、分厚い鉄鍋のStaubを使いました。オリーブオイルとバターと半々ぐらいで、しっかり炒めます。でもキャラメライズするまではやらない。そしてそこにトマトペーストを入れてまた炒める。

牛肉ミンチを入れますが、ボロネーゼソースを多めに作って冷凍をしておこうと思ってますので、ミンチも大量。全部で800グラムぐらいでしょうか。

これを入れてしっかり炒めます。

でもこの時に、なんか変だなぁと思ったんですよ。ミンチがかたまりのまま焼けるぐらいがよいのですが、なんだかいやにベチャベチャしているんですわ。ミンチらしくコロコロにならない。

でもそのまま進めることに。水気が飛んだ頃に、ミルクを入れます。これも水気が飛ぶまで炒める。

そして赤ワイン(白ワインを使うのが伝統らしい)を入れて、また水気が飛ぶまで炒める。

でもやっぱり変で、まとまりがなくてドロリとした感じ。なんなんだこれは?

次にトマトピューレを入れますが(入れないレシピも多くそれが伝統らしい)、家にあったのはダイスになった缶詰。これを二缶投入し、煮込みます。調味料・ハーブですがあまりスパイスが効いたものは好きではないので(特にヨメさん)、塩コショウ、ベイリーフ、ナツメッグ少々、そしてバジル。味の調整にはウースターソース、ケチャップ。

これが沸騰してきたらかなりの弱火にして延々煮込むのですが、やっぱり変なんですよ。全体が「お粥」みたいな感じ。なんでこんなにドロドロしているんですかね。

そのまま煮込むことにします。目標は3時間。ガス台ではなくてIHを使いました。

火力は一番弱い「1」にしましたので安心していたのですが、放置して1時間もしない内に、ヨメさんの「焦げ臭いわよ~~~~~~」で駆けつけてみると、下のほうが焦げ付き始めていました。当たり前っていえば当たり前でドロッとしたものを火にかけて放置すれば焦げますよねぇ。

しょうがないので、大きな鍋に移し替えて作業は続けることに。

でもデロデロなのは同じで、ヘラですくってみるとミンチのツブツブがイヤに小さいんですよ。これってミンサーでミンチにするときに極小のダイスで何度も掛けたみたい。それこそすり鉢ですりつぶしたのか?みたいな。これじゃ流動食、離乳食だわ。

当然食べてみても「ミンチの歯ごたえが無い」んですね。そして牛肉の風味も殆ど無い。牛ミンチは800グラム使っているのになんだこれ?これじゃボロネーゼの本来の「肉の煮込み料理」にはならない。

ジグ~~~~~。ミンチがおかしかったのか?

ダボ 「おーーい、これ失敗だわ」

ヨメ 「えーーー、なんで?どうするの?」

ダボ 「こんなの意味がないから捨てる!!」

ヨメ 「えーー、嘘でしょ?」

ダボ 「えへへ、嘘に決まっているだろうが~。でもどうしようか・・」

ヨメ 「別に良いんじゃない?」

ダボ 「ちょっと買い物に行ってくるわ」

ということで急遽、火を止めてパブリカのB.I.G.に行きました。牛肉を買うためにです。(笑)

高い肉を使う必要もないので、とりあえず安いキューブ状のものを買ってきました。

これっぽっちの量をミンチにするためにフードプロセッサを使って・・・。フードプロセッサを洗うのも面倒なのに。(ミンサーもあるのですがミンサーはタコなのでFPをつかうことに)

この肉をそのまま投入するわけにもいかず、これはこれで別に炒めて投入。

使った肉の総量は1.2キロ以上になりましたし、また味の調整をやらないとなりません。ったくよ~~~、面倒くさい。

そして焦げ付かないように、つきっきりで延々混ぜ続けることに・・・。(T_T)

やっとボロネーゼらしくなってきました。ヘラですくってみるとこんな感じ。

先程はこれ。

でもねぇ、肉が多すぎるくらい入っているのは間違いがなくて、細かいミンチが「粉のように感じる」わけですよ。これじゃ全く駄目。

でもしょうがないし、スパゲティで食べるだけじゃなくてミートパイにも使おうと思って納得することに。

どうもボロネーゼってパスタは幅広のタッリアテッレを使うらしいですが、そんなの知らないし見たこともないぞ~~~~。でもタッリアテッレはイタリア北部の呼び名で南部ではフェットチーネなんですと。それならある。\(^o^)/

茹で加減ですが、マレーシアは茹ですぎの離乳食みたいに柔らかいのが多く、その反動もあって今回はあえてアルデンテもアルデンテ、かな~~り硬めに茹でました。

そしてチーズですが、いつもならあの世界中にある「粉のパルメザンチーズ」を使いますが、今回は塊の「パルメジャーノレッジャーノ」をおろして使うことに。ハーブはやっぱりバジルが合うと思うなぁ。

美味しい・・・・。

細かいミンチが舌にあたるのが邪魔くさい感じがありますが、味のない安いマレーシアの牛肉でもきっちり牛肉のボロネーゼという感じは出ています。それとやっぱりパルメジャーノレッジャーノって随分違いますね。風味が豊か。

ボロネーゼって一般的なミートソースみたいに水分が多くないのが普通で、パスタと和えるものだと。そしてトマトはミートソースに比べて少なめ。

アメリカ経由で日本に入ってきて普及した一般的な「ミートソース」。

イタリアの一般的なボロネーゼ。

ネットを調べてみますとウンチクも色々で面白い。

またボロネーゼはミートソースではないぞ~と違いを全面に出したボロネーゼ専門店まで出てきているとのこと。日本って凄いですねぇ。

ま、ジジーの趣味で作るボロネーゼはこれが限界でしょう。

問題は美味しいかどうか。

美味しかったので良しとしましょう。でも点数は65点程度でしょうか。(笑)

しかし、B.I.G.の牛肉ミンチがなぜあそこまで細かくしてるのかが不思議。

でもま、牛肉ミンチはハンバーグにしたりミートボールにしたりするのが多いのかもしれないし、それなら口当たりが優しい「ツブが小さい」方が好まれるのかもね。それとも硬くてどうにもならない牛肉だからあそこまで細かくしたのか。

このミンチは味的には牛肉らしさがまるでなくて、後に足したカット肉が味を出してくれたから良かったものの、私としてはもうあの牛ミンチは買わないことにします。そもそも家でいつも肉の塊からミンチを作るのが習慣なのに、どうして今回、出来合いのミンチを買ってしまったのか・・・。

このボロネーゼって元はミンチを使わないみたいで、「コマ切れ」の肉を使って、肉の歯ごたえと旨味を十分感じられるようにするのがキモのような気がします。

そういう意味じゃ、今回の私のボロネーゼって中途半端なんでしょうね。どっち付かずで、次回はミンチを使わないで、そしてちょっくら良い肉でやってみますかね。あるいは普通のミートソースも好きですから、トマトソース味を全面に出して簡単に仕上げて作るのも良いと思う。

ということで今回の結論としては「失敗」とするしかなさそうです。

 
 
 

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